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突撃取材シリーズ > 黒焔編

「おい、山田、大丈夫か?」
山田は佐原の言葉をぼんやりと聞いていた。
「あらあら、足が無いぐらい位で気絶するとはおもわなかったわ」
その一言を聞いていた山田はばっと起きて声のした所を見た。
前に見た雪椿がそこにいた。
「うふふ、たまにはこういうイタズラも良いわね」
「勘弁してください、客が離れるじゃないですか」
佐原と雪椿か楽しそうに話しをしている。
山田は違和感を覚えた。
「佐原、何でこいつと話しが出来るんだ?
もしかして何かのドッキリか?」
佐原が答える。
「いや、雪椿さんは既に故人…何だがどうやら幽霊になってさまよっていたらしい」
「で、暇つぶし佐原君のバーに行ってみたらなぜか姿がみえるのよね」
と雪椿。
「で、雪椿さんが『暇だから』って言ったからこういうドッキリ…ドッキリっていうのか?これ…をお前に仕掛けたら失神して現在にいたる訳だ」
山田は周りを見ながら立ち上がった。
どうやらバーの休憩室にいるみたいだ。
「勘弁してくれ…で俺は何時位失神してたんだ?」
佐原が腕時計を見る。
「今、午前8時で、6時間ぐらい失神してた」
山田はあわてた。
「やべぇ、仕事に遅れちまう」
雪椿が言う
「貴方、酔う前に『明日は休みだからいくらでも飲んでやる』とか言ってたじゃない」
山田は二日酔いに耐えながら前のことを思い出していた。
「確かに言ったような…」
頭をかしげながら山田は呟いた。
「ところで誰から調べるか検討ついたか?」
佐原が山田に問う。
「いや、まだだ」
「だったらまずこいつからやったらどうだ?」
佐原が山田に二枚の紙を渡す。
そこには一人の男の顔写真と何処かの地図だった。
※※※※※※※※※※※
翌日、山田は某樹海に来ていた。
「…ったく、こんなところで何やっているんだ黒焔ってやつ」
GPSを頼りに黒焔探しているなか、山田は独り言を言った。

「そうねぇ、周りは樹木だらけだし所々幽霊がさまよっていいるわね」
「…なんでついて来ているんですか、という姿が見えているじゃないですか」
「いや、町に出たとき周りには見えて無かったわよ
多分貴方の霊感が強いから見えているのだと思うわ
…そこの幽霊見える?」
山田は雪椿が指さした所を見た。
ぼんやりと白い光がゆらゆらと揺れていた。
「あの、ゆらゆら揺れている光のことですか?」
「そう、じゃこっちは?」
また指さした所を見てみる。
今度は残像のようなものが見えた。
「あの残像みたいな…うわっ!」
山田はとっさに後ろに下がった。
残像が刀で切りかかってきたからだ。
「……」
残像が消えて一人の男の姿が見えた。
山田の喉に刀を突き立てる。
「ん…あれ、黒焔じゃないかしら?」
雪椿が呟く。
山田は顔写真の記憶と男の顔を見比べた。
確かに顔写真と似ているような顔をした男だった。
恐る恐る話してみる。
「黒焔さん…ですか?」
「…?」
男は首を傾げている。
「あ、自分はこういうものなんですが」
山田は自分の名刺を黒焔に見せる。
「…新聞社がよくこんな所にきたものだ」
男は山田の喉に突き立てていた刀を外した。
「…なんでこんな所にきたんだ?」
男が問いかける。
「いや、貴方にインタビューを頼みたいのですが」
男は目を丸くした。
※※※※※※※※※※※
「…成る程」
山田は男に今までの出来事を話した。
ただし雪椿のことは省略した。
「…しかしこんな一市民の俺にインタビューして記事になるのかねぇ」
「さぁ、私は椿一家にインタビューをしないと首が飛びますからね」
親しい人以外には敬語をつかうのが山田の癖だった。
「…まぁ、インタビューぐらいなら別にやってもいいが」
「ありがとうございます。」
山田は深くお辞儀をした。
※※※※※※※※※※※
山田「では改めて名前をお願いします」
黒焔「…俺は黒焔」
山田「黒焔さんは樹海で何をしていたんですか?」
黒焔「…単なる修行だ」
山田「修行というと…」
黒焔「…とりあえずここあたりの樹木を10秒以内に15本切る練習だ」
山田「10秒以内に15本!?いったいなぜこのような修行を?」
黒焔「…焼き鳥そうめん狩りをしっているか?」
山田「ええ、知っていますが?」
黒焔「…俺はそこでどんな敵が現れても負けないようにするため修行している」
山田「そうですか…修行してないときは何をしているのですか?」
黒焔「…いつもは町をぶらついたりしている」

山田「いつも来ている服はなんですか?」
黒焔「…修行中は着物、それ以外はジーパンとか適当に着ている」
山田「好物はなんでしょうか?」
黒焔「…特にない
腹に入ればそれでいい」
山田「その刀は誰からもらったのですか?」
黒焔「…俺が物心ついたときから持っていた
誰が渡したのかはわからない」
山田「特技とかはありますか?」
黒焔「…走ること全般だ」
山田「そうですか…黒焔さん今回はありがとうございました」
黒焔「…いやこちらこそ」
※※※※※※※※※※※
樹海から帰ってきた後、山田は佐原のバーに向かった。
「よう、記事になるようなネタが入手出来たか?」
「ああ、入手出来たけど…」
「出来たけど?」
「筋肉痛でこれ以上動けん
今夜はここに泊まらせてくれないか?」
佐原は笑いながら言った。
「別にいいが、うるさい幽霊が一人いるけどな」
「あら、私は余りうるさくないわよ」
山田の隣にいた雪椿が喋る。
「良く言いますよ、毎回閉店になると俺に3時間以上も喋る癖に」
山田は二人の雑談をぼんやりと聞いていた。
その後、程なくして山田の意識は途切れた。
<続く>
最終更新:2010年04月18日 23:00
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