Nontitle(実質9スレ目より)
今日はツアーの最終日だった。
ジョージはこれでやっと落ち着いて酒が飲めると思い、ジョンに「これから飲みに行こうよ」と誘ったが、「俺はポールと行くから」とあっけなく断られた。ジョンとポールが夜の街に消えていくのを、一人寂しくジョージは見送った。
そうだ、リンゴと飲もう。そう思い、リンゴの部屋をノックする。リンゴは少し疲れた顔をしていたが、「一緒に飲もう」
と提案すると機嫌よく部屋に入れてくれた。
コンサートから解放されたせいもあって、ジョージは心配するリンゴを横目にこれでもかという勢いでグラスを空にしていった。しかしあまりにも飲みすぎて、ジョージは途中で記憶をなくしてしまった。
気がつくとベッドの上だった。頭がズキズキした。リンゴの姿が見当たらないので周りをキョロキョロすると、彼はソファで寝ていた。風邪を引いては大変だと思いジョージは毛布を持ってリンゴに近づいた。
リンゴが起きないようにそっと毛布をかける。もう一度眠る気になれないのでジョージは床に座って、リンゴの寝顔をしばらく見ていた。
薄明かり中で見るリンゴは男のジョージから見てもそれは愛らしかった。
完璧なマッシュルームカットに眉の上で切り揃えられた前髪。左右非対称の眉毛。どれを取っても巷でアイドルと呼ばれるにふさわしい顔をしていた。
あまりの可愛さと酔いも手伝って、ジョージは思わずリンゴの頬にキスをしていた。
次の瞬間、我に返った。
俺にはパティという可愛い彼女がいるし、リンゴは男だ。いくら酔っていたからとは言え、自分がした事が恥ずかしくなり、部屋へ戻ろうと慌てて立ち上がるが、頭がクラクラして、床に思い切り尻もちをついてしまった。
その物音でリンゴが目を覚ました。
「どうしたんだい?」
そう聞かれたが、ジョージは目を合わす事が出来ずに「なんでもないよ」と言うのが精一杯だった。
最終更新:2009年12月11日 23:42