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高校三年――8月インターハイ前半

【高校三年 ―― 8月第二週】

京太郎「(あれから数日、松実館での特訓続きだったけど…)」

京太郎「(毎日、宥さんに添い寝して貰ってたお陰かな)」

京太郎「(ここ最近、ずっと身体に残ってた疲労が全部消えた)」

京太郎「(お陰でコンディションは今までにないくらいに高い)」

京太郎「(今ならなんだって出来そうなくらいだ)」

京太郎「(…ま、代わりに性欲がやばい事になってるけどさ)」

京太郎「(栄養ドリンクのみっぱなしでまったくそういうの発散していなかったからなぁ…)」

京太郎「(ちょっとエロい事考えただけで、すぐに勃ってしまいそうになってる)」

京太郎「(…特に宥さんや玄の事考えただけで…うっ…)」

京太郎「(や、やばい…そろそろ試合なのにまた勃つところだった…)」

京太郎「(流石に勃起してた所為で試合出れませんでしたなんて笑い話にもならないからな)」

京太郎「(とりあえず精神統一して…)」
















α「よう。我が同志ゼロよ」

京太郎「…なぁ、β」

β「俺に振るなよ…」

α「どうした二人とも?」

α「今日は深淵たる宴の準決勝なのだ」

α「限界までフィールを高めていこうではないか!」

W「なんか良く分かんないけどすげー!」キラキラ

Y「…また発作ですか」

β「あぁ、最近は大人しくなってたはずなんだけどな…」

β「まぁ、そんだけこの面子でここまで来れたのが嬉しいって事なんだろ」

α「ふぅはははー!たぎる!たぎるぞ!我の身体に深淵の力が集まるのを感じるゥゥ!!!」

京太郎「…最早、そういうレベルじゃない気がするけどな」














α「何、貴様、今、我が姫君、エウシュリアが可愛いと言ったな?」クルッ

β「やだこいつもー…」

α「ふむ、同志にそのつもりがあるのならば、仕方がない」

α「我が姫エウシュリアの可愛さを記念してここにサバトの会場を開こう!」

α「ともう開いているではないか」

α「仕事が早いな」ウンウン

α「やはりそれだけ我が姫エウシュリアの美しさが飛び抜けているということか」

α「彼女は最早、女神!いや、唯一神だからな!」

α「いわば彼女の可愛さを記念して作られたここは神殿!」

α「さぁ、ここに神殿を建てよう!!」

京太郎「誰かコイツ止めてくれ…」


















β「ま、バカはほっといてミーティングするぞー」

W「神殿パネーエウシュリア様パワースゲー」

Y「…二名ほど脱落していますが」

β「ほっとけ。あいつら基本脳筋だからやる事一緒だしな」

β「テクニカルにやる事やる俺らはクレバーに仕事をこなすのさ」

京太郎「んじゃ、クレバーなβ君は準決勝どうする?」

β「ま、何時も通りだろ」

β「須賀が削って、Wが抉って、俺が整えて、Yが抑えて、αが仕留める」

Y「…という事は今回も?」

β「あぁ、基本は手加減だ」

β「決勝にはインターハイ2連続チャンプに輝いた江藤が率いるチームとぶつかるからな」

β「出来るだけ手の内は晒したくない」


















京太郎「ま、基本、Wとαはイケイケだけどな」

β「あいつらに手加減なんて高度な真似が出来るなんて期待してないしそれで良いんだよ」

β「大事なのは俺達が最高の状態で後にバトンを渡す事、そうだろう?」

京太郎「…だな」

Y「了解」

β「ま、準決勝と言ってもそれほど警戒しなきゃいけないような面子じゃない」

β「何時も通りやる事やれば良いだけさ」

β「だからこそ…須賀には本気を出すなと釘を差しておきたいんだけどな」

京太郎「大丈夫だってその辺は解ってるよ」

β「それなら重畳と」

β「ま、じゃあそろそろ開始時間だ」

β「…ファーストアタックは任せたぜ、エース」グッ

京太郎「おう。まかしとけよ」ガッ
















京太郎「…」

室戸「なぁ、試合開始前に聞きたいんだけどさ」

京太郎「…なんだ?」

室戸「なんで今さら、麻雀に戻ってきたんだチャンプ様よ」

室戸「いや、元チャンプだったっけか?」

京太郎「それは…」

柿館堂「良いよなー元チャンプ様は。中学時代活躍したってだけで取材受けられてよ」

柿館堂「俺なら恥ずかしくて取材すら受けられないけどな」

岩尾「何せ三年間逃げまわってた訳だしな」

岩尾「取材されて色々言ってたみたいだけど結局、江藤が怖かっただけなんだろ?」

岩尾「それで阿知賀のニューレジェンド復活?笑えるよな」

室戸「お前の師匠の赤土晴絵だったっけ?そいつも結局、最初の一年で小鍛治プロにやられて逃げてたんだろ?」

岩尾「師匠が師匠なら弟子も弟子だよなぁ?」

柿館堂「そんな奴の弟子なんて良く名乗れたもんだよ」

京太郎「…なるほどな」















京太郎「…勝てないからって最初のトラッシュ・トークでこっちの集中見出そうって作戦か?」

岩尾「いーや、俺達は事実を口にしてるだけだぞ」

室戸「つか、そんなに怒るって事はやっぱ図星って事かよ」

柿館堂「痛いところ突かれたからって逆ギレしてんじゃねーよ。ガキか」

京太郎「…なら、一つ宣言してやる」

柿館堂「あ?」

京太郎「この戦いで…お前たちは一回たりとて和了らせない」

室戸「…何言ってるんだ?頭おかしくなったのか?」

京太郎「あぁ好きに思えば良いさ」

京太郎「結果はおのずと見えてくるだろうしな」

ピーン

京太郎「…時間だ。やろうじゃないか」

京太郎「お前らのバカにした赤土晴絵の実力を…赤土晴絵から教わった俺の力を見せてやるよ」ゴゴゴ



>>+2 京太郎(雀力15+フォア10+土壇場5+能力30) 60
>>+3 岩尾(雀力9+能力20-能力(京太郎)30) -1
>>+4 室戸(雀力9+能力20-能力(京太郎)30) -1
>>+5 柿館堂(雀力9+能力20-能力(京太郎)30) -1


































>>京太郎112
>>岩尾34
>>室戸43
>>柿館堂36


岩尾「(何が和了らせない…だよ)」

岩尾「(知ってるんだぜ…お前が弱くなってる事くらい)」

岩尾「(お前は覚えていないかもしれないけど…俺はインターミドルでお前と戦った事があるんだ)」

岩尾「(その時のお前は絶望的なくらい強かった)」

岩尾「(だけどインターハイ初戦からのお前をずっと見てきたけど…)」

岩尾「(今のお前にはもうかつての力なんてない…!)」

岩尾「(稼いでる点数は大将のαの方が高いし…)」

岩尾「(テクニカルさではβの方が上だ…!)」

岩尾「(それでも依然強い事には変わりはないけど)」

岩尾「(決して勝てない相手じゃない…!)」

岩尾「(トラッシュ・トーク使ってでも…他の奴らと打ち合わせてでも…!)」

岩尾「(ここは必ず…+で…)」

京太郎「…ツモ。2000・3900」

岩尾「く…っおらよ」

岩尾「(最初に和了られたか…)」

岩尾「(まぁ、良い…その程度の点くらいくれてやる)」

岩尾「(敵は阿知賀だって試合前に全員で意見を合わせてるんだ)」

岩尾「(今のコイツなら三人で集中砲火すれば…落とせるはず…!)」


>>+2 京太郎(雀力15+フォア10+土壇場5+能力30) 60
>>+3 岩尾(雀力9+能力20-能力(京太郎)30) -1
>>+4 室戸(雀力9+能力20-能力(京太郎)30) -1
>>+5 柿館堂(雀力9+能力20-能力(京太郎)30) -1

































>>京太郎 92
>>岩尾 54
>>室戸 47
>>柿館堂 34


室戸「(おかしい…)」

室戸「(さっきから…須賀の連荘が止まらない…)」

室戸「(打点は低いし…痛みそのものは少ない)」

室戸「(あいつバカみたいに鳴く所為で点数下がりまくってるからな)」

室戸「(確かに早いけれど…でも、それだけだ)」

室戸「(なのに…それでもあいつの連荘が止まらないのは…)」

室戸「(ソレ以上にこっちのツモが悪すぎるからだ)」

室戸「(だけど、それは何時までも続くはずがない)」

室戸「(麻雀は確率の偏りが強いゲームだが…それでもイカサマでもない限り延々にそれが続く事はない)」

室戸「(だけど…なんだ…この感覚は)」

室戸「(まるで延々と…出口のないトンネルを歩いているような…気味悪さ…)」

室戸「(こんなの…麻雀をしていて一度も味わった事がない…)」

室戸「(これがもし…須賀の奴から放たれているものだとしたのなら…)」

室戸「(こいつが弱くなっているっていうのは…間違いなんじゃないか…?)」

室戸「(俺達は…喧嘩を売ってはいけない奴に…喧嘩を売ってしまったんじゃ…)」

京太郎「…ツモ。1300オール」




>>+2 京太郎(雀力15+フォア10+土壇場5+能力30) 60
>>+3 岩尾(雀力9+能力20-能力(京太郎)30) -1
>>+4 室戸(雀力9+能力20-能力(京太郎)30) -1
>>+5 柿館堂(雀力9+能力20-能力(京太郎)30) -1




































>>京太郎 99
>>岩尾 9
>>室戸 84
>>柿館堂 62


柿館堂「(なんなんだよ…これなんなんだよ…)」

柿館堂「(なんで…2翻以上で殆ど和了ってないってのに…)」

柿館堂「(俺らの点数が…もう5万点を切ってるんだよ…)」ガタガタ

柿館堂「(この大会に八連荘はないけど…いや…ないからこそ…)」

柿館堂「(どう考えても…おかしいだろ…!?)」

柿館堂「(今までアホみたいに連荘してるから…こいつの縛りは分かった…!)」

柿館堂「(わざわざ…点を下げてまでコイツ2翻に合わせてやがる…!)」

柿館堂「(勿論、その分、速度は上がってるとは言え…どう考えても異常だろ…)」

柿館堂「(もっと高めの点数も狙える時だってわざわざそれを崩して低めに持っていて…)」

柿館堂「(和了は必ず…ツモで締める)」

柿館堂「(お陰で俺らの点数はほぼまっ平らで…)」

柿館堂「(あいつの点数だけが積み上がっていく…!)」

柿館堂「(もう…これ何連荘目だ…?)」

柿館堂「(分からない…時間の感覚すら…なくなっていって…)」ハァ…ハァ…

柿館堂「(一体…これは何時終わるんだ?)」

柿館堂「(何時…俺は解放して貰えるんだ…?)」

京太郎「ツモ。700オール」

柿館堂「(もう・・いやだ…)」

柿館堂「(もう勝てなくて…良いから…)」

柿館堂「(帰りたい…帰してくれよ…ぉ…)」





>>+2 京太郎(雀力15+フォア10+土壇場5+能力30) 60
>>+3 岩尾(雀力9+能力20-能力(京太郎)30) -1
>>+4 室戸(雀力9+能力20-能力(京太郎)30) -1
>>+5 柿館堂(雀力9+能力20-能力(京太郎)30) -1





































>>京太郎123
>>岩尾 33
>>室戸 40
>>柿館堂 67


α「…可哀想に。これ全国放送だぞ」

Y「…泣いてる奴もいますね」

β「そりゃ…あいつが心壊しにいってるからなー…」

W「…師匠、楽しくなさそうです」

α「そりゃあいつはこういう麻雀好きなタイプじゃないしな」

β「一言いってやりたいけど…連荘終わらない以上、会場には踏み込めない」

W「…師匠」

α「ま、そろそろあいつも正気に戻るだろ」

β「流石にガチ泣きしてる奴を締め上げるほどキレてる訳じゃないだろうしな」

W「…あ、本当だ。ちょっと罰が悪そうな顔をしてる」

α「はー…ようやくか」

β「ま、アレだけやれば少しはブラフになるだろ」

Y「ブラフ…ですか?」

β「あぁ、今の須賀は2翻縛りで連続和了りする能力持ち…とかな」

α「…まぁ、普通に考えたらキレたからって2翻に抑える必要ないしな」

β「そもそもそこまでの点数計算出来る奴いないってのな…ドラ一つでひっくり返るし」

W「それってやっぱり凄いんですか?」

α「何十連荘よりも点数抑えてた方がやばいって思うくらいにはな」














β「常に2翻なんて普通じゃ無理だ」

α「それこそ卓上全部思い通りに出来るような化け物じゃないとな」

Y「…化け物…ですか」

α「女子の方だと最近なら宮永咲…大星淡とかかな」

β「ま…あいつらと同じ領域に一回は片足突っ込んだ所為だろうな」

W「…師匠、大丈夫ですかね?」

W「またなんかむわぁってなったりしません?」

α「こっちで映像見る限りは大丈夫だろ」

β「本当にあの時と同じ状況なら…気にせず最後まで削り続けるだろうしな」

β「…って、あ、流局させたか」

α「流石にこのまま続けるのはやばいと思ったんだろうな」

β「…だけど今更遅いんだよなぁ」

α「これは教育だな、教育」

















京太郎「…ごめん」シュン

α「うん。まぁ、色々と言いたい事はあるけどさ」

β「鬼かお前は」

京太郎「いや…悪い。ちょっとお灸を据えてやろうとしたらさー…」

Y「…というより明らかに異常でした」

α「途中で大会委員が自動卓のチェックに入るなんて前代未聞だろ」

京太郎「俺より大星淡の裏ドラとか宮永咲の嶺上開花の方がやばいと思うんだけどなぁ…」

β「どっちにしても全国放送でやる事じゃなかったな」

京太郎「…だな。反省してる」

W「ま、まぁ…結果的に先鋒戦は大きく削った訳ですし…」

α「心も一緒に削ってたけどな」

京太郎「ごめんなさい…」シュン
















W「…で俺の出番は…」

α「自動卓のチェックが終わるまでもう少し待ってろ」

W「はーい…」

β「で、こいつはどうしてやろうか」グリグリ

京太郎「うぅ…」

α「とりあえず裸にして新子や高鴨の前に置いとけば良いんじゃね?」

京太郎「勘弁してくれ…あいつらだって試合なんだからさ」

β「ま、冗談はともかく…先生からのお叱りや一言くらいは覚悟しとけよ」

京太郎「…あぁ。分かってる」

京太郎「俺は…麻雀をそんな風に使ってしまったんだから」

京太郎「失望されないなら…なんだってするよ」




















晴絵「ん?今、なんでもするって言ったよね?」ヒョコッ

α「あ、先生…女子の方は?」

晴絵「とりあえず今は休憩中だからこっちに顔出しに…ね」

晴絵「憧やしずもこっちに行ってあげて欲しいって言ってたし」チラッ

京太郎「れ、レジェンド…その…」

晴絵「京太郎。…私が何言いたいか分かる?」

京太郎「……あぁ」

晴絵「じゃ、私がこれから何をするかも…分かるよね?」

京太郎「…おう」

晴絵「…一発で勘弁してあげるから歯ぁ食いしばりなさい」

京太郎「…」グッ

晴絵「…どすこーい☆」スパーン

京太郎「くっ」

α「…もうちょっと何か掛け声なかったのかなぁ…」

β「うちの先生だしな…諦めろ」

晴絵「…私はあんな風に麻雀使って良いって一言でも言った?」

京太郎「…いや」

晴絵「麻雀はあくまで遊びで…人を追い詰める為のものじゃないでしょ」

京太郎「…あぁ」

晴絵「…勿論、動画があるから何を言われたのかは私も知ってる」

晴絵「だけど、だからってあんなふうにして良い理由にはならないって…分かるよね?」

京太郎「…うん」




















晴絵「あんなやり方せずとも…見返せる実力はあるんだから…さ」スッ

晴絵「アンタはアンタらしい打ち方すれば良かったのよ」

晴絵「…だって、あんなやり方しても楽しくなかった…でしょ?」スッ

京太郎「…勿論だ」

晴絵「じゃあ…反省は出来てる?」

京太郎「…」コクン

晴絵「よし。じゃあ…良い子良い子してあげる」ナデナデ

京太郎「ちょ…!止めろよレジェンド!!」

晴絵「遠慮しなくたっていいのよー?なんなら私の膝枕で看病してあげよっか?」

京太郎「看病って何のだよ…」

晴絵「何か頬が赤くなってるし…大変!誰に叩かれたの!?」

晴絵「きっと美人で思い遣りがあって仕事も出来て生徒からの信頼も厚くて麻雀も上手い美人な先生に違いないわ!」

京太郎「なんで美人って二回も言うんだよ…」

















京太郎「つーか白々しい…離せっての…!」

晴絵「照れなくて良いのにー」ウリウリ

京太郎「照れてねぇって!」

α「…少しは顔も晴れたか」

β「みたいだな。叩かれて嬉しかったんだろ」

W「え?師匠ってそういう趣味の人なんですか!?」

Y「…違う。須賀先輩自身が誰よりも後悔していたからだ」

α「それを先生が分かりやすい形で罰したから気持ちも楽になったって事だろ」

β「ま、あそこで色々言われてたのは先生も含めてだしな」

β「そういうのもまとめて許してあげられるのは先生しかいなかったって訳だ」

α「それもあって新子や高鴨はこっちに先生を寄越したんだろうな」

W「へー…っと」ピンポンパンポーン

W「よっしゃ。俺の出番っすね」グッ

京太郎「すまん、W、俺の所為で何か言われるかもしれないけど…」

W「大丈夫ですよ。それも全部、俺の腕でねじ伏せて来ますから!」ググッ

W「だから、師匠は師匠の師匠と遊んでてください」

W「決勝への切符…俺が必ず掴んできます!」キリッ

β「あの…手加減…」

Y「…すみません。ああいう奴なんです…」


>>+1
00~30 だが、-収支で終わった
31~60 順当にバトンを手渡した
61~80 岩尾を追い詰めた
81~99 岩尾は犠牲になったのじゃ…犠牲の犠牲にな…
※雀力8+能力20で+28

































>>順当にバトンを手渡した

W「(さーて…ようやく来たぜ…俺の時間…!)」
          エンペラータイム
W「(俺の能力…皇帝 時間が発動する局が…!)」

W「(…うん。やっぱ格好良いよな、この名前)」ウンウン

W「(心の中で思い浮かべただけでこう引き締まるっていうか)」

W「(やっぱりα先輩はすげーな…俺じゃこんな能力名思いつかなかったぜ…)」

W「(ま…能力はさておき…師匠が折角繋いでくれたこのバトン…)」

W「(それをβ先輩に最高の状態で手渡すには…まずどうするべきか)」

W「(まずは深呼吸…だな)」スー

W「(この局は油断しなければほぼ落とさない)」

W「(落とさない…からこそ)」

W「(足元を救われないようにする)」

W「(Yに三年間口を酸っぱくして何度も言われた事だからな)」

W「(今更…それを間違えたりしねぇよ)」

W「(俺だって三年間の間、少しは成長したんだ)」

W「(先輩たちの足を引っ張らないように…Yの奴に並び建てるように)」

W「(その成果を思いっきり見て欲しいけれど…ここは…)」

W「ツモ。4000オール」

W「(…欲は出さない)」

W「(師匠がならしてくれた相手を順調に…順当に削っていく)」

W「(必要なのは点数を取る事じゃない)」

W「(出来るだけ連荘は避けて…データの蓄積を避ける事)」

W「(ギリギリで思い出したけど…ま、それなりの結果にはなったかな…?)」
















β「お疲れー」

W「うっす。お疲れ様でした」

Y「…どうやらちゃんと覚えてたみたいだな」

W「当然だろ。俺だってバカじゃないんだ。そうそう忘れねぇよ」

α「一回連荘してるけどな」

W「う…そ、それは…」

京太郎「ま、そのくらいだったら大丈夫だろ」

W「し、師匠…」ジーン

α「まぁ、須賀の連荘数に比べたらマシか」

京太郎「ぐふっ」

W「し、ししょおおおおお!!」

β「ま、頭に血が登ったバカはともかく…Wはよくやってくれたよ」

W「へへ…どうですか?」

α「期待以上って奴だよ。俺達の見てない間にすげー成長してくれたんだな」

W「そりゃ勿論!Yの奴から毎日しごかれましたから」

Y「お前が同じ事を何度言っても覚えないのが悪いんだ」ハァ

β「はは。まぁ今回はちゃんと覚えてたみたいだし良いじゃないか」ピンポンパンポーン

β「っと時間か」

Y「…先輩」

β「任せろよ。偉そうに言った分の仕事はしっかりしてきてやる」

β「その代わり…後は頼んだぜ?」

Y「…はい。任されました」


>>+2
00~30 だが、-収支で終わった
31~60 順当にバトンを手渡した
61~80 岩尾を追い詰めた
81~99 岩尾は犠牲になったのじゃ…犠牲の犠牲にな…
※雀力10+能力20+フォア10で+40




































>>順当にバトンを手渡した

β「(さて…ここで俺がするべきはこの点差をさらに広げる事)」

β「(それも親での連荘はせず、させず、出来るだけ早めに終わらせて…だな)」

β「(ま、点数を荒稼ぎするWやαとくらべてそういうのは得意な方だし)」

β「(自身の連荘にさえ気をつけておけば問題はない)」

β「(本音を言えば、後のYに少しは格好良いところ見せたい気持ちはあるんだけどさ)」

β「(俺達がいなくなった二年間の間であいつもすげー強くなった)」

β「(俺があいつにしてやれる師匠らしい事ってのはもう殆どないくらいに)」

β「(でも、だからこそ…俺はここで堅実に打たなきゃいけない)」

β「(俺があいつに見せてやれるのはもう麻雀やってる姿しかないんだ)」

β「(最善を求め、チームに尽くし、勝利に貢献する)」

β「(そんな打ち方しか見せてやれるものがない)」

β「(それにあいつが何かを感じてくれるかは分からないけれど…)」

β「(でも…大丈夫だよな)」

β「(一見、冷たいように見えても…あいつの内心は熱く、仲間思いの奴なんだ)」

β「(今こうしている俺の背中からでも…きっと何かを感じ取ってくれるはずだ)」

β「(だからこそ…俺は…)」

β「…ノーテン。流局です」



















京太郎「えげつねぇ…」

W「え?どういう事ですか?」

W「殆ど点数は動いてないように見えますけれど…」

α「そりゃそうだろう。意図的にβがそうしてるんだからな」

α「和了らず和了らせず…点差の維持に努め、データの蓄積をひたすら避けた」

α「おそらく準決勝を何度見返してもあいつの打ち筋は何一つ分からないままだろうぜ」

京太郎「圧倒的点差がある状態だとほぼ満点と言っても良い打ち方だろうな」

α「それだけ相手からしたら悔しいだろうけどなぁ…」

Y「……」

W「…どうかしたのか?」

Y「…いや、やはり…まだ遠いと思ってな」

W「…Y?」

Y「…なんでもない」

β「よーっす。帰ったぞー」

京太郎「おう。おかえり」

Y「…先輩」

β「おう。どうだった?」

Y「…格好良かったです」

β「…へ?」

Y「…では、次、行ってきます」スタスタ

β「……」

京太郎「…どうした?急に固まって」

β「いや、あいつ今さ…」

α「ん?」

β「…笑ってたように見えたんだけど…俺の見間違えかな?」」

京太郎「えっ…何言ってるんだよ、見間違えだろ」

W「そうそう。Yがそう簡単に笑ったりするタイプじゃないですって」

β「だよなー…そうなんだけど…」ニマ

α「…どうした?」

β「いや、本当に笑ってくれてたんなら嬉しいなってさ」

京太郎「…」サッ

α「…」サッ

β「ちょ!な、なんで逃げるんだよ!!」


>>+2
00~30 だが、-収支で終わった
31~60 順当にバトンを手渡した
61~80 岩尾を追い詰めた
81~99 岩尾は犠牲になったのじゃ…犠牲の犠牲にな…
※雀力8+能力20で+28





































>>岩尾は犠牲になったのじゃ…犠牲の犠牲にな…

Y「(驕っていたつもりはなかった)」

Y「(だけど、中学三年間の間に俺は自分でも強くなったと…そう思っていた)」

Y「(今ならば先輩たちとも引けをとらないと…そう思ってもいたんだ)」

Y「(決してそれを口に出したことはないが、だが、戦術面戦略面で見て…)」

Y「(俺の力はもう周りを見渡しても劣ってはいないと…そう判断するに足るものだった)」

Y「(だけど…それはあくまで中学三年までの評価だったんだ)」

Y「(俺の知らない間にβ先輩が強くなっていた)」

Y「(俺の評価の基準であった頃よりもずっとずっと…チームの事を思っていた)」

Y「(…俺はあの人のようになれるだろうか)」

Y「(戦術的勝利を捨ててまで戦略的勝利をひろおうとするβ先輩のように)」

Y「(…分からない。そうなるには…俺には足りないものが多すぎる)」

Y「(心構えから…何から全部…俺には不足している)」

Y「(だけど…あの姿は…俺にとって…憧れだ)」

Y「(Wのようなスコアラーには決してなれない俺にとって…一つの到達点である事は間違いない)」

Y「(例えそれが人に評価されないものであっても…俺には分かっている)」

Y「(β先輩が…あの背中を俺の為に見せてくれているんだという事が)」

Y「(その期待に応えられるかどうかは分からない)」

Y「(…だけど、あの人に…先輩に応えるためにも…俺は…)」

Y「…ロン。3900…トビ終了です」




















α「よっしゃ!次は俺のでば…」

京太郎「ねぇよ」

α「…え?」

京太郎「大将戦はない」

α「…今日は手加減するって言ったじゃねぇかよ!!!」

β「いやー…Yの運が良かったな」

W「満貫以上連発でしたからねー…」

京太郎「ほぼ諦めてたとはいえ、岩尾にトドメ刺した訳だからなー」

α「くそ…これも愛の力か」

β「おい、なんでこっち見るんだよ」

α「いや、別に…?」

β「だから!そういうんじゃねぇって!そもそも俺には大坂さんがいるんだよ!!」

京太郎「つまり両刀って奴か?」

W「りょーとー?」キョトン

α「男も女もイケるって奴だよ」

W「えっそれって変態じゃないですか!!」

β「だからそんな事実はないとあれほど…!!」

Y「ただいま戻りました。…先輩?」













β「あっYも言ってくれよ…!こいつらが俺の事をホモ扱いするんだけど!!」

Y「…ホモ?あぁ、男色家の事ですか」

β「あぁ!違うだろ?俺がそうじゃないって事はYが一番、よく知ってるよな!?」

Y「…………」

β「…おい、Y…ちょ、止めろよ…なんだよその沈黙は…」

Y「…別になんでもありませんよ」

京太郎「やっぱり…」

α「前々から怪しいと思ってたんだよなぁ…」

W「俺の知らない間にYがβ先輩と…うっ…吐き気が…」

β「やーめーろーよーーー!!」

Y「…それで…どうでしたか?」

β「ん?あぁ、立派なもんだったぞ」

β「ちょっと気合入れすぎだと思ったけど…」

Y「…やはりやりすぎだったでしょうか」

β「そんな事はねぇよ。手牌の良さから打倒な結果だ」

β「寧ろ、あそこで岩尾を削りきってくれて助かったよ。αはそういう手加減とか苦手なタイプだしな」

α「ほっとけ」

Y「…そう…ですか」
















β「まさか安心したのか?」

Y「…少し」

β「ばーか。俺はお前の判断を信じてるっての」

β「お前がそう判断したのならそれが最善だったんだ」

β「だから、気にするなよ。お前は最高の仕事をやってのけたんだからな」ポン

Y「…はい。ありがとうございます」

α「おい、あいつ懲りずにまた後輩口説いているぞ」

京太郎「今年俺たち卒業で良かったな…でないとYが毒牙にかかるところだった…」

W「Y…その…そういうのもあるよな。俺には分からない世界だけど…応援するよ」

Y「…ありがとう」

β「待て!なんでそこでお前が礼を言うんだよ!?」

















京太郎「(それからホテルに戻って…飯食いながらミーティングして…)」

京太郎「(明日に備えてベッドに入ったけど…中々眠れない…な)」

京太郎「(今日の江藤の試合…圧倒的だった)」

京太郎「(俺達の小細工をあざ笑うように…殆ど一人で決着つけていたんだから)」

京太郎「(手加減抜きの全力全開…それで対策も何もかもすりつぶせるんだから羨ましいくらいだよな)」

京太郎「(…やはり素の実力じゃ俺はどうしても…江藤には及ばない)」

京太郎「(だからこそ…レジェンドから教わった技術でどこまで差を詰められるかが勝負になる)」

京太郎「(勿論…俺はレジェンドを信じてる)」

京太郎「(単純な技術で言えばプロでもレジェンドに及ぶ奴はそうそういない)」

京太郎「(だけど…それを使う俺を信じきる事は…どうしても出来なかった)」

京太郎「(これまで努力してきたつもりだけど…それでもやっぱりブランクってのはあるんだ)」

京太郎「(牌に触れられるようになってそれを埋めるよう努力してきたつもりだけど…それだって完全じゃない)」

京太郎「(それをこれまで気にしないようにしてきたけど…それでも前夜ってなると…不安になるな)」

京太郎「(…時間はまだ深夜って程じゃないし…)」

京太郎「(…少し誰かと電話でもしてみるかな…?)」



>>+2
末尾16 幼馴染に電話
末尾27 その時レジェンドが!!
末尾38 灼に電話
末尾49 松実姉妹に電話
末尾50 やえさんに電話




































>>その時レジェンドが

京太郎「うーん…」

コンコン

京太郎「ん…あれ?」

京太郎「(こんな時間に誰だろ…)」

京太郎「(まだ深夜って訳じゃないけど、そろそろ寝る奴が出てきてもおかしくない時間なんだけど…)」

京太郎「(…ま、いっか。誰に電話するか悩んでたとこだし…)」ヨイショット

京太郎「はーい。今開けますよっと」トテトテ…ガチャ

晴絵「…やっほ」

京太郎「あれ?レジェンド?」

晴絵「あはは…来ちゃった」

京太郎「来ちゃった…じゃねぇよ」

京太郎「こんな時間に何か用か?もしかして江藤の弱点でも見つかったとか」

晴絵「いや、そういう訳じゃないんだけど…」

京太郎「ん?」

晴絵「…少し話せない…かな?」

京太郎「…おう。んじゃ、中入れよ。今、飲み物でも淹れるからさ」

晴絵「あ、大丈夫。お酒持参してくてるから」スッ

京太郎「お前なー…いや、良いけどさ」














京太郎「んで…わざわざ酒持参して何の用だ?」

晴絵「いやー…この歳になると一人寝って寂しくてさー」

京太郎「まぁ…確かにここは俺一人だけどさ」

京太郎「だったら女子の方に行けよ」

晴絵「いやぁ…女子の方は応援団もいるしね」

晴絵「それに下手に顧問が顔出したら萎縮するかなーって」

京太郎「俺は良いのか俺は」

晴絵「京太郎とはもうそういう仲じゃないでしょ」

京太郎「…ま、そうだけどさ」

晴絵「まぁ、こんなに魅力的なおねーさんがそばにいるとドキドキして眠れなくなるかもしれないけど?」ニヤッ

京太郎「もうおねーさんって年じゃねぇだろ」

晴絵「ま、まだおねーさんだし!絶対おばさんなんかじゃないし!!」
















京太郎「で、本当のトコロはどうなんだ?」

晴絵「…いや、寂しかっただけだけど…」

京太郎「…なるほど。俺の事を心配してきてくれたのか」

晴絵「ぅ…い、いや、別にそんな事は…」

京太郎「そこで言いよどむ時点でバレバレだよ」

京太郎「…つか、本当に寂しいだけなら最初に寂しいなんて口にしないしな」

晴絵「い、いや…それは…その…」

京太郎「付き合い長いんだ。レジェンドの誤魔化し方くらいとっくの昔にお見通しだよ」

晴絵「…ごめんね」

京太郎「気にするなよ」

京太郎「つーか、謝らなきゃいけないのは俺の方だろ」

京太郎「…心配かけて…情けなくて悪いな」
















晴絵「そんな事ないでしょ」

京太郎「いや…今も気晴らしに誰かに電話しようかって考えてたトコロだしな」

京太郎「ぶっちゃけ来てもらえて助かっているってのはある」

晴絵「そう…なの?」

京太郎「そうなの。…でも、なんか…こうしてるとさ」

晴絵「ん?」

京太郎「…インターハイの時は毎年こうしてると思うんだけど」

晴絵「えっ」

京太郎「…うん。中学二年と三年もそうじゃなかったっけ?」

晴絵「き、気のせいでしょ」

京太郎「うーん…そうか?」

晴絵「そうそう。記憶が混濁してるだけだって」

京太郎「うーん…それ言われると何ともなー…」


















晴絵「でも…ね」

京太郎「ん?」

晴絵「…京太郎って凄いよね」

京太郎「いきなり何を言い出すんだよ」

晴絵「だって、二年のブランクあって…滅茶苦茶な課題を私から課せられて」

晴絵「それを全部突破して…こうしてインターハイにいるんだからさ」

京太郎「そんなの俺が凄い訳じゃねぇよ」

京太郎「こうして俺がここに居られるのも中学三年間の積み重ねがあったからだし」

京太郎「高校三年間の間、見捨てなかったどこぞのアラフォーがいてくれたからだよ」

晴絵「アラサーだよ!!って…まぁ、それはともかく」

晴絵「でも、それら全部を力にしたのは京太郎でしょ」

晴絵「…少なくともそれは私には出来ない事だったから」

京太郎「…レジェンド?」
















晴絵「私にはね、そう言って貰える資格なんてないんだよ」

晴絵「…だって、私は一回の挫折から立ち直るのに何年も掛かったんだから」

晴絵「それも…京太郎たちの力を借りて…支えてもらって」

晴絵「それでも…ちゃんと向きあえているかどうか自分でも分からないくらいなんだから」

京太郎「……」

晴絵「だから…私にとっては京太郎って…凄い尊敬してる相手なんだよ」

京太郎「俺が?」

晴絵「うん。どんな苦境でも乗り越えて…貪欲にいろんな事を吸収して」

晴絵「今もこうして麻雀に向き合っている京太郎が」

京太郎「…そんなに褒めるなよ。こそばゆいだろ」

晴絵「ふふ…褒められるのが苦手?」

京太郎「苦手って訳じゃないけどさ…でも…なんつーか」

京太郎「…俺にとってのレジェンドも似たようなものだからさ」

晴絵「…え?」












京太郎「俺は別に江藤に心折られた訳じゃない」

京太郎「別に麻雀にトラウマを持ってる訳でも、牌を持ったら手が震えたりする事もないんだから」

京太郎「それでも…俺は今、怖いと思ってる」

京太郎「小鍛治プロよりもずっとずっと弱いはずの江藤相手に…びびりまくってるんだ」

京太郎「でも…レジェンドは俺よりずっと酷い状況だったのに…麻雀から逃げなかった」

京太郎「トラウマになってるような敗戦を経験しても尚、それに向きあおうとした」

京太郎「そのお陰で俺もしずも麻雀と出会えて…こうして大舞台にいられる」

晴絵「…それは…」

京太郎「俺達の力だってレジェンドは言うかもしれないけどさ」

京太郎「でも、レジェンドが麻雀を諦めなかったから…俺達はこうしてここにいられるんだ」

京太郎「だから…さ。あんまり口には出さないけれど…俺はマジで尊敬してるんだぞ」

晴絵「…京太郎」

京太郎「その気持ちは…ずっと前から変わってねぇよ」

京太郎「俺にとって…赤土晴絵は最高の先生で…最高の師匠だ」

晴絵「…っ!」















晴絵「…ごめんね」

京太郎「ん?」

晴絵「私…そんな風に京太郎に思ってもらってるのに」

晴絵「もう…何もアドバイス…してあげられない…」ポロポロ

京太郎「…レジェンド?」

晴絵「江藤って子のビデオ…何十回も何百回も見たけれど…」

晴絵「でも…もうビデオじゃ付け入る隙なんて見当たらなくて…」

晴絵「私…先生なのに…京太郎に任せるなんて…無責任な事しか…言えなくて…」

京太郎「…なんだ。そんな事か」

晴絵「そんな…事って」

京太郎「…良いんだよ。そんな事気にしなくても」

京太郎「…レジェンドは俺の後ろでふんぞり返ってればそれで良いんだ」

晴絵「…でも…」














京太郎「そもそも今までがおかしかったんだよ」

京太郎「ビデオ見て対策云々考えられるなんて普通じゃ出来ないんだから」

晴絵「…相手が何をしてるかも…分からなかったとしても?」

京太郎「そんなの俺だって分からねぇよ」

京太郎「つーか、あんな化け物相手の手の内を対局してないのに暴くなんてそれこそチートみたいなもんだろ」

晴絵「…でも…私がもう京太郎にしてあげられるのはそれくらいしかないのに…」

京太郎「んな事ないって。こうして俺の気持ちを紛らわせに来てくれたのは嬉しいしさ」

京太郎「それに…レジェンドが見てると思うとさ。なんか安心するんだよ」

晴絵「…安心?」

京太郎「あぁ、何かミスっても休憩時間の間に指摘して貰えるし…」

京太郎「今日みたいにダメな時はひっぱたいて叱ってくれるだろ?」

晴絵「…うん」

















京太郎「だから…俺は全力を出せる」

京太郎「俺として振り絞る事が出来る全力をあいつにぶつける事が出来る」

晴絵「それは…」

京太郎「勿論、アレは使わねぇよ」

京太郎「俺はもう…絶対にあんなものには頼らない」

京太郎「だけど…ソレ以外の全てを…レジェンドから教わって全てをあいつにぶつけてくるからさ」

晴絵「…京太郎」

京太郎「だから見ててくれよ、先生」

京太郎「アンタの弟子が…一つのケリをつけて…リベンジ果たすところをさ」

晴絵「…弟子…?」

京太郎「おう。俺は…赤土晴絵の一番弟子、須賀京太郎だよ」

京太郎「誰よりも先生の打ち方を受け継いだ…阿知賀のニューレジェンドだ」

晴絵「でも、それじゃ…あっちだってそれは…」

京太郎「…同じ…かもな。でも…それがどうした?」

晴絵「え?」
















京太郎「俺にとっての最強は赤土晴絵だ」

京太郎「小鍛治プロでも…他のだれでもない」

京太郎「俺の知る中で一番強いのは…赤土晴絵だってそう思ってる」

晴絵「でも…私は…」

京太郎「負けたからどうしたよ」

京太郎「そもそも麻雀なんてのは勝って負けてが普通に起こりうる世界だろ」

京太郎「たった一回負けただけで俺は小鍛治プロよりも赤土晴絵の方が下だなんて思っていない」

晴絵「…本気で言ってるの?」

京太郎「当たり前だろ。こんな事…冗談で言えるかよ」

京太郎「つーか、そうやって思ってなきゃレジェンドに師事なんかしてないっての」

晴絵「…京太郎」













京太郎「だから、俺がそれを証明してくるよ」

京太郎「レジェンドの名前を受け継いだ俺が…小鍛治プロのコピーをぶっ倒して…決着をつける事で」

京太郎「赤土晴絵が決して小鍛治プロに劣っていないって事を…はっきりと日本中に見せつけてやる」

京太郎「そうしたら…レジェンドも少しはプロに戻りやすくなるだろ」

晴絵「…バカ。そんな事気にしなくても良いのに」

京太郎「気にするっての。俺だって…灼ほどじゃなくてもレジェンドに憧れてるんだからさ」

京太郎「俺だって…プロで活躍するレジェンドは見たいんだよ」

晴絵「…期待に添えないかもしれないよ?」

京太郎「そん時は俺の見る目がなかったって事だな」

晴絵「途中で逃げ出すかも」

京太郎「その場合は俺が捕まえて会場まで送ってやるから安心しろ」

晴絵「…まったく本当に頑固なんだから」

京太郎「そういうのは師匠譲りなもんでね」

晴絵「口も減らない」クスッ

京太郎「悪いがそれも師匠と同じだ」














晴絵「ふふ…なんだか…安心しちゃった」

晴絵「ごめんね、不安なのはそっちの方なのに」

京太郎「気にするなよ。つか、こうして話してて俺の決意も固まったからな」

晴絵「…決意?」

京太郎「あぁ…元々、そのつもりだったけどさ。余計に負けられなくなった」

京太郎「…いや、違うな。負けるのが怖いんじゃなくって…負けられないって思えるようになったんだ」

晴絵「…負けたくない…か」

京太郎「だから、俺はもう怖くなんかねぇよ」

京太郎「魔物だかなんだか知らないが…必ず今回で決着をつける」

京太郎「この前みたいななあなあな結果じゃなくって…完全にぶっ飛ばして優勝旗を持って帰ってくる」

晴絵「…私の為に?」

京太郎「ばーか。んな訳ないだろ」

京太郎「皆の為に…だよ」

晴絵「そこは嘘でも頷いて欲しかったなぁ…」

京太郎「悪いけど俺はレジェンドと違って友達が多い方なんで」

晴絵「…わ、私だって望以外ともちゃんと連絡取ってるわよ…!」















京太郎「どうだか。…ってレジェンド」

晴絵「…んー?」グビグビ

京太郎「さっきからペース早くないか?」

晴絵「だって、仕方ないじゃーん…あんなのシラフで聞けないわよ」

京太郎「いや…そんなに恥ずかしいか?」

晴絵「そうそう。まったく…あんな師匠殺しな事言っちゃってさー…」

京太郎「…なんか顔赤いぞ?」

晴絵「誰のせいだと思ってるのよー…」

京太郎「酒の所為だろ。…ったく、ほら、送ってやるから早く部屋に戻れよ」

晴絵「…や」

京太郎「え?」

晴絵「今日はここで寝る」

京太郎「いや…寝るってお前さー…」















晴絵「なーによー…ベッド二つあるんだから良いじゃない」

京太郎「いや…そりゃそうだけど…でも、色々とまずいだろ」

晴絵「なーにがまずいの?あ、もしかしてエッチな事するつもりとか…?」

京太郎「しねーよ。でも、世間はそうは見てくれないんだって」

京太郎「一緒の部屋で異性が一晩過ごしたってなると邪推するバカは出てくるからさ」

晴絵「言いたい奴には言わせておけばいいのよー…」

晴絵「そもそも私…十歳上だし…顔だって可愛くないし…料理も下手っぴだし…」

京太郎「あー…これ面倒くさい奴だな」

晴絵「その上、教え子には面倒臭い呼ばわりされるし…そんな風に醜聞にはならないって」

京太郎「だー…くそ…悪かったよ」

京太郎「でも、レジェンドが可愛くないなんて事はないぞ」

京太郎「つか、その辺、この前も言っただろ…」

晴絵「…それはそうだけど…」















晴絵「…もっかい聞かせて」

京太郎「えー…」

晴絵「じゃないと帰らないから」

京太郎「やだこいつマジで面倒くさい」

晴絵「…」グスッ

京太郎「あーもう…酒癖悪いなホント…」

京太郎「分かったよ。わかったって…」

晴絵「…本当?」

京太郎「あぁ、ちゃんと言ってやるよ」

晴絵「…耳元で?」

京太郎「まぁ、それくらいなら」

晴絵「何時もよりイケメンボイスで?」

京太郎「…定義はわからんが努力する」

晴絵「ギュって抱きしめてくれりゅ?」

京太郎「噛んでるぞレジェンド」

晴絵「ぅー…」

京太郎「あー…はい分かったよ…分かりましたよ…何でもするからもう解放してくれ…」















晴絵「ふにゃぁ…」トローン

京太郎「…で、気は済んだか」

晴絵「…やだ」ギュッ

京太郎「あのなぁ…」

晴絵「だって…眠い…」

京太郎「まぁ、もう結構な時間だけど…」

晴絵「部屋に帰ると寂しい」

京太郎「知るかよ」

晴絵「だから一緒に寝て…?」

京太郎「知らないって言ってるよな俺!?」

晴絵「…断るならココで大声あげるから」

京太郎「ついには脅迫かよ…」

晴絵「ふふゅ…明日は決勝って時期に問題は起こしたくないれしょ?」

京太郎「仮にも生徒に向かって言う言葉なのかなぁ…」

晴絵「…添い寝くらいしてくれても良いじゃない…」

京太郎「添い寝くらいって…一応、男と女だぞ」

晴絵「…でも、あこやしずにはしてるんでしょ?」

京太郎「それは…」
















晴絵「やっぱり…私じゃダメ?」

晴絵「私じゃ…そういう対象には見れない?」

晴絵「添い寝すらしたくないくらい…ダメな女かな…?」

京太郎「あー…もう…なんでそんなに憧やしずに対抗するんだよ」

晴絵「…だって若いし」

京太郎「嫉妬かよ」

晴絵「その他にも色々あるの…察しなさいよ…バカ」ギュッ

京太郎「あー…胸当たってるんだけど」

晴絵「当ててんの!」プンスコ

京太郎「あー…もうダメだなこりゃ…」

京太郎「…分かったよ、添い寝してやるから」

晴絵「…ホント?」

京太郎「ホントホント」

晴絵「…嘘じゃない?」

京太郎「嘘じゃねぇよ。どれだけ疑り深いんだお前は」

晴絵「だって…それだけ嬉しいし…♪」スリスリ

京太郎「あー…そりゃ何よりですよ…」
















【ベッド ザ イン】

晴絵「ふあぁ…♪」

京太郎「…どうした?」

晴絵「…男の人と同衾するなんてドキドキし過ぎて眠れない」

京太郎「俺教え子だぞ」

晴絵「教え子でも…京太郎ってばもう立派な男じゃん」

京太郎「まぁ身体的にはもう殆ど伸び代あんまりないけどさ」

晴絵「ふふ…ここも結構カチカチ…♪」スッ

京太郎「ちょ…くすぐったいだろ」

晴絵「腕とか足も…逞しいよね」

京太郎「そりゃ男なもんですから」

晴絵「…変態」

京太郎「どの流れでそうなったんだよ!」

晴絵「でも、触ってると落ち着く…な」

晴絵「男の人っていうか…京太郎…を感じて…」

晴絵「ドキドキだけど…暖かくて…眠く…」

晴絵「…くぅ」Zzzz

京太郎「…眠れないんじゃなかったのかよ…」

京太郎「(いや、まぁ、とっとと寝てくれた方が好都合なんだけどさ)」

京太郎「(俺も結構、朝はやいし…)」

京太郎「(…ただ…)」

晴絵「むにゃ…んへへ…」ガッチリホールド

京太郎「(…こりゃ逃げるのは無理そうだな…)」

京太郎「(…仕方ない。今日はこのまんま寝るか)」















【朝】

晴絵「ん…ぅぅ…」

晴絵「(…あれ…?すごい頭痛い…)」

晴絵「(なんで…あ、二日酔いか…)」

晴絵「(あんまり強くないのに昨日はバカスカ飲んじゃったからなぁ…)」フゥ

晴絵「(ちょと反省しなきゃなぁ…)」

晴絵「(…仕方ない…二日酔いを治す為には二度寝が一番…)」

晴絵「(うん…丁度暖かくて抱き心地の良いだき枕もあるしね)」

晴絵「(これをギュってすると…うへへへへ)」

晴絵「(硬いのに凄い安心して…妙に心地良くって…)」

晴絵「(すぐ二度寝に…入れ…入れ…る…)」ダラダラ

晴絵「(…これ何?ってか…ここ何処?)」

晴絵「(私…誰の部屋で何をやって…)」フルフル

晴絵「(あわ…あわわ…あわわわわっ)」プッシュゥゥ
最終更新:2014年02月01日 00:07