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高校三年――U22大会後篇

【ホテル】

京太郎「(…それで俺のU22大会初日は終わった)」

京太郎「(大星選手が涙浮かべながら去って…)」

京太郎「(宮永選手もいつの間にかいなくなって…)」

京太郎「(江藤とも適当にだべりながら…別れた)」

京太郎「(思い返せば…朝から夕方まで三回戦った訳だけど…)」

京太郎「(初戦はともかく二回戦からは結構苦戦した)」

京太郎「(準決勝だって…逆転されてもおかしくなかっただろう)」

京太郎「(一歩間違えれば…即座に転落してもおかしくなかったギリギリの戦い)」

京太郎「(プロ入りの前にこういう戦いが出来たのは…間違いなく幸運だったな)」

京太郎「(特に…準決勝は俺の処理能力不足が目に見えて露呈した)」

京太郎「(能力入り交じる混沌とした状況だったとはいえ…)」

京太郎「(もう少し落ち着いて考えていれば…あの直撃は避けられた)」













京太郎「(なまじ江藤を知ってるがゆえに…騙されたとは言え…)」

京太郎「(アレはちょっと…無様と言われても仕方のない打牌だったな…)」

京太郎「(…明日の決勝戦であんな事をしたら…即座に刈り取られるだろう)」

京太郎「(なにせ、発表された決勝戦の組み合わせの中に宮永照プロや天江衣選手がいるんだから)」

京太郎「(宮永プロはプロ入り一年目から新人賞など様々な賞に輝く活躍っぷりで…)」

京太郎「(一年目から日本代表入りしている注目株だ)」

京太郎「(天江選手はプロ入りしていないとはいえ…最多得点叩きだした圧倒的な戦い方は健在だ)」

京太郎「(日本の名だたるプロを相手にしても殆ど和了らせる事はなかったらしい)」

京太郎「(最後の一人は神代選手)」

京太郎「(プロ入りもしてなくて…データも数年前の公式戦の分しかないけれど…)」

京太郎「(…何故か俺は一番、神代選手が怖い)」

京太郎「(まるで水と油のように…相容れないような…得体のしれないような…)」

京太郎「(そんな雰囲気を感じる)」














京太郎「(…ま、総評として…準決勝よりも辛い戦いになりかねない)」

京太郎「(それにワクワクする自分は…勿論、いる)」

京太郎「(ギリギリのせめぎあいって奴はやっぱり楽しいんだ)」

京太郎「(…だけど…どうしてベッドに横になっていると…)」

京太郎「(やっぱり不安…だな)」

京太郎「(明日は間違いなく…大舞台だ)」

京太郎「(ゴールデンタイムに生中継する為に開始も遅い)」

京太郎「(わざわざ放送枠にねじ込むくらいのそれは日本中の注目を浴びているからだろう)」

京太郎「(…そんな舞台で戦うとなると…やっぱりどうしても緊張する)」

京太郎「(相手が準決勝と同じかそれ以上の強者だと確定しているんだから…尚更だ)」

京太郎「(……やっぱりここは…誰かに連絡を取るべき…かな)」

京太郎「(一応、まだ日付も変わっていないし…)」

京太郎「(電話しても…それほど迷惑にはならないはずだ)」

京太郎「(……まぁ、こんな風に弱気な俺は呆れられるかもしれないけど…でも…)」

京太郎「(…今は無性に皆の声が聞きたい…)」

京太郎「(それがあれば…明日も頑張れる気がするから…だから…)」


>>+2
ヒロインの名前をお選び下さい


































プルルル

玄「…はい。もしもし」

京太郎「おう。悪いなこんな時間に」

玄「ううん。私は大丈夫だよ」

玄「と言うか…実は興奮して寝られなかったりして」エヘヘ

京太郎「え?」

玄「だって、明日はおにーちゃんの大舞台でしょ?」

京太郎「…そうだな」

玄「だから、明日が凄い楽しみで…ドキドキして」

京太郎「小学生かお前は」

玄「えへへ…でも、おねーちゃんも同じだよ?」

玄「眠れないって言って…今もおこたで鶴折ってる」

京太郎「鶴?」

玄「うん。おにーちゃんが勝てるようにって」

玄「東京にいけない私達には…これくらいしか出来る事ないから…ね」

京太郎「…玄」
















京太郎「…んな事ねぇよ」

玄「でも…」

京太郎「…だって、俺は今、玄に頼ってるんだからな」

玄「…え?」

京太郎「…正直に話すと…俺、今すげー不安でさ」

京太郎「準決勝以上の強敵が待ってると思うと…楽しみだけど…」

京太郎「やっぱそれと同じくらい緊張するんだよ」

玄「…おにーちゃん…」

京太郎「だから…それを紛らわせる為に玄に電話して…さ」

京太郎「…情けない…ホントみっともないけど…でも」

京太郎「俺が今、すげー助かってるのは事実なんだぜ」

玄「…ホント?」

京太郎「こんなみっともない嘘なんて吐かないっての」

京太郎「吐くんだったらもっと格好いい嘘吐くわ」














玄「…でも、本当に私でいいの?」

京太郎「ん?」

玄「私とおねーちゃん以外は皆東京に行ってるし…」

玄「他の人に相談した方が…あの…」

京太郎「ま、そうなんだけどさ」

京太郎「でも…こうして不安になった時にどうしても玄の顔が浮かんで」

玄「ふぇぇ!?」カァァ

京太郎「はは。もしかして照れてるのか?」

玄「そ、そりゃ…照れるよぉ…」モジモジ

玄「お、おにーちゃんにそんな風に言われるなんて…想像してなかったもん…」

京太郎「ま…俺もだな。まさかここで玄の顔が浮かぶとは思ってなかった」

京太郎「でも、なんだかんだで玄の前だと格好つけなきゃって思うから…なのかなぁ」

玄「…おにーちゃん…」
















玄「…情けなくてもいいよ」

京太郎「え?」

玄「…だって、おにーちゃんは…京太郎君は私にとって何時だって素敵で最高なんだから!」

京太郎「…玄」

玄「だから…ちょっとくらい情けないところ見せてもいいんだよ?」

玄「そんな風に自分を追い込んだりしなくて…いいの」

玄「私だって…おねーちゃんの妹なんだから」

玄「弱い部分だって受け止めてあげられるし…」

玄「京太郎君を慰めてあげられるよ?」

京太郎「おう…」

玄「だから…今はおにーちゃんじゃなくて…京太郎君でいいの」

玄「等身大の京太郎君で…素の京太郎君でいいから」

玄「辛い気持ち…全部、私にぶつけて欲しいな」

京太郎「ありがとな」














京太郎「でも、大丈夫だよ」

玄「ホント?」

京太郎「あぁ、玄の声を聞いたら元気が出てきた」

京太郎「俺はもう迷ったりしないよ」

京太郎「ちゃんと…戦ってくる」

玄「…無理してない?」

京太郎「してないって。そもそもこれに慣れとかないと…さ」

京太郎「仮にもこれからプロでやっていくって奴がここでへたれるなんて情けなさすぎるし」

玄「じゃあ、私に出来る事ってもうないの…かな?」

京太郎「ん?」

玄「…私、もっと京太郎君に色々してあげたいよ…」

玄「こんな離れた場所だけど…でも、私達は京太郎君の事思ってるから…」

玄「だから…私達に出来る事ならなんだって言って?」

京太郎「…大丈夫だよ、もう元気は沢山もらったからさ」

京太郎「でも、もうちょっとだけ…通話繋げといてもいいか?」

玄「え?」

京太郎「もうちょっとだけ…玄の声が聞きたいからさ」

玄「うんっ勿論だよ…!」














玄「…え?おねーちゃんどうしたの…?」

玄「え…っ!?そ、そんな…ふぇぇぇ!?」

京太郎「ん?どうかしたのか?」

玄「あ、あの…あの…ね、京太郎君…」

京太郎「おう。なんかあったのか?」

玄「べ、別に何もないんだけど…えっと…その…」

玄「て、テレフォンセックスとか…興味…ある…?」

京太郎「…………ぇ?」

玄「お、おねーちゃんが不安な時はやっぱり気持ちよくなるのが一番だって…」

玄「で、でも、私達…そっちにどうしても行けないし…」

京太郎「ぉ、おう…」

玄「だ、だったらおねーちゃんが…テレフォンセックスなら出来るよって…」

京太郎「…どっからそんな知識仕入れたんだ…」

玄「でも…テレフォンセックスってどうするの…?え、エッチなのは分かるけど…やり方は知らなくて…」

京太郎「いや、一生知らなくてもいい事だろそれは」
















玄「ぅー…でも…」

京太郎「そんな事はいいから…さ。そっちはどうなんだ?」

玄「あ、従業員の皆もたまーにテレビつけて確認してるよ」

玄「準決勝で京太郎君が勝った時は控室から歓声が漏れてお客様びっくりしちゃったくらいなんだから」クスッ

京太郎「そっか。それなら…頑張った甲斐があったな」

玄「うん。決勝戦も…皆応援するって言ってた」

京太郎「ますます無様な戦いはできなくなったな…」

玄「あ、ごめん…プレッシャーになっちゃった?」

京太郎「大丈夫だよ。そんなものインターミドルから背負慣れてる」

玄「…あ、今、なんか格好良かったかも…」

京太郎「別に格好つけたつもりはないんだけどなぁ」

玄「でも、ドキってしちゃった…えへへ…♪」

京太郎「ん?」

玄「やっぱり…京太郎君は格好いいなって」

玄「何気ない一言でも…凄いドキドキしちゃうくらい」

玄「…だから、明日もきっとだいじょうぶだよ」

玄「京太郎君なら…きっと勝てる」

玄「私はそう…信じているから」

京太郎「…おう。ありがとうな」























【System】
松実玄の愛情度がLv10になりました
松実玄関連のスキルが決勝戦で使用出来るようになりました
対象のスキルは思い出のぬいぐるみ【+3】と心の兄妹【+5】です





























【U-22決勝戦】

京太郎「(昨日は玄と会話してたお陰で…気持ちは大分楽になった)」

京太郎「(ま…その所為でダラダラ話して…深夜まで延長しちゃったんだけどさ)」

京太郎「(これで情けないところは…見せられないよな)」

京太郎「(今日も仕事だってのに…あんな時間まで付き合ってくれたんだ)」

京太郎「(今までよりも…遥かに大きな…決勝の大舞台…)」スゥ

京太郎「(まだ緊張が抜けきった訳じゃない)」

京太郎「(不安も…勿論ある)」

京太郎「(でも…それは足を鈍らせる理由にはならない)」

京太郎「(…俺は多くの人の気持ちを背負って…ここにいるんだから)」

京太郎「(これまで倒してきた皆の為にも…応援してくれている皆の為にも…)」

京太郎「(…胸を張る。ゆっくりと歩く)」

京太郎「(自信満々に…プロらしく)」

京太郎「(…彼女たちに負けないくらい…立派に)」

照「…」ゴゴ

衣「…」ズズ

小蒔「……」ウトウト














京太郎「……」

京太郎なんで「…神代選手寝てるんですか?」

照「…何時もの事」

衣「うむ。それはころもも気にしているのだが…」

衣「もしや寝不足だったのだろうか…?」

照「寝不足?」

衣「衣も遠足の前の日は緊張して眠れない時もあるぞ」ウムッ

照「…お菓子があれば問題ない」

衣「なんと…!?」

小蒔「ハッ…すみません寝てました…!?」

小蒔「…ってあれ?まだ始まってないですか?」

京太郎「(…なんか緊張感ないなぁ)」










京太郎「えぇ。まだもう少し時間が有りますよ」

小蒔「良かった…って…あれ?」

京太郎「ん?」

小蒔「…あの…須賀さん…ですよね」

京太郎「えぇ」

小蒔「もしかして…会った事ないですか?」

京太郎「…え?」

京太郎「いや…ないと思いますけれど…」

小蒔「そう…ですか。そうですよね」

小蒔「…映像を見た時は…何も感じませんでしたし…」

小蒔「(……ただ…なんでしょう…?)」

小蒔「(須賀さんから感じる…嫌な感じ…)」

小蒔「(…私は…いえ…私に力を貸してくれている方々は…)」

小蒔「(…これを…知っている…?)」

小蒔「(そして…危険だと…訴えている…)」

小蒔「(…一体…この人に何が…)」ブー

照「…時間」スッ

衣「そのようだ。では…始めようか」

小蒔「あっ…はい。全力以上で…お相手します!」

京太郎「こっちもですよ。よろしくお願いします」


>>+1 京太郎(雀力16+能力136+諸々18-能力(衣)75)+95
>>+2 照(雀力16+能力80-能力(衣)75)+21
>>+3 衣(雀力15)15
>>+4 小蒔(雀力6+???)




































>>京太郎 100
>>照72 → アガリ放棄
>>衣 102
>>小蒔40 → 九面神降ろしの儀発動(+60)-ころたんの能力(75) → 25


小蒔「…」スッ

京太郎「…っ!」ゾッ

京太郎「(…神代さんの雰囲気が変わった…!?)」

京太郎「(さっきまでのほんわかした人じゃなくって…今は鋭い…)」

京太郎「(剣みたいな…張り詰めた空気になってる…)」

京太郎「(しかも…その視線は俺に向けられていて…)

小蒔「…」ジィ

京太郎「(これは…敵意…?)」

京太郎「(でも…どうして…だ?)」

京太郎「(そんな風に恨まれるような記憶はない)」

京太郎「(と言うか…ついさっき会ったばかりだ)」

京太郎「(それなのに…こんな…肌にしみるようなはっきりとした敵意…)」

京太郎「(これは一体…)」














衣「(…うん。善き哉善き哉)」

衣「(予想通り…こまきの意識は須賀京太郎へと向けられているようだ)」

衣「(…その割には降りてきたのが弱い神だが…)」

衣「(今は様子見のつもりか…或いは下手に刺激するとまずいとおもったのか)」

衣「(どちらにせよ…こまきと須賀京太郎が意識を向け合っている今が好機…)」グツ

衣「(てるも最初の一局は和了る事はないこの状態で…)」スッ

衣「(最初の一撃…ころもが貰う…!)」

衣「(…のつもりだったのだが…)」

衣「(何故だ…?さっきからツモが悪い…)」

衣「(何時もなら…もうとっくの昔にテンパイしてもおかしくないのに…)」

衣「(今は…それが全て阻まれている)」

衣「(まるで…自分の前に何か巨大なものが立ちふさがっているような…そんな居心地の悪さ…)」

衣「(…これは一体…)」



















衣「(…おかしい)」

衣「(この四人が居て…もう流局間近…?)」

衣「(確かに…それぞれが深く絡み合っている分…ありえない話ではない)」

衣「(だが…静か過ぎる…!)」

衣「(静観するであろうてるはともかく…鳴きを多用する須賀京太郎すら…鳴かない)」

衣「(ただ無言で…手を入れ替え続けている…)」

衣「(…こまきもまだテンパイ出来ていないのか…手を入れ替えて…)」

衣「(…これは一体…どういう事だ…?)」

衣「(私も含めて…ムダヅモばっかりだったとでも言うのか…?)」スッ

衣「(…ダメだ。これも…友好牌ではない…)」スッ

衣「(…次の須賀京太郎でラスト…流局か…)」

衣「(…なにやら拍子抜けだな)」

衣「(この四人が集まったのだ)」

衣「(あの宮永咲のような驚天動地な打ち筋を見せてくれるものだと思ったが…)」

京太郎「……」スッ

京太郎「……よし。海底摸月」

衣「……え…?」















衣「……海底摸月?」

京太郎「あぁ。それだけ…だけどな」

京太郎「400・700…ま、ノミ手も良いトコロだけど…」

衣「(…ノミ手?たしかにそうだ…)」

衣「(だが…衣だけじゃなく…てるやこまきもいる状態で…)」

衣「(…海底まで回って…それだけ?)」

衣「……ふふ」

京太郎「ん?」

衣「……面白い…随分…面白い打ち方だ」ゴゴッ

衣「この衣の前で海底摸月で和了るとはな」

衣「…須賀京太郎」

京太郎「お、おう」

衣「覚悟しておけ。次の底は…もっと暗いぞ」ズズズ

京太郎「…っ!?」



天江衣のオカルト【月光を掴む者】
牌すら狂わせ、人を狂乱へと陥れる魔物の証。
自身の雀力の1/2を相手へのマイナス補正へと変える。
この効果で与えられるマイナス補正はあらゆる効果で軽減、無効には出来ない。
また相手から和了る度に全体に与えるマイナス補正が雀力の1/5ずつ増加する。
相手のマイナス補正が自身の雀力を上回った時、特殊勝利する。
またこの効果の発動後、マイナス補正は一番最初の値に戻る。


天江衣のオカルト2【暗き水底の支配者】
相手が和了った時に発動可能
和了者に自身が与えるマイナス補正を次の判定時のみ雀力の1/5分増やす
この効果で増えた分のマイナス補正は【月光を掴む者】の特殊勝利の判定にも加える事が出来る















照「(…良かった。天江選手が和了らなかった…)」ホッ

照「(出来れば…流局が一番だったけれど…)」

照「(…最初の一撃は…痛くない)」

照「(立ち上がりとしては…悪くない形のはず…)」

照「(でも…今日は満月で…しかも、夜…)」

照「(天江選手が絶好調な時間…)」

照「(普段から相性が良いとは言えないけれど…)」

照「(…須賀選手が安手で和了ってくれたお陰で…勝機も大分見えてきた)」

照「(それにこの局は様子見に回ったお陰で…神代選手の能力が分かったし…)」




小蒔の九面神降ろしの儀
自身の補正前コンマの値による補正が変化する
0~10 +20
10~20 +40 コレ以降-補正無効
21~30 +50 コレ以降特殊効果無効
31~40 +60 コレ以降末尾1にて特殊勝利
41~50 +80 コレ以降末尾2にて特殊勝利
51~60 +100 これ以降末尾3にて特殊勝利
61~70 +120 コレ以降末尾4にて特殊勝利
71~80 +140 コレ以降末尾5にて特殊勝利
81~99 +150 コレ以降末尾6にて特殊勝利
ゾロ目:+200 0以外で特殊勝利




照「(…やっぱり最後のインターハイの時より強くなってる…)」

照「(特に…上のほうを引かれると…私でも手が出せなくなる…)」

照「(こればっかりは祈るしか無いけれど…)」

照「(【後半にまだ隠し球を持っているみたい】…)」

照「(…序盤の内に…リードを作っておかないと大変な事になりそう)」

照「(……ただ…)」チラッ















京太郎「…」

照「(……須賀選手に見えた影…)」

照「(無数の蛇を従えた…山をも超える大蛇…)」

照「(太陽すらも飲み込んでしまいそうな…あの巨大で醜悪な…肉の塊は…)」ゾッ

照「(勿論…ただのイメージ)」

照「(私が見えたのはただの幻でしかないって分かってる…)」

照「(だけど…アレは…あっちゃいけないもの)」

照「(…決して蘇っちゃいけない化け物だって…分かってしまった…)」

照「(そんなオカルトなんてあり得ないって…そう思っているのに)」

照「(…こうしているだけで漂ってくる…独特の気味悪さ…)」

照「(…瘴気と言っても良い…居心地の悪さは…どうしても否定出来ない)」

照「(…今は押さえ込めている…少なくとも本人は押さえ込もうとしている…)」

照「(でも…それが長く続く訳がない…)」

照「(アレは…どんどん成長してる…)」

照「(多くの人の思いを食べて…まだ…膨れ上がっている…)」

照「(今はともかく…いずれは…押さえ込めなくなってもおかしくはない…)」ゾッ













照「(…今でも…その力を借り受けていない状態でも…)」

照「(私達と互角に戦えている彼が…さらに強くなったら…)」

照「(…止められない…誰でも…)」

照「(…手がつけられる内に…どうにかしておかないと…大変な事になる)」フゥ

照「(きっと…無表情に人を壊して…屍を積み上げるような…化け物になってしまう…)」グッ

照「(…なら、今の間に…どうにかしておかないと…)」

照「(私に何か出来るとは思わない…)」

照「(私はただ見えるだけで…そういうのは専門外なんだから)」

照「(…でも、だからと言って…このまま見過ごす事なんて…出来るはずがない)」

照「(…少なくとも…負けられない理由が出来た)」

照「(…賞金以上の…ファンの為っていう理由以上の…ものが出来た)」

照「(…だからこそ、ここからは…本気で行く…)」ゴッ

照「(…もうコレ以上、誰も和了らせない…私が最後まで…決める…!)」



【輝魔鏡】
最初の判定を放棄する事により、それ以降の相手全ての+補正を半減させる
この効果はあらゆる能力で無効にはならない


【連続和了】
前局の判定で勝利した場合、次の局が特殊勝利になる
ただし、前局の補正後コンマを補正後コンマで超えられなければ失敗となる(この場合、通常勝利になる)


【日輪を描くもの】
あらゆるものを遍く照らし、その遥か上を行く魔物の証
自身の雀力の半分を+補正に加え、勝利する度に補正値を同じだけ増やしていく
またマイナス補正を受けず、特殊効果を受ける事もない















京太郎「(…やっべぇ…)」

京太郎「(今の和了で…完全に目をつけられた…)」

京太郎「(他家から伝わってくる空気が…明らかに変わってる…)」

京太郎「(…どうしてかは分からないけど…俺はやっぱり目の敵にされているらしい)」フゥ

京太郎「(…まったく前世の俺が…何かやらかしたのかな…)」

京太郎「(例えば…女の子を弄んだとか……)」

京太郎「(…なんか今の状態を思い返すと…ないとは言い切れないな)」

京太郎「(…ま、ともあれ…だ)」

京太郎「(そんなもの…百も承知でここに来てるんだ)」

京太郎「(あのノミ手和了った時点で…狙われるのなんて分かりきってるよ)」

京太郎「(それでも和了ったのは…逃げ切る自身があるからだ)」

京太郎「(さぁ…気合入れろよ、須賀京太郎)」

京太郎「(こっからが…本番だぞ…!)」


>>+1 京太郎(雀力8+能力68+諸々9-能力(衣)105)-20
>>+2 照(雀力16+能力80-能力(衣)75)+21
>>+3 衣(雀力7)7
>>+4 小蒔(雀力3-能力(衣)75)-72

































京太郎 0
照 57
衣 23
小蒔 81


→ 末尾1の為、小蒔の特殊勝利が確定



京太郎「(…よし)」

京太郎「(能力は…効いてる…!)」

京太郎「(真っ向からの打ち合いはきついけど…)」

京太郎「(だけど…後ろにずれ込めばチャンスはある…)」

京太郎「(局が進めば進むほど…手牌が分かる以上…)」

京太郎「(山を殆ど支配している俺が有利だ)」

京太郎「(…まぁ…他家を抑えるのに殆どの意識を集中しなきゃいけない所為で)」

京太郎「(自分の手の進みは…あんまり早くないけどな)」

京太郎「(だが…)」スッ

京太郎「(テンパイだ…)」

京太郎「(誰も鳴かない限り…次のツモで…俺の和了が確定…)」

小蒔「ポン」

京太郎「…っ!?」

京太郎「(…ここで鳴き…!?嘘だろ…!!)」





















小蒔「…」スッ

京太郎「(…予定が狂った…)」ドッドッ

京太郎「(いや…冷静になれ…)」フゥ

京太郎「(局は進んでる…手を変える時間はない…)」スゥ

京太郎「(…ならノーテンになっても良いから和了だけは回避する方向に持って行こう)」

京太郎「(俺なら…そっちの方向に持っていく事だって出来るはず…)」

京太郎「(今、山を支配してるのは間違いなく俺なんだ…だから…)」スッ

小蒔「……ロン」

京太郎「え?」

小蒔「5200…」

京太郎「あ、あぁ…」スッ

京太郎「(…破られてた…?俺の支配が…)」

京太郎「(さっきと同じなら…押さえ込めていたはずなのに…)」

京太郎「(…もしかして…後になっていくほど強力になっていくタイプの雀士…なのか?)」

京太郎「(…もしそうだとしたら…)」

京太郎「(……次はもっと恐ろしいのが…来る…?)」ゾッ


>>+1 京太郎(雀力8+能力68+諸々9-能力(衣)75)+10
>>+2 照(雀力16+能力80-能力(衣)75)+21
>>+3 衣(雀力7)7
>>+4 小蒔(雀力3-能力(衣)105)-102



































>>京太郎 97
>>照96
>>衣89
>>小蒔152 → ころたんイェイ(-102) → 50


照「…」スッ

衣「……」スッ

京太郎「(やば…いな)」

京太郎「(能力の効きが少しずつ悪くなっている…)」

京太郎「(全員、この状況下での打ち方に慣れ始めているんだ…)」

京太郎「(…まさか半荘で見切られる…なんてな)」

京太郎「(元々完璧だとは思ってなかったけど…)」

京太郎「(…こんなに早く効果がなくなるなんて…)」フゥ

京太郎「(…なら平で打つ…しかないけれど…)」

京太郎「(それじゃ…宮永プロに勝てる自身はない)」

京太郎「(能力で最大限妨害しようとして…)」

京太郎「(それでようやく…届くような人なんだから)」

京太郎「(今の俺で速度で競ろうとしても…負けるだけだ)」

京太郎「(…ここは降りる。それが一番だ…)」スッ

















―― やっぱり…京太郎くんは格好良いなって

                              ――京太郎君ならきっと勝てる


―― …だって、おにーちゃんは…京太郎君は私にとって何時だって素敵で最高なんだから!






京太郎「…………」ピタッ

京太郎「(そうだよな…)」

京太郎「(…ここで日和っちゃ格好良いお兄ちゃんにはなれないよな)」

京太郎「(…やるまえから…逃げて…どうするんだよ…)」

京太郎「(まだ数巡が終わったばっかりだろ…)」

京太郎「(…もしかしたらツモが回るかもしれない)」

京太郎「(逆に宮永プロのツモが最悪かもしれない)」

京太郎「(…それなのにこんな序盤から諦めて…たまるか)」スッ

京太郎「(…さっきの直撃で…神代選手に逆転されてるんだ)」

京太郎「(…ここは日和らずに攻めていく…!攻めて攻めて…ギリギリまで狙ってく…!!)」


















照「(…須賀選手の目が変わった)」

照「(さっきの逆転で…逃げの姿勢が見えていたけれど…)」

照「(…今はガンガン攻めてきている…)」

照「(だけど…こっちも負ける訳にはいかない…)」

照「(…次辺りから神代選手が…怖くなってくる…)」

照「(貯金は幾らあっても足りないくらいだし…)」

照「(…何より…須賀選手に調子づかせる訳にはいかない…)」

照「(出来れば…最下位まで落ちていってもらう…その為にも…!)」ゴウッ

京太郎「(…っ!…来たか)」

京太郎「(宮永プロの本気…!!)」

京太郎「(だけど…こっちだって負けてられないんだよ…!)」

京太郎「(こんな無様な俺を…応援してくれている人がいる)」

京太郎「(格好良いって言ってくれた奴がいる…!)」

京太郎「(そいつの為にも…ここは…絶対に…譲れない……!!)」ズズズ

小蒔「……」パチン

小蒔「…あ、あれ…?えぇっと…」

小蒔「ど、どうしましょう…う、うぅん…」

小蒔「と、とりあえず…こ、これです…!」スッ

京太郎「…え?」

小蒔「あれ?」

京太郎「…いいのか?」

小蒔「え?ダメですか?」キョトン

京太郎「あ、いや…ロン。6400」

小蒔「ふぇ…えぇぇぇ!?」ズガーン

















京太郎「(…なんか棚ぼたみたいだったけど…でも、逆転は出来た…)」

京太郎「(…一位…だけど、油断は出来ない)」

京太郎「(二位の神代選手との点差は数千程度…)」

京太郎「(最下位の天江選手と比べても一万もない)」

京太郎「(満貫の直撃一回で簡単にひっくり返るような…そんなギリギリのラインだ)」

京太郎「(…やっぱりここは貪欲に勝ちを狙っていかないと…ダメだな)」

京太郎「(全員が高い火力を持っている以上…流すだけじゃダメだ)」

京太郎「(自分から和了って…トドメを指すつもりじゃなきゃ…どうにもならない)」

京太郎「(ここからは相手も死に物狂いで点棒をとりに来るだろうし…)」

京太郎「(…油断は…油断は…)」

京太郎「……」

小蒔「…すぅ」コックリ…コックリ

京太郎「…すみません。また神代選手寝てるんですけど」

衣「…二度寝か」

照「…ついに来る」

京太郎「…えっ?」















衣「…須賀京太郎、覚悟しておいた方がいいぞ」

照「…ここからは本気の神代選手が来る…」

京太郎「…本気?」

照「二度寝した時の神代選手は強力…」

衣「ほぼたった一人で姫松を叩き落としシードを獲得した猛者だからな!」

京太郎「…」ゴクッ

衣「無論、衣もまだ諦めたつもりはない」

衣「逆転は虎視眈々と狙い続けている」

照「…私も同じ」

照「勝負は…まだこれから…」

照「…諦めた訳じゃない…全力で…勝ちに行く…」

京太郎「…はは」

照「…え?」

京太郎「…嬉しいな、天下の宮永プロや天江選手みたいな凄い人が…」

京太郎「俺みたいな奴にそこまで本気になってくれるなんて…」

京太郎「…なら俺も全力で…いや…」

京太郎「あえて神代選手の言葉を借りて…全力以上で…お相手させてもらいます」

京太郎「…そして、その上で…このまま逃げ切って優勝を貰う…!!」ゴッ

小蒔「すやぁ…」



二度寝しまーすおやすみなさーい…
自身の補正前コンマに+20する




>>+1 京太郎(雀力8+能力68+諸々9-能力(衣)105)-20
>>+2 照(雀力16+能力80-能力(衣)75)+21
>>+3 衣(雀力7)7
>>+4 小蒔(雀力3-能力(衣)75)-102


































>>須賀京太郎の特殊勝利発動

京太郎「(…っ!…くそ…やっぱり…手牌は悪い…な)」

京太郎「(さっきのでまたこっちに…天江選手の能力が寄ってきてる…)」

京太郎「(一向聴地獄…いや、今はもう三向聴を突破する事すら難しい…)」

京太郎「(普段ならある程度あるはずの暗刻も…影も形も見えないくらいだからな…)」

京太郎「(……でも)」

小蒔「……」ゴゴゴ

京太郎「(……神代さんから恐ろしいまでのプレッシャーを感じる…)」

京太郎「(こんな状況でも…おそらく高めを張ってるんだろう)」

京太郎「(…なんでそんな高めを張れるのかとか…なんで居眠りするのかとか…)」

京太郎「(思うことは色々あるけど…でも…)」

京太郎「(この状況…この土壇場でのそれは…正直きつい)」

京太郎「(…出来ればこっちが先にテンパイしておきたいんだけど…)」

京太郎「(…この手牌だと正直厳しそうだ…)」
























京太郎「(…いや、まだだ)」

京太郎「(まだ始まったばかり…諦めるには全然早い)」
                             
                                   ―― 諦メロ

京太郎「(意識は妨害に集中…もう山を突破させはしない)」

                                   ―― オ前デハ勝テナイ

京太郎「(とりあえず…和了られてしまったら終わりなんだ)」

                                   ―― 私ニ全テヲ委ネロ

京太郎「(流局ギリギリまで持っていければ…この手牌でもチャンスはある…)」

                                   ―― チャンスナドナイ オ前ハソレヲ掴メナイ

京太郎「(…諦めるな。最後まで希望を捨てずに…やれば…)」

                                   ―― 希望ナド何処ニモナイ 見テミロ

小蒔「…リーチ」スッ

京太郎「…っ!!」















京太郎「(ここで…リーチ宣言…)」

                            ―― オ前デヤレルカ? 無理ダ

京太郎「(…無理じゃない)」

                            ―― 神殺シハ得意ダ 任セロ

京太郎「(…たかが三巡目リーチをかいくぐって和了るだけだろう…!!)」

                            ―― ダガ、オ前ハサッキデキナカッタ

京太郎「(…っ!!)」

                            ―― 磨キアゲタチカラハクダケタ 突破サレタ

京太郎「(……それは)」

                            ―― オ前ハ最強ニナラナケレバイケナインダロウ?

京太郎「(……あぁ)」

                            ―― オ前ノ愛シイモノノ為ニ誰ヨリモ強クナラナケレバイケナインダロウ?

京太郎「(……そう…だ)」

                            ―― ナラバ、コンナトコロデ躓ク訳ニハイカナイ

京太郎「(…躓……く?)」

                            ―― ソウダ、コンナトコロデ負ケル訳ニハイカナイ

京太郎「(……負ける…俺が…)」

                            ―― ソレハ嫌ダロウ?情ケナイダロウ?

京太郎「(………嫌…だ)」

                            ―― ナラ、コノ戒メヲハズセ ソウスレバ私ガオ前ニ勝利ヲ与エテヤル

京太郎「(……勝利…勝利…)」




















穏乃「京ちゃんなら大丈夫だよ!」

                         憧「しっかりやってきなさいよ、じゃないと…許さないからね」

灼「…頑張って」

                         玄「…だって、おにーちゃんは…京太郎君は私にとって何時だって素敵で最高なんだから!」

宥「見せてね、きょーくんの暖かい麻雀…」

                         やえ「だから、応援してる…からね。何時も以上に…京太郎君の事」

晴絵「ま、楽しんできなさい。今度こそ高校最後の大舞台なんだしね」
























京太郎「(…そう…だな)」

                                 ―― デハ…

京太郎「(……俺の答えはこうだ。…断る)」

                                 ―― 何…?


















京太郎「(…確かに俺は優勝したい)」

京太郎「(いや、しなければいけない)」

京太郎「(やえさんには約束したし…玄たちの応援も受けてる)」

                                      ―― ナラバ、何故…!?

京太郎「(…そんなもん決まってるよ)」

京太郎「(…お前が俺じゃないからだ)」

京太郎「(お前は俺の力じゃない)」

京太郎「(俺が…レジェンドから教えてもらって…赤坂監督に形にしてもらった力じゃない…!)」

京太郎「(あくまでお前は借り物で…俺の力じゃない…!)」

                                      ―― ソンナモノ勝利ノ為ニハ…

京太郎「(違うな。お前の力を借りた時点で…俺は負けてる)」

京太郎「(…それはあいつが…江藤が証明してくれた)」

















京太郎「(麻雀は楽しんだ奴が勝ちなんだ)」

京太郎「(だけど…お前の力を借りたら俺は楽しめない)」

京太郎「(ただ…勝ち続けるだけの…そんな存在になる)」

京太郎「(それは…負けだ)」

京太郎「(どんな惨めな敗北よりも最悪な…結果だよ)」

                                     ―― ソンナ意地デ負ケルツモリカ…!?

京太郎「(…負けねぇよ。俺は負けない)」

京太郎「(お前の力なんてなくても…俺は勝ってみせる…)」

京太郎「(どれだけ絶望的だろうが…戦況が悪かろうが…!)」

京太郎「(…運でも流れでも…引き寄せてやる…!!)」

京太郎「(お前の力なんて借りなくても…自分自身の力で…!)」

京太郎「…ポン!」

















照「っ…!?」

照「(…流れが…変わった…?)」

照「(…神代選手の方に流れていったものが…)」

照「(今の鳴きで…須賀選手の方に流れていってる…)」

照「(…まずい。このままじゃ…須賀選手が和了ってしまう…)」

照「(最終局なのに…逃げ切られるのはまずい…)」

照「(なんとか…手を打たないといけない…なのに…)」

衣「(……ツモが悪すぎる)」

衣「(これは…てるの能力だけではない)」

衣「(今再び…須賀京太郎が山を掌握しつつある)」

衣「(まだ隠し球を持っていた……いや、違うか)」

衣「(…アレが人の意思…人の技)」

衣「(最後まで諦めなかったが故に…技を研磨し続けた故に至った境地)」

衣「(人として魔物に並び、それを打ち倒す…英雄の力)」

衣「(これが…須賀京太郎)」

衣「(これが…人の…力…か)」






























京太郎「…ツモ。400…!700!」




























「決まったああああああ!」

「ラスト流局間近の電光石火!」

「鳴きからの電撃戦で…十八番で決めました!」

「U22大会…初代優勝者は…!須賀京太郎選手です」

京太郎「…………ふぅ」

京太郎「(…疲れたぁ…)」

京太郎「(最後の最後まで…ギリギリだったな…)」

京太郎「(一瞬も気を抜けない…ホント、綱渡りのような戦いだった…)」

衣「…須賀京太郎」

京太郎「…あ、お疲れ様です」

衣「うむ。凄い戦いだった」

衣「まさか衣がろくに和了らせて貰えないとはな」

京太郎「いやー…何度か危ないところはありましたけどね」

京太郎「(…特に最初とか…あの海底を天江選手に譲っていたら和了られていてもおかしくなかったし…)」










衣「謙遜するな。人の身でよくぞそこまで演練続けたものだ」

衣「衣は須賀京太郎に…いや、きょうたろーに興味が沸いたぞ!」グッ

京太郎「え?」

衣「きょうたろーはプロになるつもりか?」

京太郎「…えぇ。今のところはそのつもりです」

照「……」

衣「そうか!では、衣もプロになる事にしよう!」

京太郎「…え?」

衣「今までは特にプロも興味なかったし…トーカからも止められていたけれど…」

衣「…きょーたろーのような面白い打ち手がいるなら話は別だ」

衣「衣も…プロに行ってみたい!行って…今回みたいな舞台できょーたろーと打ってみたい…!」キラキラ

衣「そして…今度こそ衣が勝ってみせる」ニコッ

京太郎「……はい。お待ちしています」











小蒔「……ぅーん…むにゃむにゃ…」

小蒔「…皆のお陰で優勝…出来ました…」

小蒔「今日は…最高の日…で…しゅ……ぅ…?」パチッ

京太郎「あ、神代選手…お疲れ様です」

小蒔「…あ、はい。お疲れ様で…あ…」

京太郎「…どうかしました?」

小蒔「……あ、いえ…そう…ですね」

小蒔「…私、負けていたんです……ね」シュン

京太郎「……はい。あの…」

小蒔「……ふふ、夢を…見ました」

京太郎「…夢?」

小蒔「はい。ギリギリのところで…須賀さんに逆転出来る光景を」

小蒔「…そこで私は皆に囲まれて…祝福してもらえて…最高の…気分でした」

京太郎「…神代選手」

小蒔「…だから、私、ちゃんと言えます」

小蒔「…悔しいけれど、悲しかったけれど…ちゃんと…言えます」グッ

小蒔「須賀さん、優勝…おめでとうございます」ペコッ

小蒔「…完敗でした」

京太郎「……はい。ありがとうございました」
















照「須賀選手…おめでとう」

京太郎「ありがとうございます。宮永プロもお疲れ様です」

照「…うん。お疲れ様」

照「…でも、ちょっと話したい事があるんだけど…」

照「優勝者インタビュー前に…時間…良いかな?」

京太郎「えぇ。構いませんよ」

照「良かった。じゃあ…あまり聞かれたくないし…こっちに来てくれる?」

京太郎「…あ、はい…」

照「……ん。ここくらいで良いかな…?」

京太郎「確かに…マスコミもここまでは入ってこれませんしね」

照「…うん。でも、あんまり優勝者を独り占めするのはいけないから…身近に…」

照「……須賀選手…さっきのは…本気だった?」

京太郎「…勿論ですよ、俺の…全力でした」













照「…でも、全部出し切った?」

京太郎「……」

照「…君の手札が多いのは知ってる…」

照「その中の全部を出し切って…勝ったって言える?」

京太郎「…宮永プロは何を言ってるんですか?」

照「…まだ君には隠しているものがある」

照「それも…人ならざる力を」

照「…それを使うつもりはなかった?本当に…自分を律しきれていた?」

京太郎「…何が言いたいんです?」

照「…私には見えた」

照「君の背にうずまく…悪意の群れを」

照「君に寄生してその身を蝕む大蛇を」

京太郎「…大蛇?」

照「それは何時か…須賀選手を蝕む」

照「それは…あっちゃいけない力」

照「いずれ…君はそれを押さえ込めなくなる」

京太郎「…つまり…どういう事ですか?」

照「…君は麻雀を止めるべき」

京太郎「…っ!ふざけんな!」

照「ふざけてなんていない。…それが君の為でもある」

照「君自身でも…分かっているはず。それがどれだけ恐ろしいものか」

照「私には…見えた。君がどれだけそれに苦しんで…悩んでいるか」

照「そして…それにどれだけ人を巻き込み…傷つけているか」

京太郎「そ…れは…」

照「今は確かに大人しくしているかもしれない…」

照「だけど、それは必ず…何時か大事な人を傷つける…」

照「……私の妹みたいに」

京太郎「…え?」

照「…なんでもない」

照「だけど…強すぎる力には何時か必ず悲劇が付き纏う」

照「今は良い…でも…何時か必ずそれは叛逆する」

照「だから…」

京太郎「……でも…」

京太郎「でも…俺にはこれしかないんだ…」ギュッ















京太郎「…俺があいつらにしてやれるのは…これだけなんだ」

京太郎「麻雀でしか…俺は傷つけた奴らに…償ってやる事は出来ない…」

京太郎「不自由なくあいつらを暮らさせてやるには…俺にはこれだけしか思いつかないんだ…」

照「……」

京太郎「…でも…宮永プロの…言う通り…です」

京太郎「…さっきギリギリの戦いの最中…『あいつ』の囁きが聞こえました」

京太郎「それはもしかしたらただの幻聴かもしれない…だけど…」

京太郎「それに…耳を傾けてしまった俺というのが…どうしても居て…」

京太郎「今回は…それを拒否する事が出来ました。でも…」

京太郎「何時か…それに負けてしまいかねないと…自分でも…思って…」

京太郎「…宮永プロ…そこまで…見えているなら…教えてください」

照「…何を?」

京太郎「…何か…ないんですか?」

京太郎「俺のこの力を…完全に消す方法は…」

京太郎「これを…使わないでいる方法は…ないんですか……?」

















照「…麻雀をしない事が一番」

京太郎「無理ですよ…俺はもう…プロとして契約してる」

京太郎「既に次に出る大会や試合なんかも決まってます…」

京太郎「それらに出ずにやめますなんて…スポンサーにも迷惑が掛かる」

京太郎「その場合には賠償金も発生しますし…とてもじゃないですが止められません…」

京太郎「だから…お願いします…」

京太郎「ソレ以外の方法を…なにか教えて下さい…っ!」ペコッ

京太郎「俺…なんでもします…!」

京太郎「どんな事だってしますから…だから…!」

照「………リスクがある」

照「…それでも良いなら…一つ方法がない訳じゃない」

京太郎「っ!教えてください…その方法を…!」

京太郎「リスクでも何でも飲みますから…お願いします…!」



















【京太郎の部屋】

憧「……で、全力の京太郎をぶっ倒せって?」

京太郎「…そういう事らしい」

やえ「…にわかには信じがたい話だね」

穏乃「でも…わざわざそんな警告する?」

晴絵「…ま、優勝された嫌がらせって可能性もない訳じゃないだろうけど…」

玄「…ううん。違うよ」

宥「…玄ちゃん?」

玄「一度、戦ったから分かるよ」

玄「宮永プロはそんな人じゃない」

玄「多分…心から心配してくれているんだと思う」

京太郎「…あぁ、俺もそう思う」

京太郎「あの人の目は…そういうものじゃなかった」

京太郎「こっちの事を心配して…そして申し訳無さそうにしていた」

京太郎「それに…宮永プロが言ってるのは今まで一度もよそで出してない話だ」

京太郎「本当に…俺の中にいるものが見えてなきゃ、そんな言葉は出てこないはず」















やえ「…しかし…ヤマタノオロチか。また大物が出てきたなぁ…」

穏乃「それって強いの?」

晴絵「凄い大雑把に言えば神様も丸呑みにしちゃうくらい大きくて強い蛇だからね」

穏乃「なにそれすごい」

京太郎「日本神話最強の化け物とも言われてるらしいからなぁ」

やえ「何より恐ろしいのはそいつがかなりの知恵を持つ事だろうな」

やえ「参照する資料にもよるが、全て食べつくすのではなく」

やえ「生贄を要求したり子どもが生まれるのを察知して現れたりする」

京太郎「スサノオに退治されるまで他の神様も手が出せなかったらしいし…」

京太郎「何より色んな所で暴れまくって追放までされたスサノオが策を使ってようやく勝てたってレベルらしいからな」













京太郎「ついでに執念深さも大概で、源平合戦中、安徳天皇が三種の神器と一緒に水没したのは」

京太郎「こいつの呪いだって話もあるらしい」

玄「ほえー…」

晴絵「後に天皇家に戻された時も皇族の一人が原因不明の病に掛かったりして…」

晴絵「その時も剣に宿ったヤマタノオロチの怨念のせいって話があっったみたいね」

穏乃「なんだか凄い化け物なんだね…」

憧「…ま、正直、眉唾も良いトコロだけどね」

憧「オカルトがあるのは知ってるけど…でも、それが神話の化け物の所為とかありえないでしょ」

宥「…確かに…そうだね」

灼「…だけど、幾つか適合する符号があるのは事実」

憧「ぅ…それは…」

灼「酒に酔うとはっきりと好きって言って貰えるのも…オロチだからと言えば納得できる…」

穏乃「…どうして?」

憧「…オロチって酒に弱いのよ、それ飲んで泥酔したところを細切りにされたくらいだし」















京太郎「…実際、酒飲んで弱らせるのが一番だって宮永プロも言ってた」

憧「…で、どうするの?」

やえ「…リスクはあるんだよね?」

京太郎「あぁ。下手に俺が勝ってしまうと症状が進む可能性が高いって」

京太郎「わざと負けようとしても意味が無い…全力で打って…それを倒さなきゃダメなんだって」

穏乃「……そっか」

穏乃「…じゃあ、簡単だね!」

京太郎「……え?」

穏乃「…え?だって勝てば良いんでしょ?」

京太郎「そう…だけど」

穏乃「じゃあ、やっぱり簡単だよ!だって…ここには皆がいるんだよ?」

憧「…ま、そうね」

京太郎「…憧」

憧「ここにいる全員なら京太郎相手にでも勝てるでしょ」

やえ「…うん。一人なら厳しいかもしれないけど…」

玄「でも…皆がいるなら…大丈夫だよね!」















灼「…私はブランクが…」

宥「私も…あんまり自信ない…かも」

晴絵「大丈夫。その辺は私が調整してあげるから!」

京太郎「…レジェンド?」

晴絵「本当は私も京太郎と戦いたいけど…ね」

晴絵「でも、それはやっぱり…この子達に譲るべきだと思うんだ」

晴絵「京太郎と一緒に歩んで…ずっと一緒に戦って」

晴絵「そんな皆だからこそ…京太郎と戦う資格があるんだと思う」

晴絵「…それに私は最後まで先生で居たい」

晴絵「ギリギリまで皆を支えて…導いてあげられる先生でありたい」

晴絵「京太郎と戦うのは…プロになってからでも遅くはないし…ね」

京太郎「……そうだな」















晴絵「よし…!じゃあ決定…!」

晴絵「明日から皆で特訓だよ!」

穏乃「はーい!」

晴絵「灼と宥もだいじょうぶだよね?」

灼「…うん。今は春休みだし…」

宥「旅館のお仕事もあるからずっとって訳にはいかないけど…数日くらいなら大丈夫だと思う…」

晴絵「よし…じゃあ、憧と穏乃以外は合宿ね!」

晴絵「とりあえずこの一週間使って…現役レベルまで戻すから」

憧「…あたし達は?」

晴絵「あんたらは自主練」

穏乃「えー…」

晴絵「仕方ないでしょ、卒業式まだ終わってないから春休みになってないんだし」

晴絵「それに三年間みっちりやってた二人に教える事なんてもう殆ど残ってないしね」

晴絵「京太郎と打って少しは慣れときなさい」

穏乃「はーい…」














京太郎「…良い…のか?俺の為にそんな…」

穏乃「水くさいよ、京ちゃん!」

玄「皆、京ちゃんの事がえっと…大事だからこうしてるんだよ」

憧「そうそう。それに何時迄も忘れられっぱなしじゃ癪だしね」

宥「…皆との暖かい思い出…取り戻せるかは分からないけど…」

やえ「…でも、これから新しい思い出を作る為にも…必要なことだしね」

灼「…これは私達の為でもある。…京太郎が気にする事じゃない…」

晴絵「…だから、京太郎はどーんと構えて待ってなさい」

晴絵「私達が必ず…アンタの事を治してあげるから」

晴絵「私達に…ずっとしてくれたように…今度は私達が手を差し伸べてあげるから」

晴絵「安心して…待っていれば良いの」

京太郎「……あぁ。分かった」





























【System】
須賀京太郎の雀力が0.5上昇し、カンストしました
須賀京太郎とのラストバトルが発生しました
勝敗によってエンディングが分岐します
最終更新:2014年02月04日 20:37