京太郎「(それからはもう糸が切れるまでお祭り騒ぎだった)」
京太郎「(それまでの鬱憤を晴らすように俺達が盛り上がりまくったんだ)」
京太郎「(それだけ盛り上がるだけの理由はそれこそ探すまでもなくあった)」
京太郎「(男子の方だけじゃなく、女子の方でも団体優勝決まって…)」
京太郎「(その上、αの奴がインタビューの最中にプロポーズするという斜め上の事をしでかしたんだから)」
京太郎「(他にも色々騒ぐ理由があって…だからこそ…)」
京太郎「(俺達はそれを目を背けられていたんだろう)」
京太郎「(つまり…これでもう俺達の夏は終わって…チームも解散だと言う事を)」
京太郎「(最高の結果だったとはいえ…終わった事に代わりはないんだ)」
京太郎「(必要以上に騒いで…疲れているのに深夜まで起きていたのも…きっとそれが関係しているんだろう)」
京太郎「(熱狂に酔いしれる事が出来るうちに酔いしれて…)」
京太郎「(それに気づいてしまうのを先延ばしにしたかったんだろう)」
京太郎「(だけど…熱狂の一日から一日が経ち…個人戦への中休みに入れば…少しは頭も冷える)」
京太郎「(そんな時には…どうしても俺の頭に…何もかもが終わってしまったという空虚な感覚がのしかかった)」
京太郎「(そんなの…考えても仕方ないんだよなぁ…)」
京太郎「(優勝できずに泣きを見たチームとは違って…俺達は最高の終わり方は出来たのに)」
京太郎「(こんな事思うなんて…贅沢が過ぎる話だろう)」
京太郎「(そんなのは…分かってるんだけどなぁ…)」
京太郎「(だけど…やっぱり…燃え尽きたような感覚は否めない)」
京太郎「(俺にとっての目に見えた目標は…もうなくなってしまったんだから)」
京太郎「(これからは将来の事を真剣に考えなければいけないって…そう思っているのに)」
京太郎「(どうにも気持ちが後ろを向いたまま前に進まない)」
京太郎「(コレじゃダメだって…分かってるんだけどなぁ…)」
京太郎「(まだ個人戦もあるのに…気を抜きすぎだって…自覚してるんだけど…)」
晴絵「やっほ。京太郎」
京太郎「お…レジェンド」
晴絵「待った?」
京太郎「あぁ。30分くらいな」
晴絵「ちょっと…そこはいま来たとこって言うのがお約束じゃないの?」
京太郎「残念だけどそういうお約束が通用するような間柄じゃないんでな」
晴絵「…でも、今日は…その…アレでしょ?」
京太郎「…ん?アレって?」
晴絵「その…なんていうか…で…デート…」カァァ
京太郎「…え?そうだったっけ?」
晴絵「も…もぉ!そういう話だったでしょ!!」
京太郎「はは。悪い悪い。ちゃんと覚えてるよ」
京太郎「ま、それに…な」ジィ
晴絵「な、何…?」
京太郎「…大分、気合入れた格好してきてくれてるしな」
晴絵「ぅ…」
京太郎「いやー…レジェンドのスカート姿なんてどれくらぶりだろうな」
晴絵「べ、別に良いでしょ。パンツの方が色々と楽なの」
京太郎「はは。まぁ、アレだ。新鮮だよ」
晴絵「…それ…だけ?」モジモジ
京太郎「んー?」
晴絵「それだけ…なの…かなって…」カァァ
京太郎「…あぁ、ちゃんと可愛いよ」ポンポン
晴絵「はぅ…ん…」
京太郎「普段、キレイ目なコーディネートしてるけど、可愛い系も結構似合うんだな」
晴絵「ま、まぁね!まだ私もピチピチな証拠よ!」カァァ
京太郎「…ピチピチ…なぁ」
晴絵「…何?」
京太郎「まぁ、そのうろたえぶりを見るに初々しいのは確かだけどさ」
晴絵「うぐっ」
晴絵「まったく…全然ロマンチックじゃない…」
晴絵「折角の…で…で…デート…なのにさ…」カァ
京太郎「そもそも俺にそういうの求める方がおかしいだろ」
晴絵「そりゃ…そうかもしれないけど…」
晴絵「でも、やっぱり…初めて…なんだし…色々と…考慮してくれてもさ…」
京太郎「…んー考慮…ねぇ」
京太郎「…じゃ、お姫様…この私めにその美しい手を取る名誉をいただけませんか?」サッ
晴絵「ふぇっ!?」カァア
京太郎「なーんてな」
晴絵「あ…あぅ」プシュゥ
京太郎「流石にちょっとこれはくさすぎ…」
晴絵「…ど…ぞ…」スッ
京太郎「…じゃないのか」
京太郎「ま…じゃあ、この方向性で行こうか?」
晴絵「そ、それは…ダメ」ギュッ
京太郎「え?」
晴絵「こ、こんなのずっとなんて…心臓がバクバクし過ぎて死んじゃいそぉ…」マッカ
京太郎「…耐性ないってレベルじゃないだろ…チョロすぎるぞレジェンド」
晴絵「だってぇ…」
京太郎「だってじゃないっての」
晴絵「ぅー…」
京太郎「はいはい。唸ってないで…ほら」ギュッ
晴絵「…ん」
京太郎「東京って人多いから…ちゃんと手を繋いでおかないと」
晴絵「…じゃ、じゃあ…ずっとこのまま…?」
京太郎「ま、その方がデートっぽいだろうしな。嫌か?」
晴絵「う、ううん!そんな事ない!」ブンブン
晴絵「む…しろ…その…なんていうか…」
京太郎「…うん?」
晴絵「…や、やっぱりなんでもない…」
京太郎「そこで止めるなよ、気になるだろ」
晴絵「い、良いから!それより…時間もないんだし…キビキビ行こ!」
京太郎「あいよ。じゃあ…どうする?」
晴絵「とりあえず服から見に行きましょ」
晴絵「わぁ…色々あるねー」
京太郎「そりゃ仮にもそれ専用のデパートな訳だしな」
京太郎「つーか、レジェンドはこういうトコ来たことねぇの?」
晴絵「き、基本的に地元のお店に貢献するタイプなんで…」
京太郎「まさか母親が買って来たのをそのまま着てるとかじゃないよな?」
晴絵「さ、流石にそれは高校生で卒業したわよ…」カァ
京太郎「それでも高校まで掛かってるのかよ…ま、良いけど」
晴絵「ひ、人それぞれ進み方が違うのよ…ってあ、これ可愛い」
京太郎「んー…でも、流石にレジェンドには可愛すぎないか?」
晴絵「そ、そんな事ないって。私だってこれくらい着こなせるから!」
京太郎「本当か?」
晴絵「そ、そんなに言うなら試着してくるわよ」
京太郎「無理すんなよー」
晴絵「してないって…!」
晴絵「…」
京太郎「…」
晴絵「…」
京太郎「…」
晴絵「…何か言ってよ」
京太郎「いや…流石にこの状態で鞭打つほど俺意地悪くなれねぇし…」
晴絵「う…そんなに酷い?」
京太郎「だってチョイスがなぁ…」
京太郎「白ワンピはどうなんだよ流石に」
晴絵「深窓の令嬢みたいで良いかなって…」
京太郎「そんなキャラでも顔でもないだろうに」
晴絵「…そんなに私って清楚系似合わない…?」
京太郎「似合わないってかアンバランスなんだよなぁ…
京太郎「別に粗暴って訳じゃないけど…どちらかと言えば元気系だし」
京太郎「こっちとかの方が似合ってるんじゃねーの?」サッ
晴絵「…あ、これ…」
晴絵「…もしかして私が着替えてる間に探しててくれた?」
京太郎「ま、待ち時間、暇だったし」
晴絵「…へー。そうなんだ」ニマァ
京太郎「…なんだよ」
晴絵「いや、京太郎にも可愛いところあると思って」
京太郎「…うっせーよ。良いから着て来い」
晴絵「そんなに自分の選んだ服を来た私が見たいの?ねぇ、見たい?」ニヤニヤ
京太郎「うわうっぜーもう…」
晴絵「こんなに可愛いハルちゃんに向かってウザイとは失礼な…!」
京太郎「可愛いとか今の自分の姿を鏡で見てから言えよ」
晴絵「ぐふっ…」
京太郎「そしてそれにはダメージ受けるのな」
晴絵「ふふ…例え、私が倒れても第二第三の赤土晴絵が必ず京太郎を…」
京太郎「あ、店員さーん。これ試着出来ます?」
晴絵「最後まで聞いてよ!!」
晴絵「…でさ」
京太郎「ん?」
晴絵「なんでお昼はデパートのレストランなの?」
京太郎「まずいか?」
晴絵「いや、別にまずい訳じゃないし…美味しいけどさ」
京太郎「そりゃ何より」
晴絵「でも、もうちょっと高いところ言っても良かったんだよ?」
京太郎「ここだってそこらのファミレスに比べたら高いし上等だぞ」
晴絵「そりゃそうだけど…でも、もうちょっとオシャレなフレンチとか…」
京太郎「昼からそんなもん食べるなんて一周年とかの記念日くらいなもんだよ」
晴絵「そ、そうなの…?」
京太郎「そうそう。ま、夜は何かしら予約いれるかもしれないけど…」
京太郎「デートっても昼は軽めに済ませるもんだよ。少なくとも俺の周りじゃそうだ」
晴絵「へぇ…」
京太郎「それにあんまり高いところ行かれると俺が金出せないしな」
晴絵「…そんなの良いのに」
京太郎「よくねぇよ。これはデートなんだろ?」
京太郎「男が払うのが当然とは思わないけど…割り勘くらいにはさせといてくれ」
晴絵「でも、私、社会人だし…」
京太郎「俺だってバイトしてるっての」
京太郎「つか、一人暮らしのレジェンドと違ってバイト代も殆ど使わねぇし」
京太郎「これくらい余裕で払えるから気にするなって」
晴絵「…だけどさ」
京太郎「ん?」
晴絵「…さっきの服も買ってもらったじゃん?」
京太郎「アレは俺からのプレゼントみたいなもんだよ」
晴絵「プレゼントって…」
京太郎「ま、とりあえず人区切りついてお疲れ様的な?」
晴絵「…それこそ私が渡すべきでしょ」
京太郎「安心しろ、レジェンドにそういう心遣いは期待してない」
晴絵「ちょ…!そ、それってどういう意味!?」
京太郎「いや、そのまんまの意味」サラッ
京太郎「ま、それに思ったより似合ってたしさ」
京太郎「レジェンドが試着してる間に勝手に金払った訳だし…嫌じゃなかったら受け取っとけよ」
晴絵「…うん」
晴絵「大事に…するね」ギュッ
京太郎「おう」
晴絵「うーん…映画どうだった?」
京太郎「ちょっと微妙かな。ちょっと展開早すぎたと思う」
晴絵「個人的にはクライマックスがなぁ…あそこさえ良ければまだ全体も締まったと思うんだけど」
京太郎「設定とか題材は良かったのにすげー惜しいよなぁ…」
晴絵「最初から続編作る気マンマンの終わり方するんならもうちょっと丁寧に描写して欲しかったよね」
京太郎「だなー…。ま、それは最近のハリウッド映画の殆どに言える事なんだろうけど」
晴絵「人気が出た完結作品に無理矢理続編作るのと、最初から人気出る事を見越して続編作るシナリオ書くのってどっちがマシなんだろうね」
京太郎「個人的には前者の方がまだマシかなぁ…」
晴絵「うん…まぁ、大抵の人は期待しないで済むだろうしね」
京太郎「後者の方はクライマックスがぐだるからストレートに見た分の金が無駄になった気がするんだよなぁ…」
晴絵「ただ、失望感は前者のほうが強いかもね。質によるだろうけど」
京太郎「にしてもさ」
晴絵「ん?」
京太郎「なんでデートなのに恋愛映画じゃなくてSF映画なんだ?」
晴絵「い、いや…それは…まぁ…」
京太郎「…見たかったんだな」
晴絵「…うん、ごめん…」シュン
京太郎「あ、いや、責めてる訳じゃねぇよ。そもそもアレは俺も見たい奴だったし」
京太郎「ただ、アレだけデートらしいデートに拘ってたのに…何かあったのかなって思ってさ」
晴絵「あー…まぁ…なんだろうね」
晴絵「今日一日…こうしてデートしててさ」
晴絵「こうして思ったのが…」
晴絵「デートって大した事ないなって」
京太郎「おい」
晴絵「あ、いや、別に京太郎のエスコートが悪いって訳じゃないんだよ」
晴絵「ただ…なんていうか…結局、いつも通りっていうか…」
晴絵「特別な事はさ。何もないんだよなーって」
京太郎「ま、そりゃそうだろ。デートだからってお互いの人格が変わる訳じゃねぇしさ」
晴絵「…うん。でも、私はデートって言葉に踊らされてそんな事も見えてなかったんだなぁって」
京太郎「…嫌か?」
晴絵「ううん。嫌じゃないよ」
晴絵「ってか…寧ろ、今のほうが気楽で…楽しいかな」
晴絵「こうして愚痴みたいに映画の感想言いながらジュース飲んでって…凄いデートっぽいし」
晴絵「それに…こうして今の関係に落ち着いてるのは落ち着いてるなりの理由があるんだなって気づけたのは大きな収穫」
晴絵「やっぱ人間、自然体で楽な関係なのが一番ね、うん」
京太郎「そっか。ま、少しはデート慣れ出来たようで良かったよ」
晴絵「…でも…さ」
京太郎「ん?」
晴絵「…これってさ、何時もと同じ感じだけど…でもデートだよね」モジモジ
京太郎「まぁ、予行練習的なものではあるけど…そうなるな」
晴絵「…じゃあ…なんで…?」カァ
京太郎「ん?」
晴絵「…なんでレジェンドとしか呼んでくれないのかな…って」モジモジ
京太郎「あー…」
晴絵「…デートだったらさ、やっぱりちゃんと名前で呼ばなきゃダメ…でしょ?」ジィ
京太郎「あだ名って事じゃダメか?」
晴絵「ダメ」
京太郎「…じゃあ、苗字は?」
晴絵「デートらしくないから却下」キッパリ
京太郎「あー…ここでそれにこだわるのかよ」
晴絵「そりゃ…色々と発見があったし…自然体がいちばんってわかったけど…」
晴絵「それでも…やっぱり譲れないものってのはあるのよ」
京太郎「呼び名にどんな差があるっていうんだ…」
晴絵「京太郎には分からない細かい差があるのよ。…だから…ね」
京太郎「あー…それじゃ…」
>>+2
00~50 適当に誤魔化す
51~99 呼ぶ
※男気により+10
>>適当に誤魔化す
京太郎「明日な。明日」
晴絵「えー…ちょっとそれはないでしょ…」
京太郎「…仕方ないだろ、いきなり名前呼びとかハードル高すぎるって」
晴絵「…ヘタレ」
京太郎「うぐっ…」
晴絵「格好つけてる時はフルネームで呼ぶのにさぁ…」
京太郎「あ、アレは…まぁ…なんつーか、その…」
晴絵「…それなのに呼んでくれないんだ?」
京太郎「ぅ」
晴絵「私…初めてのデートなのに…悲しいな…泣いちゃいそう…」
京太郎「あー…」
晴絵「シクシクエグエグ…」
京太郎「…とりあえず嘘泣きするならもうちょっと上手くやれよ」ピシッ
晴絵「あいたっ」
京太郎「それよりほら…そろそろ晩飯の時間だし移動するぞ」スッ
晴絵「はーい…」ギュッ
晴絵「…夜でも東京ってキラキラしてるんだねー」
京太郎「ま、流石に深夜になったら変わるだろうけどな」
京太郎「でも、その前には帰らないと」
晴絵「あー…なんか惜しいな」
京太郎「って事は結構楽しんでくれてた?」
晴絵「うん。色々新鮮で楽しかった」ニコッ
晴絵「…まさかこの歳で初デートなんてする事になるとは思ってなかったけど」
京太郎「しかも、相手が俺だしな」
晴絵「…ま、その事について特に不満はないんだけどね」
京太郎「ん?」
晴絵「え、えっと…ほら、団体戦頑張ったご褒美って奴?」
京太郎「殆ど俺がエスコートしてるのにご褒美とは一体…」
晴絵「いいじゃないの。こんなに綺麗なおねーさんとデート出来たんだからさ」
晴絵「同級生にも自慢出来るわよ?」
京太郎「自慢した瞬間に色々と終わるっての…」
晴絵「はは。でも…京太郎も少しは気晴らしになったでしょ?」
晴絵「表情も大分明るくなったしさ」
京太郎「…バレたか」
晴絵「そりゃ一応、これでも先生だからね。それくらい見破るくらいじゃないと」
晴絵「…で、何を悩んでるの?進路の事?」
京太郎「…それもあるっちゃある…んだけど…」
晴絵「だけど?」
京太郎「…いや、今はいいや」
晴絵「私には言えない事?」
京太郎「いや、寧ろ率先してレジェンドに相談するべき案件だと思ってるよ」
京太郎「…でも、これはまだデートだろ?」ギュッ
晴絵「…はぅ」カァァ
京太郎「先生と生徒に戻るにはまだ早い…」
京太郎「少なくとも俺はそう思ってるんだけど…さ」
晴絵「…い、いきなりそういうの…は、反則…ぅ」
京太郎「仕方ないだろ…これでも一応、本心なんだよ…」
晴絵「…じゃあさ。そろそろ…デート終わらせない?」
京太郎「…ん?もう嫌か?」
晴絵「あ、いや…嫌じゃないんだけど…ね」
晴絵「その…なんていうか…やりたい事っていうか…して欲しい事があって…」カァァ
京太郎「して欲しい事?」
晴絵「あ、あの…さ。あの…よければ…で良いんだけど…」モジモジ
晴絵「…キスの振り…してくれ…ない?」チラッ
京太郎「…はい?」
晴絵「い、いや…!あの…あのね!フリだけで良いんだけどさ!!」
晴絵「その…やっぱりデートの最後はキスかなって…」
京太郎「いや、それはおかしい」
晴絵「だ、だけど漫画では…」
京太郎「いや、漫画と現実を一緒にするなよ…」
京太郎「ってか、フリとは言え顔近づけるんだぞ?」
京太郎「それこそ俺で良いのかよ」
晴絵「そ、そんなの…この前一緒に寝てた時点で今更だし…」カァァ
京太郎「あー…まぁ、確かにそうかもしれないけど…」
晴絵「…ね、フリだけで良いから…ダメ・・かな?」ジィ
京太郎「いや、最早、ダメって言うレベルじゃないような…」
晴絵「…でも、さっき名前で呼んでくれなかったし…」
京太郎「う…それは…」
晴絵「そっちは譲歩するから…こっちは譲ってくれない…?」
京太郎「…いや、譲っていいラインじゃないと思うんだけど…」
晴絵「…ダメ?」
京太郎「あー…」
晴絵「…もう我儘言わないから…それでもダメ?」
京太郎「…くそ…なんでこういう時だけしおらしいんだよ…」ハァ
京太郎「…その代わり一回だけだぞ」
晴絵「ぅ…ん。大丈夫…」
晴絵「割りと今もドキドキしてるから…二回しろなんて絶対言えないし…」
京太郎「…絶対だぞ。ったく…」ギュッ
晴絵「…あっ♪」
京太郎「…ほら、顔をあげて…ん、そんな感じ…」
晴絵「はぁ…ん…♥」
京太郎「…目ぇ閉じろよ、やりづらいだろ」
晴絵「あ…ご、ごめ…ん…」スッ
京太郎「(…だから、しおらしすぎるんだって…)」
京太郎「(何時もみたいに軽口の一つでもたたいてくれよ…)」
京太郎「(…でないと俺…レジェンド相手なのに…ドキドキするだろうが)」
京太郎「(…でも…なんだろうな)」
京太郎「(こうして抱きしめてると…レジェンドって意外と小さいんだな)」
京太郎「(もう身長なんてとっくの昔に追い越してるの分かってるのに…)」
京太郎「(抱きしめると…腕の中にすっぽり収まるレジェンドが弱々しく思えて…)」
京太郎「(…なんだよ、コイツ…絶対レジェンドじゃないだろ)」
京太郎「(俺の知ってるレジェンドは…そんな風に頬を染めたりしないぞ)」
京太郎「(唇そっとつきだして…キスしてほしそうな顔をしたりしないのに)」
京太郎「(…なのに、なんで俺…こんな…)」
京太郎「(やばい…これおかしくなる…)」
京太郎「(とっとと済ませて…離れないと…)」スッ
晴絵「~~っ!」ダキッ
京太郎「!?」ムチュウウ
京太郎「(何…レジェンドの顔…近…鼻息…甘…)」
京太郎「(柔らか…唇…背中に腕…抱き寄せられ…不意打ち…)」
晴絵「………ぷぁっ」
晴絵「へ、へへ…えへへへ…えへ…!」フニャァ
晴絵「ハッ…」フルフル
晴絵「き、京太郎が悪いんだよ…!ちゃ、ちゃんと…名前で呼んでくれないから…」
晴絵「こ、これ…仕返し…仕返し…だから!!」カァァ
晴絵「だから…あの…ちゃんと覚えとかなきゃ…許さないんだからね!」ダッ
京太郎「…え?ちょ…うぇぇ!?れ、レジェンド!!」
晴絵「先帰る!また明日ね!!」
京太郎「…え?は…?帰るって…おい」
京太郎(「…なんだよそれ…マジで…なんなんだよ…)」スッ
京太郎「(……いきなり人の唇奪っといて…そんな風に逃げて…)」
京太郎「(俺もドキドキして…あーくそ…わけわっかんねぇ……)」
【System】
赤土晴絵の愛情度がLv1になりました
赤土晴絵はその夜、後悔と興奮で眠れなかったようです
最終更新:2014年02月01日 00:23