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*序曲
都内のとあるホテル。
"汚い金持ち"金光不動暗殺の指令を受け来日した組曲の4人はどうやって暗殺を成功させるか話し合っていた。
「今回の暗殺ですけど」
「考えるまでもありませんわ。わたくしの鋏の前では塵も同然。切り刻んで差し上げれば良いのです」
「バカは単純でいいわね。相手は曲りなりとも転校生よ。そう簡単に行くわけ無いでしょう。
まあ、バカだから仕方ないかしら」
パウリーネを馬鹿にする様にレオナが言った。
「誰かバカですって?」
聞き捨てならないといった表情のパウリーネ
「バカにバカと言って何が悪いのかしら。くやしかったらその振ったらカラカラ音が鳴りそうな空っぽの頭をどうにかすることね」
「それはわたくしに喧嘩を売っていらっしゃるととってもよいですわよね?受けてもいいんですわよ」
「望むところね」
「二人共やめてください!」
完全に一触即発の雰囲気になった二人をリアが慌てて止めに入る。
本気でお互いのことを嫌っているわけではないと思うのだが、顔を合わせるたびに喧嘩ばかりしている。
リアとしてはもう少し仲良くして欲しいのだが。
「エルネスタはどう思います?」
リアが二人の騒動にも我関せずといった様子で座ったままのエルネスタに問う。
彼女の場合、落ち着いているというよりもいつものようにぼーっとしていただけだと思うが。
「あっ、ごめんなさい。なんのはなしですか?」
「今回の暗殺の話ですよ」
ああやっぱり話を聞いてなかったんだと呆れつつ、改めて彼女に聞く。
「どうもそういうのをかんがえるのはにがてです。おかしのこととかならとくいですけど」
「あなたに聞いた私が間違いでしたね」
エルネスタの返答に頭を抑える仕草を見せるリア。
自分たちは頭脳労働に向いてないメンバーだとあらためて思う。
「そういえば標的は希望崎のハルマゲドンに現れるという情報があるわ。私兵団のスカウトが目的らしいわね」
大事なことを思い出したといったふうにレオナが言った。
希望先学園は魔人の受け入れに積極的で、ハルマゲドンで戦闘経験のある魔人も多い。確かにスカウトにはうってつけの場所だろう。
「希望崎…あそこにはクラウディアがいましたけど」
「彼女は死んでしまいましたものね」
組織はクラウディアが以前起きたハルマゲドンにより任務に失敗し死亡したものと見做している。
事実、彼女から未だに何ら報告が帰ってこないのはそういうことだとみなさざるを得ないし、仮に生きていたとしても自分たちに協力する気はないのだろう。
「だったら、ハルマゲドンの当事者に接触にするのがいいんじゃないからし。ハルマゲドンに協力するといえばあちらとしても損はないはずよ」
生徒会と番長G。どちらの陣営もハルマゲドンの戦力はいくらでも欲しいはずだ。利害が一致するなら協力関係になるというのは向こうとしても損はないはずだ。
「わるくはありませんわね」
レオナの意見にパウリーネが賛同する。
彼女の場合戦場で鋏をふるいたいだけかもしれないが。
「では、そうすることにしましょう」
少し考えたあと、リアが決断する。
エルネスタもリーダーである彼女が決めたことに異存はないようだ。
「ところでリア」
黙っていたエルネスタが口を開いた。
「それ、ほんとうにきるんですか……?」
少し引き気味のエルネスタが指差した先には一着の水着。スリングショット。一般的に紐水着とか呼ばれてる代物である。
露出度が恐ろしく高く、自分からこれを着れば痴女の謗りを免れることはできないだろう。
「き、着ますよっ!そのために用意したんですから」
別にリアに破廉恥な服装を好んで着るような露出癖があるという訳ではない。
どちらかといえば彼女が普段着用している服は大企業の社長秘書を思わせるようなスーツ姿とかそういったもので、真逆といっていいだろう。
ならなぜ彼女はこのような衣服を身に付けようとしているのか。
リア・ベツァオバーンの魔人能力『フェアフュールング』は自身を魅惑的に見せる能力である。
その衣装が扇情的であればあるほど効果は高まる。
つまり、あくまでも暗殺の成功率を高めるためのものなのである。
もっとも普段の暗殺ではそれでも常識的な範囲で、ここまで過激な装束を着ることはないのだが。
「相手は転校生なんです。これぐらいしないとダメだと思うんです」
「無理しなくてもいいですのよ」
「そうよ」
リアが能力を使用したあとで後悔して落ち込んでいるのを知っているため、残りのメンバーたちは無駄だと思いつつ一応止めようとする。
「ま、全く無理なんてしてませんっ!わ、私は大丈夫ですっ!私はリーダーですから!」
どう考えても大丈夫とは言い難い。
だが、言っても聞かないことも分かっている三人は説得するのを諦めることにした。
ちなみにこういう能力だが、彼女に男性経験はない。そういう状況になる前に標的を暗殺してしまうからだし、彼女自身そういうものを苦手としているからだ。
もちろんそういう技術も身につけてしまう方が有益だとは思うのだが、そこまですると完全に痴女であるということを否定できなくなるのではないか
すでに手遅れな気がしないでもないが。
「とりあえず、方針は決まりましたし今日はここまでにして用意してたケーキでも食べましょう」
「ケーキやったー!」
ケーキと聞いて急に元気を見せるエルネスタ。その姿は先ほどより生き生きしている。
「普段もそのぐらい張り切ってほしいんですけどね……」
リアはため息をつきながら、ケーキを切り分けていた。
*序曲
都内のとあるホテル。
"汚い金持ち"金光不動暗殺の指令を受け来日した組曲の4人はどうやって暗殺を成功させるか話し合っていた。
「今回の暗殺ですけど」
「考えるまでもありませんわ。わたくしの鋏の前では塵も同然。切り刻んで差し上げれば良いのです」
「バカは単純でいいわね。相手は曲りなりとも転校生よ。そう簡単に行くわけ無いでしょう。
まあ、バカだから仕方ないかしら」
パウリーネを馬鹿にする様にレオナが言った。
「誰かバカですって?」
聞き捨てならないといった表情のパウリーネ
「バカにバカと言って何が悪いのかしら。くやしかったらその振ったらカラカラ音が鳴りそうな空っぽの頭をどうにかすることね」
「それはわたくしに喧嘩を売っていらっしゃるととってもよいですわよね?受けてもいいんですわよ」
「望むところね」
「二人共やめてください!」
完全に一触即発の雰囲気になった二人をリアが慌てて止めに入る。
本気でお互いのことを嫌っているわけではないと思うのだが、顔を合わせるたびに喧嘩ばかりしている。
リアとしてはもう少し仲良くして欲しいのだが。
「エルネスタはどう思います?」
リアが二人の騒動にも我関せずといった様子で座ったままのエルネスタに問う。
彼女の場合、落ち着いているというよりもいつものようにぼーっとしていただけだと思うが。
「あっ、ごめんなさい。なんのはなしですか?」
「今回の暗殺の話ですよ」
ああやっぱり話を聞いてなかったんだと呆れつつ、改めて彼女に聞く。
「どうもそういうのをかんがえるのはにがてです。おかしのこととかならとくいですけど」
「あなたに聞いた私が間違いでしたね」
エルネスタの返答に頭を抑える仕草を見せるリア。
自分たちは頭脳労働に向いてないメンバーだとあらためて思う。
「そういえば標的は希望崎のハルマゲドンに現れるという情報があるわ。私兵団のスカウトが目的らしいわね」
大事なことを思い出したといったふうにレオナが言った。
希望先学園は魔人の受け入れに積極的で、ハルマゲドンで戦闘経験のある魔人も多い。確かにスカウトにはうってつけの場所だろう。
「希望崎…あそこにはクラウディアがいましたけど」
「彼女は死んでしまいましたものね」
組織はクラウディアが以前起きたハルマゲドンにより任務に失敗し死亡したものと見做している。
事実、彼女から未だに何ら報告が帰ってこないのはそういうことだとみなさざるを得ないし、仮に生きていたとしても自分たちに協力する気はないのだろう。
「だったら、ハルマゲドンの当事者に接触にするのがいいんじゃないからし。ハルマゲドンに協力するといえばあちらとしても損はないはずよ」
生徒会と番長G。どちらの陣営もハルマゲドンの戦力はいくらでも欲しいはずだ。利害が一致するなら協力関係になるというのは向こうとしても損はないはずだ。
「わるくはありませんわね」
レオナの意見にパウリーネが賛同する。
彼女の場合戦場で鋏をふるいたいだけかもしれないが。
「では、そうすることにしましょう」
少し考えたあと、リアが決断する。
エルネスタもリーダーである彼女が決めたことに異存はないようだ。
「ところでリア」
黙っていたエルネスタが口を開いた。
「それ、ほんとうにきるんですか……?」
少し引き気味のエルネスタが指差した先には一着の水着。スリングショット。一般的に紐水着とか呼ばれてる代物である。
露出度が恐ろしく高く、自分からこれを着れば痴女の謗りを免れることはできないだろう。
「き、着ますよっ!そのために用意したんですから」
別にリアに破廉恥な服装を好んで着るような露出癖があるという訳ではない。
どちらかといえば彼女が普段着用している服は大企業の社長秘書を思わせるようなスーツ姿とかそういったもので、真逆といっていいだろう。
ならなぜ彼女はこのような衣服を身に付けようとしているのか。
リア・ベツァオバーンの魔人能力『フェアフュールング』は自身を魅惑的に見せる能力である。
その衣装が扇情的であればあるほど効果は高まる。
つまり、あくまでも暗殺の成功率を高めるためのものなのである。
もっとも普段の暗殺ではそれでも常識的な範囲で、ここまで過激な装束を着ることはないのだが。
「相手は転校生なんです。これぐらいしないとダメだと思うんです」
「無理しなくてもいいですのよ」
「そうよ」
リアが能力を使用したあとで後悔して落ち込んでいるのを知っているため、残りのメンバーたちは無駄だと思いつつ一応止めようとする。
「ま、全く無理なんてしてませんっ!わ、私は大丈夫ですっ!私はリーダーですから!」
どう考えても大丈夫とは言い難い。
だが、言っても聞かないことも分かっている三人は説得するのを諦めることにした。
ちなみにこういう能力だが、彼女に男性経験はない。そういう状況になる前に標的を暗殺してしまうからだし、彼女自身そういうものを苦手としているからだ。
もちろんそういう技術も身につけてしまう方が有益だとは思うのだが、そこまですると完全に痴女であるということを否定できなくなるのではないか
すでに手遅れな気がしないでもないが。
「とりあえず、方針は決まりましたし今日はここまでにして用意してたケーキでも食べましょう」
「ケーキやったー!」
ケーキと聞いて急に元気を見せるエルネスタ。その姿は先ほどより生き生きしている。
「普段もそのぐらい張り切ってほしいんですけどね……」
リアはため息をつきながら、ケーキを切り分けていた。