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アゲハ蝶 2/2


「シャワーかい?」
「ああ」
ブライアンはにやりと笑って抜け出そうとした。ジョンはそれを制する。
「俺は風呂場でヤる趣味は無いよ」
「それもまた一興だな」
「悪趣味なやつ」
「君もね」
汗を洗い流すようなシャワーから注がれる湯が気持ちよい。ジョンは目を瞑った。湯が身体に染みてくるようだ。
しかし長々と浴びてはいられない。自分の次にブライアンが浴びるのだ。ジョンは急いで石鹸を洗い流すと、適当に切り上げ、備え付けのバスタオルで身体を拭く。
下着姿で出てきたジョンを見て、ブライアンは入れ違いでシャワーを浴びに行く。ブライアンがシャワーから浴びて帰ってくるまでジョンはくつろいで待っていた。眼鏡は掛けていた。
二人は朝食を食べて、闘牛まで時間があったので適当にバルセロナの街中を歩くことにした。すれ違う人々に、異国の風を感じた。
暑い夏の日差しが歩く二人を包み込む。
「そろそろだね」
「行くか?」
「ああ」
ジョンは頷くと、二人は闘牛場に向かった。闘牛場は込んでいたがブライアンがいい席を取っていてくれたので気にすることはなかった。

観客の歓声と、興奮とともに闘牛士が迎えられて入場してくる。彼は勇ましさを持っているのかポーズを取って観客を楽しませる。
ブライアンとジョンは観客の人ごみの中に隠れて、大胆にも舌を交わすキスをし、衣服の上から互いのそれを擦り合う愛撫をした。
ジョンが軽く快感のためか、びくんとする。下着の中をジョンは粘着した液体で濡らしていた。「いじわる・・」
ブライアンは頬を赤らめ恥ずかしがるジョンににやりという笑みを浮かべた。
ホテルに戻ると、強引に近いやり方で、ブライアンはジョンをベッドに押し倒した。
「気の早いやつ」
「君もね」
ブライアンの手がさわさわと動いてジョンの衣服を脱がしに掛かった。ジョンは抵抗しなかった。
彼は、ブライアンに身を任せ、されるがままになっていた。ブライアンは彼の身体の隅々まで愛撫した。
ジョンは突き上げられ、揺さぶられ身体の中に熱いものを注がれるのを感じた。ジョンは喉をのぞける。彼は快楽の果てにたどり着いた。
夜の暗闇の空には月が浮かんでいた。今夜は満月だ。星達が夜の女王のように輝いている。
昼間、買っておいたワインをホテルに備え付けてある冷蔵庫から取り出すと栓を抜いて二つのグラスに注いだ。
黒衣を纏った赤い液体が、透明なグラスに反射してきらめく。二人はそれを手に取って乾杯した。
「この夜景に、乾杯」
「乾杯」
二人はグラスを軽く合わせ、それぞれの口に含んだ。ワインが喉に注がれて熱くなる。ブライアンはグラスを置く。
ジョンはちょっと意地悪な顔でブライアンに言う。
「口移しで」
「今?」

「今」
ブライアンはジョンの顎を上向かせ、口移しでワインを飲ませた。ジョンの喉が飲み干して、ごくごくと動いている。
ブライアンはそのまま口付けて舌を絡める。ジョンもまけじと舌を突き出し、ブライアンの舌に絡めた。
湿った音と、唾液に混じってワインの味がした。
口を離して、口の端から漏れた唾液がいやらしい。ブライアンはジョンを抱きしめた。
ジョンも抱き返した。月はただ、静かに見ているだけだった。
あれから、一ヶ月経っている。ブライアンは今まで恋人は居ても一生の伴侶にしようとは思ったことはない。
しかしここ最近、ジョンの顔が何度も浮かんでは、消え、浮かんでは消えを繰り返していた。
もう、自分の気持ちに嘘はつかない。
よし、プロポーズしよう。ブライアンは立ち上がった。


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最終更新:2009年07月24日 15:13