お題:キャラクターに必要なものとは……?
「小説を書くにあたって、
登場人物というのは避けて通れない問題だよなぁ」
「そうですよね。東方なんて、むしろキャラクターだけでごり押しですし」
「それを言ったらおしまいだ。ただ、東方はちっとばかし特殊だから今は置いておこう。
さて。
キャラクターが動かない。浮いてる。魅力がない。感情移入できない。などなど。そんな悩みを抱えたことがある人は多い。
うちの作者も含めてな」
「それって、おもしろくない小説の代表格ですよね」
「相変わらず危険なことをズバッと言うな、おまえ……。
まぁいいや。ともかくそういうキャラクターは設定だけは豊富に書き連ねられている場合が少なくない。じゃあなんでそこまで設定があるのに浮いてしまうのか。それが問題になるわけだな」
「設定なんて飾りです。偉い人にはそれがわからんのです!」
「Exactly!(その通り!) だらだらと表面だけの設定があっても、実はあまり意味がないんだよな。結局、そんなのは外面でしかないだろ。誰も入ってない着ぐるみは、
どれだけ精巧に作っても動かないんだ。大事なのは内面。それが無いとスカスカなキャラになるわけだ。だってそうだろ? 自分の周りにいる人は、そんな設定の羅列みたいなものに収められない。設定の羅列でキャラクターを作ったら、違和感が出て当然だ。
そこで、私なりにキャラクターを作る際に必要なステップを考えてみた。
1.こんな感じの人生でした
2.だからこんな人になりました
3.お話にはこんな役目で登場します
性格ってのは、言葉にできるほど単純じゃないだろ? だから、それを形作る大本を固めないとダメに決まってる。かのハリーポッターの作者もその重要性を語ってる。物語に出さないが、シリウス・ブラックの人生もしっかり作ってあるらしい」
「小説の中にしかいないとはいえ、キャラクターも自分で考えて、感情を動かしながら行動してるってことですね」
「そういうことだ。考えて行動させれば、読者は本編を読むだけでキャラクターの性格などを理解できる。実は、東方のキャラクターもそうやって形作られてる。ゲームで出てくるのは一瞬の会話シーンしかない。なのにここまでキャラ立ちしてるのは、ひとえにファンの二次小説や同人誌のイメージが一つのキャラクター像を形成してるからだろうよ。だから最初に特殊と言ったわけだ」
「なるほど……ということは、設定は自分のために作るものなんですね。少しもったいない気もしますが」
「じゃあ一つ聞くが、おまえは読みたいか? だらだら並べられた設定なんて。読みたいのはそいつが動いてるところであって、卒業アルバムと履歴書の山なんかじゃないんだよ」
「たしかにそれはげんなりしますね……。卒業アルバムも、その人を知ってるからおもしろいわけですし」
「そういうわけで結論。ビスクドールよりミッキーマウス。
キャラクターに必要なのは、物語の中でキャラを動かす中身=人格。ちなみに人格はペルソナ(仮面の意)とも言うんだが、登場人物は全て、自作の仮面をかぶった作者だ」
「それはちょっと……気持ち悪いですね」
「仕方ないだろ? 書いてる人以外が中身にはなれないんだからさ」
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最終更新:2009年10月09日 00:42