激戦,第4685回D-BR杯!

[久しぶりの栄冠目指して]


―――もうあれから何年経っただろう?
あの日からどれだけの長い間,どれだけ沢山の回数,俺は戦ってきただろうか。



ついに,このときが来たのだ。



念願のV奪回のチャンスの日が。




緊張しつつも,愛剣である自慢の聖剣『白夜』を両手に戦場へ向かう。
俺は3番目の入場だった。

選手4人の顔ぶれが揃うと,俺は他の3人を一瞬見やる。
誰一人として見覚えはない。
だぼの犬小屋時代,D-BR.net時代にも居なかった,新人達だろう。


魔導物語シリーズにいた闇の剣士,シェゾ
それからいま人気の『羞恥心』に似た『さじしん』が送り出す,上地と野久保の2人をモチーフにしたキャラクター。
他の皆からの情報によれば,この3人はやたらと勝利数を稼いだり,さじしんメンツはD-BR杯出場回数が多いと聞く。

―――これはチャンス!

新参を蹴散らし,黄金期メンバーとしての本格的な復帰をアピールするにはもってこいだ!
俺の緊張は一気に吹っ切れて楽しさとゾクゾク感に変わる。


そして―――試合が始まった!!


まずはシェゾが野久保に攻撃を仕掛ける。
普通にステージ衣装なのに,何故かダメージはあまり与えられていないらしい。
だが野久保はシェゾに反撃せずに俺に攻撃を仕掛けてきた。
でも所詮パラメーターが違いすぎる,俺には彼の攻撃が止まったように見え,悠々と回避できた。

しかし,油断していた。
野久保の攻撃は囮だったらしく,背後から上地の拳が俺に当たる。
ちょっと痛かったぜ,アレは・・・。
そこで俺は少し間合いを取ると,野久保に向かって炎の基本技・ガンフレイムを見舞ってやった。
銃弾の如く高速で放たれた火球は見事野久保にヒット,ちょっとは効いたみたいだ!

シェゾは攻撃を受けなかったためか自慢の素早さを生かし,今度は上地に連続して攻撃を仕掛ける・・・が,やはりこれも妙に丈夫なステージ衣装のお陰でかなり軽減されているようだった。
俺はもう一度野久保にガンフレイムを見舞う。
またしても大きめのダメージを与えることが出来たようだ。

すると野久保が必殺の拳を打ち出してきた!
ビックリした俺は何も対応できない。
もうダメか・・・そう思って目を閉じる。

だが,俺は何一つダメージを追っておらず,代わりに目の前にいたのは・・・上地だった。
シェゾに突き飛ばされて盾代わりになってしまったらしい。

「ばたんきゅう~・・・;;」

目を回してぶっ倒れる上地,すぐさま試合中断,脱落者が医務室に搬送される。
搬送が済むと,再び激戦が幕を開ける。

上地が脱落し3人になったところで,シェゾの闇の刃が俺に襲いかかる。
危うく斬り捨てられるところだったが,白夜の刃を盾に変化させ防ぐことで,何とかダメージを少なくできた。
こうなれば,一騎打ちで墜とす方が楽だろう。
俺はシェゾから間合いを取ると,シェゾに向けていまにも拳を打ち出そうとする野久保の背後をとらえ,地を踏み宙へ舞う。

火の鳥の闘気を纏って野久保に体当たりした後,白夜の刃で出血しないように斬り上げと斬り下げの2セットでダメージを喰らわせた後,トドメに白夜の片方に炎を纏わせて野久保に投げつけた!!

これが俺の奥義,『紅蓮翔破斬』。
とどめの一撃を覗けば鳳凰翔破斬だが,いまいち炎を操る俺には物足りないので,あの投げ技『紅蓮剣』を足したわけだ。

「ばたんきゅぅ~~・・・;;」

同じように目を回して倒れる野久保。
試合を中断し,搬送。
そして俺とシェゾとの一騎打ち。
これで勝てれば久しぶりのVだが,妙に重いプレッシャーがのしかかっていた。

そのプレッシャーのせいで間合いが取りづらい。
何とかギリギリの位置でイナバウアーし,シェゾの剣を避けると,シェゾ自身が必殺のためか間合いを取った。
その距離,先程の野久保に喰らわせた奥義のためにはちょうど良い。
プレッシャーが一瞬にして吹っ飛ぶ。

そして・・・俺から仕掛けた。

俺は全身全霊を込めてシェゾにあの奥義を放つ!!


「これで終わりだ,シェゾ! V奪還のためにも・・・俺の剣で潔く吹っ飛べ!!
 奥義・紅蓮! 翔・破・斬!!!!


鳳凰の闘気の体当たり,斬り上げと斬り下げの2セット,そして・・・紅蓮剣。

全ての技がシェゾを見事に捕らえ,着実にダメージを与える。

そして俺が着地し白夜2本を呼び戻した瞬間,シェゾはふらり,と地に伏した。


「まさか,あの古巣である聖良紅牙に負けるなんて・・・無念・・・だ・・・っっ」



しばしの静寂。

―――その後,最後に勝ち残った俺に対して観客席から歓声の波が巻き起こる。


「紅牙ーーー!! V奪還おめでとうーーー!!」
「ついにお前も返り咲いたなーーー!!!!」
「アンタはいつまで経っても英雄じゃーーーーーー!!!!」



やった・・・。
全てが,このときのためにあったんだ・・・。


天空から『第4685回D-BR杯優勝 聖良紅牙』と刻まれた金の賜杯が降りてくる。
それを受け取り,俺は天に突き出して皆に叫んだ。


ありったけの,感謝を込めて・・・。



みんな,応援有難う――――――!!!
最終更新:2009年03月22日 02:12
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