焼き鳥屋、WBRを斬る > 4杯目

焼き鳥屋以外でも、WBRは語られる……


ANOTHER ONE BITES THE DUST

 それは単なる偶然なのかもしれない。
 今までの会話記録、そして郵便受けに突っ込まれたいくつかの記事に目を通し、私は嘆息した。4シーズン目は不調だったもののあっさりと調子を取り戻した黒焔の1位が揺るがずウルトラマンがゼァッと順位を上げてきたことにもなんら疑問は感じない。その程度のことでわーわー騒ぐほど私は子どもではなかったし、そんな必然は特筆すべき事ではないだろう。私にとって重要なのはエンゲル係数甚大な我が家の家計をいかにして浮上させるかということであり、トトカルチョというものに手を出してしまおうと考えることになんの問題があろうか。
 では何に注目すべきかと言えば、地味でパッとしないだの何だのと野次を入れられたロウがV4を成し遂げ、浮上を始めていることだ。「ほぉぅ(以下略)」というセリフが功を奏したと考えるのはオカルトにすぎるかもしれないが、これを単なる偶然と考えていいのだろうか。
「あの、お嬢様? 難しい顔してどうしたんですか?」
 横からのぞき込んでくるのはミナカ=天梁=ルルアージュ=ヴィ=ブリトニア=ルーベンシュタット=ノイシュヴァンシュタイン=以下略。相変わらず役に立たないこと天井知らずの上に、身元不明のお手伝いだが、私は彼女を雇い続けている。とはいえ彼女に給料を払っているわけでもないので、雇っていることになるのかは不明だが、エンゲル係数上昇の最たる要因であることは間違いない。
 そしてこの一連の紹介がすでにパターンとして確立されつつあるのも間違いない。
「えぇと、『 ディエンド、2勝での凡退が目立つ、一方、ゲームウォッチ?はX.verステータスで初優勝』『相本の四退癖がモロに、鬼神軍三者四退』ですか……これもパターンですよね、お嬢様」
 失礼なことを平然と口にできるのは天然と言うべきか。たしかにひらおは相変わらず出場してない方が勝つみたいだし、鬼神軍の四退癖は今に始まったことではない。
「これはもう、偶然と言うより運命なのかもしれませんね、お嬢様」
「違うんじゃない? たとえば、白と黒の碁石をバケツに入れてじゃらじゃらとかき混ぜるとして。その結果、白と黒がバラバラに均等に配置されるワケじゃないわ。偶然、黒ばかりが一カ所に固まることだってある。それをダンゴ現象っていうんだけど、たぶん鬼神軍にはそれが起きやすいのよ」
 これは流れと呼ばれるものだ。空気とも言う。
 そもそもコンピュータの乱数は完全ランダムではない。もとい、この世に数学的な完全ランダムなど存在しないのだ。人が絡む場合は特に。それを理解していない『自称理系(笑)』が各所の麻雀掲示板等で見られるが、それはせいぜい考察もせず知識だけ仕入れて博識ぶっているだけだ。重要なのはゲーム理論であり、確率論が現実ではただの机上の空論だと、彼らが気づくことは未来永劫ないだろう。特に、無作為という言葉を盲信し、馬鹿の一つ覚えみたいに確率論を掲げて思考停止するような奴らには。
「まぁ正直、私は確率論で勝負を語るのは嫌いなのよ。現実が見えてない馬鹿みたいだから」
「お嬢様らしい無茶で歪んだ見方ですねぇ」
「やかましい!」
 私はとりあえず、ミナカの脳天に手刀を振り下ろした。

AEROSMITH

「おい、タママが16勝した上にD-BR杯を取ったぞ」
ちゅるやさん変態なイケメンもD-BR杯で相変わらず暴れ回ってますよ。にょろーん」
「なっしーのとこだと、デビサマな感じの雛が暴れてるな。タママに抜かれたけど」
「ええ。ただ、16勝が次のシーズンに持ち越されたので、レオン.さんはいい感じの得点をマークできましたね」
「ああ。このコーナーも本来なら過去ログが一つ増えてしかるべきなんだが、私が一度も喋ってないからシーズンをまたぐぞ」
「たしかに。謎の代打が入りましたからねぇ」
「それで、だ。これを見てくれ。どう思う?」
ディエンドと四退女王が悲しいことになっている……ですか。でもディエンドはちゃっかりランクインしてるんですよね。武村 和樹さんなんて、3連勝したのに勝利数でランクインしてないんですよ?」
「ううむ……阿佐田哲也いわく、幸運は続きすぎると危ない。大会前に活躍しすぎると運を使い果たしてこの通りだ。シェゾだって、しばらく出てなかったろ」
「そうですねぇ」
「つまり。今勝ちすぎたヤツは終盤で失速するはずなんだ。黒焔はゆるゆると走ってるが、ちょいと落ち目な感があるだろ。だがきっともう一度ヤツは来る。そうだ、朧月夜だって次は追い上げてくれるさ……!
「休むのも勝負のうち、ですね」
「その通りだ。ダメなときは何をやってもダメ。チャンスを待つのも重要だな」
「来たぜ、ぬるりと……」
 ――妹紅、帰還……!

Coup De Grbce

「さて。第6シーズンが終わったわけだ。というか、結果が出たわけだ」
「うちの作者は集計する気ゼロですからね。完全に人任せです」
「そういうことだな。で、相本は悲しいくらいに不調……か。ただ変態はやはり強かった。変態的な追い上げは未だ続行中だ」
「ここまでくると気持ち悪いですね。じわじわとサタン様も追い上げてきてますし」
「あいつらって仲いいよな。だってあれだろ? 私のアルルを半分に分けちゃうんだもんな。あれはいくら何でもエグイよな」
「あれ。いつの間にか妹紅さんのになってますよ」
「分けると言えば、腐女子だな。あるキャラを巡って受けか攻めかで議論しまくったあげく、前と後ろで分けて前が攻め、後ろが受け〜なんてめちゃくちゃな結論に至るんだ。でも顔もほしいとかいろいろあって、結局バラバラ殺人状態になるんだけどな。きっとあいつらにとってのアルルもそんな感じなんだろうな」
「すごい話の飛躍ですねー」
「バラバラはえぐいぞ。私は見慣れてるけどな。自分ので。ただ、構造を知りすぎると肉が素直に食えなくなるんだ。今までスジだとか呼んでた細くて切れない部分が、実は神経とか血管だってわかっちゃうんだからな」
「それはきついですねぇ。というかなぜそんなエグイ話を……?」
「気分だな。ちなみに魔導物語の第1作は体力ゲージが見えない。アルルのセリフで判断するんだ。サタンの初撃を喰らうとアルルは視界の色がめちゃくちゃだとか何だとか、そんなセリフを言うんだが……それが"死にそうだよ助けて!"という瀕死メッセージだと気づかないと次のターンでゲームオーバーだから気をつけろ!」
バルバトスみたいなものですね? それともゼロムスでしょうか」
「ゼロムスは初撃の先制ビッグバンでヤン以外は全滅だろ。空すら飛ばせてもらえないしな。それにゲーティアのおっさんもD1のリメイク版だとHPなんて残してくれないぞ。大人げないよな」
「もはや完全に話がそれてます。さすが、常識にとらわれない女ですね!」
「お前ほどじゃないよ。で、レオラルド?に1抜けが多いということだが……」
「例の如く、運の使いすぎですよ。阿佐田哲也先生もそう言っています」
「そうだな。きっとシェゾも変態的な運をここで使い果たすさ。そこで、後半から一気にさしてくるであろう選手は我らが朧月夜と、レオン.辺りだな。あとは、ちゅるやさんが飛び出して逃げ切るか。私の予想ではその三人が来る」
「あれ。今の一位は入ってないんですね。その根拠は?」
「朧月夜に関して根拠はない。願望だ! ただ、レオン.はウルトラマンやレオラルドと違って無得点がないんだよ。なんだかんだで。で、ちゅるやさんはD-BR杯での勝率が異様に高いが、ランキングではほどほどの位置をキープするだけだ。これは彼女がD-BR杯ばかりでここまで上がってきたことを示してる。つまり、余計な運を使わず効率よく点数を稼ぐことができているわけだ。生存期間も短くなりがちだから回転も速い。実際、ここが一番の優勝候補だと私は見てるぞ」
「……なんといいますか、たまにはマジメに予想もするんですねー」
「はっはっは。訂正するか、素直に燃やされるか。どちらか選べぇぇぇい!」
 ――若本万歳。

Killing moon

不遇だったヤツらの逆転劇って感じのシーズンだな。30円?がV3、あの四退女王がVだとよ」
「しばらく低迷気味だったレオン.さんはV2ですしね。武村さんも今のところV1。どうなるか見物ですよ」
「ルイージは反骨根性がVを招いたってことだろうな。相本は、マリア様が見てたって事だろうよ」
「そらーときーみとーの間には〜♪」
家なき子か……未だかつて無いくらい、わかりづらいボケだな。不正解」
「タイが、曲がっていてよ?」
「よし、許可する。このロザリオをプレゼントだ」
「かみちゅ〜っ!」
「それは某賞をとった名作アニメだッ! たしかにお前も現人神だけど!」
「我、拳の道を極め――」
「言わせねぇよ!?」

最終更新:2009年10月18日 11:05
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