チームうまかぼう第五回WBRの雑談

 実は予想やらなんやらたくさん考えていた昼黄龍が和室のど真ん中ふんどし一丁でしこを踏んでいた。
「どすこーい!」
 どかーんと地響きを上げて棚に積んであった本が落ちて昼黄龍に直撃する。
「いったー!」
「あほたれ」
 いつからいたのか暑苦しい昼黄龍の目の前で朧月夜が冷や水を飲んでいた。
「あれ、姫ちゃんいつからいたの?」
「ずっとおったわ。何やら一人でもんもんと妄想ばかりしとるから気がつかんのじゃ」
 そう、昼黄龍は妄想の天才だった。
「だって、おいどんの予想とか展開とかWBRはじまっても公開しないんでごわすもん!」
「それはな、我らオーナーのうまかぼうが病気になりながらも仕事でいっぱいいっぱいだったからじゃ。お主のくだらん予想を掲載する余裕がなかったようじゃな」
「ひっどーい! 終ったから予想はしないでごわすがおいどんの女性キャラのみへのサービスはあるんでごわすよ」
「なんじゃそれは? 餅か?」
 朧月夜は聞いたことをすぐに後悔することになった。

女性キャラ部門へのプレゼント
1位 おいどん(昼黄龍)。ハネムーンは両国国技館
2位 おいどんと行く世界一周いちゃつきの旅
3位 おいどんと365日ちゃんこ鍋デート
4位 おいどんと同棲
女性キャラは3人、もしくは4人なためこうなった。

 ちなみに性別の分からない結城は可愛いから男でもいいとのこと。
 実はラムダ?も良しだったが、明らかに男なため周りに反対された。

「おい、横綱。いや、ふっとちょ! 誰が得するんじゃ!」
 怒りにまた水をぶっかけようとする朧月夜だったが、せっかくの和室が水浸しになるのが嫌だからなんとか堪えた。
「誰って、入賞者が得するに決まってるでごわす」

 ちなみに入賞者を照らし合わせてみる。
1位 フランドール
2位 朧月夜
3位 旋風寺はやて
4位 結城

「横綱、頼みに行く時点でお主が破戒されるぞ?」
「いっこうに構わん。むしろ、破戒してくれ」
 真剣すぎる目つきに朧月夜にずわっと鳥肌が立った。
「フランたんと結婚して、はやちゃんとちゃんこ鍋かあ。で、家に帰ると結城たんが待っててくれるんでごわす」
「結城が男だとしたらって考えたことはないのか? しかも婚約者がいるのに同棲っておかしくないか?」
「いっこうに構わん。それにちっちゃいことは気にスンナ! わかきりんわかきりん♪」
「それにな! そ・れ・に・な! なんで我と世界一周をする妄想をしないんじゃ!」
「え~」
 途端に不満そうに口を膨らませる昼黄龍。何故か白目すらむいている。
「姫ちゃんと世界一周、しかもいちゃつくんでどわすよね? なんかな~」
「何か問題があるのか!? のう!」
「だって、いちゃついたって出てること出てないから逆に痛いでごわす。かつかつしてて腕組んでもあばらが当たっていた! いたってなるでごわすもん。お尻さわったってどこがお尻で足が分からないから最終的に手を踏まれていた! いたってなるでごわす」
「んんんー!」
 とうとう足が出た朧月夜。突き出た腹をけっとばしたら跳ね返って逆に転がってしまった。
「おろおろ~」
「姫ちゃん、それだけじゃないでごわす。きっと姫ちゃんは他の女の子と違ってわがままだから世界一周しててもこっちが大変でごわす。あれがほしー、これが食べたい、昼ちゃんが食べたいって困るでごわす!」
 ふんっ! と鼻を鳴らす昼黄龍を睨みつけるがまたけっとばして自分がダメージを負うのは嫌だ。
「貴様、行ってやるではないか! 世界一周! 行ってやるわ!」
「はあ、だからさあ、しかもいちゃいちゃできるでごわすか?」
「できるわー! しかも、わがままなんか言わないとこみせてくれるわ! 我は大人なんじゃ! O・TO・NA!」
 ぎらぎらっと昼黄龍の目が怪しく光り輝いた。
「なら、証拠を見せてもらわないと困るでごわすなあ。とりあえず、ディープキスくらいしてくれないと」
「なっ」
 分厚く、しかも臭そうな昼黄龍の唇が目に入る。しかも、まだキスをしたことのない朧月夜はこんな臭そうな唇がはじめてなのかとたじろぐ。
「あれ、あれれ? もしかして、姫ちゃん。はじめて?」
「ちがうわー! やってくれるわー!」
 頭に血が上って冷静に判断できなかった朧月夜が昼黄龍の頭をがしっとつかんで改めてその唇を見る。顔を近づけていくと、荒すぎる鼻息が顔面にかかってきて髪が激しく揺れる。
「ちょっと、背が高いからしゃがんでくれんか?」
「あ、ごめんね姫ちゃん。いや、嫁」
 と、昼黄龍がしゃがんだところでもの凄いいきおいで筋肉が飛んできた。
「おら! 横綱ああああああああああ!」
 膝に飛び乗って思い切り顔面を蹴飛ばしたのはやはりおいらだった。完璧なるシャイニングウィザーを喰らった昼黄龍は意識を失いかけた。
「何故止めるおいら! 今からこやつにでーぷきっすをするとこだったんじゃぞ!」
「やめとけ、後々自殺することになるから」
 横綱が完全に伸びると変わったように殺丸が入ってきた。
「おいおい、どうしたんだよ? このありさま」
「我がな、横綱とでーぷきっすをしようとしたらおいらが横綱をけったんじゃ!」
 頭が混乱する殺丸。
「ま、色々あるよな。人生は」
 これで片付けた。




「今回はサタンシェゾアルルさんのところが金と銀をとったわけか」
「まあ、あの二人は強いよな。ラフィーナも強いし、ぷよぷよ最強説も出てきそうだぜ」
 冷静になって完全に機嫌どころが気持ちが悪くなった朧月夜を寝かしつけ、おいらと殺丸はグローブをはめて訓練していた。
 お互いにパンチを打ってはかわし、軽くキックをしながら話をしている。
「そこに続いて東方のフランドールか」
「東方キャラの安定した強さも中々だよな。さすが、神級の力だぜ」
 おいらのハイキックが空を切り、殺丸の軽いジャブがおいらの顔面に入る。
「驚いたのは朧月夜だよ。さすがの俺も朧月夜が入るとは予想しなかったな。良くて7位、最悪前回よりも順位を落とすと思った。そしたらオーナーは次回、昼黄龍を出すつもりだったらしい」
 どこから仕入れてきたのか殺丸の話を聞いておいらの顔色が変わった。
「俺は朧月夜が優勝するとおもってたぜ! 全く、チームメイトを信じろってんだ!」
 だが、実際にぷよぷよと東方の強さはかなりのものだ。どのキャラがでても好成績を出す。特にぷよぷよはサタンもシェゾもトップに立つのは普通というくらいだ。
「まあ、おいらの気持ちも分かるが、ここにまふっとさんのキャラが来たらまた混戦だったと思うな」
 ズバット、ちゅるやさんといったWBRでも好成績のキャラを排出している。最強名高いチームだ。
「俺的には隠れた猛者も楽しみにしてたんだけどな。特に、リーノや伊達政宗は見た事ないから楽しみだったぜ」
 色々と予想をしたところで殺丸が動きを止めた。
「で、元エースのおいらさんは出たくないのか?」
「うるせえ! 俺が出たら圧勝して優勝しすぎてつまらなくなるからいいんだよ!」
 第二回で10位のおいら、今のメンバーが相手だったらもしかしたら最下位も……。
 そんなことを考えつつ、おいらは特訓に明け暮れた。能力を変えるためにも。


最終更新:2010年04月29日 21:57
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