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【エーチーム噂】主演・秋山菜津子「欲望という名の電車」…演出・松尾スズキ


“名作への気負いなし”


「秋山さんあっての企画です」と話す松尾スズキ(右)と秋山菜津子 米国の劇作家テネシー・ウィリアムズの代表作「欲望という名の電車」が松尾スズキの演出、秋山菜津子の主演で4月12日から5月1日まで、東京・渋谷のパルコ劇場で上演される。(祐成秀樹)

 東日本巨大地震が発生した時、松尾は普通に道を歩いていたという。「血管が切れたかと思った。でも周りの人もオタオタしているので俺だけおかしいんじゃないと気付いた」。稽古は2日間中止になったが、再開した14日に取材することができた。「あの時の感想を求められても、まだ言葉に出来ないんですよ」


 今回は「近代演劇の金字塔」と称される名作に挑む。没落農園の娘ブランチは妹を頼りに米国南部にやってくるが、粗野な妹の夫と対立して精神を病む。欲望と死、夢と現実など人間の本質を対置によって描く。ブランチ役は岸田今日子、栗原小巻、大竹しのぶら歴代の名女優が演じてきた。「彼女の魅力は華やかさと、か細さが一体化していること。狂気を演じるのは、下手するとあざとくなるので難しい。絶妙なバランスで出来るのは秋山さんしかいない」と松尾。


 「うれしいですね」と笑う秋山は実力派女優だ。野田秀樹、三浦大輔、いのうえひでのりら、あらゆるタイプの演出家の作品で存在感を発揮する。「大変な役だとは思いますが、気負いはありませんね。先生のブランチを見ていたら感想は違うと思いますが」

 松尾にも気負いはない。「高尚な作品と見る風潮もあったが、作者と僕が芝居に求めるものは近いように感じる。美しいものに憧れながら破綻を繰り返したり、出てくる人が誰もどこか抜けていたりとか」。演出に際しては詳細なト書きに従う。「細かさに意味があると思う。演出家として仕事する以上は徹したい」

 松尾は劇団「大人計画」主宰。人間の暗部を苦い笑いで描く戯曲で知られるが、「自作だけでは息が詰まる感じがする」と話し、最近は名作「キャバレー」、野田秀樹の「農業少女」など他人の戯曲の演出に力を注ぐ。俳優としては、NHKドラマ「TAROの塔」で美術家の岡本太郎役を熱演中だ。「作家、俳優、演出家と全ての仕事で認めてもらうキャンペーン中なんです」

 「私は翻訳劇キャンペーン中なんですよ」と秋山。本作を始め「タンゴ」「大人は、かく戦えり」など話題作への出演が続く。「翻訳劇を演じる時、日本との距離を感じることがありますが、縮める作業が楽しいですね」。池内博之、鈴木砂羽らも出演。

鬼才が魅せる、近代演劇の金字塔

 「欲望」という名の列車にのって、ブランチ(秋山菜津子)は、妹・ステラ(鈴木砂羽)の住むニューオーリンズにやってきた。二人は南部の地主階級にうまれながら、いまや、家屋敷も失い、ブランチは教師の職も失った。狭いステラのアパートに居候するブランチは、妹の夫・スタンリー(池内博之)とたびたび衝突するが…。

 ブランチ役には、日本を代表する舞台女優・秋山菜津子、そしてスタンリー役には近年、圧倒的な存在感を見せる池内博之、そしてステラ役には、舞台に映像に活躍中の鈴木砂羽が演じるほか、豪華キャストが出演します。生々しいまでの人間の“生”描いた、近代演劇の金字塔に鬼才・松尾スズキがどう挑むのか?演劇ファンでなくても楽しみな舞台です。