黒焔が幻想入りするようです > 七話 魔理沙の恋物語

<肥後のカルテ>
黒焔(本名?)
症状:仕事に影響が出る程度の精神疲労
処置:3日の休暇。完治。

紅美鈴
症状:刺し傷、裂傷、切り傷、その他
処置:自然治癒。半日で完治。

十六夜咲夜
症状:重度のペドフェリア
処置:治癒不可能と判断。カウンセリングを予定→本人が拒否。

パチュリー
症状:喘息によく似た症状
処置:薬の効き目は無し。幻想郷特有の病気と判断→病原菌の研究

フランドール
症状:一般常識、教養の欠落
処置:観察。黒焔、十六夜が処置中なため。

<紅魔館>
美鈴との会話と肥後の治療(というよりは仕事を休んだだけだが)によって黒焔は少しずつ元の精神状態に戻っていった。
黒焔の精神状態が戻ったことを一番喜んでいたのはフランドールだった。
「また、あそんでくれる?」
背後の気配に気を付けつつ(同時にナイフが飛んで来ないことを祈りつつ)黒焔はうなずいた。

<一月後:紅魔館>
すっかり元に戻った黒焔は黙々と自分の仕事をこなしていった。
既にここへ来て半年と経っており、十六夜指導の奉仕も余裕でこなせるようになった。今では一人で1日中紅魔館の雑用をまかされても余裕ですることができる。(最も寝る時間が2時間に激減してしまのでよほどのことがない限りやらないが)
仕事のひとつである庭掃除が終わったとき。魔理沙が遊びにやってきた。
「よぉ、黒焔。体大丈夫か?」
いつの間に文々。新聞にも載っていたらしい。
「…体じゃなくて、精神的なほうな。
大丈夫だ。もうよくなった。
所で何の用事だ?
今は美鈴いがいは皆熟睡しているはずだが」
黒焔が来る前は能力で無理矢理睡眠時間を作り24時間働いていた咲夜は黒焔がきたことで能力を使わず(本人曰く『能力使うとつかれる』とか)に寝ることが出来るようになった。
「参ったな…。パチュリーに新しい魔法の研究を手伝ってほしかったんだけど…」
「なんならパチュリー様が起きるまで俺の部屋でゆっくりしていくか?」
魔理沙が急に慌てはじめた。
「いや、いいよ!別にそんなに対した魔法じゃないし」
何をそんなに慌てているのかと思いながら黒焔はひとつハッタリをかます。
「もしかして、魔法って霖之介に対して…」
黒焔は言うのを止めた。
魔理沙の顔の色で図星とわかったからだ。
「…マジで?」
魔理沙がうなずく。
面白くなってきたので更に聞いてみた。
「いつから好きになった?」
「なんか…最近香霖堂に来るたびに胸が張り裂けそうに…。
…何いってんだ私。」
魔理沙は沸騰寸前のような顔色になっていた。
黒焔が微笑みながらいう
「で、両思いにさせるための魔法を作ろうとしたのか。…それとも霖之介を(※伏せ字)にさせる魔法でも…って魔理沙大丈夫か?」
話の途中でぶったおれた魔理沙。
黒焔はいそいで自室のベッドに運んだ。
後日、文々。新聞に『黒焔、魔理沙を口説き落とした』と書かれたのは言うまでもない。

<黒焔の部屋>
仕事を終わらして自室に戻ってきたときちょうど魔理沙が目を覚ました。
「目が覚めたか?」
「あぁ、何かさっきの記憶が飛んでいったきがするんだぜ…」
「俺に霖之介が好きだとかいったことは覚えているか?」
「…(うなずく)」
「大丈夫だ。飛んでいってないから安心しろ」
空はすでに茜色に染まっていた。
黒焔が聞く。
「で、魔法とか使うのはいいけど霖之介は魔理沙のことをどう思っているんだ?」
「いや、よくわからないんだ。
いつも私が来るといつも笑顔で出迎えてくれるんだけど…」
俺が来たときはそんな笑顔を見せなかったなと黒焔は思った。
「最初は嬉しかったんだけど毎回同じような笑顔だから霧雨家だから遠慮しているのかなぁ…とおもっちゃって」
「…告白は?」
魔理沙が首をふる。
「…せめて、告白してから魔法を使えよ」
「だって恥ずかしいし…」
「じゃあ、何かプレゼントをして霖之介を喜ばせてから告白を」
「香霖がプレゼントして喜ぶようなものがわからないんだぜ…」
黒焔はため息をついた。
「まず魔法や薬に頼らずに告白してから始めてみないか?」
「無理無理!冗談にとられるのがオチなんだぜ!」
「…。
とりあえず、冗談にとられない様にすることを考えてみたらどうだ?」
「…どうやって?」
黒焔は急いで過去の数少ない彼女との生活(累計三ヶ月)のことを思い出していた。
あるシーンが脳裏に浮かんだ。
「…良い考えがあるんだが」
「どんな考えなんだぜ?」
黒焔は魔理沙に耳打ちをした。

<魔理沙の家>
「いや、久しぶりだな。魔理沙の家にいくのは」
ある日の昼、黒焔と魔理沙は霖之介を会食に誘った。
「本当に、こんなことで大丈夫なのか?」
魔理沙が小声で尋ねてくる。
「大丈夫だ。とりあえず話をすれば相手も気づくはずだ。」
魔理沙が若干不安を覚えた。こんなことで気づいてくれるのか?

「えーと、そろそろ料理が出てもいいんじゃないかな?」
「あぁ、ごめん香霖。今持ってくるぜ。」
魔理沙が持ってきたのはキノコが入ったパスタだった。
「なかなかおいしそうだね」
霖之介が一口食べた。
「うん、美味いよ魔理沙」
「本当か?嬉しいんだぜ」
魔理沙が照れた表情をみせた。
この後、食べながら様々な話(黒焔の愚痴、霖之介のうんちく等)をした。
そして帰る時間になった。
「じゃあ、また。魔理沙、料理美味しかったよ。」
「あ、あのさ。香霖」
「なんだい?魔理沙」
「また、料理つくるから食べにきてくれないか?」
霖之介は少し考える素振りを見せて、言った
「うん、また言ってくれれば、来るよ」
霖之介と別れたあと魔理沙はずっとにやにやしている。
そうとうまた来ることに喜んでいる様子だ。
「魔理沙、何か進展があればいってくれよな。
俺は毎回これるわけじゃないからな」
今回は仕事を上手く終わらせられたから来ることができたので毎回来ることは難しいだろう。
「うへへ…わかったぜ」
にやけた顔で返事する。このまま天に旅立ちそうな勢いだ。
いや、すでに一周してきたの戻ってきたかも知れない。

<紅魔館>
魔理沙が再度やって来たのは約2週間後だった。
「来たということはなにか進展でもあったのか?」
「ああ、それでな…
香霖とデートすることになったんだぜ!」
「へぇ~予想外に早いな。
で、デート場所は?」
「ここにいくんだぜ」
魔理沙は黒焔に一枚のパンフを見せた。
パンフまとめ↓
『カップル限定!お化け屋敷!』
場所:紅魔館
協賛:文々。新聞
賞品:黒焔にある私物をとって戻ってくれば豪華賞品をプレゼント!
「いろいろとツッコミ所があるな…」
「あははh(ry」
魔理沙は笑ってごまかした。
明らかにあのブンヤが関わって要ることは一目瞭然だ。
それならまだましだが「黒焔の部屋にある私物を取って戻ったら景品プレゼント」とでかでかと載せるのはどうだろう。本人の相談無しに。
「黒焔、お嬢様が貴方を呼んでいるわ」
突然咲夜が黒焔の目の前に現れた。
「あぁ、わかった。」
話の展開的に確実にお化け屋敷についての話だろう。
黒焔は魔理沙と別れてレミリアの元に向かった。

<紅魔館>
黒焔の予想どうりお化け屋敷についての話だった。
話の内容はもっぱら文々。新聞から送ってきた機材(エアー装置、こんにゃく、剣山、鉄球…少なくとも一般人が来ることを想定していないようだ)の取付の仕方や自分の役割についてだった。
話しているときのレミリアの目はいつもより(約二倍/当社比)輝いていた。やはりお化け屋敷という聞いたことのないワードに興味津々なのか。いくら紅魔館の主であろうがいくらかの童心はまだ残っているようだ。

<役割分担>
十六夜咲夜:案内人
紅美鈴:装飾→メルヘンチックにしたので死体役に変更
黒焔:装置起動係
フラン:青鬼役
パチュリー:装飾
肥後:特殊メイク

<装置起動室>
「さて、次は魔理沙と霖之介さんだったな」

今までの挑戦していったカップル(まだ2~3組しか入ってないが)は青鬼役のフランのせいか知らないがまだ誰も黒焔の部屋にたどり着いていない。
「さぁ、魔理沙は片思いの霖之介と一緒にゴール出来るのかしらねぇ」
いつのまにか入ってきたレミリアが一人呟いた。
「お嬢様、いつの間に。というより何故魔理沙の片思いを知っているんですか?」
「あんな大きな声をだして話していたら誰だって気づくわ」
「…だから暇つぶしもかねてこんなことを考えたのですか?」
「えぇ、そうよ。何か不満でも?」
「いや、全くございません」
そんな話をしていると隠しカメラから魔理沙と霖之介の話声が聞こえた。
「ははは…本当はこういうのは苦手なんだけどね」
「大丈夫、もし何か来たら私の魔法で消し去ってやるぜ!」
「たのもしいね。期待してるよ」
黒焔はできればマスタースパークなんぞ放たないでくれと願いながらまずひとつめの仕掛けのボタンを押した。

<紅魔館~お化け屋敷終了~>
「おい!魔理沙!大丈夫か!」
予想外なことが起きた。魔理沙に仕掛け(空気が吹き出るアレ)を作動したらいきなり魔理沙が卒倒した。
紅魔館メンバーは急いで魔理沙を外に連れ出した。無論お化け屋敷なんぞは即中止になった。
黒焔は息を荒げながらいった
「しかし、驚いたな。簡単な仕掛けであんなふうになるなんて」

「魔理沙は恐らく私に良いところを見せようとしてやせ我慢してたんでしょう。
多分『これが終わったら私告白するんだ』とか思いながら」
「…気づいてたんですか?」
「産まれた時から彼女の近くにいましたからね。
じゃあ私は魔理沙をおぶさりながら帰ることにします」
魔理沙が告白したのか、また、告白の結果はどうなったのか。
それは魔理沙の笑顔をみれば一目瞭然だった。

<文々。新聞>
~お化け屋敷終了後~
文「いや~まさか魔理沙と霖之介がくっついていたことがアレのおかげで完全に分かりましたね。
これは一番目立つようにかきましょうか。」
犬「文さん…後ろ」
文「ん?後ろ?(後ろを見る)」
魔理沙・香霖「……。」
文「…あやややや」
魔理沙「協賛が文々。だから心配になって来てみれば…」
香霖「やはりこれを記事にしようとしましたね」
文「な、なんだ?
記事か?記事か欲しいのか?
記事なら沢山あるぞ!」
犬「文さんそれ完全な死亡フラグですって…」
魔・香「…F.M.S.G(ファイナルマスタースパーク・グレート)!」
文「ア゛ヤ゛ァァァァァァ!」
ピチューン

続く
最終更新:2010年08月14日 22:48
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