北海道の青年剣士団が滋賀を訪れ、大津駅で真北と遭遇。
すると真北と彼らを乗せたマイクロバスはついに宿舎へと着いた。どうやら皇子が丘の上に立つ民宿のようだ。
「近くに稽古場があるので、そこを選びました」と、指導者の男は言う。
「ところで、あなたのお名前は」真北は指導者の男に訊く
「私の名は天知駿一、北海道青年剣士団の団長であります」と、その指導者の男は答える。
すると竹取以外の他の4人も自己紹介をする。まず一人目の名は翁悠八、竹取に次ぐ腕前の持ち主である。その隣の名は安西三太郎、さらにその隣は高岡良平、そして五人目は芝原義之である。
「よし、稽古場に案内してやろう」と、天知は真北に言う。
真北と青年剣士団一行が宿舎で荷物を整理して稽古場へと向かう。その稽古場は普通の体育館である。
「ここが練習場所です」
「結構立派なところを借りたじゃないですか」
「そうだ、島田さん」と、竹取は声をかける。
「何ですか」
「よかったら僕と手合わせしませんか」
「手合わせとは、なかなかの度胸だな」
そして真北と竹取は竹刀をそれぞれ一本取り、道着を着用し、態勢を整えた。ちなみに真北は天知の道着を借りたが、自分の体型にいまひとつ合わず、窮屈だった。
「よし、一本勝負や!始め!」天知はこう告げると、二人は動き始めた。
最初はほぼ互角で、しばしばつばぜり合いとなった。しかし竹取は真北の動きを見きっていた。
そして5分後
「とーーーーうっ!!!!」
バァーンッ!
竹取は真北の胴にヒットさせた。竹取の勝ちである。
手合わせを終えて、道着を脱ぐ真北と竹取。真北は青年剣士団の強さを改めて実感した。
「なかなか強いね」
「いいえ、でもどうなるかわかりませんよ、この後全勝できるかもわかりませんし、もしかしたら全敗の可能性だってあるわけですよ」
翌日、青年剣士団の試合が野洲で行われたが、真北はあいにく仕事の都合上、来れなかった。真北は地方紙で青年剣士団の情報を得た。なんと野洲の成人チームに5−0で青年剣士団の大勝という結果となったのである。
しかし真北は気になることがもう一つあった。そう、デイン帝国の情勢だった。デインが隣国ガロインに宣戦布告するのも時間の問題という緊迫した状況である。
さらにその翌日、真北はいつものように錦織に行くと
「おはよう、どうやら先ほどデイン軍がガロインに侵攻を開始した模様だ」と、一人の助役が声をかけた。
「えっ、本当ですか」真北はかなり驚きの様子。
「とうとう始まってしまった、ガロインが勝てるか不安だ」
「確かに、デインは強すぎます。デインの圧倒的な軍事力の前にガロインが太刀打ちできるかが不安です。」
そして今日の業務を終えて夕方、再び錦織に戻ってきた真北。
「おい島田、見ろ、デインがガロインとの国境アムール川で大苦戦の様子だ」と、一人の同僚が話しかける。
「よし、がんばれガロイン、デインなんかいっそのことボッコボコにするんだ」
三日後、デイン軍は撤退。これを期に、しばらくデインは軍事行動を休んだ。
そして時はながれ平盛17年の10月、デイン軍は再び目覚めた。デイン軍は韓国を侵攻し、5日で陥落させた。
さて、その次に狙われるのはどの国なのか。
続く
最終更新:2008年12月26日 11:30