バトルROワイアル@Wiki内検索 / 「あの世だよ全員集合2」で検索した結果

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  • あの世だよ全員集合2
    あの世だよ全員集合2 ?「バトルROワイアル恒例……あの世だよ全員集合2の時間です」(棒読み) ?「こ、殺されちゃった負け犬さんも、惜しくも死んだ英雄さんもっ! 血まみれの殺人鬼さんまで皆和気藹々と語りましょう」(自棄気味) ?「司会進行は……影が薄いままヘルファイアで貫かれて焼かれて殺された私……♀セージ(以下サゲ子)と」(棒読み) ?「どうやら前世がらみがありそうだったのに殺人者側になった最初のヘルファイアの持ち主の♀剣士(以下剣士子)がお送りいたしまーすっ♪」(自棄)  ++++++  ちなみにこの場所はあの世といわれる場所らしい。  ユグドラシル根源に広がるフヴェルゲルミルの泉を源とするエリヴァーガル川を挟んであの世とこの世がつながる場所だ。 サゲ子「……というか。何なんだ。この台本は」  思わず、持っている台本を地面に叩きつける♀...
  • 第二回番外編
    ...、他 不明 あの世だよ全員集合2 死んだ人いっぱい たぶんあの世 せめて夢の中では ♀WIZ、♂アサシン、♀ノービス、♂アコライト、ジルタス この世~あの世 two little devils デビルチ、バフォメットJr(BRO1) ヘラの野(あの世?) 学園ラグナロク 第四話 ミストレス先生、他 不明 再会 ♂Wiz あの世 礎と希望 バフォjr、悪ケミ 不明 外伝 カプラW グラリス、その他 不明 最終回? ♂騎士、GM橘、GM森、GM1(仮)、GM2(仮)、GMジョーカー GMの拠点 No Title ♂クルセイダー あの世 死亡遊戯 ♂クルセイダー、グラリス、その他 あの世 抗う者共 不明 不明 タイトル? 登場人物 場所 タ...
  • 意見感想
    (更新履歴のコメントフォームと処理が混同されていたので、設置しなおしました)ついに本スレも8冊目ですね。埋め話題も読んでいて面白いものが多かったり、各PTの戦力分析等本編以外にも楽しめるレスが多いのですがお話投下じゃない普通の話題の書き込みだし、その辺までサルベージしてくるのはやりすぎでしょうか…? -- (名無しさん) やりすぎるとまとめサイトとして機能しなくなるので、普通の話題のサルベージは避けた方がいいに一票。 -- (名無しさん) そろそろあの世だよ全員集合2が読みたいっす -- (名無しさん)
  • 番外編! あの世だよ! 全員集合っ!
    番外編! あの世だよ! 全員集合っ! ♂ハンターは一人呟く。 「……俺にもっと注意力があれば……俺も力になれたのに……」 一次職にも関わらず精一杯自分の役割を果たそうとする♂アーチャーを見て、自らの不甲斐なさを恥じる♂ハンター。 そこに三人が総つっこみ。 「おーまえにそんな事言う資格は無いっ! 俺なんか悪党扱いでいきなり爆死だぞ!」 「おーれなんて、あぶら自爆死だぜべいべー!」 「僕なんてそこらのザコMOB扱いだったよ!(いってやった、いってやった)」 自らのセリフに絶望したのか、泣きながら跪く♂商人、♂セージ、禿ちゃん。 「あ~、君達は頑張ったよ、うん。良くやったさ」 何故かフォロー役の♂ハンター。 そんな彼の肩を叩く♀マジが叩く。 「あの~、あちらで『♀商人被害者友の会』が結成されてますので、あちらに行かれてはいかがですか?」 ♀マジが指さす先で、♀シ...
  • another2-01
    AnotherStory あの世だよ全員集合1 ?:「お待たせしましたっ!バトルROワイヤル恒例、あの世だよ全員集合の時間がやってまいりました!」 ?:「真っ先に殺された負け犬も、惜しくも死んだ英雄も血まみれの殺人鬼まで皆和気藹々と参りましょう」 ?:「司会進行は―――」 ?:「刺殺されたテーリングと」 ?:「撲殺されたソリンでお送りします~☆」 ソリン:「さて、これから最初の被害者の下にインタビューしに参ろうと思うのですが…ノビきゅんらしきものは見当たりません」 テーリング:「いえ、ソリン。隣にいらっしゃいます」 ソリン:「ぇええええええ!?このもじゃもじゃの塊がノビきゅんの成れの果て!?」 テーリング:「どう見てもパンチパーマです。どうもありがとうございました」 ♂ノビ:「ちょっと!ちょっと!それで終わり!?終わりなのッ!?」 ソリン:「続いて...
  • 番外編! あの世だよ! 全員集合っ!前編
    番外編! あの世だよ! 全員集合っ! ♂ハンターは一人呟く。 「……俺にもっと注意力があれば……俺も力になれたのに……」 一次職にも関わらず精一杯自分の役割を果たそうとする♂アーチャーを見て、自らの不甲斐なさを恥じる♂ハンター。 そこに三人が総つっこみ。 「おーまえにそんな事言う資格は無いっ! 俺なんか悪党扱いでいきなり爆死だぞ!」 「おーれなんて、あぶら自爆死だぜべいべー!」 「僕なんてそこらのザコMOB扱いだったよ!(いってやった、いってやった)」 自らのセリフに絶望したのか、泣きながら跪く♂商人、♂セージ、禿ちゃん。 「あ~、君達は頑張ったよ、うん。良くやったさ」 何故かフォロー役の♂ハンター。 そんな彼の肩を叩く♀マジが叩く。 「あの~、あちらで『♀商人被害者友の会』が結成されてますので、あちらに行かれてはいかがですか?」 ♀マジが指さす先で、♀シ...
  • 番外編
    目次(番外編) 001~100  101~200  201~A・Bルート完結  番外編 ♂シーフと♀アコのその後 ♂シーフ、♀アコライト 殴り愛宇宙 ♀騎士、深淵の騎士、♂アルケミスト、♂アコライト いただきますの後 ♀プリースト、♀商人、♀シーフ、ときらぐ主人公、♀モンク 死者達のあとさき ♀剣士、♀プリースト 死してもなお残る物 ♀剣士、♂ノービス 愛するココロ 悪魔プリ、♀BSS 温もりの笑顔と冷たい笑顔Another side smile and tears ♀WIZ、♀セージ、♀アルケミスト、♂アーチャー 愛のままに我儘に ♂マジシャン、♂剣士 GO!GO!クルセ子さん! ♂ローグ、♀クルセイダー、♀アーチャー、子バフォ、アラームたん 生きよう、折れた剣を杖にして ♂ケミ あの人たちは今...
  • 番外編! あの世だよ! 全員集合っ!後編
    バドスケは少し疲れたので、砂浜で一休み。 その間にもアラームと♀アサシンは楽しそうに川ではしゃいでいる。 「あははー! バドスケさーん! 川のお水冷たいよー!」 「えへへー、ほーらアラームー!」 ばしゃーっと水をかける♀アサシン。 「きゃっ。もーお返しですー!」 ばしゃばしゃーっと水をかけ返すアラーム。 二人は心底楽しそうであった。 そんな二人を微笑ましい表情で見守るバドスケ、そしてその隣に、色んな事に絶望しきった♂プリーストが居た。 「……何をどうしたら俺がこんな目に遭うハメになるんだ?」 「なんだ♂プリ。何か嫌な事でもあったのか?」 全然応えてないバドスケに、♂プリは魂の底から叫んだ。 「お前なー! 砂浜で『あははーまてまてー』なんて大技かましちまった挙げ句! 水のかけっことかもー自殺もんのイベント突破しちまったんだぞ! どーやって生きていきゃいいんだ俺はこの先...
  • another2-21
    死亡遊戯 「…死して尚、貴方と顔を合わせる事になるとは。…なんとも皮肉な運命ですわね」 最初に口を開いたのはグラリスだった。 野暮ったい眼鏡に隠された視線の先には、鋼の様な筋肉の鎧に身を固めた無骨な神の信徒の姿がある。 「…そうだな。俺も、お前も、神に相当嫌われているらしい」 ♂クルセイダーは思いの外穏やかな口調で返す。 軽く笑みを浮かべ応えるグラリスの外観からは百戦錬磨の凄みなど微塵も感じられない。 「…貴方との決着もうやむやになってしまいましたわね。まぁ腕を切り飛ばされた時点で、私の負けでしょうけどね」 「どうかな…。言い訳するつもりも慰めるつもりでも無いが、お互い手負いだった。万全の体勢ならどう転ぶか判らなかったろうさ」 軽く肩をすくめる♂クルセイダー。グラリスは「そうならいいのですけどね…」と苦笑混じりに呟く。 ゆっくりと、視線を合わせる。 傷も...
  • 第二回目次2
    第二回バトルROワイアル 目次(100~200) 001~100  101~200  201~300  NG話  番外編 タイトル 登場人物 現在位置 時間 101.覚悟と決意 ♂アサシン、♀ノービス 小さな木の下(F-6) 時間 102.QueenBee 淫徒プリ、♀アルケミスト、♂BS G-6草原地帯 夜間/定期放送後 103.間者 GMジョーカー、GM橘、GM森、♂騎士 不明 明け方 104.Lunatic ♀WIZ E-3 深夜~日の出前 105.梟 ♀ハンター、♀スパノビ D-6 深夜~明方未明 106.種族を超えた絆 ふぁる フェイヨン上空 夕方 107.二人は研究派 ♂マジシャン、♀マジシャン 現在位置 時間 108.砕けない拳 ♀...
  • 2-190
    190.あの世だよ全員集合リターンズ  ──ここは、一体どこなのだろう?  解らなかった。手のひらを目の前に翳し見ても、それが自分のものだと理解出来る。  その癖、周囲は真っ黒だ。それらと、それから目を覚ましていた時の最後の記憶を総合して。  ♀Wizは今、己は夢めいたものを恐らく見ているのだろうと理解した。  あの時、私は。♂クルセイダーを殺す為に一人で走った。  悪夢を終わらせる為に、償う為に一人で走らなければならなかった。  少なくとも、そう思い込んでいたらしかった。  ──自嘲したい様な気分だった。  勝手に意気込んで、一人背負い込んで。それでこの様だ。  誰がそうしろと彼女に言ったろう。致命的な周囲に対する注意散漫。  解りやすく言い換えれば、その償いはただの自己満足だ。  何をすべきかも、どうやるべきだったかも見失っていた。 ...
  • あの人たちは今?
    あの人たちは今? ♀商人「こんにちはー! ♀商人ちゃんでーっす!」 ♀ハンタ「ひさしぶりっ! みんなの夜のお供♀ハンターよ!」 ♀商人「という訳で、今回はマーダーサイドのあの世シリーズいっちゃいまーすっ」 ♀ハンタ「……というか、殺した人多すぎて私あっちの集団入りにくいだけなんだけどね」 ♀商人「私もですぅ。ほら、あっちからシフ子が睨んでるぅ~。ああっ、モンク子さんも一緒になって山崎ハコの呪い歌ってるしー」 ♀ハンタ「私は向こう行くと逆毛が髪の毛でつんつん刺してくるから、近づけないのよ……」 ♀商人「さて、物語は終盤にさしかかって、残るマーダーも二人のみとなりましたっ!」 ♀ハンタ「♀ローグと♂BSね~。こいつらもまー良く生き残る事。上から見てるとどっちもまるで殺せる気しないんだけど」 ♀商人「♂BSさんなんて落とし穴一発であっさり逝きそうじゃないです...
  • 229B
    229-B.その詩の名前は さて、最後に少しだけあの日の続きを語るとしよう。 眩い光に包まれたオレの目に次に飛び込んできたのは全ての元凶であった白い服。 だけど、彼女ではない。 オレを、いや、オレたちを狂気のゲームに巻き込んだ彼女は、あの世界で死んだのだから。 ───残忍さを、狂気を 「語り継ぎなさい、か」 思わず零れ出た言葉、けれど言葉は耳を撫でることなく消える。 自分が声を発しているのかどうかすら分からない。 あらためて気付かされた現実にオレは視線を僅かに落とす。 「──────」 突如オレを抱きしめる誰か。 目の前に居た白い服の男ではない誰か。 知らない顔の誰かが泣きながらオレを抱きしめて、何かを伝えようとしている。 けれどオレの世界には音が、無い。 全くの無音、まるでまだ夢の中にいるような。 ...
  • 168
    168.GMとは… 「彼女もね……」 「え?」 「彼女も一介の冒険者だったころはあんなんじゃなかったんですよ。 ええ、今でも覚えています、本当にあの世界が好きな子でした」 ゆっくり穏やかにそして悲しげにその元GMは言う 「え?貴方は昔の彼女を?」 「もちろんです、彼女に限らずあちらで会った人達のことは今でも覚えていますよ。 彼女はたしか……そうそう、よくアルデバランに居ました、時計塔の鐘の音が好きだ。と」 まるで昨日の出来事の様に話す様に♀GMは頭を金槌で殴られたようなショックを受けた 自分は職務をただこなすだけであの世界の住人のことなど欠片ほどにも覚えていなかったのだ それに引き換え目の前に居る男性はGMを退いた今でも…… 「彼女も何かに狂わされたのでしょうかね、彼女自身が狂わせたあの模造...
  • 226.epilogue
    226.epilogue ♀GMが閉ざされていた扉を力づくでこじあける。 それを止めようと、後ろからその手を掴むヒャックを振り切って室内に入る。 その部屋には、一つの宝玉が安置されていた。 ♀GMは一度躊躇した後、その宝玉を起動させた。 原作 ラグナロクオンライン 『ふざけないでよっ!! いきなり…殺し合いなんて…』 『ぐっ・・がぼっ』 『やっぱ俺って馬鹿だわ・・・』 『な・・・なんで・・・』 『えっ…?』 『もう……ダメ。もう何も……知らないっ……っわーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』 監督 名無しさん(*´Д`)ハァハァ 宝玉から聞こえてくる、それら一つの音も漏らすまいと聞き入る♀GM。 しかし、そこから聞こえてくるのは悲鳴、苦悶、そして怨嗟の声ばかり。 震えながら、それでも耳を背けようとはしない。 そう...
  • 226
    226.epilogue ♀GMが閉ざされていた扉を力づくでこじあける。 それを止めようと、後ろからその手を掴むヒャックを振り切って室内に入る。 その部屋には、一つの宝玉が安置されていた。 ♀GMは一度躊躇した後、その宝玉を起動させた。 原作 ラグナロクオンライン 『ふざけないでよっ!! いきなり…殺し合いなんて…』 『ぐっ・・がぼっ』 『やっぱ俺って馬鹿だわ・・・』 『な・・・なんで・・・』 『えっ…?』 『もう……ダメ。もう何も……知らないっ……っわーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』 監督 名無しさん(*´Д`)ハァハァ 宝玉から聞こえてくる、それら一つの音も漏らすまいと聞き入る♀GM。 しかし、そこから聞こえてくるのは悲鳴、苦悶、そして怨嗟の声ばかり。 震えながら、それでも耳を背けようとはしない。 そう...
  • 212
    212.反撃 ♂GMはヴァルキリーレルム内部にある自身の執務室にて、最後の調整を行っていた。 今回の資料の整理、そして次回改善すべき点と新たに追加する新要素に関する調査資料。 秋菜は毎回何か違った要素を要求してくる。それに応えるのも♂GMの役目だ。 この殺し合いは未だ完成した娯楽とは言い切れない幾多の問題点を抱えている。 外部への公開に踏み切るには、まだまだ改善すべき問題点が多いのだ。 そもそもの趣旨から考えるに、公開する相手も選ばなければならないが、それでも公開がなし得るのなら、他に類を見ないエキサイティングなエンターテイメントとして熱狂的に受け入れられるだろう。 そうして外部の協力を得られれば、組織内部における反対派も完全に封じ込める事が出来る。 それは秋菜の希望でもあり、そして秋菜自身の発言権の向上にも繋がる。 毎回毎回、各部署反対派GMとの調整に追わ...
  • 160
    160.虎穴に入らずんば 「やはり、我々の行動範囲を着実に狭めてきているな」 間の抜けた音楽と共に放送が終わった後、♀セージが言った。 「これだけ範囲が狭くなると、他の奴らと出くわさないってのは難しいよなあ」 地図の禁止区域に×印をつけながら、♂アーチャーが応える。 「逃げ回ってないでさっさと殺しあえってことかしら?」 苦々しさをあらわにした口調で、♀ウィズ。 「それがあの女の狙いだろう。どうやら我々が協力し合っているのもお気に召さないらしい」 略式ながら死者のために祈りを捧げていた♀クルセが会話に加わる。 そんな会話をしつつ、筆談が行われていた。会話が筒抜けの可能性がある以上、重要なことは口に出すわけには行かない。 『まだゲフェンまでの道は塞がれていないな』 『でも一本道ってのが気にいらないわね』 『そうだな。次の放送次第では逃げ道が塞がれてしまうかも知れ...
  • 178
    178.The last moment 冷静に考えれば突入することからしてバカなことだったと思う でも、死が確定した今この瞬間でも後悔はしていない 地下室との高低差は結構大きい。この高さなら多分即死 そういえば頭の上に乗せてたはずのたれ猫が無いけど、多分どこかに落としたんだろう アレがあったならまだ即死は免れたかもしれないんだけど ……いや、あんな小さなぬいぐるみじゃクッションにもならない、かな どっちにしろこの火の勢いじゃ落下で助かっても焼き殺される じわじわ焼き殺されないだけまだマシだ、きっと 落ちていく中見えたアイツの顔は、今にも泣き出しそう 私は私の意志でやったんだ、アンタが罪悪感を感じる必要は無いよ 後追い自殺なんかして、せっかく助けてやった命を無駄にしたら、あの世でメテオ撃ってやる ...
  • 2-272
    272. 悪いやつら (3日目午前) おーおー、おうおー、おおー 地の底に響く亡者のうめきのような。 枯れ木の枝をすり抜ける冷たい風のような。 遠く 深く 悲しげな声。 世界は暗い赤に燃え。 大地を踏み締める感覚はない。 悪夢か。 それともこれは地獄で。 自分は死んだのか。 おおおー、うおー 亡者の声が新たな仲間を迎える暗い喜びの声と化し。 お前も死んだと呼びかける。 賭けに負けて死んだのだと。 ――? 何かが心に差し込んだ。 賭け。 そうだ。 命を張った賭けをした。 記憶が少しだけ戻る。 途端に脇腹が、ずくん、とうずいた。 痛み。 痛みがある。 夢でもあの世でもない。 生きている。 つまり、賭けに勝ったのだろうか? わからない。 確かめなくては。いま、すぐ。 * 「...
  • 217
    217.時計塔の鐘 黒馬にまたがり一路北へと疾走するバドスケ。 彼は思った。 「めっちゃこえーーーーーーーーーーー!!」 速度増加の加わった黒馬、それも深淵の騎士子の乗馬である。 その身に宿した魔の力、それを余すところなく存分に振るって一直線に駆け抜ける。 もちろんバドスケもこんな速度感じた事も無い。 真正面以外は景色が早すぎてまともに見えないのだ。 「あ、あの野郎……こういう手で仕返しにくるか普通ーーー!!」 もちろん深淵の騎士子に他意は無い。たまたまそうなっただけなのだが、これはそんな愚痴もこぼれる程の恐怖であった。 あっという間にアルデバラン南まで辿り着く黒馬とバドスケ。 そこまで来ると、流石に速度増加の効果は切れるが、やはりそれでも恐ろしいまでに速い。 ふと、バドスケは疑問に思った事がある。 「こんなに速ぇのに、なんだって深淵が乗るとこ...
  • 218
    218.力対知恵と工夫と下準備 ♂アーチャーはDSを秋菜に放つ。 秋菜は苦しそうな顔をする深淵を横目に見ながら、その矢をよけようとして、すぐに止める。 『鋭いっ!?』 空いた手でその矢を二本とも空中で掴み取る秋菜。 矢の先端は秋菜の眼前、数ミリの所で止まっていた。 すぐさま深淵がベコごと踏み込んで剣を振り下ろすが、それを身のこなしだけで簡単にかわす秋菜。 ふと、頬に何かが伝う感覚を覚えた。 戦闘中なので手で確認する事も出来ない秋菜は、舌でぺろっとなめてみる。 鉄の味がした。どうやらさっきの矢は僅かに止め損ねたらしい。 『苔の一念とは良く言ったものね……』 深淵の騎士子の剣を受け止めながら、秋菜は悩んでいた。 深淵とこうして遊んでいるのも悪くないが、ほっとくと他のGMが危険であるようだ。 それで秋菜がどうこうなるとは思わないが、結局最後は自分で全員斬り...
  • 167
    167.一つの推理 時計の町から程近い一群の砦が立ち並ぶ区画で、子バフォは段ボールの中で首を捻っていた。 「…どういうことだ?」ダンボールから顔を出しながら、呟く。 先ほどまでアルデバランの街中を徘徊していた筈のガーディアンの姿が、全くと言っていいほど無かったから。 ここに安置してある筈のエンペリウムは、この箱庭にとって決定的に重要な意味を持つ物では無いのか?  少なくとも、首輪を解除できる、という意味では決定的にこのゲームを引っくり返す可能性がある。  そうであるなら、市内と比べ、警備が厳しくなる事はあっても、その逆などありえないはず。 何かが、酷くおかしい気がする。 勿論、砦の内部においては、厳しい警備が待ち受けているのやもしれないが。 「これではまるで…」 参加者にエンペリウムを奪い取られても良し、と...
  • 2-110
    110.眠れ、愛しき人よ 【朝方】 森の中に埋もれるようにして建つ小屋。 一度は激情に駆られて逃げ出したその場所に、♂騎士は今一度足を踏み入れた。 「♀プリ……」 床に広がる夕陽のように赤い血。倒れ伏す相棒――愛しい彼女。 中の様子は血が乾いているという違いこそあれ、彼に悪魔が降りた夕暮れのままだった。 転がる彼女の遺品――少女の日記と未開封の青箱。 それを拾い上げ、彼は自分の胸に抱きしめた。 そして、魂なき♀プリーストに視線を戻す。 一人倒れる彼女は、本当に孤独で、寂しそうで―― 「ごめんな、こんなところに一人にして。……寂しかったろ」 ゆっくりと彼女を抱き上げる。 氷のように冷たい体が、彼女の死を♂騎士に改めて認識させた。 「……馬鹿だな、俺」 わかっている。殺したのは他の誰でもない、この自分だ。 木陰に遮られることなく、日の光を...
  • 192
    192.声 ♀セージ一行は、ブリトニアまで何の障害も無く辿り着く事が出来た。 そんな僥倖を指して♂プリ曰く、 「わざわざこんな狭っくるしくなった土地に来ようって馬鹿もいねえだろ」 だそうである。 北側からブリトニアに入った一行だが、いくつかの城門は完全に封鎖されており、侵入は簡単に出来そうも無かったが、橋をいくつか渡った先にあった城門だけは開いていたので、そこから砦へと侵入する事にした。 砦内部の構造には皆疎かったが、そもそもそんなにややこしい構造でも無い上に、妨害も全く無かったので簡単に奥地までたどり着く事が出来た。 通称エンペルームと呼ばれるそこに辿り着いた一行は、台上に燦然と輝くエンペリウムに見惚れ、そして思った。 『こんなデッカイ物どーやって持っていくんだよ!』 モンスターが時々隠し持っているエンペリウムとは比べ物にならない程の大きさだ。 ♂ア...
  • ♂シーフと♀アコのその後
    ♂シーフと♀アコのその後 「ん・・・・ここはどこだ・・・?」 ♂シーフはむっくり体を起こした 俺、死んだんだよな? たしかに死んだはずだ深遠のブランディッシュスピアで・・ 辺りを見回すとそこは花畑だった、澄み切った川が流れている。 「ああ・・・ここは死後の世界ということか、死んだら人生終わりかと思ってたけど  死んでも人間ってその後ってあるものなんだなあ」 なんだか嬉しくなってきた、さっきまで絶望のどん底にいたのだが。 いやあ、死んでみるもんだな、そんなことを思いながら川を渡る前に少し辺りを散策してみた。 すると♀アコライトが倒れていた 「おや、あれはたしか一緒に参加してた子だ、おい、大丈夫?」 「う・・・ん、あれ・・?ここは?」 ♀アコライトは目を覚ました 「よう、お目覚めかい?」 「あ・・あれ?私たしか死んじゃったんじゃ??」 「うん、俺も死んだ...
  • 2-158
     158 涙雨  ──彼は雨の日が嫌いだった。  しとしと鬱陶しく降り注ぐそれは何時だって彼を責め立てるからだ。  それを見ていると、嫌でも過去を思い出す。  普段なら限界までアルコールを詰め込んだ後に後の事なんて考えず、死んだように眠るのが習慣だった。  嫌な記憶はそれで全て薄靄の掛かった向こう側に追いやってしまう。  無性に、その儀式めいた堕落に身を任せたい気分だった。  ──こういう雨の時には、碌な事が無い。  まるで、酒を流し込んだ後の意識みたいな光景だった。  薄靄がかって、陰鬱で。一時の休息を木を雨避けにする事さえも許さない、とでも言いたいのか。  勿論、今や真っ黒くなっている曇天は彼に答えなんて返しはしないのだが。  しとしと。しとしとしと。  それから、誰かを守る、なんて目標に関して彼はとことん天に見放されているらしい。  そも...
  • GO!GO!クルセ子さん!
    GO!GO!クルセ子さん! アルデバランへの道中、♂ローグ一行は小さい子供を連れている事から時々休んでは行軍を繰り返していた。 しかし、道中は♂ローグが思っていたより遙かに賑やかなものであった。 「まったく……てめぇらと来たらえんえんえんえんわけわかんねー話して、よくもまー飽きねぇもんだな」 ♂ローグの苦情に、速攻で♀アーチャーが喰ってかかる。 「わけわかんないって何よー! 大体ローグが世事に疎いだけじゃない!」 「何が世事だ! わけのわかんねぇゴシップ話ばっかじゃねーか!」 しかし反論は多方面から寄せられる。 「♀アーチャー殿の話は人の世に興味のある我には特に興味深い、くだらぬ茶々を入れるでない」 「えー、アーチャーさんのお話おもしろいよ? お兄ちゃんおもしろくない?」 「す、すまん。♂ローグはこういう話嫌いであったか。……で、ゴシップ話とはなんだ?」 仏頂...
  • 186
    186.プロンテラ プロンテラに北側から入った♂ローグ、バドスケ、アラームの三人。 「………?」 突然眉をひそめる♂ローグを見てアラームが訊ねる。 「どうしたのお兄ちゃん?」 「あ、いや……なんでもない。それよりアラームはプロンテラに来た事あるのか?」 そう言って話を逸らす♂ローグ。 一瞬得体の知れない違和感があったのだが、それを説明しきる自信が無かったのだ。 アラームはうきうき顔で答える。 「ううん、だからすんごい楽しみっ♪」 相変わらずのアラームに肩をすくめる♂ローグ。 『もっともあの鬱陶しいぐらいの賑やかさは欠片も無いだろうがな』 ♂ローグの予想通り、プロンテラはひっそりと静まりかえっていた。 街道を埋め尽くす露店も無ければ、カプラサービスに群がる冒険者も居ない。 だが...
  • 2-016
    016.暗殺者の企み ……絶叫か、不用意なモンだな。 クローキングで森を駆けていた♂アサシンの耳に、それは届いた。 まだ結構な距離があるようだがそれが聞こえたのは、暗殺者ゆえに研ぎ澄まされた五感のおかげだ。 索敵を続けていた彼はそれに気付くと、クローク状態のままその絶叫のもとに急ぐ。 恐らくは協力してくれるであろう♀アサシンを見つける為の索敵行動ではあったが、絶叫などの響くような状況であれば誰かしらがそこには居るだろう。 戦闘が起こったと考えて。 あの絶叫は、恐らくは殺した側のもの。 あんな絶叫をあげるようでは殺しに慣れているはずもない。 それでも殺傷するに至れたのなら、何かしらの武器は持っているはずだ。 そして、今の俺には武器が必要だ。 クロークは問題無く持続出来ている、そろそろ現場が視界に入るはず……。 「……ぁ…………ぁ...
  • 223B
    223-B.奇跡 よう、俺だ。♂ローグだ。 俺は今、秋菜の糞にバルムンで腹を刺されて吐血したところだ。 おまけに♀クルセのグランドクロスの光で焼かれて死にかけてる。 だが安心してくれ。致命傷じゃあない。…死ぬほど痛いけどな。 ん? ヒーロー気取りで身代わり? 冗談じゃねぇ。 きちんと計算しての行動だったんだよ。 いかに強い一撃でも予期しない距離では威力が半減する。 加速が乗る前に当たれば必殺にはならないってわけだ。 納得いったかい? …うぐっ そ、そりゃあ…なぁ…♀クルセだからってのはそのなんだ… あー、うっせーうっせー! 正直、考えるより先に身体が動いちまったんだ! これで満足かよ糞が! こほん。まぁそれも信頼があっての行動だ。 きっと深淵の騎士子や♀セージがフォローしてくれると思ってたからな。 だが味方のフォローはこなかった。 それだけじぁねぇ、秋...
  • 2-124
    124 素敵な朝を  朝日に急かされて、私は目を覚ます。  何時もの一日がまた始まる、って心のどこかで信じながら。  けれど。この悪夢はまだ覚めていないらしい。  開いた眼に移るのは、プロンテラの町並みじゃなくて。  私のしたぼく──、子バフォでも無くて。  痩せた、黒い頭巾に半ば包まれた顔。  それから、朝日と海から吹く風に揺れている遠い木々だった。 「やあ、お早う」  と彼が悪ケミに言う。 「ん…おはよ」  寝ぼけた頭で答え、それから自分が見張りの途中で眠ってしまっていた事に悪ケミは気づいた。  さっ、と顔が青くなり、続いて言い訳が幾つも電光石火に閃いて、けれども自分が言い訳がとても下手だと言う事に思い至った。  頭がぐしゃぐしゃして──実際、手入れもせずに一日動き回ったのだ。どのような惨状になっているかなんて考えたくもなかった。 そこの...
  • 2-283
    283.悪意は静かに笑う[三日目午前] 「♀商人さんなら、私達と一緒に・・・」 淫徒プリと悪ケミは同時に振り返る 「・・・見る影もないよ?」「それ、言葉の使い所間違ってる」 「うるさいわね!」 ♀マジのツッコミに、♀アコが叫ぶ 「少し早く歩きすぎたかな・・・」 「一緒に戻ろうと言いましたから、もう少ししたら戻られると思いますが・・・」 不安げに言う悪ケミと淫徒プリ 「・・・来ないね」 「うん、こない」 ♀マジと♀アコが顔を見合わせる 淫徒プリの言葉虚しく、軽く♂プリと全員の自己紹介を済ませたが一向に♀商人が戻る気配はない 「私があの時目を離さなければ・・・」 「そんな事言ったら、私だってそうだよ。今は♀商人と♀ケミを探そ?」 自分を攻める淫徒プリに、悪ケミがフォローを入れる 「そうだよ、♀ケミにも謝らないといけないしね。♀マジなんて本気で魔法撃ってたし...
  • 224
    224.旅の果て 秋菜が余裕をかなぐり捨てた雄叫びを上げる。 「ヒール! ヒール! ヒール! ヒール! …………」 口が動く間に、まだ術を唱えられる間に、彼女はこの世界に来て、初めて必死になった。 そのすぐ下では息絶えた♂ローグが倒れ、その後ろに居る♀クルセは、這いずって♂ローグの元に向かう。 無駄に鍛えなければ良かった。そうすれば、♂ローグと一緒に死ねたのに。 でも、ほんの少しだけ良かったと思う事もある。 見事成功した二人の企みを、見届ける事が出来そうだから。 ♂アーチャーは遂に、その時を得た。 秋菜が動きを止めるその時を、息を殺し、仲間が傷ついていくのに耐えながらじっと待っていたのだ。 「秋菜ーーーーーーーーー!!」 必殺の意志を込め、♂アーチャーはバリスタの矢を放った。 ヒールは効果を発揮し、徐々に焼けただれた皮膚を癒していく。 それと共...
  • NG2-08
    ドアをノックするのは誰だ 「せいぜいであと一ヶ月だな」 余命の宣告なんてこんなものか。 自分に残された時間を冷徹に告げられても男にはたいした感慨は沸かなかった。 男は闇に生きてきた。 闇に生まれ闇に死ぬ、それが自分の人生だと思っていた。 だがどうやら闘いの中では死ねないらしい。 彼は暗殺者だった。 物心がついた時にはすでに人の殺し方を教えられ、十になる前に初めて人を殺した。 同じような境遇の者が一人、また一人と消える中、彼は常に生き残ってきた。 やがて年月は過ぎ、彼は暗殺者としては闇の世界では名を知らぬ者は居ないほどとなった。 そしてある日、自分がもうすぐ死ぬことを知った。 自らの命を絶つことは至極簡単だ。 常に常備している毒薬を口に入れてしまえばいい。 それに抵抗があるならグラストヘイムの奥地にでも単身潜り込めばいい。 だが...
  • NG2-02
    NG.A certain tale 男は闇に生きてきた 闇に生まれ闇に死ぬ、それが自分の人生だと思っていた 少女は光の中で生きてきた だが光のあまりの眩しさに少女は闇の入り口へと逃げ出した 彼は暗殺者だった 物心がついた時にはすでに人の殺し方を教えられ、十になる前に初めて人を殺した 同じような境遇の者が一人、また一人と消える中、彼は常に生き残ってきた やがて年月は過ぎ、彼は暗殺者としては闇の世界では名を知らぬ者は居ないほどとなった そんな中、彼はこのゲームに参加させられた。秘密裏に国と繋がった組織の者からの推薦を受けて 『大本命』『彼ならこのゲームに生き残るだろう』『ベットが集中してしまう』 連れてこられる前に数人の金持ちが生き残りを予想しながらチップを賭けていたのを覚えている その光景を見たとき、彼の中で何かが芽生えた 言われるまま人を...
  • 177
    177.失敗 ゲフェンの街に着いた♀セージ一行は、♀ウィズの記憶を頼りに村正を見つける。 案外とそれはあっさり見つかり、これで儀式に必要な物はとりあえず全て揃った事になる。 一同に安堵の吐息が漏れるが、♀セージは険しい表情のまま地面に文字を記す。 『やっかいなのはここからだ。首輪開封は即座にGM秋菜の知る所となるだろう。それを回避するには何か策が必要になる』 ♀ウィズは既にその事を考えてあったのか、同じく地面に書き記す。 『私達が同士討ちを始めて、その戦闘でお互いが倒れたという事にするのはどう?』 ♀セージは首を横に振る。 『駄目だ。外された首輪という証拠が残る。 それこそ我々の遺体が欠片も残らないような状態でなければ、それは成り立たない』 ♀ウィズはきょろきょろと辺りを見回し、そして木造の大きな家を指さし...
  • 2-229
    229. 親分の『命令』 [2日目深夜] 締め上げていた足首が、腕の中からするりと抜ける。 はっと♀BSが顔を上げた時には、♂ローグは既に闇へとその姿を消していた。 (逃げられた、か……) 戦いの最中の、まるで殺し合いを楽しむかのような♂ローグの表情を♀BSは思い出し、目を伏せた。 あの男は危険だ。どうにかして止めを刺したかったのだけれども。 ♂スパノビが彼女のほうへ歩み寄り、傷口に手をかざす。 それと同時に左脇腹から体内へと染み込むような痺れが消える。だが―― (……生憎、もう完全に毒が回っちまってたみたいだね) 毒を受けながらも、闘争本能のままに♀BSは力を振り絞って動いた。 だからこそ♂ローグを退けることができたのだが、同時に受けた毒の進行を早めることにもなってしまっていた。 毒を抜くことはできても、失われた体力は元には戻らない。 それに加え腹部...
  • 094
    094.鯖 ここは癌呆新開地開発部。♀GMは偉そうな男が言ったとおりそこに行った。 そして貧相な建物の中に入り、一人だけで仕事している男に話しかけた。 「貴方がヒャック氏ですか?」 男は持っていた書類を置き、応えた。 「そうです。貴女が例の件を解決しようとしている♀GMさんですね?歓迎します。」 「もうあの人から私が来る事を聞いたのですね。ならば話が早いです。 彼女の…GM秋菜の遊びはどうやったら止められるのですか?」 「…まず彼女が使っている空間の事から話しましょうか。 あの空間は彼女の力で創られたものでは無いです。 あの規模の空間となると彼女クラスのGMでもほとんどの力を使って やっと創れるかどうか程度です。さらに彼女は空間系でなく精神系や肉体系の操作を 得意としています。だから余計に彼女の力とは思えないのです。...
  • 081
    081.改竄 その男について語ろう。  彼は、暗殺者だ。そして、この茶番の参加者である。  裏切り者、と云う名のカタールを手に、森を歩いている。  此処までは、周知だ。さて、語られていない事実を、少しずつ語るとしよ う。  彼は、昔、一人の女性と出会った。遊び半分で出向いた危険な島での事 だ。  化物の様に馬鹿でかい蜻蛉に襲われて、死に掛けたところを救われた。  だから、彼は探している。其の女性を。確かに、あの集合場所で見たはず だ、と。  だが。そこに根本的な錯誤が一つ、潜んでいる。  そもそも、『何故』あの鮨詰めの部屋で、迷い無く、記憶の片隅にしかな かった様な女性の事を瞬時に把握できたのか。  何故、こうして歩き続ける自身に何の迷いも抱く事が無いのか。  改竄されている。そう、改...
  • 147
    147.惨劇 ♀ハンターは、手元の金属を器用に一つづつ細かい破片に変えていく。 そうして出来た細かい破片を予め用意しておいた棒の先につけ鏃とし、それを♂ケミに渡す。 彼は、言われた通りに矢羽根を一つ一つ付けていく。 そして最後に逆毛アコがそれらを矢筒に収めて完了だ。 矢作成、アーチャーは原材料さえあれば自らの手で矢を作り出せるのだ。 「ふ~。終わりました」 端の方で馬の手綱を取られたペコペコ管理兵(クルセ)がぶちぶち言っているが一切気にせずそれは完成した。 ちなみに深淵の騎士子は昼寝中で黙って外して使っているのだ。 「ありがとう、これで少しはまともに戦えるようになりました……まあ後は弓ですが、そこまでは高望み出来ませんし」 ♀ハンタの言葉に、♂ケミがふと思い出したように言う。 「そういえば、アコはまだ青箱残ってなかったっけ?」 「うはwwwww開けるのwww...
  • 069
    069.黒馬 遠く聞いた剣戟の音の下へ そして辿り着いたそこには、勝者はおろか敗者すらいなかった あるのは戦闘の跡、残骸ばかり 地面に突き立った大槍、折れた剣先、恐らくは鎧だろう破片、そして 「……!?あの帽子は深淵の騎士の!しかし完全装備の  深淵の騎士をここまで痛めつけるとは、いったい誰が……」 そもそも最初の集合場所に深淵の騎士はいなかったはずだ 誰かが枝を折り、呼び出されたか? 何にしろ完全なイレギュラーなのだろう だからGM秋菜が直々に手を下したのではないか 「死体がここに無いという事は、生かされている…?」 大槍を拾い周囲の捜索を開始する そして見つけたはただ1頭、瀕死の黒馬 「くそっ、まだ息はあるか?!ヒール!! こ、これは…!? ...
  • 2-098
    098 鍵の行方は【~放送後30分】 ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、ピ…… 痛い怖い助けて嫌だ痛い暗い怖い―― 誰もいなくなった小屋で、血まみれの肉塊ががたがた震えていた。 かつては工務大臣の位にあり、この殺人ゲームの実施を可能にした、ある意味の天才。 しかし冒険者達と共にこの場所に投げ込まれてみれば無力な一般人に過ぎなかった。 震えているのは恐怖からか、失血によって寒さを感じているからか、それとも両方か。もはやそれさえ分からない。 小屋の窓から投げ込まれる前に、急所を外してさんざん切りつけられた。 両眼も潰され、右脚の腱まで切られて逃げられなくされた。 寒い痛い誰か助けてくれ畜生助けてくれないなら死んじまえ―― 死ね…?死…死、死にたくない ゲームへの参加が彼への制裁なのは分かっていた。 最後まで生き残ったとしてもGMに殺されるだろう。 だから他の奴に秘密を...
  • 220
    220.激怒 「ごはっ!」 血反吐を吐いてその場に蹲る♂プリースト。 秋菜はそれを冷笑しながら見下ろしていた。 「あらら~。もう終わりですか~? せーっかく私が・素・手・でやってあげてるんですよ~」 即座に言い返したい所だが、腹部を襲う激痛のせいで声が出せない。 インティミの後、砦内に逃げ込んだ所をIWで出入り口を封じられ、その後はひたすら殴られっぱなしである。 出来れば砦の外を逃げ回りたい所だったが、視界が通っている状態だと、秋菜が容赦なく魔法を放ってくるので、とてもではないが障害物無しではやってられなかったのだ。 「もー私は♀セージちゃんとこうしたかったのに、邪魔なんてしてぷんぷんですよっ!」 蹲る♂プリーストを無造作に蹴飛ばす秋菜。 まるで全速で走るペコに跳ね飛ばされたかのような衝撃に、♂プリーストはたまらず地面に倒れ伏す。 「こうなったら、♂プリースト...
  • 202
    202.あの日へと続く道 夢。夢を見ていた。 道を、歩いている夢だ。 少女の周りには、幾人もの人が。 それは、クルセイダーの女で、弓手の少女で、ペコと黒い馬を従えた薬師で、鎌を持つ小さな山羊で、赤毛で逆毛の悪漢であった。 そして、coolな(悪漢直伝の形容である)魔導師であり、慧眼を持つ賢者であり、優しい目の弓手の少年でもあった。 彼等は笑っている。進む先は時計塔。少女が独断で招いたからだ。少女ほどの年齢に特有の我儘とも言う。 少女の名誉の為に述べておくなら、普段滅多にそんな事は言わないし、 今、そうしているのも、その滅多にない事、が実際に起こったからである。 (多分、困った顔をしながらも、笑って心臓が止まるほどに心配していた住人達は少女の提案を呑むだろう) 軽い足取りで、道を歩きながら、少女は思う。 あの場所に戻ったら沢山話そう。 色々な事...
  • 145
    145.ローグ姐さん ♀ローグは親指を切り落とされた時、全身に冷水をぶっかけられた気分だった。 呆然としながらその指を見た後、それを為したアサシンを見る。 今までアサシンなぞ、どうとでも料理出来るザコぐらいにしか見えてなかったのが、いきなり凶悪無比の敵としてその瞳に映ったのだ。 翻って自らの戦力を考えるに、どう見ても不利。現状では絶対に勝てない。 そんな思いが♀ローグの動きを完全に止めてしまっていた。 アサシンは言いたい事だけ言うと、風の様に去ってしまう。 ♀ローグは黙ってそれを見送る事しかできなかった。 しばらくそのままの姿勢で立っていたのだが、時期に右手親指に激痛を感じる。 「痛っ!」 慌てて服の袖を口で切り裂いて、簡易な包帯としてそれを親指に巻き付ける。 片手と口のみなので、思いの外時間がかかる。 そしてその一連の作業が終わると、一息ついてその場...
  • 067
    067.楽園を詠う者 「アラーム、何処に居るんだ…」 バドスケはゲームが始まってからずっとアラームを探し走り続けていた 夜の闇が落ちてからもう随分時間がたった もしかしたらどこかで一人孤独に泣いているかもしれない いや、もうすでに誰かの犠牲に…… 「余計なことは考えるな、今はまずアイツを見つけることが先決だ」 だが探索の道中、幾つもの遺体を見つけた 無残に下半身が吹き飛んだ死体、絶望に表情を固まらせたままの死体 激しい衝突でもしたかのようにほとんど肉塊のようになった死体もあった アラームがその仲間入りをしていないとは言い切れないのだ だがそんな道中で、真新しい簡素な墓を見かけたときは多少の驚きと共に嬉しさがあった こんな狂ったような戦いの場において、まだ人間らしさを残せる人間が居たのだと そんな人間がいるのならばあの少女が望む『楽園』に...
  • 2-035
    035.日常との別れ とりあえず、傷の手当てをしなくては。 ♀BSは、魔術師に撃たれた左腕の傷口をそっと窺った。 スパノビのヒールのおかげでなんとか止血はできたが、傷口は おせじにも癒えたとはいえず、おまけに痛みも戻ってきた。 このままにしておくことはできない。 不幸中の幸いか、凍傷はまぬがれたらしい。 後ろから左腕を弾いた魔力の衝撃はかなりの強さだったので、 おそらく高レベルのコールドボルトだったはずだ。 運が悪ければ凍って砕けてしまうか、一生動かなくなるかするだろうに この程度で済んだのは奇跡としか言い様がなかった。 「あの♀マジ……絶対許さん……でもレベル低かったみたいでよかった」 「ぼず、おで、おで……」 ♂スパノビは、♀BSを癒そうとしきりにヒールを繰り返す。 「もういいって、血は止まったし、助かったよ」 もう何度目か...
  • 2-083
    083 痕[放送直前] ――俺と俺の妹は血が繋がっていなかった。 形式で言えば連れ子になるんだろうな。両方ともね。 けどあいつの親父殿は再婚、俺の母は…誰が俺の本当の親父かもわからない。そう言う商売だった。 そんな母が親父殿を捕まえたのは、まあ美貌と悪知恵のおかげかな。 ――剣の腕はからっきしでも爵位付きの騎士だった親父殿は、めかけを何人も囲っていた。 母はその中にうまく潜り込んで、俺をお嬢様…妹の小姓に差し出した。 妾の子なんてひどいものさ。使用人どころか犬以下の扱いだよ? まあ、そのおかげで母は奥様…ああいけない、まだ呼び方が抜けないか。…親父殿の本妻と表向きうまくやっていられた。 どうしてかって? 母のことを気に入らないと思っても、本妻としては直接手出し出来ない。 妾の方が本妻より可愛がられるのが世の常だから、下手なことをすれば親父殿を怒らせるだけだ。そ...
  • 2-106
    106.種族を超えた絆 【夕方】 …間違いない、アイツだ。俺達の言葉がわかる人間なんて世界のどこ探したって1人しかいねぇ。 最近さっぱり見かけないからどこほっつき歩いてんだと思ってたら…そんなものに巻き込まれていやがったか。 全く世話の焼けるヤツだ、昔から。 「しょおおおがねぇなぁ。めんどくせーがちょいと行って来るわ。なんせアイツはオレサマがいないとなんにもできないヤツだからナ!」 と、アイツの話をしてくれた仲間の鷹に言った。そう、アイツはオレサマがいてやらなきゃだめなのだ。 『ねぇ、あなたのお名前は?』 そんなもんねぇよ悪いか?オレサマはオレサマ、しがない鷹の一羽(ヒトリ)だよ。 『名前ないの?じゃああたしがつけてあげる。んーとねぇ……ファルコンだからふぁるでいい?』 おいおい安直だナ。それにもっとこうオレサマにふさわしいカッコいい… 『じゃあ今日から...
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