ボゴダビッチとの手合わせに負け、次の課題としてアイススクウェアにいるブラックアイヌ団を打倒するように指示された真北。
一応、アイススクウェア行きのビザがあったのだが・・・
「え?今からですか?」
真北は訊く。
「ああ今からだ」
「でもどうやってアイススクウェアまで行くのですか」
「ここからノグリキという街まで行って、そこから船でアイススクウェアはモナーオカという港町に行くのだ」
アイススクウェア、それは後世世界にのみ存在する架空の島国。人口は210万人。首都はアイスシオン。ちなみにモナーオカとアイスシオンとの直線距離は50キロ。
「で、モナーオカからは?」
「そのモナーオカ周辺にブラックアイヌ団が潜伏しているらしいんだ」
ボゴダビッチは自宅の無線でブラックアイヌ団の情報を傍受していた。
「へぇ、で、モナーオカでどうするんですか」
「そこには俺の知り合いがいる。しかも彼は日本語がそれなりにうまい。そこでしばらくホームステイしてもらおう、期間は一週間」
「ホームステイって・・・」
「ああ、でも気をつけろ。奴らはこの一週間のうちにモナーオカで通り魔だの爆破テロだのを起こすらしい。だからモナーオカで待ち伏せて倒すのじゃ」
「ありがとうございます」
「ってことで行ってこい!」
「はい!」
というと真北は荷物をまとめてアイススクウェアへと向かった。
ポロナイスクから列車に揺られ、ノグリキへ、そこから船でまた5時間、アイススクウェアのモナーオカに到着。
するとそこで待ってたのは・・・
「なんかペンギンっぽいのがいる」
アイススクウェアの民族衣装はペンギンを模している。アイススクウェアの人たちにとってペンギンは友達のような存在であるからだ。
するとそのペンギンのようなコスチュームをした夫婦は真北に話しかける。
「あなたが島田真北さんですか」と、日本語で話しかけてきた。
「はい、どうもはじめまして」
「こちらこそ」互いに挨拶を交わす。
「あの、お名前は」真北は訊く。
「私の名はペーギー・ステーラ・ジャンバリン、そして隣にいるワイフがペニーだよ」
「どうも」
真北はペーギーと握手を交わす。
そして真北はペーギーとその夫人に家まで案内される。
20分後、ペーギー宅に到着。
「おじゃまします。」
すると中から子供が
「ママー!変な人がいるー!」
子供は突然喚きだした。するとペニーは言葉を返す
「変な人じゃないのよ、お客さんよ」
「お客さん?」
「日本から来た、島田という人よ」
「シマダ?」
「彼はとっても強いの」
「強い?」
すると真北は
「hello」と子供に話しかける
するとその子供は返事をし、自己紹介をした。
「Hello.My name is Korin.」
「コリンって名前ですか」
「ああ、彼女こそが我が家の末っ子のコリンだよ」ペーギーも説明する。
「へぇ、末っ子ってことはまだ子供がいるんですか」
「ああ、さらに上に2人いるけど両方独立しちゃった」
「へぇ」
「ところで何しに来たの?」コリンは訊く
「ホームステイですよ」真北は答える。
「今日から一週間、この家で暮らすことになったんだ」
一応、真北が訪れた名目はホームステイということになっているが、ボゴダビッチは近々、このモナーオカにブラックアイヌ団が攻めてくることを予期している。もしかしたら真北がいる間にブラックアイヌ団が出てくるかも知れない。
「ところで、ブラックアイヌ団ってご存じですか」真北はペーギーに訊く
「ブラックアイヌ団・・・・さあ、知らないよ」
「実はこのモナーオカ近辺に潜伏している武装グループで、近々モナーオカで暴れるらしいんです」
「うそっ!?それって本当か!?」
「はい、あなたを紹介してくださったサハリンの人から聞きました。」
「ええええええ・・・・これは大変じゃ・・・・」
「お願いです。力を貸してください。」
「でも・・・・私たちにはちょっと難しいのでは・・・・」
「モナーオカが血に染まってからでは遅いんです!お願いです!ひょっとしたらこの国の警察や軍隊ではまともに立ち向かえないのかも知れないのです!」
「あーあ、何とかこの町内に事情を説明するよ。」
実はペーギーは町内会の会長であり、近所の人からの信頼があついらしい。
「ところで、ブラックアイヌ団は何人ほどいるのかな」ペーギーは訊く
「多くて8000人ほどです」
「えっ!?こんなにいるの!?」
「はい、モナーオカの近辺の住宅街で一般市民に化けています。」
「うーん、これは難しい」
アイススクウェア(GMT+11)時間2300
一家は眠りに入り、真北だけが部屋で窓から外の様子を眺めていた。すると車の列が見えていた。あれがブラックアイヌ団なのかもしれない。
翌朝、アイススクウェア時間0800
ペーギーはいつものように出勤し、コリンは幼稚園に行き、家にはペニーだけが残っていた。
するとその時だった。テレビでは大変なニュースが流れていた。なんとアイススクウェアの首都アイスシオンで銃乱射事件が発生していたのである。
「なんだって」
「アイスシオンの街がひどいことになってるわ」
「待て、こいつらひょっとしてブラックアイヌ団では」
「そうかもしれないわね」
「ああ、とうとう恐れていることが現実に来てしまう」
アイスシオンでの銃乱射事件で、アイススクウェア全土にブラックアイヌ団の魔の手は伸びるのか
続く
最終更新:2008年12月13日 22:06