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M-Tea*3_38-春雪の出羽路の三日 喜田貞吉 - (2011/04/29 (金) 01:07:20) の編集履歴(バックアップ)


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M-Tea*3_38-春雪の出羽路の三日 喜田貞吉

2011.4.16 第三巻 第三八号

春雪の出羽路の三日
喜田貞吉

思いのほかの雪中旅行 / 箱雪車(はこぞり)とモンペ / 後三年駅 / 江畑新之助君 / タヤとラク / 防壁と立薦(たつごも) / 雪の金沢柵址 / 金沢八幡社のお通夜 / 仙北の俘囚(ふしゅう) / 山形泰安寺——秋元家の巾着寺 / 庄内の獅子踊りと神楽、サイドウ / 山形県の史跡調査について / 山形城址 / おばこ踊り / 羽黒の裸祭

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【週刊ミルクティー*第三巻 第三八号】
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(716KB)

定価:200円 p.174 / *99 出版
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(103項目)p.602
※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。

※ オリジナル版に加えて、ミルクティー*現代表記版を同時収録。
※ JIS X 0213・ttz 形式。
※ この作品は青空文庫にて入力中です。転載・印刷・翻訳は自由です。
(c) Copyright this work is public domain.


飛び出せ! 週刊ミルクティー*


 昨年〔大正十一年(一九二二)〕十一月にはじめて出羽の踏査に着手したその続きを、この春の休暇中にやってみたいと思っているおりから、山形県史跡名勝天然記念物調査委員会の開会式がおこなわれるので、やって来ぬかと理事官の有吉君から言ってこられた。これ幸いと、さきにご厄介になった庄内の阿部正己君に、同地方遺跡踏査のご相談におよぶと、このころはまだ雪が深くてとてもダメだとのお返事だ。冗談じゃない、こちらではもう桜が咲きかけているころだ。同じ本州のうちでも奥羽地方となるとそんなにまで様子が違うものか、これは一つ、遺跡踏査よりも雪の春景色を見たいものだ。それには庄内方面よりもいっそう雪の深かりそうな羽後の仙北地方がよかろう。かねて見たいと思っている後三年の役の遺跡・金沢柵址を、雪の中に見てまわるもおもしろかろう。ついでに、久しくお目にかからぬ紫水生・深沢多市君をもお訪ねしたい。(略)

 十二時すこし前に後三年駅で下車すると、改札口に深沢君が待っておられる。(略)
 自分らのソリの通っている下はことごとく水田で、道路も用水路もかまわず、好きなところを好きな方向に、勝手に道を作ってその上を進んで行くのだ。農夫は朝早くからソリで肥料を運搬して、各自、自分の地面と思うところへそれを分配している。まちがえて他人の地面に置いて行くことはなかろうかと、他目には案じられるが、遠方の立木や山などの見通しで見当をつけて、自分の地面をまちがえるようなことは決してないそうな。なんでもこの雪国では、雪の上の交通を利用して、その期間になるべく物を運んでおくのだという。材木を載せたソリ、砂利を載せたソリなど、いくつも縦列をなして通っている。土木工事の材料を、今のうちに軽々と運んでおくものらしい。雪の多いときには、一人で十数俵の米を運ぶのも容易だという。他所にあって考えたときには、雪に閉じこめられた地方の人々は、さだめてその期間禁足の憂き目を味わって、薄暗い家の中にのみ数か月間を閉じこめられているのかと気の毒にも思っていたが、その時がかえって交通に至便なのだとは、雪にもやはり利用の道があるものだ。

3_38.rm
(朗読:RealMedia 形式 548KB、4'26'')
milk_tea_3_38.html
(html ソーステキスト版 260KB)

喜田貞吉 きた さだきち
1871-1939(明治4.5.24-昭和14.7.3)
歴史学者。徳島県出身。東大卒。文部省に入る。日本歴史地理学会をおこし、雑誌「歴史地理」を刊行。法隆寺再建論を主張。南北両朝並立論を議会で問題にされ休職。のち京大教授。

◇参照:Wikipedia 喜田貞吉、『広辞苑 第六版』(岩波書店)。


底本

底本:『喜田貞吉著作集 第一二巻 斉東史話・紀行文』平凡社
   1980(昭和55)年8月25日 初版第1刷発行
初出:『社会史研究』第9巻第6号
   1923(大正12)年6月
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1344.html

NDC 分類:212(日本史/東北地方)
http://yozora.kazumi386.org/2/1/ndc212.html
NDC 分類:915(日本文学/日記.書簡.紀行)
http://yozora.kazumi386.org/9/1/ndc915.html


難字、求めよ

有吉君 山形県史跡名勝天然記念物調査委員会の理事官。
新墓 しんぼ?
スノーセット
金沢八幡社 金沢山八幡神社か。
車駅
経塚山
糸ナデ 石器。
血穢
大正村西松本 大和御所町。現、奈良県御所市。
前川増吉
『金沢史叢』
丹彩
『後三年絵巻』 『後三年合戦絵詞』か。
ニガタ節
金沢氏
歌かがい うたかがい?
民夷
蝦狄
泰安寺 山形。
山形ホテル もと秋元家の泰安寺の跡。
就封 襲封(しゅうほう)か。
サイドウ 柴灯・斎灯か。
松嶺町 まつみねちょう?
大沼 飽海郡松嶺町。
棒方 ぼうかた?
松嶺の本町・新町
三叉鉾
疫送り えきおくり? 病送(やまいおく)り?
布及 普及か。
千歳亭
四山楼
酒田山王山
細谷則理 羽後平鹿郡。
加藤将義
高橋栄

むしとりホイホイ

座敷団 → 座蒲団(ざぶとん)か。
加藤(直純) → 伊藤直純か。
川辺郡 → 河辺郡(かわべぐん)。
御物川 → 雄物川(おものがわ)。

いずれも本文は修正せず、編注をほどこした。
文中の「土人」もそのままとしました。
ほかに、

這入って → 入って
荘内 → 庄内

を、右辺に変更。

年表

七二九〜七四九(天平年間) 出羽陸奥南部の蝦夷を征して雄勝の道を通じ、最上郡からただちに御物川〔雄物川〕の上流に出る。
八七七〜八八五(元慶) 当時なお仙北の地には、少なからず生蕃がいた。
八八〇(元慶四) 出羽の国司、上言。これに対し、勅して一年の復を賜い、不動穀六二〇〇石を三郡の狄俘八〇三人に給した。
九〇一〜九二三(延喜)前後〜 地方の政治はなはだしく紊乱。奥州においては蝦夷の族勢力を回復して、いったん設置した郡までが夷地に没入する。

一〇五一〜一〇六二 前九年の役源頼義義家父子が奥羽地方の豪族安倍頼時とその子貞任宗任らを討伐した戦役。平定した1062年(康平5)まで、実際は12年にわたって断続。後三年の役と共に源氏が東国に勢力を築く契機となる。前九年合戦。
一〇八三〜一〇八七 後三年の役。奥羽の清原家衡武衡と一族の真衡らとの間の戦乱。前九年の役に続いて1083年(永保3)より87年(寛治1)の間に起こり、陸奥守源義家が家衡らを金沢柵に攻めて平定。後三年合戦。

一一八九(文治五) 源頼朝奥州征伐

一六〇四(慶長九) 佐竹義宣、社殿改修の時の棟札に「出羽国六个郡之鎮守」。
一六二二(元和八) 最上氏改易。
一六六四(寛文四) 郡名整理。おおいにその実際を誤る。
一七六七(明和四) 秋元家、武州川越から六万石で山形に移る。
一八四五(弘化二) 秋元家、上州館林に転じる。水野家、五万石で浜松から山形に転封。

一九二二(大正一一)一一月 喜田貞吉、はじめて出羽の踏査に着手。
一九二三(大正一二) 喜田「庄内雑事」『社会史研究』一月号。
一九二三(大正一二)一月二八日 大和御所町における差別撤廃講演。
一九二三(大正一二) 山形県史跡名勝天然記念物調査委員会の開会式。

スリーパーズ日記

 司馬遼太郎『街道をゆく 26 嵯峨散歩、仙台・石巻』(朝日新聞社、2005.4)久しぶりに読み返す。仙台の旅を、司馬さんは阿武隈川の河口・荒浜から始める。

 入りそめて 国ゆたかなる みぎりとや
  千代とかぎらじ せんだいのまつ  政宗

チャリティー状況(2011.4.24 現在)

出品数: 2個
販売数: 0個
売上金: 0円 です。



2011.4.24:公開 八面玲瓏。
2011.4.29:更新
サンシュユ、レンギョウ、スイセン、ムスカリ、ハクモクレン。
♪わたしたち、お別れなんですね……
目くそ鼻くそ、おおいぬの陰嚢。しだひろし/PoorBook G3'99
転載・印刷・翻訳は自由です。
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  • NDC 分類の URL が間違っていたので、修正、ファイルをさしかえました。 -- しだ (2011-04-25 00:18:52)
  • 復興構想会議のページを見るも、議事録が見あたらない。 -- しだ (2011-04-25 12:39:56)
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