中原一行は解放軍に拉致された、森近霖之助と遭遇した。
「ひどい、なんてひどいことを・・・」
「なぜだ、そこまでして異変を起こしたいのか」
幻想郷解放軍の支配下にある、広島県の山中、いつの間にか夕闇が広がっていた。
「よし、ならばその解放軍のボスを倒しましょうよ」
「ええ、そうしましょう」
「でもどうやって倒すんだ・・・?」と、霖之助
「そこらへんの奴らに訊くしかないよ・・・」
4人はついにボスのいる場所へ乗り込むことにした。だが道中は厳しい。まず、ボスの在処がわかっていなかった。
そのため、4人は解放軍兵士に出会う度に在処を問い詰めた。しかし、それらの兵士は敵に教えるまいと情報を隠し続けた。
「なかなか素直に教えてはもらえないみたいだな」
「ああ、忠誠のために自分の指導者を決死で守ろうという意識が彼らにはあるはず。
咲夜さんだって、主であるレミリアお嬢様を守ろうといつでも粉骨砕身の覚悟であろう」
すると文が一枚の紙を解放軍兵士の屍から拾ってきた。
「みなさん、見てくださいよ、これはおそらく・・・」
見てみるとこの近辺のものかと思われる地図。
「もしやこれは・・・ボスの居場所がわかるかもしれないぞ」と、霖之助
「よっしゃっ!」
すると中原たちは、その地図を頼りにボスを探していった。道中で敵兵と遭遇するも、難なくなぎ払っていった。
そして数キロ進んだある地点、そこは空が木々に隠されているほど、夕闇の中でもいっそう暗い場所だった。
その中で足音のような音がしたため、一行はそれぞれ身を潜めた。
「誰かいるぞ・・・・」と、中原、そっと匍匐で奥を覗き込む。
その先には、常人とは思えない、いかにも大きい影が・・・
「見るからに恐ろしいわね・・・」と、咲夜。
しばらくすると、その大きい影の方から柴刈りをしているような音が聞こえた。
「ん?」と、中原、その音に気づく。
「何か聞こえるようだ・・・」と、最後尾に隠れていた霖之助。
その影は、じわりじわりと中原のほうへ近づいていった。
「なんか・・・くる・・・」と、中原、やや動揺ぎみか。
すると突然、一本の大きい矢が中原一行のほうへ飛んできた。
「な、なんだ?」と、中原
その矢は燕より速い速度で飛んできた。中原たちは匍匐で前進し、その矢の出どころを探るも、同じような矢が立て続けに飛ばされてきた。
「みんな、気を付けるんだ、あれはただの矢ではないぞ」と、霖之助
「少なくともお嬢様のグングニルよりは遅いけど・・・」と、咲夜
「うん、属性もなく、脅威は物理的要素のみ、しかしそれはあくまでも見た感じでしかないはず・・・」と、中原
しかし、その中原の嫌な予感は10秒後に現実になるものに・・・
「むきぃぃぃぃーーーっ!!」と、チルノ
「チ、チルノちゃん!」と、霖之助
チルノはその矢で腹を突き刺されていた。
「ひ、ひどい、なんというめり込みだ・・・・っ」と、中原。
しかし、その後、チルノの身体にさらなる変異が起きようとは、誰も予想しなかった。
「うわぁぁぁぁーーっ!」と、チルノ、再び悲鳴をあげる。
チルノの体は、次第に液状化しつつあった。
「な、なんだって!?」と、液状化していくチルノを見た中原。
「これはひどい・・・」と、咲夜。
「まさかあの矢に刺されたら、体が融けてしまうということか?」
「そうらしいわね・・・」と、咲夜
「あの野郎・・・・」と、中原の心身が怒りに染まっていく。
しばらくして、常人とは思えない大きい影は隠れた。しかし、矢の出どころとは近い地点である。
「ちょっと見てくるよ」と、中原、小声で3人に話しかける。
「ええ、気をつけて」と、咲夜
中原は匍匐でじわりじわりとその大きい影に迫っていった。すると
「ん?」と、突然、大男が中原の前に立ちふさがった。
「(まずい、気づかれた!)」と、中原、動転して体が揺らぐ。
「なんなんだ貴様は」と、大男は訊く。
「お前が、解放軍の首領か」と、中原が訊き返す。
「そうだ、どうかしたか」
「お前が・・・幻想郷の平和を脅かしたんだな・・・」
「そうだが」
「許さねぇ・・・」と、中原、銃剣付きの小銃を構える。
「俺に歯向かう気か?」と、大男もスペルカードを構える。
中原の後方で伏し隠れ、対峙しあう様子を見つめていた3人。
「スペルカード・・・だと?」と、霖之助
「まさか・・・」と、咲夜
そして対峙しあう中原と解放軍首領。
「我が名は幻想郷解放軍首領・フォードスラー」と、その大男、名乗る。
「名前などどうでもいい、今すぐもとに戻してくれ」と、中原
「断る!」と、フォードスラーはいきなり短剣を中原の顎に突きつけた。
フォードスラーの威圧感にやや動揺した中原は、銃剣でその短剣を弾く。
「貴様ぁっ、罪は大きいぞ!」
「ふふふ・・・・」と、フォードスラーは一枚目のスペルカードをかざす。
すると星型弾幕が隕石のように中原を襲ってきた。
「な、なんだこれ!」中原、かわすのに精一杯。
スターダストレヴァリエなど足元に及ばない、そんな大きさの星型弾幕が次から次へと降り注いでいく。
「うわぁぁぁ!なにこれ!」文、その弾幕の物珍しさからカメラで撮影する。
「写真撮ってる場合か・・・?」と、霖之助
「中原さん!なんとか持ち堪えて!」と、咲夜
普通なら、1分もすればスペルカードによる攻撃はおさまるが、3分以上過ぎても、おさまる気配はなかった。
「待て、あれはスペルカードじゃない」と、霖之助
「じゃぁ何なの?」と、咲夜
「わからぬ・・・」と、霖之助
時間が経つにつれ、中原の動きは鈍くなりつつあった。
「その程度か?」と、フォードスラー
「クソッ・・・」と、中原、小銃連射で応戦するも、なおも劣勢に。
このままフォードスラーに負かされてしまうのか・・・
続く
最終更新:2010年04月20日 21:06