アゲハ蝶 4/4
観客の歓声と、興奮とともに闘牛士が迎えられて入場してくる。彼は勇ましさを持っているのかポーズを取って観客を楽しませる。
ブライアンとジョンは観客の人ごみの中に隠れて、大胆にも舌を交わすキスをし、衣服の上から互いのそれを擦り合う愛撫をした。
ジョンが軽く快感のためか、びくんとする。下着の中をジョンは粘着した液体で濡らしていた。「いじわる・・」
ブライアンは頬を赤らめ恥ずかしがるジョンににやりという笑みを浮かべた。
ホテルに戻ると、強引に近いやり方で、ブライアンはジョンをベッドに押し倒した。
「気の早いやつ」
「君もね」
ブライアンの手がさわさわと動いてジョンの衣服を脱がしに掛かった。ジョンは抵抗しなかった。
彼は、ブライアンに身を任せ、されるがままになっていた。ブライアンは彼の身体の隅々まで愛撫した。
ジョンは突き上げられ、揺さぶられ身体の中に熱いものを注がれるのを感じた。ジョンは喉をのぞける。彼は快楽の果てにたどり着いた。
夜の暗闇の空には月が浮かんでいた。今夜は満月だ。星達が夜の女王のように輝いている。
昼間、買っておいたワインをホテルに備え付けてある冷蔵庫から取り出すと栓を抜いて二つのグラスに注いだ。
黒衣を纏った赤い液体が、透明なグラスに反射してきらめく。二人はそれを手に取って乾杯した。
「この夜景に、乾杯」
「乾杯」
二人はグラスを軽く合わせ、それぞれの口に含んだ。ワインが喉に注がれて熱くなる。ブライアンはグラスを置く。
ジョンはちょっと意地悪な顔でブライアンに言う。
「口移しで」
「今?」
「今」
ブライアンはジョンの顎を上向かせ、口移しでワインを飲ませた。ジョンの喉が飲み干して、ごくごくと動いている。
ブライアンはそのまま口付けて舌を絡める。ジョンもまけじと舌を突き出し、ブライアンの舌に絡めた。
湿った音と、唾液に混じってワインの味がした。
口を離して、口の端から漏れた唾液がいやらしい。ブライアンはジョンを抱きしめた。
ジョンも抱き返した。月はただ、静かに見ているだけだった。
あれから、一ヶ月経っている。ブライアンは今まで恋人は居ても一生の伴侶にしようとは思ったことはない。
しかしここ最近、ジョンの顔が何度も浮かんでは、消え、浮かんでは消えを繰り返していた。
もう、自分の気持ちに嘘はつかない。
よし、プロポーズしよう。ブライアンは立ち上がった。
完
最終更新:2009年05月16日 11:51