お友達契約

「……いくら用意できたの?」
「これだけです……」
「うわっ、少ねーなあんた。ホンットスズメの涙だよ」
「すみません……」
「で、だ。もう一個の契約の方なんだけどさ」
「はい」
「あんた最近ノリ悪すぎ。ギャグへの反応も悪いしさー。
ツッコミだってもっとまともなのできないの?!」
「いえっ、その、がんばってるんですけど……」
「がんばってるじゃないよ。周りに受けなきゃ意味ないんだよ。
あんたそれ分かってんの?!」
「すみません……」
「すみませんすみませんって、そればっかり言ってりゃ済むわけねーじゃん」
「はい……」
「大阪もいるんだしさ、ツッコミだったら神楽でも出来ないことはないんだよね。
このままだったらあんたいらないよ! 私がクビにするって言ったらあんたには一銭も
入んないんだからね。そしたらあんた……体でも売る?」
「そ、それだけは嫌……」
「嫌でしょ?! 嫌なんでしょ?! だったらちゃんとやりなさいよ!
きちんと私の要求することできればその月の返済はチャラにしてあげてるんだからさ。
今月あんたにお金持ってこさせたのもあんたがちゃんとやってないからだよ。
ちゃんとやることやろうよ。やれるでしょ?!」
「はい……やります」
「やれるんだね?! じゃあしょうがねーな、今回は今まで通りにするよ」
「あ、ありがとうございます!」
「あー、泣かんでもいい。んじゃ、まー、この話はこれで終わりね。あの時計で
5時から『お友達モード』ね。来月までちゃんとやってよ。正直私はさー、
小学校のときからこの契約してるあんたを結構信頼してるんだし、
期待してるんだからさ。裏切らないでよね」
「は、はい」
「10秒前……5、4、3、2、1、ピーン! 時間でーす!」

「あー!! もうムカツクなー!!
何でお前にこんなにネチネチ言われなきゃいけねーんだよ!!」
「だってさーよみー。最近あんたダメダメだもーん!
そりゃー文句の一つも言いたくなるよ」
「うーっ、くそっ! 小学校の時に父さんがお前の親に借金さえ作ってなければ
お前みたいなヤツの友達なんかやってなくてすむのに……」
「ふっふっふっ、これからも私の幼・馴・染・みとしてせいぜい私に
尽くしてくれよよみくん」
「あーっ、勉強して絶対いい大学入っていい男つかまえて玉の輿に乗って
おまえとの縁を完全に切ってやるからな!!」
「あっはっはー! お菓子大好きぷよぷよよみくんに男がつかまりますかねー?」
「こいつ……言わせておけば……アッパー!!」
「ぐはっ!! そう、そのツッコミだよよみくん! いやー久々に会心の一撃!
いっつもこれだったらひと月で2か月分チャラにしてあげるよん♪
大阪や神楽に食われないようにがんばってくれたまえ☆
ま、大阪や神楽によみと私の『契約』をばらせばちょっとは手加減してくれるんじゃ
ないの? あんたと私がお金の関係だって知ったらみんなさぞ驚くだろうねー」
「言うか! 絶対言わねー!! お前も誰にも言うんじゃねーぞ!!」
「はいはい、分かってますって。よみは昔から強情だなー。
そういうとこが結構好きなんだけどね」
「えーい、覚えてろよとも!」

以上、二人の『お友達契約』           (終)

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最終更新:2007年10月21日 15:57