「この夏も例年に漏れず蒸し暑いな」
「確かに、こうも暑いと自然と動きたく無くなるよなー。」
「………それエアコンがガンガン効いてる部屋で涼しげに過ごしてる私達が言うってのはどうなの?」
バトロイpediaのロビー、所謂キャラなりきり雑談所の一画であるそこのソファーで寛ぐ松崎来幾と焼き鳥屋・妹紅、そして二人の発言に軽くツッコミを入れる江藤小百合。
「………所で何で俺達はここで無駄な時間を過ごしてるん?」
「「暇だから」」
「ですよねー。」
そう、今回三人は特にやる事が無いのだ。新キャラ起用や第7回WBRの影響で選手登板の予定も暫し見込め無いし、最近のバトロイ全体の状況からして何か大きな事に巻き込まれる可能性も無い
つまりつまり、三人は思いっきり暇を持て余していたのだった。
「暇ならどっか出掛ければ良いじゃないか。」
「……今日最高気温は何度か知ってる?」
「54℃」
「そんな沖縄もビックリの炎天下の中どっかに出掛けるワケ無いだろ。」
そう、今日のバトロイpedia地帯はなんとあのかの有名な(?)サハラ砂漠並の気温なのである。
「おへへーへへーへー」
「出たなゴキブリ。」
「んまっ!Gと一緒にするとはシツレイなっ!」
「同じようなもんだろ。」
ゴキブリの如く現れたのは桃哉チームのマスコットのような雑魚モンスター、ラライム。
この炎天下の中外出しようものなら干物ラライムなる奇妙なモノが出来そうな気がしないでも無い。
「むっ!あそこに居るのわん!!」
「ん?」
ラライムの目線の先には左側のソファーの方に座り、バニラアイスを食べている健兎の姿が!
「我が息子の妻の叔父の姉の孫の父の祖父の曾祖母の(大幅な中略)いとこの義妹の弟のスーパーラライムを殺した健兎!!
「ふえ?」
ただならぬというか、みょんな殺気を放つラライムに気付いた健兎がこちらに振り向いた、…口の周りにバニラが付いて白い髭のカールおじさんのようになってるのはつっこまない事にした。
「うおんっのれー!!今こそこのお怨み晴らさいでかーーーッ!!」
「やめんかい」
来幾がラライムの頭の触覚のようなものを鷲掴みにした事で、ラライムの仇討ちはものの数秒で阻止された
「あハァン……そこはらめぇぇ…でございますん……って痛い痛い痛いッ!!握らないでおくんなまし!!」
「ほらほらそんなことしないの」
「ちぇっ」
江藤に咎められ、ラライムを離す来幾、おちょくるような態度がトサカに来たらしい。
「えーと、どしたの?」
「いやなんでも無い、コレとコレが漫才やってただけだからな。」
「誰がコイツなんかと!」
「コンビ名は『熊襲逃人』ですんであべしッ!」
「ふざけんな!」
妹紅に漫才扱いされ、ラライムにコンビ名を勝手に付けられ益々不機嫌になる来幾、と、そこへ
「何やってんだい、オマエら」
「げっ!74!」
最近銀髪猫74へと活動名をシフトしているなっしー・銀髪・NASIDASHが通りかかった、一番の悩みの種の登場に来幾は天を怨んだ
「なにこの世の終わりを見たかのような顔になってんだ、失礼な。」
「普段の行動から察してくれ……」
また胃が痛くなりそうだと頭を抱える来幾
「あぢ〜〜〜ッ!!」
と、外から108が入ってきた
「おお、この超炎天下の中外出して見事帰還した猛者がいたぞ!」
「祝いだ!祝いの用意をせい!!シナモンたっぷりのドーナッツをどっさり出せィ!!」
「よーし!ぱちぱちぱちぱちー。」
「アホか」
騒ぎだす妹紅とラライムと健兎に三文字で冷たいツッコミを入れる74
「ったく、ちょっとここまでくると異常だぜ。なんだってこんな暑苦しいんだ!?」
「ん?そりゃオメー、あれに決まってるだろ」
「え?」
「なんだって?」
「んン?」
銀髪猫74の原因を知ってるような発言に、全員が振り向く
「アンタ、この大炎天下の原因が何か知ってるのか?」
「知ってるもなにも原因があそこに居るだろうよ。」
「え?」と全員銀髪猫74が指を差した方に顔を向ける、ガラス張りの壁の向こうに見えたのは…
「「もっと熱くなれよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」
「あれ?あっつあっつ……」
大炎天下の中、踊り狂う松岡修造とアチチルノとそれを見守るチルノが居た。
「「あれが原因かーーーっ!!」」
「なるほど、確かに熱くなるワケだありゃ、ガラス越しでもわかるな。」
「良く溶けないわねこのガラス」
「ああ、それを懸念して夏に入る三ヶ月前にガラスを超耐熱性にすり替えて置いたのSA!!」
「なるほどねィ、だからこう頬擦りしても冷たいのねん、はァ〜気持ちい♪(すりすり」
「うひゃー、ちべたい!(すりすり」
「コラ!間違った使い方すな!」
どうやら松岡修造とアチチルノがヒートアップしているのが原因でバトロイpedia地帯が熱くなっている事が判明、しかしそれを知った所で結局どうしようも無いので、ただ騒がしくなっただけだった。
「あれ?」
江藤が何かに気付いた。
「どうした?」
「あそこに何か落ちてない?」
江藤が指差した方向、松岡修造達の横で何かが干からびて居た
「ホントだ、何か落ちてるぞ?」
「んん…?干からびたカエ………ル………?」
「「……………………」」
とたんに目を凝らして見ていた来幾と妹紅から声が失せる
「「ケ…ケロロォォォォォォォォォォォォォォォッ!!?」」
「ハァァァァッ!?」
「なんですって!?」
「嘘ォォォォォォォォォ!?」
「ホワァァァァァァァイ!?」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
来幾と妹紅がその正体の名を叫び、そこに居合わせていた各人が驚きの声を挙げる。
「やべぇ!さっさとあそこから離さないと!」
「ちょっ!おま待て!」
しかし銀髪猫74の静止虚しく来幾は外へ飛び出していった、銀髪猫74はもう全てを悟り\(^o^)/の態勢を取っていた。
「おい!大丈夫か!?」
来幾が干からびたケロロに駆け寄る、とそこで…
「あん?」
ガラス越しに見えるロビーの面々がなにかこちらを見て悲哀愁漂う微妙な表情をしていた。
「(あーあ…早まっちまったなジャパニーズ)」
「え…?」
「(…合掌)」
「(お手てのしわとしわを併せ、ナァームゥー)」
「(なむあみだぶつ…なむあみだぶつ…)」
「へ…?」
「(終わったな…)」
「(そんなこと言わないの…)」
「もっと熱くなれよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「ぎゃあああああああああ!!」
案の定、至近距離で修造達の熱気に曝され、来幾もまたケロロと同じ道を辿るのであった。
懲りずに二回目もやってしもた
後悔はしていない
そして相変わらずキャラの魅力を引き出しきれていなかった…。
by 銀髪猫74
最終更新:2010年08月03日 17:26