• 作者 196
  • 投下スレ 3代目スレ
  • レス番 196
  • 備考 純情派

196 :…………俺、工藤愛子…………恋? :2009/12/20(日) 22:17:31 ID:oORdQYph
…………俺は土屋康太。またの名を寡黙なる性識者ムッツリーニという。
…………俺が今何をしているか?…………工藤愛子に誘われて遊園地に行った…………我が人生に一片の悔いなしっ…………!
「ちょっとムッツリーニ君!大丈夫!?いま運んであげるから!」
…………工藤愛子…………お前が腕なんか握ろうとするからだろ………う(ガクッ)

——————ここで俺の意識は途絶えた——————


…………ん?
…………なんだ?暖かいような…………。
「あ、起きた?」
…………!?どこだここは!?…………なぜ工藤愛子がエプロン姿なんだ!?
…………!!!!服がパジャマになっている!?ままままままさかここここれれ…………
「あ、ゴメン血で汚れてたから。ボク…のパジャマ、サイズ合ってた?」
「ぐふぅぅっぅぅぅ!!!!!!!!」(ドバドバドバ)
「ムムムムッツリーニ君!!??そんなにきつかった!?お父さんのパジャマ!?」
「…………いや。」(フルフル)
…………あ、相変わらず…ややこしい女だ…………!
「…けどさ、ボクのパジャマだって言ったらすごく照れてたよね?もしかして…僕に気があるとか?」
…………そう…………なのか!?まさか俺がまさか俺がまさか俺がまさか俺がいやけどしかしそれでもいやだけどなんていうか気になってるていうかそれはつまりそれなわけで
「む、ムッツリーニ君!?煙が出てるよ!?」
「…………はっ!?俺は何を!?」
「もしかして…その…真剣に考えすぎた…とか?」
(フルフルフル)
「あはははは!バレバレだって!冗談だよジョーダン!」
「…………不穏当な発言は控えてくれ。」
(半分本気だったけどね…。鈍感だなぁ)


197 :…………俺、工藤愛子…………恋? :2009/12/20(日) 22:18:03 ID:oORdQYph
「…………?」


次の日———
…………なんなんだこのモヤモヤ感は…………。
「ん?どうしたのムッツリーニ?」
「…………別に。」
…………そうとも。別に工藤愛子のことなどどうも思っていない…………昨日とっておきの写真集を見ても何か満足にかけていたのは…………そう!血だ!血液!…………「違いない。寡黙の性識者と呼ばれたこの俺が工藤愛子に恋なんて…………ありえない!」
…………?何故だ?なぜみんな笑いをこらえているんだ?
「ムッツリーニ…お主途中から声に出ておったぞ…。」
「…土屋君も本当の恋に目覚めたんですかね…」
(…フルフルフル)
…………なぜだ!なぜそんな微妙な表情で俺を見る!?困った…………恋愛事となると話せるやつは一人しか思い浮かばないが…………同時にものすごい敗北感に見舞われる気がする!!…………いや。もうどうでもいいか…………。
——そして放課後——
「…………吉井。時間はあるか?」
「え?うん。今日は別に予定ないけど。」
「…………ここじゃマズイ。…………喫茶店で話そう。」
「…?」
———喫茶店ラ・ペディス———
「それで、相談って?」
「…………吉井、その、おまえは、島田と…………付き合ってるんだよな…………?」
「そ、その話はもうよしてよ!はずかしいから。それに、Fクラスの誰かに聞かれたら殺されちゃうよ!」
(・・・ピッ)
「?何の音?」
「…………テープレコーダーの録音中止ボタン。」
「お願いそのテープを渡して!でないと僕殺されちゃうから!」
「…………条件がある。」
「なに?ビデオ?雑誌?僕恋人同士になってからは全部捨てたよ!死ぬから!」
「…………俺は…………恋をしているのだろうか?」
「工藤さんに?」
(…………こくり)
198 :…………俺、工藤愛子…………恋? :2009/12/21(月) 21:16:25 ID:rkUcN8Jc
「…ハハッそうなんじゃない?四六時中工藤さんのことが気になって仕方がないんでしょ?100%恋だよそれ。」
…………やはりそうなのか…………俺は…………工藤愛子に恋をしたらしい…………。
…………どうした?なにをためらっているムッツリーニ、いや土屋康太!今こそ寡黙なる
性識者の実力を出すところだろう!
「…………助かった吉井。ちょっと言ってくる。」
————そして、工藤愛子の家———
(ぴんぽーん)
「はーいどなたですかー?」
「…………土屋だ。」
「あ、ムッツリーニ君?ちょっと待ってて。」
「…………場所も悪いし、近くの公園にでも来てもらえないか?」
「う、うんいいけど。」
(なんだろ…きょうのムッツリーニ君いつもと違うような…。)
「…………工藤愛子。お前も知っての通り俺はエロだ。」
「…?」
「…………しかし…………これだけは言える。」
(さっきから何の話をしてるんだろ?なんか胸がドキドキするけど。)
「…………俺は…………土屋康太は…………」
————工藤愛子が好きだ。
「…え?よ、よく聞こえなかったな〜ボクのことが好き?空耳だよね!」
「…………空耳なんかじゃない。本気で好きだ。」
「…本当?」
(コクコク)
「じょ、冗談だよね?冗談じゃなかったらキスしてくれる?」
「…………本物とするのは初めて。」
…………前に吉井のを覗いた事がある。たしか舌絡めるんだったか。」
「ん…む…ふぅ…」
…………なんだろう。雑誌を見ている時の倍はドキドキするな。
「ん…ふぁ…はぁ…はぁ…」
「その…よろしくね?ムッツリーニ君。」
「…………こちらこそよろしく。工藤愛—
「あ、ダメ。ちゃんと名前で呼んで。」
「…………あ、あ、愛…子」(バタッ)
…………慣れるのにしばらくかかりそうだな…………。
「あ、もう!…まぁ、いいか!…よろしくね?ムッツ—いや、康太くん?」
…………吉井には感謝しないとな…………。
(がさがさがさ…)
(どう思う?美波?)
(土屋って意外に純情派だったのね。)
「ねぇ、二人とも、なにしてるの?」
「おわぁ!!くくくくくく工藤さん!?」
「ちちち違うのよこれにはわけが・・。」
「問・答・無・用♡」



…………前言撤回。あのテープ流そう。
最終更新:2010年01月04日 22:38