真北の大冒険 > 第20話 少年レスラー・ジュンキーコング

京阪津電気鉄道に入社し、休みの日に母校である西大津中学を訪問しに行った島田真北。
すると正門入ってすぐ、2人の女子生徒が話しをしていた。どうやらさっきの『ジュンキーコング』についての話だ。
「ねぇ、ジュンキーコングって知ってる?」
「はぁ、成田君かっこいいよね」
「実にかっこいいよ」
どうやらジュンキーコングは成田という男子生徒のようだ。
一体何者なのだ、すると玄関から一人の教員の姿が
「島田や!」
「あっ、水原先生」
「久しぶりやな」
彼は真北が2年の時の担任だった水原先生。
「ところで、今日は何しに来た」
「遅くなりましたが、アイススクウェアからの凱旋記念に」
「知ってるぞ、そのことは」
「ねぇ、この人誰?って・・・」
するとジュンキーコングについて話していた先ほどの女子生徒が現れた
「あっ!あの駅員さんや!」
女子生徒は真北を見て驚く。
「どうも、」
「どうも、初めまして」
「へぇ、ひょっとしてあなたOBですか」と、女子生徒は真北に訊く。
「はい」
水原は女子生徒に真北を紹介する。
「へぇ、そうなんですか」
「いやぁ、それしてもすばらしいお方ですね」
「いいえ、まあ確かに」
「ところで、野球部は今日活動なし?」
「はい、今日はたまたまないのです」
「それは残念。後輩達の勇士が見たかったのだが」
「申し遅れましたが、私は相本由香と申します」
「へぇ、今学年いくつ?」
「1年生です」
「部活は」
「科学部です」
「ほほう、可愛いのに理科系とは」
「みんなからもそう言われるのよ」
と、しばらく話を続けているうちに
「ところで、ジュンキーコングって知ってる?」真北は訊く。
「はい、純ちゃんのこと?」
「純?誰それ?」
「成田純、自称ながら西大津中最強の男よ」
「へぇー、大胆なやつやな」
「ところで、今度、守山ネズミ王国でバトルロイヤルの大会があるってご存じですか」
「守山ネズミ王国、そんなもんあったっけ?」
守山ネズミ王国、前世でいうびわこわんわん王国の位置にあたるテーマパーク。そこには浦安の某遊園地に匹敵する人気を誇るネズミのキャラクターがいる。
「純ちゃんはそれに出たがってるらしいけど、出場資格が十八歳以上だから・・・」
「はぁ、これは困ったな。よし、代わりに出てやる」
「えっ」
「心配はいらないよ、そこのネズミのキャラクターってなんて言ったっけ?」
「確か・・・・チュチュ・・・なんとか」
「あ、思い出した!チュチュネズミや!」
「そうそう、チュチュネズミ」
ちなみにこの守山ネズミ王国から琵琶湖の向こう側に堅田ネコ王国というテーマパークもあり、そこにはまたパーニャンというキャラクターがいて、たびたびチュチュネズミと定期的に格闘技で対戦していたが、平盛13年に潰れた。
「懐かしかったよ。よく小学校低学年のころ、堅田までチュチュネズミとパーニャンの試合見に行ったさ」
「へぇ」

それからして、日暮れ時。真北と相本が歩いて皇子山の駅へと向かっているときだった。湖西線のガード下には二人の少年がにらみ合ってるのが見えた。

続く
最終更新:2008年12月18日 17:48
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