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IF灼エンド

【灼エンド】

京太郎「ふぅ…灼、今日の予定は?」

灼「とりあえずこれで全部…」

京太郎「はー…ようやく終わったかぁ…」

灼「お疲れ様。はい、これ」スッ

京太郎「おう。ありがとうな」

京太郎「にしても…麻雀プロって思ったより辛いんだなぁ…」

灼「…泣き言?」クスッ

京太郎「ち、ちげーけど…でも、シーズン外でもあっちこっちから引っ張りだこだしさぁ…」

灼「…それは京太郎が今、男子日本一位だから…」

京太郎「うん。まぁ、実力を評価されてるのは嬉しいけど…」

京太郎「でも、なんか最近、ソレ以外の出演が多くないか?」

灼「…」メソラシ

京太郎「おい、マネージャー」

灼「…だって、京太郎は顔も良いから…」

灼「面倒見もいいしリアクションも面白いからバラエティの仕事が結構…」

京太郎「俺は麻雀プロであって芸能人じゃないんだけどなぁ…」

京太郎「なんで料理作ったり深夜のバラエティで鹿児島にバイクで行ったりするんだろ…」


















灼「…嫌なら止める?」

京太郎「いや、止めない」

京太郎「今は何より金が必要だしな」

灼「…そんなに焦らなくても…」

京太郎「別に焦ってる訳じゃねぇけど…まぁ、このままで良いとも思ってないんだよな」

灼「…」

京太郎「確かに俺は強くなったし…有名になった」

京太郎「こうしてオファーも沢山貰って…間違いなく成功してる部類に入るんだろう」

京太郎「でも…」

灼「…ソレ以上は言わないで」

京太郎「でもさ…」

灼「…私は京太郎が成功してるなら…それで良い…」

灼「私は…マネージャーだから…京太郎の成功が一番の報酬」

京太郎「……だからって結婚もしないってのはどうなんだよ」

灼「…今は京太郎にとって大事な時期…」

京太郎「結婚で荒立てられる波ってなんだよ」

灼「それは…」

京太郎「…そんなに俺の事信用出来ないか?」

灼「違う…私は…!」

















灼「ただ…京太郎に成功して欲しい…だけ」

京太郎「恋人と結婚できずに麻雀打つのが成功なのか?」

灼「それは…」

京太郎「違うだろ、そんなんじゃ成功したなんて言えない」

京太郎「俺はそんなことの為に麻雀プロなんてやってる訳じゃない」

灼「……」

京太郎「…なぁ、灼。そろそろ正直に言ってくれよ」

京太郎「俺は灼のマネージメントのお陰で成功できた」

京太郎「こうしてテレビ出演のオファーも来るし、大会でも活躍出来てる」

京太郎「コレ以上の成功は殆どないと言っても良いだろ?」

灼「…そ…れは…」

京太郎「なのに…事ココに至って…どうして結婚を拒むんだ?」

京太郎「いや…なんでそんなに結婚する事に怯えているんだ?」

灼「…」

京太郎「もう同棲してるも同然で…私生活でも仕事でも一緒じゃないか」

京太郎「それなのに…どうして結婚だけはそんなに嫌がるんだよ」

灼「それ…は…」

















灼「……」

京太郎「…行動してる時はほぼ一緒だし、灼が浮気をしてるなんて疑っちゃいない」

京太郎「でも…それでも流石に…不安になる事があるんだよ」

京太郎「俺は…雑誌で言われているように無敵のチャンピオンじゃない」

京太郎「灼が献身的にサポートしてくれなかったら…間違いなくここまで来れなかったような男だ」

京太郎「灼が支えてくれなかったら、俺は本当は平凡で…特に何の取り柄もないまま終わった男だ」

灼「そんな事…」

京太郎「…あるんだよ」

京太郎「俺は灼に叱咤されなきゃこんなに麻雀に打ち込んでなかった」

京太郎「苦手なものを克服する為に何十時間も特訓に付き合ってくれた灼がいなかったら…」

京太郎「俺は間違いなくあのインターハイを勝ち抜く事は出来なかった」

京太郎「プロになった後も失敗や挫折で落ち込む俺を灼が励ましてくれなかったら全日本一位になんてなれなかった」

京太郎「俺にとって灼は…それだけ恩を感じてる存在だ」

京太郎「…だから…俺は灼の嫌がる事はしたくない」

京太郎「…でも…俺はこれまで…ずっと聞くのを躊躇ってきた」

京太郎「だけど…もう…俺は我慢出来ない…」

京太郎「なぁ、灼……俺の事…嫌いになったのか?」グッ

















灼「違…っ!」

京太郎「…正直に言ってくれ」

京太郎「ここでそうだと言っても…俺は灼には何もしない」

京太郎「マネージャーを辞めたいと言うならすぐに別のマネージャーを手配するし」

京太郎「今の家だって…すぐに出て行く」

灼「違うの…本当に…」

京太郎「…じゃあ、どうしてなんだ…?」

京太郎「俺は結婚相手として…それだけ不安にさせる相手…なのか?」

灼「…違う」

京太郎「……じゃあ」

灼「違う…の、私の…所為…なの」ポロッ

京太郎「あ、灼…!?」アセッ

灼「怖い…んだよ…私…」

灼「結婚するのが…怖いの…」

京太郎「…怖い?」

京太郎「やっぱり俺が…」

灼「…ううん、京太郎は…悪くない…」

灼「悪いのは…私…なの…」















灼「私…幸せな家庭なんて…知らない」

灼「私が知ってるのは…働いてるお父さんとお母さんの背中だった…」

灼「物心ついてすぐに…お祖母ちゃんに預けられて…ずっとそこで暮らしてきた」

灼「…だから…私、どうしたら良いのか…わかんないの…」ギュッ

灼「…どうやって京太郎と幸せな家庭を作れば良いのか…」

灼「どうやったら…ちゃんとした母親になってあげられるのか…」

灼「…ずっとずっと…考えてるけど…でも…分からない…の…」ポロポロ

京太郎「灼…」

灼「それで…ちゃんと出来ないなら…まだ良い」

灼「でも…もし、京太郎に嫌われてしまったら…生きていけない…」

灼「だから…ずっと結論を先延ばしにして…そ、それ…で…」

京太郎「……ごめんな」ギュッ

灼「…ぅ」

京太郎「…俺、灼の事…ちゃんと分かってあげられてなかった」

京太郎「そうだな…確かに灼の立場なら不安になるのが当然なのかもしれない」

京太郎「…恋人なのに…まったくお前の立場を考えてなくて…ごめん」














京太郎「…でもさ」

京太郎「でも…そうやって働いてる両親しか知らないからこそ…」

京太郎「…灼は結婚するべきだと思うんだよ」

灼「…え?」

京太郎「灼はそんな二人の事を見送ってどう思った?」

灼「…寂しいって…思った」

灼「構って欲しいって…もっと顧みて欲しいって…」

灼「振り返って…欲しい……って…」グスッ

灼「でも…仕方のない事だから…私、言えなくて…」

京太郎「…そうだな。灼はずっと寂しい思いをしてきた」

京太郎「だからこそ…次は子どもにそんな思いをさせない家庭を作れるはずだ」

灼「…でも…DVを受けた子どもが親になった時にDVをする傾向が強いってデータも…」

京太郎「あるかもな。でも、それがどうしたよ?」

灼「…え?」

京太郎「貧困の再生産じゃないんだ。何もそれが延々と続いていく訳じゃないだろ」

京太郎「あくまで統計的データであって、決定づけられた運命とか未来じゃない」

京太郎「いや…例えそうでも灼は必ず乗り越えられるよ」














灼「…どうしてそこまで言い切れるの…?」

京太郎「だって、俺は知ってるからな」

京太郎「灼がどれだけすげー奴で…そして面倒見の良い奴か」

京太郎「自分の経験っていう…間違いのないものではっきりと感じてるんだ」

京太郎「だから、灼は絶対に子どもにそんな寂しい思いをさせないし…」

京太郎「立派な母親に…そして妻になってくれるって信じてる」

京太郎「何より…だ」グイッ

灼「あう…っ」

京太郎「…灼は一人じゃない」

京太郎「俺が…いる」

京太郎「今は…頼りないかもしれない」

京太郎「まだ灼におんぶだっこの状態かもしれない」

京太郎「でも…俺は何時か必ず灼の事を背負えるような男になる」

京太郎「心も身体も…護ってやれるような立派な奴になる」

京太郎「約束する…お前を一人にはさせない。絶対に」

京太郎「灼が間違えそうなときは…必ずそれを止めてやる」














京太郎「…ま、それでも、ダメって言うなら…当分は諦めるよ」スッ

灼「あ…っ」

京太郎「気持ちの整理とかもあるだろうし…それに俺が頼りないのは事実だしな」

京太郎「…今まで知らずに結婚の話とか出してたのが…その証拠だし」

灼「う、ううん…黙ってた私が悪いから…」

京太郎「恋人の気持ちに気付かなかった俺が悪いんだよ」

京太郎「だから…ま、当分はこの話はなしだ」

京太郎「とりあえず結婚資金を貯めるのを頑張りますか」

灼「……」

灼「…して…くれない…の?」

京太郎「え?」

灼「…あ、いや…その…」カァ

京太郎「……え?マジで?」

灼「あ…ぅ…ち、違…違うよ?」

灼「えっと…その…さっきの話でその気になったからとかじゃなくて…えっと…その…」モジモジ














灼「……私だって…本当は…京太郎と結婚…したかった」カァ

京太郎「…え?」

灼「だって…私…ずっと弟みたいに…思って…」

灼「私が面倒見てあげなきゃって…思ってた…のに…」

灼「いつの間にかどんどん格好良くなって…立派になって…」

灼「弟から…好きな人に…変わって…付き合う事になって…」

灼「それでも…京太郎はどんどん挫折を乗り越えて…立派になっていったんだから…」ギュッ

京太郎「ぅ…あ、灼…?」

灼「…本当は…誰にも渡したくなんか…ない」

灼「京太郎は…私の大事な弟で…恋人…なんだから」

灼「…不安で…ずっと逃げてたけれど…でも…」

灼「私が…家庭を築きたいのは…京太郎以外にいないよ…」

灼「…だから…その…京太郎さえ…よければ…」

灼「私と…私と…」

灼「結婚…してくれません…か?」マッカ
















京太郎「…それ灼が言うのかよ」

灼「だ、だって…今までずっと袖にしてきたから…」

灼「今度はこっちから言わなきゃ…不義理かなって…」

京太郎「まったく…変なところで律儀なんだから」

京太郎「つーかもっと俺に格好つけさせろよ」

灼「…京太郎は十分格好良かった…」ギュゥ

京太郎「プロポーズされて格好良いも何も無い気がするけどなぁ…」

京太郎「…ま、いっか。とりあえず…さ」ゴソゴソ

灼「…何を探してるの?」

京太郎「…ちょっとまって。…よし、あった」

京太郎「…はい。これ」スッ

灼「こ、これって…もしかして…」

京太郎「ま、所謂、結婚指輪って奴?」

京太郎「収入不定期だから給料三ヶ月分かどうかはわかんないけどさ」

京太郎「…でも、灼の事を考えて…出来るだけ良いのを選んだつもりだ」

京太郎「だから…まぁ…その…な」

京太郎「…これを…俺が灼の指につけても…良いか?」

灼「…うん。勿論…」

灼「…京太郎に…つけて欲しい」

灼「その指輪で私の事…完全に縛り付けて欲しい…な」















京太郎「んじゃ…はめるぞ」

灼「うん…あ、あの…ゆっくりね…」

灼「は、初めてだから…あの…色々と味わいたくて…」

京太郎「…分かったよ、じゃあ…」スゥ

灼「…ん…♪」

京太郎「……何色っぽい声あげてるんだ、お前」

灼「か、感動で胸が一杯になっちゃうから…」

京太郎「…ホント、可愛い奴」チュッ

灼「ぅ…」カァァ

京太郎「…じゃ最後まで…いくぞ」

灼「…うん。来て…」

京太郎「……」ソッ

京太郎「よし…終わったぞ」

灼「……」

京太郎「…どうかした?」

灼「…やっぱり指にぴったりだなって…」

京太郎「そりゃここまで来てサイズミスったりしないっての」

















灼「…うん。そうなんだけど…」ソッ

灼「…私…嬉しい」

灼「京太郎のくれた指輪が…私にぴったりな事が…」

灼「…心の底から…嬉しいの…」ジワッ

京太郎「…ばっか。泣くなよ」ソッ

灼「だ、だって…」

京太郎「…これから一杯、嬉しい事も幸せなことも沢山あるんだぞ」

京太郎「こんな事で泣いてちゃ、涙が枯れるっての」

灼「…枯らせてくれる?」

京太郎「勿論だよ。毎日毎日嬉しなきするくらい幸せにしてやる」

灼「ふふ…それはちょっと嫌かも…」

京太郎「…じゃあ、どんなのが良い?」

灼「…毎日、笑顔になれるような…そんな幸せが良い…かな…」ニコ

京太郎「了解。じゃあ…俺の奥さんの為にも…そんな幸せな家庭づくりを頑張らないとな」

灼「…うん。期待してるからね…アナタ」クスッ
最終更新:2014年02月04日 21:17