愛する兵士諸君、元気かな!この物語は愛と義の為に竹刀を振るう室江高校剣道部大将、川添珠姫(149㎝)が不義の
輩に愛の為に!義の為に!!アトミックファイヤーブレードを馳走する物語だ!
 うむ、実に素晴らしい義と愛に満ちた物語だ!この私の前立ても喜びで打ち震えているぞ!!
 ちなみに解説役は直江兼続だ!
 さぁ、今日はどんな愛と義を見せてくれるか……楽しみだ!
 
 ここは室江高、武道場。うむ、義戦士が集まるに相応しい場所だ。
「ねぇ、ユージくん」
「うん?どうしたのタマちゃん?」
「ユージくんの右目にアトミックファイヤーブレードしていい?」
「よくないよ!!」
「じゃあ、左目ならいいの?」
「いやいやいや、言ってる事ほぼ同じだから!!」
「……両目で我慢するから……だめ?」
「さっきより酷くなってるよ!!そんな事されたら両目に眼帯しないといけないじゃない!!」
「……ユージくん。それで剣道したら心眼使いになれるよ」
「なれないよ!!……はぁ~何でそんなにアトミックファイヤーブレードしたいの?」
「……約束したから、お母さんの葬式の時に。『これから毎日僕にアトミックファイヤーブレードしてもいいよ。い
や、寧ろしてください、お願いします』って土下座しながら」
「してないよ!!そんな記憶1ピコグラムもないよ!!と言うか僕、どこまで卑屈なの!!!」
「火曜日は火の如く、喉にするね」
「人の話聞いて!!そんないい笑顔で切っ先向けないでよ!!!」

「きゃー!!!」

「この声は先輩の……行こう!タマちゃん!!」
「……うん」

 悲鳴が聞こえた先、女子更衣室には部長の千葉紀梨乃を中心に剣道部の面々が集まっている。義があるからこそ、皆
悲鳴を聞きつけて集まったのだな。おっと、そこの愛する兵士よ、女子更衣室と聞いておもや如何わしい事を考えてい
るのであるまいな。そんな想像するのは不義である証拠だ!そんな不義の輩は天に変わりてこの直江兼続が成敗する!!
「どうしたんですか?キリノ先輩」
「あ、ユージくん。実は私の小手が盗まれたの」
 何だと!!人の物を盗むなど義に反する行為!!許されざるべき所業だ!!!すぐに犯人を見つけ書状を叩きつけな
ければ!!
「小手が盗まれた……?一体なんで、そんなものを」
「きっと、小手の芳しい匂いを嗅ぐ為だよ」
「先輩じゃないんだし……奇妙な事件だよね、タマちゃん」
 ……そして、義の下に一つになれば天下から大乱が消え……と、少し夢中になりすぎたみたいだな。解説に戻らなく
てはな……!?あの中田勇次が驚いているだと!どうやら、その視線は川添珠姫に向けられているようだな。
 !?これは、この目は!!川添珠姫が不義の輩を見つけた時にする伝説の目ではないか!!!まさか伝説の目、その
名も『タマちゃん、本気で怖いからやめてorz』を出すとは……これは期待するしかないな!
「ちょ、タマちゃん。竹刀こっちに向けるのやめっててば」
「……言ってくれれば幾らでも嗅がせてあげたのに……まさか盗むなんて、しかもキリノ先輩の……」
「いやいやいや、俺じゃないから。そんな特殊な趣味ないから!」
 何やら雲行きが怪しくなっているな……。手は貸せないが、言葉で応援する事にしよう!
 今こそ実力行使で愛をもぎ取る時だぞ!川添珠姫!!

「お~い、何やってんだ?そんなとこに集まって」

 この声は、顧問の石田虎侍。うむ、いい名前だ!特に石田と言う姓が良い。大一大万大吉を旗印とした竹馬の友が思
い浮かぶぞ!三成、お前の思いは何時までも我が方寸に生きているぞ!
「せんせ~、聞いてくださいよ~実は……あっーそれ!!」
 私達の作戦は万全だった、なのに何故!!あの不義の狸が……っとまた話が反れたな。それで顧問の石田虎侍が入っ
て……ん?あの手に持っているのは……小手か!!
「これキリノのだったのか?……すまん、実はな……んっ?」
 こ、これは、大気に満ちている義と愛が川添珠姫に向かって収束している!ついに、アレを使うのだな!!

「アトミックファイヤーブレード!!!!!!!!!!!!!!」

 おお、これはすごい!!愛と義の結晶アトミックファイヤーブレードが貫く!!!
 華麗に!!中田勇次を!!!!!

「って、なんで俺なの!!」
「ユージくん以外に使っちゃダメって、お父さんの遺言にあるから」
「……まだ…生きている……の………に……」


 今日も不義の輩をその剣で成敗した川添珠姫(149cm)次回はどんな愛と義に溢れた活躍を見せるか楽しみだな!
 ちなみに、例の小手だが。石田虎侍が黒い虫退治に使ったそうだ。ちゃんと、千葉紀梨乃には新しい小手を買い直し
てあげているぞ!これぞまさに愛!!よい顧問だ!!
 さぁ、今日はここまで。愛する兵士諸君、次に会うときまで義と愛に満ちた生活を送ってくれ。
 では、さらばだ!!
最終更新:2008年05月12日 00:06