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ここでキスして。3


それから徐々に親交を深めつつ、しばらくたったある日、休日をのんびり過ごしているジョンのもとへ、ジョージから、ポールの仕事を見に行ってみないか、そんな旨の電話が入った。
「だりぃな、せっかくの休みなのに。休日潰すのもったいないっつーか昼寝したいってゆーか・・・いや確かに興味はあるよ?興味はあるし気になるには気になるんだけど・・・」
『じゃあ行ってきなよ。せっかくポールが許可くれたんだからさ』
 確かにポールほどのモデルとなれば普通会うだけでも一苦労するところだ。友人の特権といっても過言ではない。
『それにさー、こないだ一緒に夕飯食べたとき、初対面だってのに2人とも何か良い雰囲気じゃなかったっけ?ポールは男なのにエスコートまでちゃんとしてたし』
 一瞬言葉に詰まった。
 いや、アレは格好が格好なだけについうっかり、すぐにそう言おうとしたが、受話器の向こうでジョージがニヨニヨと笑っている気配がして、何笑ってんだ、低い声でつぶやく。
『気になるってもしかしてホントにそういう意味で気になってるんじゃないの?』
「よし、明日会ったらお前シバくコトが俺の中で今決定した」
『え、嘘、ごめん!そんなムキにならないでよ』
 ひとまずジョンに謝って、ジョージはこう続けた。
『とにかくさ、暇なら行きなって。ポールもジョンに会いたがってたし、行ってあげて』
 迎えの車遣るから待っててね、それだけ言うと、彼はジョンの返事も待たずに電話を切る。

あの調子ではもう車も出しているだろうしポールにも伝えているのだろう。仕方ねぇな、ジョンはため息をつくとよそ行きの服に着替え始めた。

 着いたスタジオではポールが数人の女性モデルとともに撮影をしていた。男だから、というわけではなくその可愛らしい顔立ちでとても目立っていた。
 ちょうど撮影は終わったのか、モデルたちがセットから降りてくる。ポールはジョンの姿を見つけると笑顔で駆け寄ってきてくれた。
「ジョン!来てくれたんだね。会えて嬉しいよ」
「よぉ、ポール。仕事終わったのか?」
「ううん、今ひと段落着いて、これからちょっと休憩なんだ。でもまた衣装着替えなきゃいけないからあんまり休んでる時間はないの」
 申し訳なさそうに彼。仕事を見に来たんだから気にするな、ジョンは鷹揚に手を振る。
「じゃあ、あっちのほうに椅子があると思うから、それ使って。あともう少しで終わるから」
「ん、わかった」
 頷くと、ポールは衣装を変えるために戻って行ったので、ジョンも彼に言われた方へ向かい、大人しく座っていることにした

ジョンを見て、彼があの有名なレーサーだと分かると、一部の女性モデルたちは黄色い声を上げ、彼に気に入られようとした。
彼女たちのような女性はいわゆるグルーピーだ。
グルーピーというと、ロックアーティストやバンドの熱狂的なファンが多いが著名人や、スポーツ選手にもつきまといチャンスがあれば
彼らと寝るのだ。
主にグルーピーはセックス目的である場合が多い。要は、コールガールのようなものだ。

先ほどの女性モデルたちは我先に、といわんばかりにジョンに飲み物を差し出したりしている。
そんな接待攻めに飽き飽きしたジョンはうざったそうにああ、いらない、彼女らを手で制してポールを見ている。
続いて、白いシフォン素材のチュニックにデニムにショートパンツといういでたちで出てきたポールに思わずジョンははっとする。
ジョンはその白く伸びる綺麗な脚に、雰囲気に見とれてしまった。
目の前に天使が下りてきたのかと思ったジョンは思わず目をこすって見直す。これが、ポールなのだ。
彼は非常に美しかった。この世のものとも思えない美しさに、ジョンはますます見とれてしまう。
そしてお待たせ、ポールが終わってジョンに駆け寄ってきた。

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最終更新:2009年07月24日 15:16