ロックンロール・ネバー・ダイ 5

私は今、学園生活が楽しくて楽しくて仕方が無い!
こないだから私は、友達を一緒にバンドというものをやっている。
とは言え、まだ楽器が無くてできなかったんだけど。
だがしかーし!それも今日まで!
「…ついに今日、自分達のための楽器を手にしたのだったー!」
「うるさいなぁもう」
よみが鬱陶しそうだ。
「それにこれは私達のじゃないです。あくまでも借り物ですよ?」
「確かにそうだ。各員自分の楽器を買う事!」
「お金あらへんで~」
「ううむ世の中金か…貯金の無いやつはバイトする事!」
「智ちゃんはお金あるんですか?」
「ううう、私はバイト組だ~」
ちよちゃん痛いところ突いてくるなぁ…とほほ。
「…で、今からどうするんだよ」
「どうしよう。弾けないもんな」
「とりあえずみんな、音を出してみたら?はじめて触るものだから
ひとまず慣れてみるといいかも」
「さっすが先生!」
先生がみんなの所を回って、スイッチを付けたり線を繋いだりしているうちに、
「先生、これはどうやって持つんですか?」
よみと榊ちゃんが聞いている。
「これはピック。人差し指を曲げて、上から親指で挟み込むの。」
「こう…ですか?」
「そうね。ちょうど100円玉を自販機に入れる時のように。」
先生教え方うめ~
私でもわかるぞ。
急に後ろから、綺麗なピアノの音が聞こえてきた。
ちよちゃんがキーボードを弾いているのだ
「ちよちゃん、すげ!」
「…これは…『エリーゼのために』…」
「榊ちゃんよく知ってるな」
「知らない方が珍しいぞ。」
「え?そ、そうなのか!?ちきしょー騙されないぞ!」
よみはいつもあんな言い方するが、実は物知りだから悔しい。
そうしてる間にちよちゃんが弾き終った。
「ブラボー!
「ブラボ~」
大阪は笛を口に咥えたまましゃべろうとするので変な音が出ている。
ん…ちよちゃんのピアノの音が出てたスピーカーから音が出てるぞ?
「すごいなちよちゃん」
「えへへ、小学校の時少しやってたんです。」
それは頼もしい。
「でさ、大阪は一体どうやったらそんな所から音が出せるんだ?」
大阪も困った顔をしている
「それがな、私もわからへんねん。そもそも笛の音ちゃうしー。」
「それはね、その笛の音じゃないの。」
先生が言う。
「え?でも大阪が吹くと鳴るよ?」
私の言葉を聞いて大阪が笛を吹く。変な音だ。
「ぷはぁ!」
相変わらず息が短い。
「実はこれの音なの。」
先生が指差したのはでかいスピーカーの上に置いてある小さな機械だ。
機械だよ何かかっこいいよ。
「それから音が?」
「そう。ほらこれを見て?」
先生が手で電線を持つそれはその機械から大阪の笛に繋がっている。
「ほんとだ!」
「これはコントローラなの。」
先生が大阪の持っている笛に指して言う。
「このコントローラでこの機械を操作してるの。で、この機械はそれに従って音を出す仕組み。」
なんだかよくわからないけどすごい!
「なるほど!これがあったら夜でも笛練習できますね、大阪さん!」
「そうなん?ちよちゃん~」
私もちよちゃんの言ってる事がよくわからん。このへんはちよちゃんい任せるとしよう。
「そうね。これを使えばヘッドフォンを使って音を聞けるわね。」
「へぇー…」

「で、どうしてちよちゃんの音が同じところから?」
よみが聞く。そんな事忘れてたよ。
よく見るとちよちゃんのキーボードからも、大阪のそれと同じような電線が
その機械に繋がっている。これだ!
「これだ!」
私は電線を掴んで先生の顔を見た。
「そうね。ちよちゃんの弾いていたのもピアノじゃなくてコントローラだから
それだけじゃ音は出ないの。」
「へへーんすごいだろ」
「お前は凄くねぇよ」
「ちぇー」
よみは厳しいな。少しくらい甘やかせてくれたっていいのにさー。
「で、よみと榊ちゃんはどうなんだ?」
二人はそれぞれギターとベースを抱いている。
背が高いからカッコいいなぁ。
「いくぞ榊」
「…うん。」
二人で一斉に弾き始める。かっこいい!
…が、音がムチャクチャだぁ。
「どうにかならないの?それ」
「しょうがないだろ!やった事無いんだから。」
榊ちゃんも顔を真っ赤にして下を向いてしまった。
「智も何か歌ってみろよ」
「えっ!?」
そうか、私ボーカルか。
「そうやで、みんな弾いたんやし、智ちゃんも早くー」
「そうか、よし、みんな聴いて驚くな~」

「ト~ラ~ンクひと~つ~だ~けで~
 浪漫飛行へ~インザ~スカ~イ
  飛び回れ~この~マイハ~」

…アカペラ恥ずかしっ!!
変な汗かいちゃったじゃないか!

「おおー!」ぱちぱちぱち
大阪の拍手
途端に全員がわっと沸く。
「え…?」
「音も無しになかなか大声が出せるものじゃないわよ。」
先生が言う。
「智ちゃんすごいじゃないですか!」
そうなのか?そうなのか?
私やっぱりボーカル向きか
「はっはっは!これが私の実力だ!」
「でも音程がまだまだね。」
なにぃ!
練習してやる、練習してやるぞー!

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最終更新:2007年10月21日 18:54