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高校三年――10月学園祭

【高校3年 ―― 10月】

京太郎「(この前は玄のお陰で久しぶりに熟睡できた)」

京太郎「(やっぱり疲れてたんだろうなぁ…起きた時は夜中だったし…)」

京太郎「(…で、起きた時には玄だけじゃなくて宥さんもいて…)」

京太郎「(逆側から俺のことを抱きしめてくれていた)」

京太郎「(抱き合ってる俺らを見てあったかそうだから自分もって思ったって言ってたけど…)」

京太郎「(俺が起きてからずっと後ろでモゾモゾしてたんだよなぁ)」

京太郎「(お陰で大きなおもちが俺の背中にグイグイあたって…)」

京太郎「(寝起きって事もあって…そのままヤってしまいそうになったけど…)」

京太郎「(それはなんとか堪えて…帰ってきたぜ)」

京太郎「(…正直、ちょっと勿体無かった感はあるけど…でも、一回、玄を断ってる訳だしな)」

京太郎「(宥さんだけとする訳にはいかないし…)」

京太郎「(…うん。あそこで俺が断ったのはただしい選択だったはず…)」

京太郎「(滅茶苦茶惜しいけど…今も思い返して興奮しそうになってるけど…)」

京太郎「(それだけで相手の都合も考えずに流されるようになったら…それこそ最低だもんな)」








京太郎「(それに…だ)」

ワイワイガヤガヤ

京太郎「(今日は学園祭…だ)」

京太郎「(俺達にとって阿知賀で過ごす最後の…学園祭)」

京太郎「(その為の準備に集中したかったし…)」

京太郎「(その甲斐あってか…クラスの出し物は結構なレベルになってる)」

京太郎「(それだけでも…あの場で宥さんのお誘いを断った甲斐があるってもんだな)」ウンウン

α「…はぁ…」

京太郎「…それなのになんか物足りなさそうだな」

β「どうした?またエウシュリア分切れたか?」

α「あぁ、大丈夫。ついさっき電話で補給したから」

β「さようですか…で、どうしたんだ?」

α「…だって…だってさ…」プルプル

α「俺ら…結局、文化祭の乱入ライブやってねぇ!!!」バーン










京太郎「よし。β、何処かオススメあるか?」

β「あぁ、そっちはそろそろ休憩か。んじゃ、2―Aに行ってみろ、中々レベル高いって噂だぜ」

α「無視すんな!!」ウガー

京太郎「いやぁ…だって乱入ライブってお前…」

β「流石にそれは痛すぎるぞ…」

α「なんでだよ?文化祭と言えば軽音部の乱入ライブだろ!!」

京太郎「痛い本に影響されすぎだ」

β「そもそも…そんなもの許可貰ってねぇしな」

α「許可がどうした!体制に迎合し過ぎるなんて若者として軟弱な証拠だ!!」

α「若い内に無茶しないでどうする!?大人になったら社会の歯車となって無茶なんてできなくなるんだぞ!」

京太郎「まぁ、それだけは一理あるかもしれないけど…」

β「だからって無茶したい若者が全部って訳じゃないんですよ」

α「ぬぐぐ…この安定志向の今の若者どもめ…」

京太郎「安定志向ってか、お前が夢見すぎなの」

β「そもそも何も練習してない俺らじゃ悲惨な事にしかならんだろ」
















α「でも、ぶっつけ本番でエウシュリアの前で華麗にギター弾いたら格好良いだろ!」

京太郎「ちゃんと許可取って華麗にギター弾いてた方が格好良いと思うぞ」

β「そうそう。…ってか、須賀はもう休憩なんだっけか」

β「早く行かないと女の子拗ねるぞ」

β「今日は待たせてるんだろ?」

京太郎「…おう。じゃあ、αの事任せるわ」

β「おう。任せとけ」

α「ぬぐぐ…」

β「ほーら、グチグチ言ってないで手を動かせって」

β「じゃねーとお前がさぼってたってエウシュリアちゃんに言いつけるぞ」

α「そ、それだけは…!!」

β「だったら働け。今日も客一杯で忙しいんだからな」

京太郎「(…相変わらずαに対してはかなり容赦ねぇなアイツ)」

京太郎「(いや、俺に対しても割りとそんなトコロあるけどさ)」

京太郎「(ま、いっか。それより…ようやく来た休憩時間なんだ)」

京太郎「(待たせてるだろうし…早く行ってやらないと…)」ガララッ

京太郎「(って…あそこにいるのは…)」

>>+2
末尾16 憧としずだった
末尾27 灼だった
末尾38 松実姉妹だった
末尾49 レジェンドだった
末尾50 やえさんだった


































>>松実姉妹だった


京太郎「っと…悪い。待たせたか?」

玄「ううん。今、来たところだから」ニコッ

宥「うん。それに…きょーくんのクラス大繁盛だったしね」

宥「抜けるの大変だったでしょ?」

京太郎「まぁ、去年と一昨年で大体の客の流れってのは把握してるしな」

京太郎「仕込みは十分してたからそれほど大変って訳じゃなかったよ」

玄「へー…なんだか凄い」

京太郎「すごくねぇよ。つか、こういうの学んだの松実館でのバイトだし」

宥「そうなの?」

京太郎「そうそう。だから、今日はこの前のお礼とお詫びも含めて…エスコートさせてくれよな」スッ

宥「えへへ…♪うん…♥」ギュッ

玄「楽しみにしてるね…♪」ギュッ

















京太郎「じゃあ、何処から回る?」

宥「うーん…とりあえず麻雀部からにしたいかな」

玄「うんうん。今の麻雀部の様子とか気になるし」

京太郎「そっか。じゃあ、そっちから回るけど…」

京太郎「でも、秋季大会前だしな。あんまり期待するなよ」

玄「大丈夫だよー。と言うか私達だってろくに何か出来てた訳じゃないし」

宥「私の時は…メイド服着てお客さんと打つだけ…だったよね?」

京太郎「おう。んで…俺が給仕とか色々やってた気がする」

玄「でも、それだけなのに結構繁盛してたなぁ」

京太郎「ま、麻雀そのものは人気だし…それに」

宥「それに?」

京太郎「打ってた女の子が綺麗どころばかりだったからだろ」

玄「はぅん♪」

宥「もう…♥きょーくんたらお世辞が上手いんだから…っ♪」ギュゥゥ

京太郎「当たってる当たってる」

宥「…こういう時って当ててるんだよ…って言うんだよね…?」クスッ

京太郎「ぅ…」















玄「でも…さー」

京太郎「ん?」

玄「あの時って京太郎君も結構人気だったよね?」

京太郎「そうだったっけ?」

玄「そうだよ…だって、給仕なのに何回も呼ばれてたし…」

京太郎「アレは人数足りなかったからだろ?」

玄「…でも、私達が空いてもずっと打ってたよ?」

京太郎「そりゃ…まぁ、楽しそうに話しかけてくれてるお客さんを無碍にする訳にもいかんだろ」

玄「それは…そうだけど…」

宥「もしかして玄ちゃん嫉妬してる?」

玄「…………してる」

京太郎「なんだよ。昔の事だろ?」

玄「…そうだけど…でも…」

玄「…京太郎君は…私達のものだもん…」ギュッ














京太郎「あー…安心しろよ」

玄「…え?」

京太郎「その時の事覚えてるけど…でも、全然、惹かれなかったから」

玄「…ホント?」

京太郎「ホントホント。ってか…その時から俺の周りには玄とか宥さんがいたんだぞ?」

京太郎「あの程度でデレデレなんかするかっての」

玄「…でも、おもち大きい人もいたし…」

京太郎「お前の基準はそれなのかよ…つか、んな事言ったら玄も宥さんもかなりのものだろ」

宥「昔からチラチラ見てたもんね」クスッ

京太郎「…ゴメンナサイ」

宥「ふふ…だから、玄ちゃんもそんなに不安にならなくて良いんだよ?」

宥「と言うかきょーくんの好みは玄ちゃんみたいなタイプなんだから」

京太郎「うぇっ!?」

玄「え…?わ、私…?」キョトン













宥「と言うか…実はきょーくん玄ちゃん好きだったでしょ…?」

京太郎「ぅ…そ、それ…は…」

玄「ほ、本当…なの?」

京太郎「…コレ言わなきゃダメ?」

宥「…ダメ」ニコッ

玄「わ、私も…い、言って欲しいなって…」ジィ

京太郎「あー…あー……」

京太郎「ま、まぁ…若気の至りっていうか…なんて…言うか…」

京太郎「一番最初に異性として意識したのは…多分、玄…だと思うっていうか…」

玄「で、でも…私、おねーちゃんみたいにおもちも大きくないし…」

京太郎「だから、お前はおもちだけで全部を判断するような奴だと思ってるのか」

玄「それに顔だって綺麗じゃないし…ドジする事も多いし…戦犯だし…」

京太郎「なんだ戦犯って…」

玄「それに…他にも色々…ダメなトコロあるのに…」















京太郎「あー…」

宥「ほら、きょーくん…何か言ってあげないと…」

宥「玄ちゃんが待ってるよ?」

京太郎「う…一応人前なんだけど…」

宥「うん。周りに人がいるけど…」

宥「でも…それがどうしたの?」クスッ

宥「…そもそもこうやって三人で手を組んでる時点で今更じゃない?」

京太郎「…まったくごもっともなお話で…」

京太郎「(憧やしずともこうしてる所為で慣れてたけど…)」

京太郎「(確かに男女でこうやって腕組んでる時点で注目の的だもんなぁ…)」

京太郎「(そんな状態で意地張っても意味はないし…)」

京太郎「(…仕方ない…腹を括るか)」

京太郎「玄…俺は…」



>>+2
00~50 お前がダメな奴とは思わないよ
51~99 確かにダメなトコロはあるかもな
※男気ラキスケで+13

































>>確かにダメなトコロはあるかもな

京太郎「確かにダメなトコロはあるかもしれないと思うよ」

玄「はぅ…」

京太郎「…特にそういうそそっかしいところとかさ」

玄「…え?」

京太郎「つーか…お前は綺麗じゃないけど…十分、可愛いだろ」

玄「か、かわ…っ!」カァァ

京太郎「だって、そうだろ。顔立ちだって整ってるし…反応も可愛いし」

京太郎「…今だって可愛いってだけで顔を真っ赤にしてるしな」

玄「あ、あぅぅ…」

京太郎「それに気立ても良いし…何時も他人やお客さんの事考えてるだろ」

玄「しょ、しょれはぁ…」プルプル

京太郎「んで、頑張り屋で…ドジする事もあるけどだからこそ目が離せないって言うか…」

京太郎「だから…その…なんつーか…」

京太郎「…それもあって…一時期はずっとお前のこと…意識して…」

京太郎「あまのじゃくな態度もとってたっていうか…ばかな事やったっていうか…」

京太郎「…は、初恋…だったんだよ、多分…!」カァ

玄「は…初…恋…?」ドキンッ














京太郎「だ、だから…俺が…いや、昔の俺が好きになるだけの魅力が玄にはあるんだからさ…」

京太郎「あんまそういう風に落ち込むなよ」

玄「え…あ…はぅ…っ♪」プシュウ

京太郎「って…オーバーヒートしたか…」

宥「ふふ…とっても暖かい言葉ばっかりだったからね…♥」

宥「…ちょっとだけ妬けちゃった…♪」

京太郎「自分で言わせておいて…」

宥「…だって、知ってるのに黙ってるのは不公平だと思って…」

京太郎「……え?」

宥「きょーくんが玄ちゃんの事好きなのバレバレだったよ?」

京太郎「え゛っ…」

宥「多分、灼ちゃんや先生も気づいてたんじゃないかな?」

京太郎「…マジで?」

宥「うんっ」ニコー

京太郎「……ごめん。ちょっと俺も今は動けないかも」

玄「はぅぅん…♪」ギュゥゥ













宥「あ、でもね」

京太郎「ん?」

宥「今は…そうじゃないんだよね?」ジィ

京太郎「…まぁ…大事なもの増えすぎたから…さ」

京太郎「もう何が一番とか…そういう風に言えなくなってる」

宥「…ふふ」

京太郎「…勿論、宥さんも一緒だぞ」

宥「そういうとってつけたような言い方はダメだよ?」ニマー

京太郎「…そういう割には顔がにやけてるぞ」

宥「だって…とっても嬉しいんだから…仕方ない…よ」コツン

京太郎「ん?」

宥「…ね、きょーくん」

京太郎「どうした?」

宥「…ちょっと聞きたいんだけど…ね」















京太郎「ん?」

宥「もし…もし私が…玄ちゃんよりも先にきょーくんに会ってたとしたら初恋は私だった?」

京太郎「…え?」

宥「…ううん。ごめん…なんでもない」

宥「今のは…忘れて」

京太郎「宥さん…でも…」

玄「う…ぅうん…」ハッ

玄「あれ?ここは…」

宥「玄ちゃん気づいた?」

玄「あれ…おねーちゃんに京太郎君…」

玄「…じゃあ、ここはおねーちゃんのお部屋?」キョトン

京太郎「…どうしてそうなるんだお前は」

宥「今日は学園祭で…阿知賀の部室前だよ?」

玄「…あ、そっか。ごめん、今、思い出し…はぅ」プシュゥ

京太郎「おーい…」



















玄「き、きききききき京太郎君!?」

京太郎「お、おう」

玄「あ、あの…あのあのあのあのあのあの…ぉ!」

京太郎「お、落ち着け。焦らなくてもちゃんと聞いてやるから」

玄「う、うん…じゃあ…」スーハー

玄「…よしっ!」グッ

玄「じゃ…じゃ…言う…けど…」カァ

玄「わ、わっわわわ…っ私…わらひも…!」

玄「京太郎君がはちゅこいだから!!!!」バーン

玄「……あう」エグッ

京太郎「(…噛んだ)」

宥「…ちなみに私もきょーくんが初恋だからね?」

京太郎「うぇぇ…!?」

「せんぱーい…須賀先輩、また部室前で修羅場ってるんですけど」

「…なんか今日のは高鴨先輩でも新子先輩でもねぇぞ」

「あー…ありゃ数年前の先輩だよ。お前らがまだ入学してない時の女子レギュラーだ」

「そんな相手とまで修羅場ってるって…ホント何者なんですか須賀先輩…」

「阿知賀の種馬だよ。それより須賀先輩が修羅場るのは何時もの事だろ」

「出歯亀なんてしてないでそろそろ準備しろよ。あの三人きっとこっちに来るからさ」

「「「はーい」」」





















玄「はふぅ」マンゾクゲ

「ありがとう…ございましたぁ…」フルフル

京太郎「やー…腕は衰えていないみたいだな」

玄「勿論だよ!卒業してからもおねーちゃんと一緒に練習してるもん」

宥「まぁ、私の練習に付き合ってもらってるみたいなものなんだけどね」クスッ

京太郎「にしても…今年の女子はそれほど悪い訳じゃないんだけどなぁ…」

京太郎「まさかここまで圧勝が続くとは…」

「うぅ…ボッコボコでした…」

「新子先輩以外に飛ばされたのは久しぶりでしたの…」

「って言うか半荘すらまともに終わらないってどういう事なの…」

玄「えへへ…運が良かったんだよ」

京太郎「…いや、よくよく考えればお前、あの宮永プロに一度勝ってる訳だしな」

京太郎「ある意味では当然か」
















玄「あの時も運が良かっただけだよ?」

玄「それに…今戦ったら勝てるかどうか分からないし…」

京太郎「まぁ、プロの試合見る限り、あっちもかなり強くなってるからなぁ…」

玄「うんうん。だから…3月の大会気をつけてね」

京太郎「おう。ありがとうな。…それで宥さんの方は…」

宥「ん?」

京太郎「うちの有望な後輩潰したりしてない?」

宥「そ、そんな事してないよぉ…」

宥「ちゃんと普通に打ってただけだし…」

「アベレージでは飛び抜けてますけどね…」

「トビはしなかったけど…勝てる気がせんかったですよ…」

「攻守ともにレベル高すぎでメゲるわ…」

京太郎「…宥さん?」

宥「う、運が良かっただけだよ…?」メソラシ














京太郎「ん…まぁ、結構打ってたし、そろそろ移動しよっか」

玄「うん。そうだね」

宥「みんな、今日はありがとうね」フリフリ

「いえ、こちらこそ…」

「良い指導になりました」

「お二人の名前を穢さないように頑張ります!」

京太郎「まぁ、アレだ。この二人の打ち方は初見殺しに近いものがあるからあんまり気にするな」

京太郎「それより…秋季大会、俺も楽しみにしてるけどさ」

京太郎「あんまり気負い過ぎるなよ。チームなんて一年掛けてじっくり作ってくものなんだから」

京太郎「多少の躓きや衝突はあって当然なんだ」

京太郎「だから、焦らずに…一つ一つの問題を解決して来年に備えるように…な」

「「「はいっ」」」

京太郎「よし。じゃあ、また今度な」

「須賀先輩、お疲れ様でした!」

「松実先輩たちもまた来てくださいね!」














玄「ほえー…」

京太郎「ん?」

玄「京太郎君が凄い先輩だった…」

京太郎「玄は俺をなんだと思ってるんだ…」

玄「えっと…京太郎君?」

京太郎「どういう意味なんだそれは…」

玄「だ、だって…私にとって京太郎君って後輩なんだもん」

玄「その京太郎君が先輩っぽくしてると…なんか凄く…」

京太郎「違和感でも感じるってか?」

玄「…ううん。寧ろ…格好良い…かな」カァ

京太郎「え?」

玄「うぇ…あ…ぅ…だ、だって…」

玄「私がいる時の京太郎君は…麻雀出来なかった所為か…」

玄「みんなも先輩って感じじゃなくて年上の仲間みたいな感じで接してたし…」

京太郎「あー…まぁ、そうかもな」














玄「だから…あんな京太郎君の姿なんて見たことなくて…格好良いなぁって…」

京太郎「も、持ち上げ過ぎだろ」カァ

玄「だ、だって…本当に…そう思ったんだもん…」モジモジ

宥「ふふ…二人とも照れちゃって…」クスッ

玄「ぅ…じゃ、じゃあ…おねーちゃんは?」

宥「ん?」

玄「おねーちゃんは…さっきの京太郎君の事どう思った?」

宥「私?私は…」

宥「…勿論、あったかぁい…だよ…♥」

京太郎「…なんかはぐらかされてる気がする」

玄「私はなんとなく分かったかな?」

京太郎「マジかよ…俺はまだ修行が足りないって事か…」

京太郎「まぁ…悪く思われていないのは伝わってくるけど…」

宥「…じゃあ、修行…しちゃう?」クスッ

京太郎「い、今は遠慮しときます…」フルフル
















宥「ちょっと残念…」

玄「大丈夫だよおねーちゃん」

玄「京太郎君ならきっと学園祭終わった後に一杯、暖かくしてくれるから」ググッ

京太郎「い、いや…それは…」

玄「え…?違うの…?」シュン

京太郎「ぅ…い、いや…」

玄「わ、私…そのつもり…だった…んだけど…」カァァ

京太郎「…あー…打ち上げとかあるから…すぐには無理だろうけど…」

京太郎「…終わったらそっち行くよ」

宥「…えへ…♪」ギュゥ

京太郎「(…こ、これは流されてないよな?うん…流されてない…はず…)」

京太郎「それより…結構時間経ったけど次はどうする?」

玄「うーん…特に行きたいところはないかなぁ…」

宥「あ、何処も行くところないんだったら…行きたい場所あるんだけど」

京太郎「それってもしかして…」

宥「…うん。温室」ニコッ














【温室】

宥「わぁ♪」

京太郎「暖かい?」

宥「うんっ♪」ニコー

京太郎「それは良かった…まぁ、今の時期だと俺らも温室は有難いな」

玄「そうだねー。流石にこれくらいになると肌寒くなってくるし…」

宥「うん…だから近頃は外に出るの大変…」フルフル

京太郎「それでも大分、活動的になったよな、宥さん」

玄「うん。昔はもっとのんびり屋さんだったのに」

宥「ぅ…の、のんびり屋さんなんかじゃないよぉ…」フルフル

京太郎「はは。まぁ…でも、良い方に変わってきてるようで何よりだよ」

宥「…うん…玄ちゃんやきょーくんのお陰」クスッ

宥「…ありがとうね」

玄「お礼を言われる事じゃないよ」

京太郎「そうだって。そもそも俺らがやった事なんて微力も良いトコロなんだしさ」















宥「ううん。微力なんかじゃ…ないよ」

宥「だって…頑張ろうって思えるようになったのは二人のお陰だから」ニコー

玄「おねーちゃん…」

宥「二人がいなかったら…私どうなってたか分からない」

宥「本当に…私、それくらい…感謝してるんだよ?」

京太郎「…宥さん…」

京太郎「…でも、それは…俺達も同じだよ」

宥「…うん」

宥「皆…皆一緒だよね」

宥「みぃんな…昔から一緒で…支えあって…助けあってきたんだもん…」

宥「そうじゃなかった自分の事なんて想像出来なくて…だからこそ…私は…」

京太郎「…今の幸せがずっと続いて欲しい?」

宥「…うん」

宥「卑怯な事だと分かってる」

宥「怖がりなだけだって…分かってる」

宥「でも…それでも私は…『今』が良い」

宥「『未来』なんて要らない…ずっと『過去』が続く…『今』だけが欲しいから…」
















京太郎「宥さん…ごめんな」

宥「…言ったでしょ?きょーくんが謝る事じゃないよ」

宥「…悪いのは私。全部の発端となってる…私だから」

宥「だから謝らなきゃいけないのは私だよ」

宥「…でも、私は謝ったりはしない」

宥「それが一番…皆にとって良い事だって信じてるから」

宥「皆が一番、幸せになれる方法だって…思ってるから」

宥「だから…私はもうこの事で謝ったりはしない」

宥「…だから、きょーくんも謝らないで?」

宥「謝らず…胸を張って…私達の側に居てほしいな」

宥「難しいかもしれないけど…辛いかもしれないけど…」

宥「でも…私にとってはそれが一番で…その為ならなんだってするから…」ギュッ

京太郎「…前にも言われたけど…それが本当に宥さんの望みなんだな?」















宥「…うん」

宥「幸せにして…なんて望まない」

宥「顧みて…なんて言わない」

宥「ソレ以外の事は私達がするから…」

宥「私達が全部…きょーくんの周りを整えるから…」

宥「だから…きょーくんはその真中にいてほしい」

宥「それで…出来れば、そこで…俺にはこれだけの女の子がついてるんだって…」

宥「そう誇らしそうにしてくれれば…私も嬉しい…かな」

京太郎「…ん。分かった」

京太郎「割りと…っていうか…かなりむちゃくちゃな話な気がするけれど…」

京太郎「でも…ここまで来たら…今更だよな」

宥「うん。もう…きょーくんの為に三人もおかしくなっちゃったし…」

京太郎「…外堀は埋まってるんだよなぁ…悲しい事にさ」

京太郎「…だから…まぁ…頑張るよ」

京太郎「出来るかどうかは分からないけど…出来るように」

京太郎「これから…頑張っていくから…さ」

宥「…うん…♥」









玄「私も頑張るよ?」

京太郎「ん?何を頑張ってくれるんだ?」

玄「おねーちゃんのサポートとか…京太郎君が幸せになれる為の手伝い!」ムフー

宥「うん。この前も立派に御役目果たしてくれたもんね」ナデナデ

玄「えへー…♪」

玄「あ、そうじゃなくって…だから…私もちょっとお手伝い…しようかなって」テレテレ

京太郎「え?今から?」

宥「流石にここでするのは…おねーちゃんも恥ずかしいよ…」カァ

玄「ち、ちち違うよぉ!」カァ

玄「私はちょっと席を外すから…二人で話しててって事…!」ワタワタ

玄「良く分からないけど…二人とも何か胸に抱えてる事あるんでしょ?」

京太郎「それは…」

玄「私の事は気にしなくて良いから…ゆっくり話して」

玄「ここ一杯植物あって見てるのも楽しいし…聞かれたくないならジュースでも買ってくるから」

宥「…玄ちゃん」













宥「…大丈夫だよ。ここにいてくれても…」

玄「…本当に?」

宥「…うん。ちょっとね、私がさっき…変な事聞いちゃっただけだから…」

玄「変な事?」

宥「うん。……もし、玄ちゃんよりも先に私の方が先に出会ってたら…」

宥「初恋は私になってたかなって…」

玄「…おねーちゃん」

宥「でも、良いの」

宥「それは私の『過去』じゃない」

宥「だから、『今』とは関係ない」

宥「だから…だから…良いの」

宥「そんなの聞かなくても…私は満たされているから」

玄「……」














玄「ダメだよ、それは」

宥「えっ」

玄「だって…それでもおねーちゃんは聞いたんでしょ?」

宥「それは…」

玄「満たされてるのに幸せなのに…聞いちゃったんでしょ?」

玄「だったら…それはおねーちゃんにとってきっと大事な事なんだよ」

宥「でも…こんなの玄ちゃんに悪いよ」

玄「大丈夫だよ。だって…おねーちゃんだもん」ニコッ

宥「え?」

玄「私よりも先におねーちゃんに会ってたら…きっと京太郎君もおねーちゃんの事好きだったはず」

玄「だって…私の自慢のおねーちゃんなんだもん」グッ

宥「玄ちゃん…」

玄「だから…京太郎君」

京太郎「…おう」

玄「答えてあげて。おねーちゃんの…もしもに」

玄「おねーちゃんが断ち切れない…『過去』の未練を…はっきりと断ち切ってあげて」

京太郎「……分かった」

京太郎「…宥さん、俺は…」


>>+2
00~50 やっぱり…分からない
51~99 多分、好きになっていた…と思う
※男気と秘密で+13

































>>多分、好きになっていた…と思う

京太郎「…宥さんに言われてから…色々考えたけどさ」

京太郎「やっぱり俺は…好きになっていたと思うよ」

宥「…嘘」

京太郎「嘘じゃないよ。本当の事だ」

宥「嘘だよ。だって…私…全然…ダメな子だし…」

宥「…玄ちゃんに比べたら…ホント…何も出来なくて…」

玄「えっ?」

宥「だって…本当は玄ちゃんのお仕事…長女の私がしなきゃいけないんだよ?」

宥「それなのに私…玄ちゃんのお仕事任せっきりで…」

京太郎「…適材適所って奴だよ。玄に出来ない事を宥さんもやってるだろ?」

玄「そうだよ。私、経理とかプラン考えたりとか全然出来ないもん」

宥「…でも」

京太郎「それに…例え宥さんが玄よりもダメだったとしても…だ」ガシッ

宥「ふぇぅ…」ビクッ

京太郎「俺はそんな宥さんに惹かれてる」

宥「…あっ…♪」ジィン











京太郎「……はず」

玄「…京太郎君?」ジトー

京太郎「し、仕方ないだろ…」

宥「…でも、私…の事なんて本当に…」

京太郎「…じゃあ、どうしたら信じてくれる?」

宥「え?」

京太郎「どんな事をしたら…宥さんは俺の初恋の人だったかもしれないって信じてくれる?」

宥「そ、それは…」

玄「…」ドキドキ

宥「……玄ちゃん。周りに人…いない?」

玄「うん。園芸部の人も出てるみたいだよ」

宥「…じゃあ…キス…欲しい…な…♥」

宥「何時もの…エッチな奴じゃなくって…優しい…恋人みたいなキス…♥」

宥「今だけは…私の事を恋人だって思って…」

宥「その暖かいキス…頂戴…?」

京太郎「…ん。分かった…」ギュッ

京太郎「じゃあ…する…ぞ」チュッ

宥「ふぁぁ…♥」










宥「…んぅ…♥」

京太郎「…満足した?」

宥「…うん…♪」ポワァ

玄「おねーちゃん良いなぁ…」

宥「ふふ…ごめんね、玄ちゃん…」

玄「ううん。良いよ」

玄「それより…未練は断ち切れた?」

宥「…うん」

京太郎「…そういや未練ってなんなんだ?」

玄「京太郎君と普通に幸せになれていたかもしれないっていう…未練だよ」

京太郎「え?」

宥「…バレてたんだ…」

玄「勿論だよ。だって…姉妹だもん」エヘン

京太郎「…ってか…俺と普通にって…宥さんが…?」

玄「うん。そうだよ」











京太郎「…どうして…」

玄「だって、おねーちゃんは私や小走さんみたいに強引に納得させられた訳じゃないんだもん」

玄「心の中にはまだ納得できてない気持ちがあったはずだよ」

京太郎「でも…こう言っちゃなんだが宥さんは主犯だぞ?」

玄「じゃあ、京太郎君は道を踏み外す人が全員納得してそれをすると思うの?」

京太郎「…それは…」

玄「違うよ、寧ろ…おねーちゃんは最初からずっと納得できてなかったんだよ」

玄「どんな女の子だって本当は…誰か一人のお嫁さんになりたいんだから」

玄「それは…おねーちゃんだって例外じゃなかったはずだよ」

宥「…うん」

京太郎「…宥さん…」

宥「…ごめんね。偉そうな事を言って…」

宥「結局…私もそうなんだ」

宥「何もかもを全部納得出来た訳じゃない…」

宥「納得出来なくて…でも…私は怖がりだから…動くしか…なくって…」シュン











宥「でも…今は違うよ」

京太郎「え?」

宥「さっきのキスで…心も晴れちゃった」クスッ

京太郎「晴れた?」

宥「…うん。もしもの話だったけど…さっきの私は間違いなくきょーくんの恋人だった」

宥「あの瞬間だけは…世界でただ一人…私だけがきょーくんのお嫁さんだった」

宥「だから…私はそれで良いの」ニコッ

宥「全部…吹っ切れたって言い切れないけれど…」

宥「でも…もう…そのもしもは考えない」

宥「それは…もう叶ったから」

宥「玄ちゃんに…きょーくんに叶えてもらったから」

宥「だから…私はもう…身も心も…完全にきょーくんの奴隷だよ…♪」クスッ

京太郎「ど、奴隷って…」

宥「嫌だった…?やえちゃんにあんなに激しくしてたからこういうの好みだと思ったんだけど…」

京太郎「いや…別に嫌って訳じゃないけど…」

宥「ふふ…じゃあ…これからも暖かいの一杯頂戴…♥私の大事なご主人様…♥」チュッ










玄「あっ二回目のキスはずるいよ!」

宥「じゃあ…玄ちゃんもする?」

玄「する!」

京太郎「するって…一応、ここ外なんだけど…」

玄「でも、おねーちゃんばっかりずるいよ…」

玄「私も京太郎君とちゅーしたい…」シュン

京太郎「あー…ひと目がないところなら…まぁ…」

玄「ホント!?」

京太郎「う…ま、まぁ…どうせそっちに行く事になってるし…その時に…な」

玄「うん!約束だよ!忘れちゃ嫌だからね!」

宥「良かったね、玄ちゃん」ナデナデ

玄「うんっ♪」

宥「あ、その時は一杯舌入れてきょーくんの事はつじょーさせてあげてね?」

玄「ふぇぇぇ…!?」カァ

京太郎「…宥さん?」

玄「が、頑張る…ぅ」モジモジ

京太郎「…いや、頑張らなくて良いからな?」










京太郎「そ、それよりどっか飯食いに行こうぜ」

宥「お腹へっちゃった?」

京太郎「ま、ちょっと小腹が空いたってくらいだけどな」

京太郎「二人は最後の打ち上げまでいるんだろ?」

玄「うん。そのつもりだよ」

宥「一応、これデートだし…」ニコッ

京太郎「じゃあ、それに備える為にも色々と回ってみようぜ」

京太郎「あ、そだ。2=Bには行ったか?」

京太郎「知り合いがオススメしてたんだけどさ」

宥「えーっと…確か行ってないよね?」

玄「うん。記憶にないよ」

京太郎「そっか。じゃあそこから回ってみようぜ」スッ

玄「はーい」ギュッ

宥「またエスコート…よろしくね」ギュッ

京太郎「了解。それじゃ…いきますか」




































【System】
松実宥の愛情度がLv7になりました
松実宥は全ての未練を断ち切り、須賀京太郎を支える事に決めました
松実玄の愛情度がLv7になりました
松実玄は姉の未練を断ち切る事が出来て、須賀京太郎に感謝しているようです
最終更新:2014年02月03日 23:01