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タマキをおくって自室にて
「あーーーなんか俺やばいかも・・・」
祭りのときの自分の言動を改めて思う。

あんなの告白してるようなもんじゃないか・・・

「いや!ちがうんだ!タマちゃんはそんなんじゃなくて・・・!幼馴染で!」
いまだ自分の気持ちに首をふるユージ。
「いや、というか実際タマちゃんは俺のことどう思ってるんだろ・・・?」
そんな疑問が頭に浮かぶ。

実際タマキは恋愛初心者。
異性を意識することはあるだろうが、好きになったりはないのではないだろうか。
「・・・・・・」
自分で自分の考えに自滅したユージは、寝よう、といってベットにもぐった。

そのころタマキというと
「手・・・つないでかえっちゃった」
タマキがユージを意識するようになったのはこの間。
キリノの一言
『ユージくんも男なんだよ?』
そんな一言に何も考えられなくなった。

そんなのわかっていた。ユージくんが男だってことくらい。
ただ、異性として意識していないと思っていたのだが、それは興味がなかっただけで。
今はたぶんキリノのあの一言でユージを意識しているのであろう。
「ユージくんは私のこと、たぶんなんとも思ってないんだろうな」
しかし、今日のことを思い起こしてみる。
『来年は、二人で行こうか』
帰り道のあの言葉。
かなり照れていた彼の言葉は、自分の彼に思っている感情ではないのだろうか。
自分の都合のいい思いに首をふる。
「ないよ。ない!絶対ない!」
今までの彼をみると、必ずそう思ってしまうのだ。
少し寂しそうに立ち上がって、そのまま部屋をあとにした。



翌日

学校の廊下でばったりあってしまった。
「あ・・・タマちゃん」
「ユージくん」
思わず名前を呼んでしまってぎこちなくなる。
「今日、部活あるよね」
「うん」
彼の言葉に返事をする彼女はやはりぎこちない。
彼は、昨日のあの言葉にこんなにぎこちなくなってしまったのかと思うと
悲しくなってしまった。

誰よりも長い付き合いの幼馴染の女の子とこんな風になってしまうのなら
あんなこというんじゃなかった、と。
「あのさ、タマちゃん」
「なに?」
「昨日の、帰りの時なんだけど・・・」
その言葉にドキッと彼女の心臓は跳ね上がる。
「あ・・・ぁーーうん」
「やっぱり来年も、みんなでいこうか・・・」
言葉をきいて愕然ときた。
「ぇ・・・・」
ものすごく残念そうな顔でユージを見る。

その表情に彼は胸をうたれてしまった。

その表情は反則だろ・・・・
「いや・・・やっぱり二人でいこうか」
ぱっと明るくなったタマキは顔がほころぶ。
「うん」
そう言って、二人は分かれた。

さっきのタマキの表情を思い浮かばすと顔が少し緩んでしまう。
「うわーーやばい!うわーーやばい!俺やばいって!」
自分の気持ちを隠しきれないユージは頭を抱え込む。

「まぁでも・・・やっぱり来年は二人で行こう」
そう決意した彼は、やさしく微笑み、部活に向かった。



「昨日は二人で帰ったの?」
ニヤニヤしながらキリノがユージを覗き込む。
「あ・・・はぁ、まぁ」
少し赤面しながら頭をかいている。
「ふぅ~~~~~~ん」
昨日のようなニヤついた顔で半目をしている。
もちろん全員。
「あーー!もーー!なんなんですか昨日から!」
「それはこっちのセリフだよぉーー。なんなの昨日からユージくんとタマちゃん」
「そうそう。こっちが恥ずかしくなるような空気いっぱい飛ばしてるし」
恥ずかしくなるような空気ってなに・・・
とか思ったがそれはさておき。
部活内がやばい状態になっている。

タマキとユージが完全に居心地が悪い。
「ねぇユージくん」
タマキがそうユージの名前を呼ぶだけでチラチラ視線をおくるのだ。
さすがのユージも、ちょっと怒る。
「もーー!ほんとになんもなかったですから!そうやってチラチラ見ないでくださいよ!」
ちょっと腹がたったのもあるが、恥ずかしさのほうが大きい。
「なぁんだ。なんもなかったんだ。つまんなーーい」

キリノたちはぶーーっと口を膨らまして視線をおくるのをやめる。

なにもない

タマキはその言葉にガッカリするが、ユージが人差し指を口にあてて、照れながら言った。
「来年二人で行く約束は、二人だけの秘密ね」
そう言った彼がとても嬉しくて、思わず大きく返事をしてしまう。
「うん!秘密ね」

ピクッと動いたキリノたちの耳は聞き逃さない。
「秘密ってなにが秘密なのぉ~~~?」
それから一週間はその話題で室江高校剣道部は騒がしかったらしい。

END