<洋館>
黒焔が目を冷ましたのは月が見える夜になってからだった
「…いてて、ん?ここは何処だ?」
周りを見渡すとそこにはさっき襲ってきた中華風の女性(所々服が焦げている)が椅子に持たれかかって眠っていた
「やべっ、逃げないと」
急いでベッドから降りようとする
「その必要はないわ」
声がした方を振り向くとそこにはメイド服(イギリスとかの由緒正しいメイド服ではなく秋葉原とかにありそうなメイド服を動きやすいようにいじっているような感じだった)を着た女性が立っていた
「誰だ?あんた?」
「まぁ、とりあえず怪我は治っているようね」
黒焔の質問を無視し脳天や腹の辺りを見ながら女性は言った
「おい、質問に答え…」
「とりあえず私に着いてきてくれない?話はそれから」
メイド服の女性はさっさと移動していく
「…とりあえず行くしかないか
下手に動いてアレになるよりましだな」
黒焔は記憶が飛ぶ前のことを思い出し寒気がした
「早く着いてきて」
メイド服の女性が急かす
黒焔は慌てて着いていった
<洋館の最深部>
「あら、ここにあの子以外が侵入してくるなんて久しぶりね
しかも男なんてもう何十年かしら」
メイド服の女性が黒焔を連れていった所には座っている大きな椅子に反比例した小さな女の子がいた
しかし態度を見たらどうやらここの洋館の主人らしい
「さて…私の屋敷に無断で入った罪は重いわよ?」
黒焔は自分を蹴ったあの女の子とは別な寒気を感じた
あの女の子が純粋な恐怖(例えばジェイソンやゾンビとか)だとしたらこの女の子(洋館の主?)は圧倒的な威圧感(例えるならラオウやCCO)という感じだ
「いや…俺は単なる雨宿りで入っていただけで中華風の女がいきなり襲ってきたんだって」
「そんなの嘘じゃないという証拠があるのかしら?
というより貴方どうやってここに入ったのかしら?
空を飛んできたら美鈴が気づいているはずだし」
洋館の主がにやにやしながら聞いてきた
ここで下手な嘘をつけば命はないだろう
黒焔は正直に答えた
「いや…何か穴が表れて俺はそこから落ちてきてきたんだ…ってそんなこといっても分かる訳ないか…ってあれ?」
洋館の主がいかにもなにかを知っていそうな顔をした
「…あなたここが幻想郷って言う事を知っている?」
初耳だ。見たことも聞いたこともない
黒焔は首を横に降った
「ということは、貴方、幻想入りしたということになるわね」
<洋館の最深部>
「幻想入り…?
それってどういうことだ?」
洋館の主が答える
「それは…ほら、アレがアレになるのよ」
「お嬢様、答えになっていません」
隣にいたメイド服の女性がツッコミをいれた
どうやら洋館の主はカリスマ性が高いが語学力が 弱いようだ
「それは私が教えるわ」
扉が開いた方を見るとそこに黒焔に向かって火を放った少女がいた
「あら、
パチュリー。珍しく図書館からでてきたのね」
洋館の主がニヤリと笑いながら少女に話しかけてきた
「小悪魔から侵入者がここにいるってきいたのよ。それより…」
少女が黒焔のほうへ向く
「とりあえずあなたに幻想入りについて簡単に話すわ」
少女が黒焔に向かって幻想入りについて教えた
「…ということは、俺は偶然幻想郷と俺がいた世界をつなぐ落とし穴に落ちたわけか」
話を聞き終わった黒焔が言った
洋館の主は隣のメイドと何か話をしていた
「…さて、あなた行くところも無いみたいだし一晩泊めさせてもいいわよ」
辺りが夜なのでありがたい話だった
「あぁ、喜んで…」
「ただし」
黒焔の言葉を遮り洋館の主が喋る
「美鈴と戦って勝ったらの話だけど」
「…もし負けたら?」
「私と妹に配られる料理に一品増える…血のワインがね」
<庭>
「いい?美鈴?スペルカードや弾幕は使っちゃダメよ
素手でちゃんと倒すか、殺しなさいよ」
メイドが中華に話しかけた
「任せて下さい。咲夜さんの言うことは絶対守りますから」
中華が何かの構えをしながら答えた
(こりゃ、下手しなくても死ぬな…
平気で殺しなさいよとかいってるし…
というかまだやるとか言って(ry)
洋館の主は二階のベランダで椅子に座りながら見ている
「さて、さっそくですが倒さしてもらいますよ!」
中華女がいきなり間合いを積めて素早い連激を黒焔に決めていく
「うおっ!」
黒焔はなすすべもなくぶっ飛んで壁に激突した
「あら、あっけなさすぎたわね」
洋館の主ががっかりしたような口調で喋る
「やったー!勝ったー!
咲夜さん、何かごほうび下さい!」
中華女がメイド女に向かって話しかけた
「なんでたかが人間を一人倒した位でごほうびをあげないといけないのよ」
「おまけにまだ倒してもいないしな」
黒焔がけろりとした顔で言った
「え~咲夜さんのケチ…ってえっ!なんで?全部当たったのに?」
中華女が口をぱくぱくしながら言う
「あぁ、俺こう見ても強いからね
これぐらいじゃやられないのよね」
黒焔はニコニコ笑いながら中華女に話す
「…それならやられるまで連激を決めれば良いだけです!」
また素早く近づき黒焔に正拳を放った
「…同じような手はもうつうじないって」
黒焔は中華女の放った方の片腕を掴んだ
「…まだです!」
中華女が黒焔に足払いをした
が逆に蹴った中華女の足が跳ね返された
「…ああっ!」
相当痛いらしく中華女は脛を押さえた
黒焔は掴んでいた中華女の手を話した
「…なんならメイド女がいってた『スペルカード』や『弾幕』とか使ってもいいぞ」
黒焔が余裕の表情を見せた
ベランダでは洋館の主とメイド女がなにか話をしていた
「…美鈴、使いなさい」
メイド女が中華女に言った
「分かりました…はっ!」
片手から様々な方向から何か弾丸のようなものが黒焔に襲いかかってくる
「これが弾幕っていうものなのか…案外余裕にかわせるな」
黒焔が体を微妙に動かして弾幕をかわしている
「余裕を見せるのはこれまでです!
華符『芳華絢爛』!」
今度はさっきまでの弾幕とは違いおびただしい数の弾丸四方八方から飛んでくる
「これはちょっときつ…」
黒焔の声が途切れ黒焔の姿が見えなく成る程弾丸が襲いかかった
「あら、今度こそ彼、死んだわね」
洋館の主が言った
「今のは絶対にくらったはずです」
中華女がそう確信した
が
「…後少しで直撃するところだったな」
美鈴だけではなくて洋館の主やメイド女もおどろいていた
「美鈴…もういいわ、あなたじゃあコイツは倒せないわ」
洋館の主が言った
「仮にも泊まる相手に対してコイツは無いでしょう」
「…本当は暇潰しにボコボコにやられる所を想像してたんだけどね
まさか美鈴を圧倒するとは思わなかったわ」
(コイツ、結構腹黒だな…)
「また、さっきの部屋にきて
泊まる所を教えるから」
黒焔は部屋に戻っていった
<洋館の最深部>
「さて、泊まる所を教える前にいくつか聞きたいことがあるんだけど」
洋館の主が黒焔に問いかける
「あなたは人間?妖怪?美鈴を余裕で上回る身体能力の癖になぜか妖怪特有の気がないのよね」
黒焔が答える
「いや、単なる普通の人間ですが」
「へぇ、それじゃあなにか能力があるのかしら?
例えば空を飛んだり、魔法を使ったり」
「いや、特に何もないんだが」
「ふぅん、じゃあ美鈴みたいに弾幕やスペルカードみたいなのは…」
「刀があれば遠距離でも攻撃できるけどあれみたいに弾幕とかは無理だな」
「へぇ…」
洋館の主はしばらく考えるような仕草をしていた
数分後
「あなた、ここで執事する気ない?」
黒焔は目を点にした
「まぁ、簡単にいえば居候っていうことなんだけどね」
「なぜ、居候させようと考えた?」
黒焔が聞いた
「まぁ、単なる紅魔館に人を増やしたいだけよ
さすがに紅魔館全体を咲夜だけじゃあ厳しいしね」
「お嬢様、私のことは心配しなくても大丈夫です」
メイド女が洋館の主にはなす
「あら、私はいつも私の為に働いている咲夜にごほうびとしてあげようとおもったのに
…それとも私のキスのほうがいいのかしら?」
「…!?」
メイド女が鼻血を吹き出した
「と、まぁ冗談はさておきあなた、居候する気はある」
黒焔は少し考え事をした
(ここ以外のところがここみたいに泊めて(結果的に居候になりかけているが)もらえるわけねぇだろうしな
下手すりゃあいつらより強いやつと戦闘になるかもしれんな…)
黒焔は決断した
「…居候させてもらおう」
黒焔は洋館の主(後ろで鼻血だしながらメイド女が倒れていた)に言った
洋館の主は微笑しながら言った
「ふふふ…紅魔館にようこそ私はここの洋館の主
レミリア・スカーレッド
あなたの名前は?」
「俺は黒焔だ」
「黒焔、他の人の紹介は後にしてやってほしい仕事があるんだけど」
「なんだ?」
「…今度からは私には敬語をつかいなさい
その仕事は…」
<後日、紅魔館>
「あーそーぼー!」
「ちょっ、妹様、弾幕は勘弁してください!」
庭でレミリアの妹が黒焔に向かって弾幕をはなっている
「…考えましたね、お嬢様」
メイド女が紅茶をテーブルに置く
「ええ、そうでしょう
いくら力が強くてもずっと閉じ込めるにはいかないけど、あなたや美鈴と遊んだら殺られるしね
その点黒焔なら妹の攻撃があたってもほぼ聞かなかったらしいしあれなら遊ばせても大丈夫でしょう」
「流石ですお嬢様…」
「あっー!」
黒焔がつまづいた
「あーそーぼー!」
レミリアの妹が弾幕が放った
「うぎゃー!」
黒焔の悲鳴が空に響き渡る
続く
最終更新:2010年06月30日 00:44