小説を考える おまけ

中2設定って、なんぞや


「ふっ……いかにも高2病な質問だな!」
「あ、ちなみに高2病というのは中2病を異常に嫌悪するあまり、何でも中2だと言って噛みついたりマイナーに走ったりする、心の病気ですよ」
「そのマイナー加減が中途半端で、かなりメジャーなところをマイナーだと思いこんでるから始末に負えないな。何でも中2病に見えるからすぐ噛みつくし。端から見てるとめがっさ痛々しいな
「中2病と呼ばれるものは一応普通の成長段階なんですけどねー」
「そうだな。王道や形式美ってものを理解していないガキの病気さ。知恵熱だ」
「知恵熱って名前は、単に発症する時期のことを指してるんですけどね」
「マメ知識だな」

 ――閑話休題。

「さて、中2設定ってなんぞや。ということだが……さっき言ったように王道のことだ。確立されたパターンだ」
「でも……なんだかそのレッテルを貼られた作品は面白みがなかったりすることもザラですよ」
「そこだな。その差をなんとなく感じ取った人が、中2というレッテルを貼るんだろうさ」
「差ですか。やっぱり技量とかの問題なんですかね」
「まぁ……ぶっちゃければ全ての問題が技量の一言で終わるんだけどな。それじゃあわからんから、私なりに考えてみた。雑談室でも何度か話題に上ったからな」
「いささかタイミングを逸した感がありますけどね」
「うるさいやい。で、王道なのになぜ中2と蔑まれるのか。それはきっとこうだ。
 1.キャラを一人物として作っていない。
 2.王道というもののエッセンスを適当に寄せ集めただけ。
 3.どうしようもなく作品に沿っていない。浮いている。
 ちなみに1〜3は別々じゃないぞ。そういう流れで生み出されてるってことを言いたいんだ」
「ええと……つまり、
 人物としての中身を考えずに外枠だけ考えた→その外枠にしても、王道から適当に好きな要素を持ってきただけの寄せ集め→結果として不自然でストーリーも世界観もぶち壊しのご都合キャラになった……
 ということですよね?」
「まぁ、そんな感じだな。特に2番は、日本かぶれの外国人を見ればわかるよ。たしかにアイテムやインテリアの一つ一つは和風なんだけど、日本人からしたらあり得ない組み合わせもザラだろ? その和風な調度品を『読者が好きそうな要素』と入れ替えると、中2設定のできあがりだ」
「はぁ……たしかにそうですよね」
「そも、王道や形式美はいくつかの要素がセットで発揮されるんだよ。それをてんでバラバラにして適当に組み合わせるから変なことになる。大トロは脂がのってるから大トロだけど、その脂だけを食べたいヤツなんていないんだ」
調和が大事ってことですね!」
「そういうことだな。作品に必要なら最強キャラも快く許容される。戯言シリーズの哀川潤だって、敵があまりに馬鹿げて無敵だから最強でいい。ジョジョも敵が恐ろしく強い上に、常にアウェーだから頭脳戦に勝たないと力を思うように発揮できない。それが作品の面白みを上げるなら、最強キャラも一つのテクニックだよ」
「高等テクニックですね、それは」
「まぁね。だから下手に使って火傷するヤツが続出するんだ。だから最強オールスターなTYPE-MOONやNitro+の真似はやめとけ。アレは書く人の腕がいいから楽しい作品になるんだ」
「料理と一緒ですねー。あれも最初から下手な工夫すると失敗しますし」
「ちなみに私の焼き鳥はオーソドックスだ」
「え……? この激辛……」

「ちぇすとぉッ!」

最終更新:2009年10月28日 16:35
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