あれから3ヶ月、平盛16年10月。
ブラック団を壊滅に追いやった島田真北は500万円の懸賞金を手にした。
そして彼は北へ旅立とうとしている。
目的地はロシア、しかし、どこか寄り道したいらしい。
「もう行くの」
母は真北に問いかける
「ああ、行ってくる」
「気をつけて」
真北はカバンを持って自宅を出た。今から夜行列車で北海道へと向かう。
<京都駅>
真北は窓口に並んだ。
「トワイライトエクプレス、札幌までB寝台大人一名。」
真北は切符を受け取ると、ホームで列車を待った。
すると駅員が列車到着をアナウンスする
「まもなく0番乗り場に寝台特急トワイライトエクスプレス号札幌行きが到着します。」
この駅員こそが[[本田宣彦]]。
「来たな」
ゴォォォォ
機関車の轟音が鳴り響く。
そして列車は停まり、客車の扉が開き、真北は乗り込もうとするが
「この車両はA寝台ですよ」
本田が真北に言う。
「あらら」
真北、ぼける。
改めて真北はB寝台の車両に移動する。やっと乗り込んだ真北はB寝台でくつろぐ。
列車は京都を発車。やがて山科を通過し、湖西線に入る。トンネルを抜ければ進行方向右に琵琶湖が見える。
そしてしばらくすると左手には比良の山が見える。比良から吹く風は強烈で時には湖西線は運休に追い込まれる。
こうしているうちにそろそろ滋賀県とはお別れして、福井県に入る。新疋田付近のループ線は名撮影地だ。
敦賀で停車の後、北陸トンネルに入る。約10分くらい暗闇の中を走る。
そして福井県の県庁所在地、福井につく。福井は民放テレビ局が2つしかない。
この夏の豪雨の爪痕が激しく、福井駅から出る支線は今も運休中である。
福井を出れば次は石川県の金沢に停車。日本三大庭園の一つ、兼六園で有名。
金沢を出ると次の停車駅は富山県第2の都市・高岡。路面電車も残っている。
高岡の次は県都・富山。ここから立山や宇奈月方面に通じ、元西武のレッドアローや京阪特急の車両がいる富山地方鉄道の起点でもある。
富山を出て右手に立山連峰を望む。魚津あたりで富山地方鉄道と並走。
やがて日は沈み、新潟県は上越・直江津に到着。客船をモチーフにした駅舎が建っていて、北陸本線の終点。ここから信越本線で新潟や長野、北越急行で越後湯沢に分かれる交通の要衝である。
直江津を過ぎると新潟県第2の都市・長岡に到着。
ちなみに真北が通り過ぎた後5日後、前世と同じく長岡の周辺を震源とする大地震が発生し、甚大な被害を被ったのである。
そして新潟の近郊・新津に到着。新潟の生活圏だけあって列車本数が多い。
新津からは信越本線に別れを告げ、羽越本線に入る。時刻はもう2000、真北は食事に入る。
食事が終わるともう外は真っ暗だ。次の停車駅はもう北海道の中で翌朝までノンストップ。車内放送は一切遮断され、真北は眠りにつく。
翌朝、朝食時になると北海道は洞爺に到着。続いて東室蘭、登別に次々と停車する。
苫小牧からは北上し、旧千歳空港の最寄り駅だった南千歳に到着。そしていよいよ列車は終点・札幌。
高くそびえ立つ札幌駅のビル。その下に真北は降り立つ。
果たして彼を待つ者は・・・・・
続く
最終更新:2008年11月23日 15:23