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ミルクティー*No.26〜 - (2009/02/01 (日) 12:52:34) のソース

*週刊ミルクティー*第26号〜

※ オリジナル版に加えて、ミルクティー*現代表記版を同時収録。
※ JIS X 0213・ttz 形式。
※ この作品は2009年1月24日現在、青空文庫にて校正待ちです。翻訳・朗読・転載は自由です。
(c) Copyright is public domain.


*2009.1.31 第二八号
幸田露伴 墨子(三)
|COLOR(red):月末最終号:無料| p.81 / *99 出版|
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(78項目)p.395

 『荘子』が墨家を評して、「その生けるや勤め、その死するや薄く、生きて歌うたわず、死して服せられず、桐棺三寸にしてしかも椁(かく)なく、その道や大(たいかく)、人をして憂いしめ、人をして悲しましむ、そのなしがたきを行なうや、そのもって聖人の道となすべからざるを恐れ、天下の心に反す、天下堪えずんば、墨子ひとりよく任うといえども、天下をいかにせん」といったは実に適評で、大(たいかく)というのは「うるおいのない」ということである。墨子の道は悪(あ)しからずといえども、「うるおいのない」ことはあらそえない。ただしい説でもあり善(よ)い教えでもあろうが、ひとくちにいえば野暮なことで、天下堪えず、墨子ひとりよく任うといえども天下をいかにせん、といったのはさすがに洒落者の巧みな論破ぶりである。
([[朗読:RealMedia 形式>28.rm]] 176KB、1:24秒)

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[[週刊ミルクティー*第28号>http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=104&file=milk_tea_28.zip]] ※ ダウンロードを開始します。 
(432KB) 


*2009.1.24 第二七号
幸田露伴 墨子(二)
|COLOR(red):定価:200円(税込)| p.90 / *99 出版|
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(78項目)p.395

 『墨子』の道とするところは孔子の道とするところとは何としても異なっている。しかし古(いにしえ)より儒墨といい、または孔墨と併べ称したのはなぜであるか、それは『淮南子(えなんじ)』がいったとおり、両者いずれも先聖の術をおさめ古王の道によったからで、孔子とはその執(と)るところが異なったとはいえ、墨子もまた孔子と同じく尭舜禹湯文武を称したのである。墨子もまた孔子と同じく『詩』『書』を称したのである。墨子は、吾(われ)かつて百国の春秋を見るといい、またその蔵書のはなはだ多かったことを本書に記されている。墨子もじつに孔子と同じく古(いにしえ)をまなび史によりて、そして所信を立てているので、我流に一家の見を立てたのではない。
([[朗読:RealMedia 形式>27.rm]] 152KB、1:13秒)

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[[週刊ミルクティー*第27号>http://www.dl-market.com/product_info.php?products_id=24721]] ※ ダウンロードサイトへジャンプします。 
(432KB) 


*2009.1.17 第二六号
幸田露伴 墨子(一)
|COLOR(red):定価:200円(税込)| p.96 / *99 出版|
付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(70項目)p.364

 墨子の学のおおいに一時に勢力のあったことは孔子系の孟子・荀子らがこれを駁撃しているのでも明白で、軽視しておけぬほどに当世に威炎を有したればこそ孟子・荀子らがこれに対して筆舌を労したのである。それのみならず人間の善悪を超越し是非を忘却するようなことを理想としたかのごとき荘周でさえも墨家に論及し、それからまた手厳しい法治論者の韓非までも墨家を儒家とならべて論じている。これらの事実はみな墨子の学が少なからざる力を当時に有していたことの傍証であって(略)『墨子』の本書に、墨子の弟子禽滑釐(きんかつり)ら三百余人が墨子の道のために守禦の器を持して宋のために楚を防がんとしたことが、「魯問篇」に見えているし、(略)かくのごとくに墨子の弟子または再伝三伝の弟子を二千年前の昔に指摘しうることは、墨子の道の盛行したことを語るものでなくて何であろう。
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([[朗読:RealMedia 形式、180KB、1:27秒>26.rm]])

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[[週刊ミルクティー*第26号>http://www.dl-market.com/product_info.php?products_id=24146]] ※ ダウンロードサイトへジャンプします。 
(428KB) 

幸田露伴 こうだ ろはん
1867-1947(慶応3.7.23-昭和22.7.30)
 本名、成行(しげゆき)。江戸(現東京都)下谷生れ。小説家。別号には、蝸牛庵(かぎゅうあん)、笹のつゆ、雪音洞主、脱天子など。『風流仏』で評価され、「五重塔」「運命」などの作品で文壇での地位を確立。尾崎紅葉とともに紅露時代と呼ばれる時代を築いた。擬古典主義の代表的作家で、また古典や諸宗教にも通じ、多くの随筆や史伝のほか、『芭蕉七部集評釈』などの古典研究などを残した。第1回文化勲章受章。娘の文は随筆家。
◇参照:Wikipedia。


公開:2009.1.17
更新:2009.2.1
しだひろし/PoorBook G3'99
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- 守禦の器の「器」を「うつわ」と読みましたが、ここはおそらく武器や兵器の意味で「キ」のほうがあっている気がします。  -- しだ  (2009-01-20 23:04:51)
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