この物語はとある言葉から始まる。
誰もが聞いたことのあり、
誰もが子供のころやったことのあるであろう遊びの開始の言葉である。
『だーるまさんがこーろんだ!』
不意に目が覚める、枕やシーツは汗で湿っている。
「・・・またあの夢か・・・」
まだ朝日の差し込まない真っ暗な部屋のベッドの上で俺は呟く。
ふと携帯に目をやると時刻は4時44分44秒。
「なんて不吉な・・・なにかの前兆かな?」
あながち間違いではないのだが、冗談交じりで呟いたこのときの俺には知る術はなかった。
「にしても、ここんとこよく見るこの夢・・・なんなんだろうな・・・ストレスとか関係してんのかな・・・」
大学生になってから週二のペースで見る夢に対して誰にでもなく、自分に問いかけるようにポツリと呟く。
夢の内容をまだ寝ぼけて働かない頭で必死に思い出す。えーと、
おそらく年代は昭和、辺りに広がる田畑、
ところどころに田植えをしている老人らしき人がいて、畦道を走り回る子供たちも見える。
後ろを見るとくたびれた神社がある。
神社といっても朽ちかけた鳥居があるだけだが・・・
そこで一瞬何かが目の前を横切るようにして何時間か何日かはわからないが時間が変わる。
というものの、場所は変わらず俺はくたびれた神社にいるのだが、
そこには何人かの子供たちがいる、人数は10いるかいないかくらい。
子供たちははしゃいで何かを喋っているが何を言ってるかは遠いせいか、夢の中だからか聞こえない。
だが、何をしているかはわかる、『だるまさんがころんだ』。
ジャンケンをして鬼になった子が朽ちかけた鳥居に寄りかかり皆に背を向ける。
「だーるまさんがー」
鬼の子が大きな声で言い始めるとみんなが一斉に動き出す。
「こーろんだ!」
鬼の子が振り返る、と同時に皆はピタッと地蔵のように動かない。
しかし、一番後ろにいた女の子が止まったときの姿勢が悪かったのか動いてしまった。
「まこちゃん動いた!」
鬼の子がそのまこちゃんという女の子を指指しうれしそうに言う。
すると女の子は照れくさそうに頬を赤く染め、やっちゃったとでも言わんばかりにベロをちらりと見せる。
その時だ・・・その女の子は・・・消えてしまう。まるで霧が風に吹かれて消え去るように。
けれども皆は女の子が消えてもそのまま遊びを続ける。最初からまこちゃんという女の子などいなかったかのように。
その後も遊びは続き、真ん中辺りにいた男の子が動いて消える。今度は先頭の男の子が後ろの子に押され消える。
そうやって動いた子は消えていく、最後に残るのはいつも鬼の男の子。
どこか寂しそうな表情はなにか懐かしさを感じさせた。
そして鬼役だった男の子は寂しそうに、いや辛そうに鳥居をくぐり、苔の生えた階段を上っていく。
そこで夢が覚める。この夢を見た後は決まって気分が優れない。
それにこういう夢って不吉な出来事の前兆な気がしてならない。
そんなときは二度寝が一番そう思い俺はもう一度寝ることにする。
一章終わり。
さて、皆様どうでしたでしょうか、初作品ですのでまだまだ至らない部分が多くあると思いますが
そこは所詮中学生の作品だと鼻で笑うなり、まぁ、こんなもんだろうと軽く馬鹿にしてもらってもかまいませんので、
これからもご愛読してくださることを願っています。 from,ゆゆちゃん
最終更新:2011年07月29日 17:30