<黒板>
紅魔館のどこかにある黒板に何か書かれている。
『今回は書き方をちょっと変えてみました(byjix)』
その文章はやがて溶けるように消え去り何も書かれていない普通の黒板にになった。
<フランの日記>
○月◇日
きょうはさくやがへんなおようふくを
わたしにきさせました。
さくやは『すくみずこそさいだいのもえだわ』といってました。
すくみずってなんだろう?
○月□日
くろほむらにすくみずをみせたらくろほむらのかおがかたまりました。
くろほむらは『さくやがきせるふくはきないほうがいいですよ』といって、くろほむらがあたらしいおようふくをかってくれました。
とてもきにいりました。
○月△日
さくやにくろほむらがかってくれたおようふくをみせたらいきなりたおれてしまいました。
かおをみたら、はなぢをだしていました。
ちがでやすいのかな?
<紅魔館~黒焔~>
相変わらず変わらない日々を過ごしていた。
最初はどうやって現実に戻ろうかと考えていたが流石に半年以上も経つとあきらめも見えてきた。
かといってまだ帰ることは諦めていないがなんせ人里などを巡り情報収集をする時間がほとんどないのだ。
しかも今日は咲夜が鼻血出して倒れたというもんだから普段は交替でやっていた家事、その他もろもろを一人でやらなくてはならない。正直紅魔館の外に一歩もでる暇さえない。
確か今日は
レミリアの友人らしき人物が来るので俺は庭の枝切りを終わらし、紅魔館の清掃に向かった。本当に猫の手が借りたいよ、まったく。
<厨房~黒焔~>
なんとかレミリアの友人が来る前に清掃を終わらして厨房で料理をつくることにした。
友人に出すため?いいえ、俺の夕食のためです。
とりあえず咲夜も目覚めたので休めるかと思ったらまた仕事が増えた。
レミリアの友人が俺にあいたいといってきたらしい。
こんな執事を指名して友人はここをキャバクラかなにか勘違いしているのか?
そんなことを考えつつ俺はその友人へと向かう。
<広場~黒焔~>
レミリアの友人は紫のドレスとレミリアが被っているのと似たような帽子を被っていた。パー子が紫ドレスの隣にいたら妙な親近感がわいているだろう。
年格好は俺より上みたいだ。
「こんにちは黒焔さん。」
紫ドレスが話しかけてきた。適当な相槌を返す。
「しかし、間違って黒焔をここに呼ぶなんて、間抜けなことをするものね」
レミリアが紫ドレスに話しかけた。
…ん?俺をここに呼んだってどういうことだ?
「仕方ないじゃない、狙った人物を幻想入りさせるのは目隠しして気配だけで探すようなものよ。」
俺は紫ドレスに問いかけた。
「私をここに呼んだことはどういうことでしょうか?」
レミリアがいるので乱暴な言葉使いは使えない。
紫ドレスが答える。
「あぁ、それはね…」
話が長くなるので割合させてもらう。こっちも一万字以内に納めないといけないのだ勘弁してくれ。
簡単にいうと
1、数十年前にレミリアが元々いた欧州版幻想郷が人間によって滅んだ(レミリアもその時にこっちにきたらしい)
2、その後、欧州にひっそりと暮らしていたある妖怪が人間がここを発見したことを紫ドレスに報告(欧州の妖怪が紫ドレスの脳内に直接届けたらしい。欧州スゲェ)
3、結界があって入れないのでスパイを侵入させ、内部から結界を破ることにしたらしい
4、が、今現在幻想郷入りしたやつが多いためスパイをみつけだすことが困難(なぜ大量に幻想入りしたかというのは今の僕には理解できないので省略。少なくとも紫ドレスが幻想入りさせた以上に幻想入りしたやつが多いらしい)
5、なのである程度力がある人物(レミリア、
パチュリー、竹林に住む医者、強欲の巫女(但し金に限る)、ガンキャノンなど)に2の情報を教えて危険をつたえた(何名か信じなかったらしい)
6、後何故か『手軽に強いやつを呼んでみよう』と思った紫ドレスが過去に幻想入りした人物で無茶苦茶強かったやつを何名か(強制的に)招集(人里と山奥に何名かいるらしい)
7、で、俺の親父を招集(言っておくが俺は一度も親父が幻想入りしたとは聞いていない)したが間違って俺を幻想入りしてしまった。
8、おまけに見失う。
9、偶然ここによって俺の存在を知る。
10、現在にいたる
…うん、とりあえずここの世界が危機に達していることは分かった。
けど、一つだけ言いたい。
「な ぜ 間 違 え た し」
「仕方ないのよ、さっき言ったけど気配だけで探しているんだから」
「…私と私の父を間違えたと。で、戻すことは?」
「無理ね、下手に境界弄ると結界が著しく弱まるのよ。
そこから結界を破る秘訣を見つけたスパイが逃げたしてみなさい。大変なことになるの。
だから暫くは幻想入りしたり抜け出したりすることはできないのよ」
ショックをうけた俺は最後の頼みの綱を言った。
「スパイは…まだ捕まらないんですか?」
紫ドレスが首を横にふる。
「見つかってすらいないわね」
俺はその場に崩れ落ちた。
<自分の部屋~黒焔~>
ベットの外に出る気がない。
逆に動いたら負けかなと思っている。
暫くボーッとしているとドアが開いた。
そこににいたのはフランドールだった。
「くろほむら、かえっちゃうの?」
「…妹様、帰れないんですよ」
フランドールはにぱっと笑った。そんなに帰れないことが面白いのだろうか。
「よかった、フラン、くろほむらがかえっちゃうかもしれないからしんぱいしたんだ。
…とつぜんいなくなったらフランないちゃうかもしれないしね」
「大丈夫ですよ、私はまだまだここにいますから」
フランドールの頭を撫でてみた。フランドールは凄く喜んでいるみたいだ。
…どうやらスパイが捕まっても帰ることができなさそうだ。
<黒焔の部屋の扉~十六夜咲夜~>
なんで?なんで?なんで?
なんでフランドール様は黒焔なんかになついているんですか?私のほうがフランドール様を心から思っているのに!!
あぁ、相変わらずフランドール様の笑顔は素敵です!
…はっ!まずい、非常にまずい!
このままだとこの笑顔は黒焔だけにむかってしまうではないか!
なんとかして、黒焔をフランドール様から離さなければ!
とりあえず毒殺?無理だ、こいつは気配だけで毒を察知してしまう。
いっそのこと決闘?これは良い判断だ!勝ってそのまま埋めればフランドール様に近づくことはない!
完璧だ!これでかつる!
まっときなさいよ!黒焔!
フランドール様は私のものだぁぁぁぁぁぁぁ!
「咲夜さん、黒焔さんの扉の前でなにを…ひぃやぁぁぁぁ!」
美鈴を紅魔館内部から追い出した咲夜は武器の手入れに向かった。
<つづく>
最終更新:2010年08月17日 13:40