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高校三年――8月インターハイ後半

【インターハイ決勝】

京太郎「(俺が起きた頃にはレジェンドはもう石像みたいに固まっていた)」

京太郎「(とりあえず落ち着かせて話を聞いてみたけれど、昨日の記憶はちゃんと残っていたらしい)」

京太郎「(今にも土下座しそうな勢いで謝られたけど…まぁ、怒ってる訳じゃないしな)」

京太郎「(困りはしたけど…それだけと言えばそれだけだし)」

京太郎「(ぶっちゃけ添い寝には憧や宥さんで慣れてる訳だからなぁ)」

京太郎「(特に宥さんのダイナマイツボデイを知ってたらそうそう血迷ったりはしないって)」

京太郎「(…ま、実は寝てる間にスリスリされて勃起しそうにはなったけどさ)」

京太郎「(…だって、しかたないじゃん。俺にとって憧れの人ってのは嘘じゃないんだからさ」)」

京太郎「(例え本人にそのつもりがないって分かっててもあんなアプローチされたらドキッとするって)」

京太郎「(流石にあれだけ密着すると柔らかさを意識して女だって思っちゃうからなぁ…)」

京太郎「(血迷ったりはしないけど興奮はしちゃったりしていて…)」

京太郎「(いや、さ、最近は忙しくて宥さんや玄との時間を取れなかったから)」

京太郎「(所謂貯まってたってやつで…別にそういう目でレジェンドを見てる訳じゃ…)」ブンブン





















江藤「…どうした?」

京太郎「あ…」

江藤「何か悩み事か?」

京太郎「いや…お前を倒す戦略を練ってた」

江藤「そうかそうか…そりゃあ良い」

京太郎「…何がだ?」

江藤「俺もまったく同じことを考えていたからな」

京太郎「…随分と警戒してくれてるじゃないか」

江藤「当然だろ。俺はお前に二回負けてる訳だしな」

京太郎「いや、別に二回目は殆ど差はなかったし…一回目は結局、チームとして負けてるだろ」

江藤「それでも…だ」

江藤「俺にとってそれは到底、許容出来るもんじゃない」

江藤「それに…」

京太郎「ん?」

















江藤「あの気持ち悪い状態にさせたのは…どうやら俺みたいだからな」

京太郎「…もしかして気にしていたのか?」

江藤「当然だ。俺はもう麻雀で誰かを傷つけたりするのは止めたんだからな」

江藤「ただ…お前の状態次第じゃそれを治す為にその主義を曲げなきゃいけないと思ってた」

江藤「だけど…そんな事はないみたいで安心したぜ」

京太郎「…遠慮なく叩き潰せるってか?」

江藤「当然だ。俺はずっとお前を待っていたんだからな」

江藤「中学の時につけられなかった決着をつけられる日を…ずっと」

江藤「インターハイの決勝ってのは…それに相応しい大舞台だ」

京太郎「江藤」

江藤「…さぁ、やろうぜ。高校最後の締めくくりだ」

江藤「本当はどっちの方が強いのか…決着つけようじゃないか」


>>+2 京太郎(雀力15+フォア10+土壇場5+能力30-能力(江藤)120) -60
>>+3 江藤(雀力12+能力120-能力(京太郎)30) 103
>>+4 室戸(雀力9+能力20-能力(京太郎)30-能力(江藤)120) -121
>>+5 長良(雀力9+能力20-能力(京太郎)30-能力(江藤)120) -121

































>>京太郎 10 → RDS発動(+180) 190 → 破邪の鏡不発
>>江藤 164 → アルター・エイリアス発動不発 
>>室戸 0
>>長良 0


京太郎「…っ!」

江藤「く…!」

京太郎「(…こいつ…進歩してやがる…!)」

京太郎「(俺のパワーアップしたはずの反転世界が…まったく効いてない…!!)」

京太郎「(この前みたいに…封印されてる訳じゃなく…)」

京太郎「(まったく…受け付けていない…!!)」

京太郎「(まるで…最初に不動峰と戦った時みたいに…平然と俺の対策の中を歩いてきてやがる…)」

江藤「(はは…すげぇ…すげぇよ)」

江藤「(まさか俺の鏡でも…捉えきれない技があるなんてな…)」

江藤「(今まで色んなやつをコピーしてきたけど…)」

江藤「(捉えられると思った瞬間…逃げられるなんて初めてだ)」

江藤「(悔しいけど…俺がコピー出来る領域の技じゃない…な)」

江藤「(繰り返しやればいずれはコピー出来るんだろうけれど…)」

江藤「(おそらく…この対局中に捉えきるのは無理だ)」

江藤「(…なんだ。三年間…何をやっているのか知らないけど…)」




京太郎・江藤「(…こいつ強くなってるんじゃねぇか)」















京太郎「(だけど…!)」

江藤「(…まずいコピーに気を取られ過ぎてた…!!)」

京太郎「(ワンテンポだけ…こっちの方が早い…!)」

京太郎「(元々…速度はこっちの領分なんだ…!)」

京太郎「(あいつが負荷を掛ければ掛けるだけ…大きく跳ね上がる…!)」

京太郎「(真っ向勝負じゃ分が悪いが…)」

京太郎「(鳴ける材料も揃ってる…この条件下なら…!!)」

京太郎「…ツモ!2000・4000!!!」















「決まりましたあああ!先制は阿知賀の須賀京太郎!!」

「いやぁ…まさか大谷の江藤選手が先制で…しかも、満貫を和了られるなんて…これは珍しいですね」

「阿知賀の須賀選手はインターミドルでは常に江藤選手のライバルだった因縁浅からぬ相手です!!」

「幾ら江藤選手でも抑えきる事は難しいという事でしょうか!?」

「そうですね。インターミドルからずっと見ていましたが…あの二人の実力は同年代と比べて飛び抜けています」

「それだけに阿知賀の須賀選手がインターハイに出場しなかったのが気がかりでしたが…」

「まさしく夢のカード!そしてそれに足る実力が須賀選手にあるという事ですね!!」

「えぇ。三年間音沙汰がなかったのは…決してサボっていた訳ではないことの証でしょう」

「これはインターミドル時代から二人を知る者にとって、三年間ずっと待ち望んでいた最高の試合になるはずです」

「解説さんの口調にも熱が入ってきました!実は私もこの二人の試合を何度か実況しているのでとても先が楽しみです!!」

「おぉっと…卓の方で何やら動きが…!」



>>+2 京太郎(雀力15+フォア10+土壇場5+能力30-能力(江藤)120) -60
>>+3 江藤(雀力12+能力120-能力(京太郎)30) 103
>>+4 室戸(雀力9+能力20-能力(京太郎)30-能力(江藤)120) -121
>>+5 長良(雀力9+能力20-能力(京太郎)30-能力(江藤)120) -121
































>>京太郎 (諸々合わせて) 300
>>江藤180 → 特殊能力発動(+120) 300
>>室戸 0
>>長良 0

江藤「(なるほど…確かに須賀の奴は強くなってる)」

江藤「(だけど…特に…限定条件下の爆発力は恐ろしいくらいだ)」

江藤「(正直…このままでぶつかったら…明らかに分が悪い)」

江藤「(…だけどさ)」

江藤「(俺にだって捨てられない意地ってものがあるんだ)」

江藤「(コピーは…変えない…!このままで行く…!)」

江藤「(その代わり…っ!)」スッ

長良「…っ!」ゾクッ

江藤「(…知ってるぜ。お前の打ち方…)」

江藤「(状況に合わせて…爆発力を得る…須賀みたいなタイプだ)」

江藤「(違うのは…技術じゃなくてオカルトって事だけどな)」

江藤「(勿論…元が弱いんで…俺がこの状況じゃろくに意味が無いような能力だ)」

江藤「(だけど…俺がそいつを貰えば……!)」



















京太郎「…っ!」

京太郎「(江藤のやつが…攻めてきた…!)」

京太郎「(初めて見る打ち筋…いや、違う…これは…)」

京太郎「(牌譜で見た事がある…長良のエースの能力…!)」

京太郎「(こいつ…俺じゃなくって長良にコピー先を変えたのか…!?)」

京太郎「(くそ…途中でコピー先変えられるとか…どんな反則だよ…!)」

京太郎「(ただでさえ…手がつけられないってのに…!!)」

京太郎「(…いや、焦るな、落ち着け)」

京太郎「(江藤が今、そっちをコピーしてるって事は…)」

京太郎「(こいつは二つをいっぺんにコピー出来ないままだ…そして…!)」

江藤「(御広谷…いや、今は長良だったっけか)」

江藤「(以前、須賀と打った事もあるんで…こいつの手の内はまずバレてる)」

江藤「(だけど…それに対処出来るか…?)」

江藤「(こいつはちょっと…でかいぜ?)」


※御広谷→長良の特殊能力
 相手の特殊能力が発動した際、自身の雀力分の+補正を加える
















江藤「(このために…こいつをココに連れてきたんだ)」

京太郎「(まずい…追いつかれる…!)」

江藤「(お前を抑えられない時の為の…予備として)」

京太郎「(一巡でも早く…いや、焦るな。ここで鳴いても意味がない)」

江藤「(まさかそれを使うとは思わなかったけれど…)」

京太郎「(気持ちを落ち着かせろ…今は判断ミスなんて出来ないんだ)」

江藤「(だが…今はその判断が間違ってなかったって思えるぜ)」

京太郎「(江藤はもうすぐ側にまで迫ってきてる…だからこそ…!)」

江藤「(俺は勝つために万全の準備をしてきた…だから…!!)」



>>+2
偶数:京太郎が和了った
奇数:江藤が和了った






































>>京太郎が和了った


京太郎「(…すぐ側に来てるからこそ…足を止めて…考えるんだ)」

京太郎「(…土壇場で勝負を決めるのは何時だって…臆病さじゃない)」スー

京太郎「(そうやって焦って自滅する奴らを俺は何度だって見てきてるはずだ)」ハー

京太郎「(…今までのように速度でぶっちぎるやり方は使えない)」

京太郎「(もう既に鳴いてしまっているし…何より江藤はそれを許してくれるようなタイプじゃないんだから)」

京太郎「(下手に動けば…それを皮切りに一気に距離を詰める打ち筋をコピーしてる相手に…)」

京太郎「(不用意な鳴きは利する事だけになりかねない)」

京太郎「(だけど…もう江藤は聴牌近い)」

京太郎「(そうなったら…俺の方にあいつの和了牌が来る確率が高まる)」

京太郎「(結果ムダヅモが増えて…最終的にはあいつに和了られる姿が目に見えているんだ)」

京太郎「(なら…攻めるのは…このタイミング…!)」

京太郎「(江藤がテンパイする直前の…このタイミングに賭けるしかない…!)」

京太郎「(親が勿体無いけど…これでダメなら…この局は降りる…!)」

京太郎「(だから…来てくれ…!)」スッ

京太郎「~~っ!ツモ…!1600オール…!!」




>>+2 京太郎(雀力15+フォア10+土壇場5+能力30-能力(江藤)120) -60
>>+3 江藤(雀力12+能力120-能力(京太郎)30) 102
>>+4 室戸(雀力9+能力20-能力(京太郎)30-能力(江藤)120) -121
>>+5 長良(雀力9+能力20-能力(京太郎)30-能力(江藤)120) -121
































>>京太郎(諸々込みで)335
>>江藤 (諸々込みで)308
>>室戸0
>>長良0


江藤「(…まずいもう折り返しなのに…)」

江藤「(須賀の奴に…まったく追いつけない…)」

江藤「(どうしてだ…?相性の差は…長良のオカルトをコピーして埋めているはずだ)」

江藤「(なのに…何時もあと一歩…僅差で和了られてしまう)」

江藤「(背負っているものに…違いはないはずだ)」

江藤「(エースとして責任…チームの団結…周りの期待に…先生の意思)」

江藤「(それらは俺だって背負ってる)」

江藤「(なのに…どうして勝てない?)」

江藤「(俺と須賀で…一体、何が違うって言うんだ?)」

江藤「(分からない…俺には…まったく)」

江藤「(このほんの一巡の差が…どうして出るのか…どれだけ考えても)」

江藤「(…だけど…そうだな…あぁ…どうしてだろう)」

江藤「(…こうやって負けているのに…悪い気分じゃない)」

江藤「(勿論、チームメイトへの申し訳無さはある)」

江藤「(不甲斐ないところを見せている先生に今すぐ謝りたい)」

江藤「(…だけど、俺をこんなにも追い詰めているのが…オカルトではなく人の技だからだろうか)」

江藤「(純粋に技術で上回られる感覚なんて…俺は知らなくて…だからこそ…)」

京太郎「…ツモ。倍満だ」

江藤「…あぁ」


>>+2 京太郎(雀力15+フォア10+土壇場5+能力30-能力(江藤)120) -60
>>+3 江藤(雀力12+能力120-能力(京太郎)30) 103
>>+4 室戸(雀力9+能力20-能力(京太郎)30-能力(江藤)120) -121
>>+5 長良(雀力9+能力20-能力(京太郎)30-能力(江藤)120) -121





































京太郎 44 → 運命の二つ名発動



京太郎「(…なんとなく分かる)」

京太郎「(今の俺は自分の全力以上を出せてるって)」

京太郎「(でも…それは決して俺が使わないって決めたアレの所為じゃない)」

京太郎「(ここまで来るのに…色んな人の力を借りている所為なんだろう)」

京太郎「(…3年間、本当に長かった)」

京太郎「(その間…俺は色んな人と出会って…)」

京太郎「(仲を深めて…時には傷つけて…何度も麻雀で戦って)」

京太郎「(…そして、そんな人たちに応援してもらって…ここに来られた)」

京太郎「(絹恵さんも…かにゃーさんも…のどっちさんも)」

京太郎「(今日この瞬間の為に…俺にずっと付き合ってくれてたんだ)」

京太郎「(だから…江藤。俺は…やっぱりお前には負けられねぇよ)」

京太郎「(俺は…チームだけじゃない)」

京太郎「(周りの期待だけじゃない)」

京太郎「(先生への…恩義だけじゃない)」

京太郎「(俺がここまで来るのに戦って…だけど応援してくれた人たちの思いを背負ってる)」

京太郎「(…ほんの僅かだ)」

京太郎「(それはきっとほんの一歩あるかないかどうかの…ぎりぎりの差)」

京太郎「(…だけど…あぁ、そうだ)」

京太郎「(俺の三年間は…回り道ばかりだった)」

京太郎「(お前みたいに…麻雀ばっかりやってきた訳じゃない)」

京太郎「(だけど…それでも無駄じゃなかった)」

京太郎「(俺のやってきた事は…意味があった…)」

京太郎「(積み重ねた想いが…今、こうして俺の事を…一歩進ませてくれた)」

京太郎「(…だから…)」


























「ツモ。2000・4000」






















江藤「…あぁ」

京太郎「…終わりだな」

江藤「そうだな…まったく…完敗だよ」

京太郎「江藤…」

江藤「悔しいな…あぁ…まったくもって悔しい」

江藤「…こんなに完膚なきまでに叩きのめされるのは…本当に久しぶりだ」

京太郎「…どうしてだ?」

江藤「…ん?」

京太郎「…どうして小鍛治プロじゃなく…他の打ち手をコピーしなかった?」

京太郎「それをしていれば結果はまた変わっていたはずだろ」

江藤「…そうだな。じゃあ…逆に聞くが…」

江藤「お前は赤土晴絵の打ち方が通用しない相手と出会って…それを捨てられるのか?」














江藤「俺にとって最強は先生だ」

江藤「どんな雀士に比べても…最高なのは先生だ」

江藤「だから、俺にとってそれを捨てるのはどんな敗北よりも屈辱的なものなんだよ」

江藤「…古臭い打ち方ずぅぅっと護ってるお前も同じだろ?」

京太郎「…そうだな。悪い。バカな事聞いた」

江藤「構わねぇよ。多少のバカは勝った祝に見逃してやる」ガタッ

京太郎「…江藤」

江藤「…須賀、お前は来年、どうするんだ?」

京太郎「えっ」

江藤「プロに行くのか…それともインターカレッジに行くのか」

京太郎「悪い…まだ考えてない」

江藤「そっか。んじゃ…決まったら教えろよ」

京太郎「…リベンジか?」

江藤「当然だ。こんなにやられて引き下がれるかよ」

江藤「今回は俺の負けだ。だけど…次はそうじゃない」

江藤「次は挑戦者として…お前に挑む」

京太郎「…おう。受けて立ってやるよ」














【控室】

W「しっしょおおおおおおおっ」ダキッ

京太郎「うぉあ…!」

W「凄かったっす…!マジ最高っした…!!」

京太郎「大げさだよ。あと一歩間違っていたら…大敗しててもおかしくなかった」

α「それでもあの不敗のチャンプに土をつけたのは事実だろ」

β「ネットの盛況っぷりたらないぜ?まるでお祭り状態だ」

Y「結果だけを見れば一方的に封殺した訳ですから当然でしょう」

京太郎「実際は綱渡り状態でヒヤヒヤもんだったんだけどなぁ…」

α「でも、それを渡りきったのはお前の実力だ」

β「…おめでとう、須賀」

京太郎「…あぁ、ありがとうな」













W「うぉお…おぉお!も、燃えてきたぁぁ!!」

α「ま…確かにあんなギリギリの駆け引き見せられちゃあな」

β「見てるこっちが息が詰まりそうな戦いだったぜ」

Y「…付き合わされた二校は…」

α「完璧焼き鳥だったからなぁ…若干同情するが…」

β「だけど、須賀と江藤の打ち合いで始終してた分、点差そのものは大きく開いてる訳じゃない」

W「…分かってます。次鋒…つまり俺のところが正念場なんですね…!」

京太郎「悪いな、W。お前には面倒をかけるけど…」

W「いえ…!問題ありません!」

W「寧ろ、俺、今打ちたくてウズウズしてるんですから!」

W「師匠に負けてられない…負けたくないって…!」

ピンポンパンポーン

Y「…時間ですね」

京太郎「…じゃあ…W」

W「はい…!任せて下さい!」

W「俺が…阿知賀の勝利を決定づけてきますから!!」


>>+2
00~30 だが、-収支で終わった
31~60 順当にバトンを手渡した
61~80 長良を追い詰めた
81~99 長良は犠牲になったのじゃ…犠牲の犠牲にな…
※相手の雀力補正と打ち消して補正なし

































>>順当にバトンを渡した

W「(やっぱり師匠ってすげー…!)」

W「(あの恐ろしいくらい強いチャンピオンと打ち合って…そして勝って来るんだから)」

W「(点差は大きい訳じゃないけれど…師匠は間違いなくエースとして最高の仕事をしたんだ…)」

W「(俺も…師匠みたいになりたい)」

W「(師匠みたいに…人の期待を背負って…そして勝てるようなエースに…!)」

W「(勿論…俺には師匠みたいな強さはないし…頭だってよくない)」

W「(でも…最初にあったあの時から…俺にとって師匠は間違いなく…最高の雀士なんだ)」

W「(それを…俺は今日、改めて確信した)」

W「(やっぱり師匠は最高で…俺にとっての目標なんだって)」

W「(本当は…そんな師匠とずっと一緒にいたい)」

W「(これからも…俺の面倒を見て欲しい)」

W「(だけど…そんな事は出来ないんだ)」

W「(師匠は今年で卒業で…こうして阿知賀高校麻雀部として打てるのは今年がラスト…)」

W「(…だからこそ、俺は…絶対に…!)」グッ

W「(情けないところを…見せられない…!)」キッ

W「(師匠のように…なるためにも)」

W「(絶対的なエースとして…その後を継ぐ為にも…!)」

W「(師匠たちの最後の花道を…飾るのが俺の仕事だ…!!)」

W「…ロン!16000!!」

長良「ぐぅ…」
















W「…すみません。終わらせられませんでした」シュン

α「いや、終わらせなくて良いんだよ。たまには俺に出番よこせよ」

β「つーか、何さらっと恐ろしい事言ってるんだコイツ…」

W「いやー…もうちょっとエンペラータイムが続けばワンチャンあったんですけど…」

京太郎「まぁ、十分な仕事はしただろ」

Y「そうですね。点差は確実に広がっていますし」

β「長良は大分凹んでいたな…やっぱり先鋒戦が随分効いてたか」

α「ま、完全に踏み台にされた訳だしな。そりゃ凹みもするって」

Y「その上、踏み台にした大谷は須賀先輩に負けてる訳ですし」

京太郎「あはは…まぁ、運が良かったんだな」

β「んじゃ…その運の良さを分けてもらいますか!」バシッ

京太郎「痛っ!!」

β「そろそろ出番だしな」

α「おう。程々に頑張れ…いや、何なら逆転されても良いぞ」

β「止めろよ、そういう縁起でもない事言うの…」

α「準決勝と決勝の両方で出番がないとエウシュリアに合わせる顔がないんだよ!!!」

京太郎「…割りと切実だな」

β「ま、考えといてやるよ、考えるだけだけどな」





>>+2
00~30 だが、-収支で終わった
31~60 順当にバトンを手渡した
61~80 長良を追い詰めた
81~99 長良は犠牲になったのじゃ…犠牲の犠牲にな…
※フォア+10のみ




































大谷「…よう」

β「おぉ、久しぶり」

大谷「そうだな…チーム戦で会うのは三年ぶりか」

β「個人戦じゃほぼ毎年会ってるけどなぁ」

大谷「はは。そうだな。で…勝って負けてー…の繰り返しだ」

β「去年が俺の方が順位上だったぞ」

大谷「一年は俺が勝ち越したからな」

β「二年前の話持ちだされても…」

大谷「そっちだって一年前の話だろうが」

大谷「…ま、なにはともあれ…団体戦出場おめでとう」

大谷「一つ夢が叶ったな」

β「…おう。でも…それで終わりじゃないんだろ?」

大谷「…勿論だ」

大谷「…最後のインターミドルで青山が負けたのは俺の所為だからな」

大谷「俺がお前に翻弄されなきゃ…大将戦前に終了なんて結果にはならなかった」

β「ありゃ誰だって無理だったと思うけどな」














大谷「それでも…俺はずっと悔やんできた」

大谷「お前と個人戦で会った時に…何度も思ったよ」

大谷「どうして団体戦じゃないんだってな」

β「そりゃ悪かった。でも、こっちにも事情があってな」

大谷「それは分かってる。だから今までそれを言わなかっただろう」

大谷「だけど…今、俺は大手を振ってそれを言える」

大谷「そして…あの日のリベンジを果たす事が出来る」

β「…随分とやる気十分みたいじゃねぇか」

大谷「当然だ。こっちはお前が団体戦に出てるって時からこの時を待ち望んでたんだ」

大谷「今日こそ…あの日の屈辱を払拭する…!」

大谷「悪いが…ここで逆転させてもらうぞ…!!」

β「…やれるもんならやってみろよ」













大谷「ロン。7700だ」

β「はいよ。…気合入れてる分だけはあるな」

大谷「当たり前だ。こっちは今日という日の為に対策を練りに練っていたんだからな」

β「なるほど…対策…ね」クスッ

大谷「…どうした?」

β「…いや、その手のエキスパートは…実は身内にいるもんでね」

β「何やっても自分のプラスに引きこむような化け物でさ…」

β「正直、アンチ能力多すぎだと思うんだよな、幾らなんでも」

大谷「…何を言ってる?」

β「で、俺はそんな化け物と日頃から打たされてるんだよ」

β「お互い手の内完全モロバレの状態で…こっちだけ武器を取り上げられてさ」

β「…ホントやってられねぇよ

大谷「それで?」

β「…そうだな。ま、結論から言えば…」

β「この程度で対策だなんて笑わせるなって事だよ」

大谷「…減らず口を」

β「減らず口かどうかは…数局後には分かるさ」








大谷「(…どうしてだ…!?)」

大谷「(俺は…完全にβの対策をしていたはずだ…!?)」

大谷「(こいつの打ち筋をコピーした江藤と何十回…何百回と打っているのに…)」

大谷「(何度もミーティングした対策をやってるのに…どうして…!?)」

β「…ロン。3900」

長良「…は…い」

大谷「(…何故、阿知賀が止まらない…!)」

β「…なんでって顔してるな」

大谷「…っ!」

β「悪いけど…俺は対策慣れしてるんだよ」

β「その気になれば…能力なしの平でも打てるし…」

β「ついでに言えば…癖をブラフに使うやり方も教わってきた」

大谷「くっ…」

β「言っただろ?俺はとんでもない化け物と打ってるって」

β「癖や弱点なんてとっくの昔に全部矯正してるよ」

β「それでも俺の対策とやらが使えるつもりなら…もうちょっとやってみれば良いさ」

β「もう残り少ない局を自分の意地の為に無駄にするつもりなら…な」















β「ふぅ…お疲れーっす」

京太郎「ドSが来たぞー!!」

β「ちょ…まてよ!!」

α「流石の俺もあそこまでのトラッシュトークは引くわぁ…」

β「いやいや…だってさ!いきなり対策だって言い出したのあっちだぜ!?」

京太郎「だからってアレはちょっとなぁ…」

β「ぐぅ…決勝戦MVP間違いなしな俺になんて言い草だ…」

W「でも、凄い削ってましたよね」

β「大谷の奴が俺の対策とやらに始終してくれたからな」

β「お陰でブラフを仕込んで混乱させられたし…普段よりやりやすいくらいだったよ」

Y「そういうところがえげつないと言われる所以だと想いますが」

β「ヒントはやったのに、対策の対策を想定してないあっちが悪い」キッパリ

α「ま…でも、長良は大分削れたな」

β「次鋒戦と合わせてガン沈みだな」

京太郎「準決勝と同じ感じなら飛ばせるかもなぁ」

α「飛ばすなよ?いいか、絶対だぞ」

Y「…これはフリという奴でしょうか」

α「フリじゃねぇよ!!」
















京太郎「でも…麻雀なんて何が起こるか分からないからな」

京太郎「もしかしたら大将戦でバカみたいにαが沈むかもしれないし…」

β「そうだな。ブランク長いしな」

W「準決勝出てませんでしたしね」

α「お前ら覚えてろよ…」

Y「…ふふ」

W「えっ」

α「えっ」

β「えっ」

京太郎「えっ」

Y「…なんでもありません」

Y「どちらにせよ…自分が全力を尽くします」

Y「どっちみち俺にはそれしか出来ませんから」

β「おう。頼んだぞ」

Y「…はい。では…行ってきます」


>>+2
00~30 だが、-収支で終わった
31~60 順当にバトンを手渡した
61~90 長良は犠牲になったのじゃ…犠牲の犠牲にな…
91~99 長良の死亡確認!!!!!
※相手の雀力補正と打ち消して補正なし












































>>順当にバトンを手渡した

Y「(決勝戦…か)」

Y「(これが終わったら…このチームも終わり…)」

Y「(そう思うと…やはり少しだけ…胸の疼きを感じる)」

Y「(俺にとってチームとは…やっぱりこの人達の事を指すんだろう)」

Y「(麻雀の事だけじゃなく…色々と楽しい事…辛いことを教えてもらえた)」

Y「(こうして肩を並べて戦ったのは…中学校の頃と合わせても一年程度でしかない)」

Y「(だけど、その時間は…常に俺にとって得難く…そして素晴らしいものだった)」

Y「(ずっとこの時間が続けば良いと…そんなセンチメンタルなきもちになるくらいに)」

Y「(でも…それは…)」

Y「(それは…俺よりもWの方が強く思っているはずだ)」

Y「(人懐っこいあいつは…誰よりも先輩たちに懐いていた)」

Y「(そんなあいつが…最後の最後まで…我儘を言わずにやりとおした)」

Y「(自分の仕事をしっかりとこなして…β先輩に繋いだんだ)」

Y「(…なら、ここで俺がその気持ちに浸っている訳にはいかない)」

Y「(Wは…それを乗り越えた。乗り越えて…そして自然体で過ごしている)」

Y「(泣きたいくらい寂しい気持ちを堪えて…いつも通りの軽口を叩いていた)」











Y「(いや…それはWだけじゃない)」

Y「(β先輩も須賀先輩も…)」

Y「(ごくごく普通の…自然体で過ごしていた)」

Y「(まるでこれで終わりじゃないんだと…まだまだこのチームが続いていくのだと…そんな風に)」

Y「(感傷に浸る様子もなく…何時も通りの彼らに…俺はつい笑ってしまった)」

Y「(…何年ぶりだろう…そうやって人前で笑うだなんて)」

Y「(その前に笑ったのは…もう思い返せないくらい…ずっとずっと昔だったような気がする)」

Y「(…自分でも…無感動なタイプだと…思っていたんだがな)」

Y「(でも…俺はどうやら自分でも思っていた以上に…情が深い人間だったらしい)」

Y「(…少なくとも…信頼し、信用している人たちの前では…つい笑ってしまう程度には)」

Y「(そんな風に…信頼している人たちと離れたくはない)」

Y「(だけど…ソレ以上に俺は…あの人達との最後を穢したくはない)」

Y「(それだけ信頼しているからこそ…離れがたいと…そう思っているからこそ)」

Y「(来るべき別れに備える為に…笑って良かったと言えるように)」

Y「(…ここは絶対に負けられない)」グッ

Y「(相手は…百戦錬磨の三年生で…実力的にも格上だ)」

Y「(冷静に戦力を分析したら…勝てる公算の方が低い)」

Y「(…だからこそ、俺はここを流す)」

Y「(我は要らない…結果は最低限のものだけで…いや、大幅な逆転さえなければ良い)」

Y「(俺の後ろにいるのは…α先輩なんだから)」

Y「(麻雀部の中では飛び抜けて変人だが…しかし実力は確かなあの人を…俺は信頼している…尊敬している)」

Y「(α先輩なら…大丈夫。そう信じているからこそ…俺は…)」スッ




Y「…ツモ。400・700です」













β「…」

α「どうした?β」

β「…いや…なんだろうな」

β「今…俺すげー感慨深い気持ちで一杯だよ」

京太郎「まるでお前みたいな打ち筋だったな」

β「あぁほんと…俺みたいにいやらしいくらい堅実な奴だよ」

W「完全流すつもりでしたね…Y」

α「ま…だけど、この状況でそれは決して間違いじゃない」

α「相手は男子インターハイ個人一桁だからな」

β「まだYには荷が重い…本人もそう判断したんだろう」

京太郎「結果、収支じゃ微かに負けてるが、それでも+に持って行ってくれた」

α「点差は殆ど縮まってない…格上相手によくやってくれたもんだ」

β「これで決勝戦であいつらは逆転の為に三万点差を埋めなきゃいけなくなった」

α「最初からガンガン攻めて来るだろうな…」












α「…ははっ」

β「どうした?」

W「緊張でおかしくなったんですか?」

α「お前らな…そういうんじゃねぇよ」

α「寧ろ、逆だ。俺は嬉しいんだよ」

京太郎「出番があったからな」

α「いや、勿論、それもあるけど…それだけじゃねぇよ」

α「死に物狂いで攻めて来る奴らを華麗に交わして…俺が優勝を決められるんだ」

α「先鋒でも中堅でも…この快感は味わえねぇよ」グッ

α「大将…本当に良い響きだ。部長ってのと同じくらいワクワクさせてくれる」

α「でも…よ。俺にとって一番、嬉しいのは…」












α「…その瞬間を…お前らと迎えられるってのが一番だ」

京太郎「…α」

α「…一度しか言わねぇぞ」

α「俺にとってこのチームは…最高のチームだった」

α「いや…これからもずっと最高のチームだって信じてる」

α「…そんなチームを一緒に作ってくれたお前らに…優勝って最高のプレゼントをくれてやれるんだ」

α「その喜びくらべれば、一回二回出番なかったくらい屁でもねぇよ」

β「…さっきあんなに拗ねてた奴のセリフとは思えねぇぞ」

α「うっせぇ。…ま、だから…なんだ」

α「安心して…見とけよ」

α「俺は…必ずお前らを優勝させてやる」

α「それが俺の…フォア・ザ・チームだ」

W「…α先輩」

α「…んじゃ行ってくるよ」

京太郎「…おう。後は頼んだぜ大将」グッ

α「任せろエース。お前の頑張りは無駄にはしねぇよ」ガッ




>>+2
00~20 おぉっとここで大将α選手大崩れだー!!
21~50 ギリギリの接戦を制して勝利した
51~80 収支リードを保ち続けた
81~90 飛ばして終わらせた
※フォア・ザ・チームにより+10




































大谷「おっと…もう先に着いてたか」

α「あぁ…なんか居心地悪かったもんでな」

大谷「なんかあったのか?」

α「…いや、ちょっとテンションに任せて恥ずかしい事言ってな」

大谷「…え?」

α「…なんだよ」

大谷「いや、深淵云々より恥ずかしい事なんてあるのかなって思ってよ」

α「何を言ってるんだ。深淵の騎士たる我がその真言を口にせずして誰が口にするのだ」

大谷「…あぁ、うん。やっぱりお前中学から変わってないんだな」

α「いや、成長はしてるぞ」

大谷「そうは見えないけどな…っと」

α「…で、そっちも随分早いけど…どうした?」

大谷「ん?あぁ…ま、そっちと似たようなもんだ」

大谷「俺が逆転してきてやるとか…色々言っちまった所為で…なんか気恥ずかしくてさ」

大谷「ついつい逃げて来ちまった」

α「…格好わるいな」

大谷「お前にだけは言われたくねぇよ…」















大谷「それに…あいつらマジ容赦ねぇんだもんよ…」

大谷「ガキの頃から知ってる所為か…マジで的確に抉ってくるからな」

α「あー…そっちは全員幼馴染なんだっけか」

大谷「おう。先生の教室でつるんでから…ずっと今日まで来てる」

大谷「流石にこっから先はどうなるかはまだ分かんないけどな…でも、来年からはバラバラだろ」

α「…寂しくないのか?」

大谷「ま、色々あったからなぁ…」

大谷「…最初は俺らも仲良しこよしじゃなくてさ…喧嘩もよくしたっけか」

大谷「特に江藤の奴とは何度も殴り合い寸前までいったな…」

大谷「最初の頃のあいつは先生以外はゴミだって思っててもおかしくなかったし…」

大谷「ついでに言えば…滅茶苦茶我儘だったからな」

α「そんなにひどかったのか?」

大谷「そりゃひでぇよ。中学一年で俺たちが敗退したのもあいつの我儘が原因だしな」

大谷「もうコレ以上やっても時間の無駄だから出ない…なんて言い出しやがった時にはマジで殴りかかったくらいだよ」

α「…よくそれでチームやれてたな」

大谷「ま、仲は最悪だったけど…でも、お互い小鍛治先生の顔は立てたかったからな」

大谷「ギリギリ協力する程度の仲には踏みとどまれてたよ」














大谷「…で、そんなあいつが中学二年の頃、急に素直になりやがった」

大谷「今までの事を一つ一つ謝って…時には土下座までしたくらいだ」

大谷「正直、何が起こったのかは分からないくらいだったな」

大谷「俺にとっては中身が別物になったって言われた方がまだ信じられるような光景だった」

α「…苦労してたんだな」

大谷「ま、一番、苦労してたのはあいつの手綱を握らなきゃいけなかった小鍛治先生だろうけどな」

大谷「だけど…それもあの年に終わった。…だからさ、俺は…実はお前らに感謝してるんだぜ」

α「…感謝?」

大谷「あぁ。お前らがいなかったら…江藤は人の事を考えない奴のままだっただろう」

大谷「お前らに負けなければ…俺達はきっと本当の意味で団結する事はなかっただろう」

大谷「お前らが立ち塞がらなかったら…俺達はきっと今日この場にいなかったはずだ」

α「……」

大谷「…だけどな」

大谷「だからこそ…俺はお前らに負けてやる訳にはいかないんだよ」

大谷「あの江藤の奴が…すまないって…頭を下げて」

大谷「それでようやく…今のチームになれたんだ」

大谷「その江藤の気持ちを…俺は決して無駄にしたくはない」

大谷「いや…無駄にしちゃならないんだよ」













大谷「だから…勝つのは…俺達で…江藤だ」

大谷「須賀じゃない…江藤が男子最強なんだ」

α「…随分と入れ込んでるじゃねぇか」

大谷「ま、仲間だしな」

大谷「色々トラブルもあったし…殺してやろうかと思った時もあったが…」

大谷「でも、それを乗り越えられた俺達は…強い絆で結ばれてるってそう信じてる」

大谷「最高のチームはお前たちじゃなく…俺達だって…そう信じてるんだ」

α「…違うな」

大谷「ん?」

α「…勝つのは大谷じゃねぇよ」

α「…俺達だ」

α「俺たち阿知賀が…必ず優勝する」

大谷「…はは。そうだよな」

大谷「そりゃあ…譲れないよな」

α「当然だろ。俺だって…あいつらの気持ちもを無駄にしたくない」

α「回り道しながらも必死になって駆けまわって…俺達に追いついてくれた須賀の気持ちも…」

α「もう一回チーム組みたいってだけで有名校の推薦蹴って阿知賀に来てくれた後輩たちの信頼も…」

α「そして…それらを背負って優勝するって決めた…俺の覚悟も」

α「何もかも重くて…だけど、だからこそ、大事なものなんだ」













大谷「…んじゃ、決着は…」

α「…そうだな。麻雀でつけようぜ」

α「どっちが最高のチームなのか…白黒はっきり分かりやすく…さ」

大谷「…っと…丁度良いタイミングで他の奴らも来たか」

α「ま、もう開始数分前だしな。不戦敗にはなりたくねーべ」

大谷「それもそうだな…じゃあ……ここから先は…」

α「おう。会話もなしの敵同士だ」

α「だから…全力で来いよ」

α「どんな結果になっても…誰かを恨んだりしなくて済むように」

大谷「…当たり前だ。そっちこそ手加減するんじゃねぇぞ」

大谷「3万点差なんて…あってないようなもんなんだ」

大谷「隙を見せれば…すぐに食い破ってやる」

α「手加減なんて出来る訳ないだろ…俺は四年前お前に逆転されてるのに」

α「だから…今度はその意趣返しでもあるんだ」

α「手なんて抜けないし…そっちが諦める事だって許さねぇよ」

α「全力で俺は勝ちに行く。どんなに卑怯だと言われても…優勝をもぎ取りに行く」

α「だから…お前も全力で逆転しに来いよ」

大谷「…当然だ」










α「(…分かっていた)」

α「(あいつらが決して悪役じゃなくて…)」

α「(俺たちを同じものを好んで…それに全力で向き合う…ある種の仲間なんだ)」

α「(そんな奴らをねじ伏せられてきたのは…偏に俺が鈍感であったからだ)」

α「(そういう事をまったく意識せずに…仲間だけを見て…麻雀に集中出来ていたからだ)」

α「(だけど…今、大谷の話を聞いて…やはり胸の痛みを感じてしまう)」

α「(…あいつらは俺達の姿でもあるんだ)」

α「(絶対的エースを中核にして…強い信頼で結ばれたチーム)」

α「(もし、俺とβがもっと早くに赤土先生と会っていたら…)」

α「(あいつらの位置に俺たちが居たかもしれない)」

α「(だけど……あぁ、そう…だからこそ…)」

α「(お前らが強い信頼で結ばれて…鏡写しにも思えるからこそ)」

α「(俺は…お前らには負けられない)」

α「(例え平行世界を見渡しても…俺たち以上のチームはない)」

α「(別の世界で俺やβ、須賀や後輩たちと一緒のチームになっても…ここの…この瞬間の俺達が最高だって信じているんだ)」

α「(…それを証明する為にも…俺は…手は抜かない。油断も…しない)」

α「(全力で…いや、全力以上で…)」

α「(…勝って…そして証明する)」

α「(俺たちが間違いなく今年最高のチームで…そして…)」

α「…ロン。18000」

α「(これだけ俺たちを追い詰めた大谷も…それだけ凄いチームなんだって)」












大谷「…っ…!」グッ

α「…その」

大谷「…お前の…勝ちだ。…いや…阿知賀の勝ちだ」

α「…あぁ」

大谷「…見事だった。点差があるから…なんて言い訳にならない」

大谷「完璧に…上を行かれて…負けた」

α「……それは」

大谷「…だけど、勘違いするなよ」

大谷「お前に負けたのは…あくまで俺なんだ」

大谷「大谷高校麻雀部は…負けてない」

α「…諦め悪ぃな」

大谷「当然だ。こうして負けた今でも…俺はうちが最高のチームだって思ってる」

大谷「負けはしたが…心までは折られてはいないし…お前たちを最高だと認める気にもなっていない」

大谷「だから…大谷高校麻雀部は…俺以外の奴は負けてないんだ」

α「…そっか。…なるほど…そういう考え方もありっちゃありだな」

α「じゃあ…俺もお前に帰してやる」








α「この我、深淵の騎士率いる黄昏の騎士団こそ最強!!無敵…!そして、常勝不敗なのだと!!!」ドヤァァ

















「で、出たぁぁぁぁぁ!!α選手の厨二攻撃だー!!!」

「いい話っぽかったのに全部台無しだな!!!」

「解説さんの顔も思わずひきつるこの威力!!五年前から色合わせていません!!」

「毎年、これやってますからね……ある種の恒例行事みたいなもんです」

「未だに子どもの頃の心を忘れません!!出来れば精神的には成長して欲しいところですが!!」

「まぁ、私はもう慣れましたよ…視聴者の方もそんな人が多いのではないでしょうか」

「一節によるとこの最後の決め台詞を聞きたくて番組を録画している人もいるとか!!」

「やめてさしあげろ」

「このセリフを聞かないとインターハイが終わった気がしないとまで言われる事もあります!!」

「やめてあげてってばぁっ!」

「会長の閉会宣言よりもそれらしいとまで言われる風物詩になったα選手の将来が色々と気になるところですが!!」

「ここからは少しCMに入ります!」























α「よ。帰ったぞ。黄昏の使者たちよ!」ドヤヤァ

京太郎「黄昏の使者たちよ…じゃねぇよ!」

β「なんで勝手に巻き込んでるんだよ!!」

α「いや、あの舞台に我が立てたのは皆の尽力のお陰だからな」

α「それらをあの場面でアピールするのは大将として当然の事だろう」ドヤヤヤァ

W「な、なんて冷静で的確な心遣いなんだ…!」

Y「…どうでも良いですけど、これ絶対来年も言われますよね」

京太郎「阿知賀麻雀部じゃなくて黄昏の騎士団呼ばわりか…ありうるな…」

β「…なんかごめんな」

Y「…いえ、別に自分は大丈夫なんですが…」

W「おう、Y!来年も黄昏の騎士団として頑張ろうな!!」

Y「…多少、まだ見ぬ後輩たちが気の毒ではあります」

α「うむ!だけど、YやWがいるのだ!」

α「俺達が抜けても今日の功績などあっという間に追いつく事が出来るぞ!」

京太郎「…そういう意味じゃないんだけどなぁ…」













コンコン

京太郎「…っとこのタイミングは…」

α「いつも通りなら取材だな」

β「どうする?…つか、俺は出たくないんだけど」

Y「自分もです」

W「俺はあんまり何もやってないからなぁ…」

α「俺はエウシュリアとのメールに忙しいからな…ふふ…格好良かったってさ…」ニヤニヤ

β「駄目だこいつ…って事で消去法で須賀だな」

京太郎「いや、俺も出たくはないんだけど…」

β「相手も欲しいのはチャンピオン破ったお前のコメントだろうしな」

β「とりあえずこいつの準備が出来たら代わりに矢面に立たせるからそれまで間をモタしててくれ」ゲシゲシ

α「い、痛い…!ちょ!止めろよエウシュリアにメール打てないだろ!!」

京太郎「あー…分かった。分かったよ…」
















ガチャ

「あっ須賀選手!優勝おめでとうございます」

京太郎「あ、はい。ありがとうございます」

「如何でしたか、チャンピオンは…!」

京太郎「…いや、勿論、強かったですよ」

京太郎「結果だけ見たら勝っていますけど…でも、一歩間違っていたらこっちが負けていました」

京太郎「何時足を踏み外してもおかしくはないギリギリの戦いだったと思います」

「こうして復帰して一年で優勝を果たした訳ですけど何が決め手でしたか!?」

京太郎「それはやはりチームメイトの強さです」

京太郎「阿太峯の頃から一緒だった彼らが一緒でなければ…」

京太郎「最初から最後まで優勢を保つ事は出来なかったでしょう」

京太郎「そういう意味で私はとても得難いチームメイトに囲まれて幸せだと思います」

「ありがとうございます!では、最後に今の思いを…一番伝えたい人に!」

京太郎「…これ本気で言わなきゃダメですか?」

「もう三回やってますし…結構評判も良いので是非…!」

京太郎「あー…えっと…えっと…それじゃあ…」


>>+2
末尾16 ずっと見捨てないでいてくれた幼馴染たちに
末尾27 ずっと支えてくれた幼馴染に
末尾38 俺を受け入れてくれたある姉妹に
末尾49 今も心配してくれているであろう先輩に
末尾50 誰よりも世話になった先生に





































>>俺を受け入れてくれたある姉妹に


京太郎「…えっと、まぁ…それじゃ…その…」

京太郎「この二年間…色々あった俺を…受け入れてくれた知り合いの姉妹に…」

京太郎「…今日この日を迎えられたのは…二人のお陰だ」

京太郎「玄には一杯元気を貰って…宥さんには沢山支えてもらったよな」

京太郎「今日ここまで来るのに…何度も怖くなったけれど…」

京太郎「それを抑えて…勝つ事が出来たのは支えてくれた二人のお陰だ」

京太郎「二人がいなかったら…俺はきっとここにはいないと思う」

京太郎「多分…まだ麻雀を禁止されてて…燻ったまま結果を見つめていたはずだ」

京太郎「αやβとも一緒に打てず…あいつらの期待を裏切ったままになっていただろう」

京太郎「YやWにも失望されるのが怖くて…麻雀部にすらよりつかなくなっていたかもしれない」

京太郎「だけど…今こうして俺は二人のお陰でここにいられて…」

京太郎「だから…ありがとう。本当に…ありがとう」

京太郎「俺にとって二人とも…最高の仲間だ」












【松実館】

玄「…っ」プルプル

玄「お、おねーちゃ…おねーちゃ…っ」プルプル

宥「はいはい。大丈夫だからね」

宥「さっきの…決して夢じゃないよ」

玄「ほ、ホント!?」

宥「うん…だって、私もとっても暖かいから…」ポワァ

玄「わ…おねーちゃんの顔真っ赤…」

宥「…玄ちゃんだって…もうリンゴみたいに真っ赤っ赤だよ?」ナデナデ

玄「だ、だって…京太郎君が…京太郎君がぁ…」プルプル

宥「…うん。私もまさか…私達の事言ってくれるなんて思ってなかった…」ニコ

宥「すっごい嬉しい…」ギュゥ

玄「お、おねーちゃん…でも…これどうしよう…」

宥「うん?」

玄「こ、こんなに嬉しいの貰っちゃったら…私たちどうやって京太郎君にお礼したら良いんだろ…!?」ワタワタ















宥「大丈夫だよ。何時も通り…きょーくんに優しくしてあげれば良いんだから」

玄「…本当にそれだけで良いの?」

宥「勿論。きょーくんは見返りを求めてこういう事言う事じゃないでしょ?」

玄「…そう…だけど…でも…」

玄「私…一杯してあげたい」

玄「京太郎君の為に…いろんなことしてあげたくて…しかたないの…」ウズウズ

宥「ふふ…そうなんだ」クスッ

玄「…おねーちゃん?」

宥「大丈夫…私も一緒だよ」

宥「私もきょーくんに一杯お礼してあげたい」

宥「でも、あんまりし過ぎちゃったら…きょーくんも萎縮しちゃうし…ね?」ナデナデ

玄「ぅー…」

宥「…だから、二人で一緒に考えようね?」

玄「え?」

宥「きょーくんが遠慮無く受け取ってくれて…それで満足してくれるようなお礼…」

宥「二人で一緒に考えて…きょーくんが帰ったらすぐにしてあげよう?」

玄「…おねーちゃんっ♪」ダキッ

宥「ふふ…二人で最高のプレゼント考えようね?」

玄「うん…っ♪」
最終更新:2014年02月01日 00:19