*M-Tea*4_1-日本昔話集 沖縄編(一)伊波普猷 *2011.7.30 第四巻 第一号 日本昔話集 沖縄編(一) 伊波普猷 前川千帆(絵) 序にかえて 琉球編について 一、沖縄人のはじめ 二、巨人の足あと 三、三十七岳の神々 四、アカナァとヨモ 五、黄金の木のなるまで &image(http://www.dlmarket.jp/images/uploader/620/4_1-1.png,http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=295&file=milk_tea_4_1.zip) &image(map_4_1_okinawa1.png) &image(map_4_1_okinawa2.png) [[【週刊ミルクティー*第四巻 第一号】>http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=295&file=milk_tea_4_1.zip]] (http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=295&file=milk_tea_4_1.zip) ※ クリックするとダウンロードを開始します。 (588KB) &color(red){月末最終号:無料} p.118 / *99 出版 付録:別冊ミルクティー*Wikipedia(22項目)p.176 ※ DRM などというやぼったいものは使っておりません。 ※ オリジナル版に加えて、ミルクティー*現代表記版を同時収録。 ※ JIS X 0213・ttz 形式。 ※ この作品は青空文庫にて入力中です。転載・印刷・翻訳は自由です。 (c) Copyright this work is public domain. *うみうま! 週刊ミルクティー* 地上には、草や木はもちろんのこと、鳥や獣(けもの)というては一匹もいなかった大昔のことです。その時分、沖縄島の上には、霞(かすみ)がかかったように、天が垂(た)れ下がっていて、天と地との区別がまったくありませんでした。しかも、東の海から寄せてくる波は、島をこえて西の海に行き、西の海の潮は、東の海に飛びこえて渦を巻いているという、それはそれは、ものすごいありさまでした。 それまで天にいられたアマミキヨ、シネリキヨという二人の神さまは、このありさまをごらんになって、 「あれでは、せっかく作り上げた島もなにもならん」 とおっしゃって、さっそく天上から土や石や草や木やをお運びになって、まず最初に、海と陸との境をお定めになりました。 二人の神さまは、それから浜辺にお出でになり、阿旦(あだん)やユウナという木をお植えつけになって、波を防ぐようにせられました。それからというものは、さしもに逆巻いていた、あの騒がしい波も飛び越さなくなり、地上には草や木が青々としげって、野や山には小鳥の声が聞こえ、獣があちこち走るようになりました。地上がこういう平和な状態になったときに、二人の神さまは、今度は人間をおつくりになりました。そして最初は、鳥や獣といっしょにしておかれました。人間は、何も知らないものですから、鳥や獣とあちこち走りまわっていました。ところが人間に、だんだん知恵がついてきまして、今までお友だちだった鳥や獣を捕って食べることを覚えたものですから、たまりません。鳥や獣はびっくりして、だんだん、山へ逃げこんでしまうようになりました。 (「巨人の足あと」より) #ref(4_1.rm) (朗読:RealMedia 形式 396KB、3'13'') [[milk_tea_4_1.html>http://www33.atwiki.jp/asterisk99?cmd=upload&act=open&pageid=295&file=milk_tea_4_1.html]] (html ソーステキスト版 152KB) 伊波普猷 いは ふゆう 1876-1947(明治9.3.15-昭和22.8.13) 言語学者・民俗学者。沖縄生れ。東大卒。琉球の言語・歴史・民俗を研究。編著「南島方言史攷」「校訂おもろさうし」など。 前川千帆 まえかわ せんぱん 1888-1960(明治21.10.4-昭和35.11.17) 版画家・漫画家。本名金三郎。旧姓石田。京都市下京区生まれ。(人名)/「あわてものの熊さん」が人気を得た。版画作品に「工場風景」「野遊び」など。(人レ) ◇参照:Wikipedia &link_wikipedia(伊波普猷){伊波普猷}、&link_wikipedia(前川千帆){前川千帆}、『広辞苑 第六版』(岩波書店)、『日本人名大事典』(平凡社)、『人物レファレンス事典』(日外アソシエーツ、2000.7)。 底本:『日本昔話集(下)12』復刻版 日本兒童文庫、名著普及会 1981(昭和56)年8月20日発行 親本:『日本昔話集(下)』日本兒童文庫、アルス 1929(昭和4)年4月3日発行 http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person232.html NDC 分類:K913(日本文学/小説.物語) http://yozora.kazumi386.org/9/1/ndck913.html *難字、求めよ 三十七岳 さんじゅうななたけ 御嶽(うたき)の総称か。 アアマンチュウ アカナァ アカリヤザガマ。 ヨモ クガニィ ミカンの一種。 *スリーパーズ日記 「聴」は「聞」にかえました。 ・今帰仁村 なきじんむら/なきじんそん ・久志村 くしむら/くしそん ・玉城村 たまぐすくむら/たまぐすくそん 村名の読みは底本のとおり左辺のままとしました。 「琉球編」と「沖縄編」の混用は底本のとおり。じつに興味ぶかい。 一、沖縄人のはじめ ……古宇利島、月、モチ、海馬、子孫繁栄。 二、巨人の足あと ……沖縄島、荒天、アマミキヨ、シネリキヨ、巨人。 三、三十七岳の神々 ……玉城村、波上、瓶、小人、三十七岳、御嶽か。 四、アカナァとヨモ ……月男と猿、桃、月。 五、黄金の木のなるまで ……兄弟、貧富、犬、黄金の糞、クガニィ。 モチーフをピックアップしてみた。 イザナギ・イザナミによる国産み神話にくらべて、「霞がかかったように、天が垂れ下がっていて、天と地との区別がまったくない」「東の海から寄せてくる波は、島をこえて西の海に行き、西の海の潮は、東の海に飛びこえて渦を巻いている」「天上から土や石や草や木やをお運びになって、まず最初に、海と陸との境をお定めになった」のように、描写がよりこまかく、過去の大きな気候変動による海進と海退の様子を記録しているようにも読める。 月とモチ。 アマミキヨが女神でシネリキヨが男神(『日本国語大辞典』より)。 小人。北海道のコロボックル、本州のスクナビコナとともに来訪神である点が共通。前二者が知恵者であるのに対して、この小人神は王の血統であることを述べ、御嶽(うたき)三十七祠の神としてまつられる点に注意。 ついでに。アカナァとヨモ。「ある年の三月のことです。庭の桃の木が、枝もたわむくらいに、大きなみごとな桃が鈴なりになって……」。桃の節句といえば三月だけれども、沖縄の桃は三月にみのるのか疑問。 サイトの css をいじくる。 html と css のリファレンスブックをはじめて熟読する。リストタグは T-Time にも応用できそうなので div タグを書き換える。テキストの大幅なダイエットに成功。font タグはもっとリストラできそう。 2011.8.2 0:00 静岡伊豆・中部5弱。M6.1。天童でも60秒後に極微弱。 2011.8.4:公開 八面玲瓏。 はまぼう、おおはまぼう。さるすべり。三月の桃。 目くそ鼻くそ。しだひろし/PoorBook G3'99 転載・印刷・翻訳は自由です。 カウンタ:&counter() ---- #comment