俺には幼馴染の女の子が1人いた
俺には憧れている人が1人いた
その人たちは母子だった
俺はその親子がとても好きだった
俺にとってその親子はとても大切な人達だった
でも…ある日母方の方が亡くなってしまった
俺は…大切な人が離れていくことに恐怖を覚えた
その出来事は俺のトラウマとなり、思い出となった
そして…一つの願いにもなった
「あ、キリノ先輩。少し…いいですか?」
「ん~?どうしたの?タマちゃん」
「そ、その…ちょ、ちょっと相談が…」
「ん~。ちょっと場所を変えようか」
幼馴染の女の子とは今でも交流があり、よく一緒に登下校している。
中学の時に少し疎遠になってはいたが、今では同じ高校の剣道部に入っており
仲は良い方だと思う。
ただ、最近少し気になることがある。
この前の大会が終わってから、なんだか様子が変なのだ。
どこが?と聞かれえてもうまく答えられないが、何か様子がおかしい
直接聞くような雰囲気でもないし…
他の人に相談してみようかな
と思ったが俺は普段人に相談したりしないため、誰に聞いたらいいかわからない
タマちゃんの近くにいる人…
タマちゃんのお父さんは…駄目だ。脂肪フラグktkrとかいわれてしまう。
となると剣道部…
ダン君はすでにミヤミヤと一緒に帰っちゃったし
コジロー先生はなんだk(ry
キリノ先輩…かなぁ。頼りになるし
「は、はい。ありがとうございます」
ちょうど今キリノ先輩はタマちゃんと話し終えたようだし、相談してみよう
「キリノ先輩、少しいいですか?」
「うん?どうしたの?」
「最近、タマちゃんの様子おかしくないですか?」
「………」
「なんていうか…うまく表現できないんですけど違和感があるんですよ」
「鋭いのやら鈍いのやら」
「え?」
「いや~うん、そーだな~。ユージくんはタマちゃんのことどう思ってるの?」
「へ?」
タマちゃんのこと?
なんでいきなりそんな話に…?
「そりゃあ、タマちゃんは大切な人ですよ。でも、なんでそんなこと…?」
「(デジャビュ…?)ど~いう意味で?」
「どういうって…」
幼馴染?憧れ?
…………あの人の娘?
どういうって…?
…………
あれ?俺すごい動揺してる?
「よしよし悩め悩め若人よ。それが答えだ。たぶん」
「は、はい。ありがとうございます」
……………………
結局、キリノ先輩が俺に何を伝えたかったのかわからなかった。
ただ…
「あ、おはようタマちゃん」
「え?あ…お、おふ、おふぁよう」
タマちゃんがよりいっそう変になってた。
なぜだかすごい緊張してるみたいだし、顔を合わせようともしない
…嫌われた…のかな…?
……………………
そう思うと、俺はゾッとした。
ただそうだったら淋しいと思うからなのか
そのことに恐怖したからなのかはわからないが…
その日、部活が終わるまでタマちゃんと俺はまともに会話しなかった。
でも、帰りに一緒に帰ろうと誘ったら承諾してくれた。
相変わらず顔を合わせてはくれなかったけど…
「ねぇ、タマちゃん」
「え?あ、な、なに?」
「今日はどうしたの? なんだかずっと様子が変だったけど」
この質問の答えを聞くのは恐かったけれど、思い切って聞くことにした。
「そ、そんなことないよ」
「…そう」
即答だった。
悪い答えではなかったけれど、いい答えでもなかった。
嫌われたのか、俺には相談できない悩みがあるのか。
こんなにもタマちゃんのことがわからないのは初めてだ。
そして、こんなにもタマちゃんのことを理解したいと思ったのも初めてだった。
そして、いつもの分かれ道。
下手に探りを入れるわけにもいかないので今日は帰ろうかと思った。
「それじゃあね、タマちゃん」
「あ…、ユ、ユージくん」
「うん?どうしたの?」
「あ、その、なんでもn」
…
ん?なんだろう?
少しのあいだ、沈黙が続いた。
「あ、あの…、こういうのは初めてだから、
なんて言うべきなのか分かんないんだけども… 聞いて」
「? うん?」
「す、好きです!ずっと、ずっとあたしのそばにいてください!」
「えーと…」
「あ、ご、ごめん、でも…その…ほ、本気なの!」
…
…好き…?
その言葉には正直…安心した。
今までのは俺の勘違いだったんだから
それに、俺にとってタマちゃんはとても大切なひとで、
ずっと一緒にいたいと思ってる。
「タ、タマちゃん…俺は…」
「あ、待って!」
タマちゃんは俺のすぐ側まで寄って深呼吸した。
「ど、どずじょ」
噛んだ。
そして、そのことがとても可愛いと思えた。
意識した途端にそう思うなんてな…と、少し自己嫌悪
でも、俺のタマちゃんへの想いはわかった。整理できた。
俺のただ一つの願いを叶えられるのはタマちゃんしかいないこと
「お、俺もタマちゃんのこと…」
そして、その願いは…
「好きだよ。ずっと一緒にいたいと思ってる」
大切な人と…共に在ること
最終更新:2008年10月30日 00:46