黒焔が幻想入りするようです > 一話 幻想入り→洋館侵入→手配度6→手配度∞

<D-BR杯会場>
喧騒や歓声が飛び交う表彰台の一番上に黒焔がいた
「いや~黒焔さん、D-BR杯連覇回数歴代3位した感想はどうでしょうか?」
司会者が花束を渡した後に言った質問に対して黒焔は答えた
「努力と訓練が身を結んだ結果だ
無論これからも他の歴代の記録を抜き去りたいと思っている」
「とても強気な発言でしたね
さぁ、最後に偉大な結果をつくった黒焔氏に大きな拍手を!」
司会者がまわりの観客達に拍手をけしかけたが観客が拍手せずに逆にざわめきが大きくなっていった
おかしいと感じた司会者が後ろを振り向いたがそこに黒焔がいなかった
「…何か穴が見えなかったか?」
周りがざわめく中、観客の一人である黒椿が呟いた
「…あぁ、確かに見えた、しかも何か目が見えたな」
黒焔と黒椿の父である灰色椿がビールを飲みながら答えた
「アレって…親父がずっと前に話した話にあった紫とかいう人物が作ったスキマとかににていたよな…」
「いや…何かが違うような気がするんだが…何しろその頃の記憶が飛んでいてよくわからないだよな」
背後に大量にある酒瓶のひとつを手に取りそのまま一気飲みながら灰色椿が答えた
「…まぁ、兄貴なら生きて帰って来るだろうな」
「まぁあいつなら死んでも生き返ってきたから、まぁ、大丈夫だろうな
…さて、口直しにバーで飲んで来るからお前、後ろの酒瓶処分しとけ」
「…父親なんだから少しは心配しろ」
山になっている空き瓶を袋に入れながら黒椿が呟いた
<上空>
「ん?あ~何だ、俺落ちてんのか」
落ちている最中黒焔はかなり落ち着いた様子で独り言を言った
「この高さだと、死なないけど…やっぱり痛いだろうなぁ…って、やっぱり痛い!」
地面に思いっきり叩きつけられた黒焔は何事もなかったかのようにゆっくり立ち上がった
(ってぇ~、ん?ここは?)
周りを見渡すと広い庭と門、複数の噴水があった
更に奥の方をみると庭よりもっと大きい洋館が建っていた
(ここはヨーロッパなのか?)
庭の周りをぐるぐる回っていたが特に気になるものは無かった
(雲行きが怪しくなったな…)
そう思っているとすぐに大量の雨が降ってきた
(うわっ、いきなり降ってきやがった!)
黒焔は周りに雨よけになるものを探したが何も見つからなかった
(しかたねぇ…あそこの洋館で雨宿りするか)
黒焔は洋館のほうに向かって走り出した

<洋館>
「すみません、誰かいませんか?」
玄関でノックをしながら叫んでみたが何も返事が無いのでそのまま入ることにした
(しかしこれって不法侵入じゃ…
ま、いいか誰か住人がいても謝ればいいんだし)
そんな感じでゆっくりと進んでいたときさっき開けたドアが開いた
「ふぅ~、いきなり大雨がきて服がびしょびしょ…って、ああ!」
この洋館にはあまり雰囲気的に似合わない少女が黒焔に指を指した
「あ、すみません雨宿りを…」
黒焔が言い終わる前に顔面に蹴りが飛んできた
「…あっぶね!なにをするんだ!」
「どこから侵入したか知りませんが咲…お嬢様の寝込みを襲うとは…許しません!」
「…はぁ?いや、違うって俺は単なる雨宿りに…ってまたかよ!」
黒焔が説明する暇もなくまた蹴りが飛んできた
「この紅 美鈴、寝込みを襲うこの不届き者を退治して、紅魔館を守ります!」
そういうと美鈴は空気のようなものを包み込むような動作をした
(これは…なにかやばそうだ!)
本能で危険を感知した黒焔は屋敷の奥に逃げ込む
「あっ、ちょ、まだ弾幕射つ準備が…あっ!」
どうやら暴発したらしくあちこちに弾丸のようなものが飛んでいき洋館を破壊していく
(こいつ、言ってることとやってることが無茶苦茶だっ!)
黒焔は必死で逃げるが美鈴もすぐに追いかけてきてすぐに黒焔の横に並んだ
「さぁ、おとなしくお縄につきなさ…ぎゃん!」
美鈴が黒焔を捕まえようとしたとき何故か異様に出っ張っていた壁に激突しひっくり返った
(なんつーご都合…いや幸運なのだろうか!)
このまま逃げ切れると思ったそのとき前に寝巻きの少女が現れた
(ん?なんだこの少女は?というより起きているならノックしたとき返事しろよ)
そう思いながら彼女の目の前を通り過ぎようとしたとき少女の周りに七色の結晶が浮かんできた
「…私の読書の邪魔をするな!」
「うぉっ!」
黒焔はいきなり飛んできた火の玉をアクション映画の1シーンのように壁を使った三角飛びで回避した
(今度は火の玉かよっ!)
慌てて今来た道(後ろで美鈴が燃えていた)を戻ろうとしたが急に地面が競り上がってきて行く手を阻んだ
「ああっ!もうどうなってやがる!」
黒焔は別な道を全速力で走った

<洋館のある部屋>
「あれ、美鈴?なんで黒焦げなの?」
「……」
「まぁいいわ、あなた人を探すの手伝ってくれない?」
「ふぁい…」
「…よし、なんとか巻いたか」
二人の足音が遠ざかるのを確認した黒焔は今入った部屋を確認しはじめた
「何処か外から出られるとこは…ないか」
周りには窓があるが小さすぎてでることが出来なかった
「仕方ねぇ…追いかけて来られるのを覚悟して入口に…なんだこれ?」
黒焔が目にしたものは床にベッタリと引っ付いた取っ手だった
(こいつ…引っ張れるな)
思いっきり引っ張って見ると階段が表れた
(しめた、非常用の出口につながっているかもしれないな)
黒焔はゆっくりと階段を降りていった
(…どうやら当たりのようだったな)
黒焔の目の前にあった赤色の扉を思いっきり開けた
「やった!外に出れた…ってあれ?」
赤い扉を開けた先は外ではなくたくさんのテディベアや人形等が置かれていた子供部屋のような部屋だった
地下なので窓はなく弱く光るランプが一つしかないのでかなり暗い
(なんだ…ハズレか)
そう思って元来た道を戻ろうとしたそのとき誰かに引っ張られた
「…おにーちゃん、だれなの?」
振り返ってみると小学校低学年の背丈をした少女が黒焔のズボンの裾を引っ張っていた
(しまった、住人がいたのか…)
「ねぇ、おにーちゃん誰なの?」
(このまま要るわけにはいかないが下手に騒がれると気づかれるか…嘘でもいって誤魔化すか)
黒焔は少女と同じ目線になるように膝立ちになった
「…お兄ちゃんはここの人達と友達なんだ」
「え、友達なの?」
「そう、友達なんだ」
黒焔はにっこりと笑った
「じゃ、フランと友達ってこと?」
「あぁ、そうだよ」
「じゃ、遊ぼうよ!」
フランが無邪気に笑いながら喋りかけた
(…正直面倒くさいが下手に拒否して泣かれたら面倒だ、少しだけ遊んで適当に誤魔化して退散するか)
そう思いながら黒焔は答えた
「いいよ、どうやって遊ぶ?」
「じゃあ、××を××して×××す遊びをやろう~」
黒焔は一瞬フランが何を言ったのか理解出来なかった無邪気な笑いと対象的などす黒い単語が出てきたからだ
「じゃあ、おにーちゃん××や××が×××ないように…」
黒焔は全速力で階段をかけあがった
(こいつから逃げないと…殺される!)
全速力で走ったがフランは笑いながら追いかけてきた
「ドウシタノ?チャントアソボウヨ、アソボウヨ、アソボウヨ…」
一気に寒気が走る
(…出口だっ!)
前に入ってきた扉が見えてきた
黒焔は全速力で扉に向かって走った…が
「…がはっ!」
黒焔はその場で崩れ落ちた
フランが先回りして鳩尾に蹴りを入れたからだ
「××ヲシテアソボウヨ…」
更に蹴りが入る
今度は脳天に入った
黒焔の記憶はそこで途切れた
最終更新:2010年06月17日 21:18
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