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同じ夜



「ジョン、起きてるかい?」スチュが、温かいホットコーヒーを片手にドアを開ける。
「ああ、なんか用か?」
「はい、これ。今日は手伝ってくれてありがとうね」スチュが、ベッドの横に腰掛けてコーヒーの入ったカップを渡す。
「サンキュ、礼なんていいんだよ」ジョンが笑う。
彼は、あまり人に心を開くことをしない。ただ、スチュのようにある程度親しくなった人間には、笑ったり、ふざけたりする。ようは、シャイなのだ。
他愛のない話で、二人は盛り上がる。今日のことや、今日食べたあれがおいしかったとか、そんなどうでもいい話だ。
「ジョンは、笑うとかわいいよね」
「な、なんだよ!唐突に!気持ちわりぃな・・・」ジョンはスチュの突然の思いがけない言葉にカップを落としそうになった。
「ほんとに、かわいいよ」スチュは、ジョンの頬に手をかけた。ジョンはスチュの予想もしない行動に、あわててコップをテーブルに置く。
スチュは、真剣な、熱を持ったまなざしでジョンを見た。まるで恋人を見るようなまなざしで。
スチュは目の前の愛しい人の頬をなで、抱きしめて呟いた。
好き・・好きなんだ。ずっと君の事を思うと寝れなかった。君は僕のミロのヴィーナスだったんだ」
スチュは自分の思いを口にした。
その言葉一つ一つは、甘く、切ない響きを乗せて響いた。同時に、スチュが長年抱いていたジョンへの恋心の証でもあった。
「スチュ・・俺も・・・、スチュのことが・・・」ジョンも自分の思いを口にした。
「好きだよ、ジョン」
「俺も、好きだ、スチュ」
二人は抱き合ったまま、暫くそうしていた。ジョンのどくどくという早い鼓動がスチュに伝わった。
「キス・・していい?」スチュの真っ直ぐな、偽りのない瞳がジョンを見つめている。
ジョンは小さく、こくりと頷いた。スチュの唇が、ゆっくりとジョンの唇に重なる。彼の舌は、ジョンの唇をなぞり、ゆっくり口内に侵入して歯列をなぞり、舌を絡める。
ジョンも、スチュの侵入して来た、熱を持った舌を受け入れ、そのまま絡ませる。唾液が互いの口内を行き来して、卑猥な水音が鳴り響いた。
やがて二人が互いの唇を離すと、銀糸が二人を繋いでぷつりと消えた。
「ジョン、いいね・・?」スチュがジョンの耳元で囁いて、こくりと頷く。頷けば、抱いていいという合図。
スチュはゆっくりとジョンを横たえる。今夜は月が綺麗だ。月だけが二人を見ている。

「スチュ・・やっぱり俺怖い・・・」ジョンの目が潤んでいる。
「大丈夫、君を傷つけることは絶対しないから」スチュは安心させるように、自分の下にいるジョンに囁いた。
ジョンのさらさらした赤毛がかった綺麗な髪が動いた。スチュが優しくその美しい髪を撫でる。
「ジョン・・綺麗だね、こっちを見て・・?」
「スチュ・・」ジョンの手が自然とスチュの背中に回され、二人の唇はゆっくり重なった。
スチュの舌が唇をなぞってジョンの口内に侵入してくる。ジョンはそれを受け入れている。スチュの舌と、ジョンの舌が絡みあって唾液も交換し合う。
スチュはくちゅくちゅと音が響かせるキスをしながら、ジョンの服を脱がした。ジョンは、男の割りに、肉質が薄く、ほっそりしている。
ジョンは整った顔だけでなく、その声、その髪、その姿、雰囲気全てがスチュにとって愛しい存在だった。
その上雪よりも透き通る白い肌はスチュにため息を吐かせ、吸い付くようにその白い首筋に何度もキスの雨を落とした。
ジョンがスチュの耳元で囁いた。スチュはにこりと笑うと、頬を撫でた。
二人は今、キスをし、上と下で繋がっていた。スチュが動くたびにジョンは喜んでもっととせがんだ。
スチュの汗が、ジョンの髪を伝って流れ落ち、胸を伝った。
ピストン運動の合間に二人はキスも忘れない。テキーラみたいなとろけるような熱いキスがジョンを焦がして覚めた。
ジョンがスチュにしがみついて、二人は一緒にエデンの楽園へと入る。シーツのしみはその証だ。
二人は裸でベッドに入り、ジョンはスチュの隣で煙草を吸っている。
ジョンはスチュに煙草を差し出し、スチュはそれをありがたく受け取る。そのままジョンに返し、ジョンは灰皿で煙草をもみ消した。
「僕、びっくりしたよ。ジョンがあんなだったなんて」
「ば・・馬鹿!あれはだな・・・気持ちよくてついだな・・・」ジョンは顔を真っ赤にして怒った。そして提案した。
「今夜は月が綺麗だから、なんかいい絵が描けそうだな」
「そうだね、なんだかジョンの顔を見てたらいい構図が思いついたよ」スチュはいそいそと下着と服を見につけ、キャンバスに向かった。
「見てていいか?」
「ああ、いいよ」スチュは笑ってジョンに軽くキスを落とした。


end

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最終更新:2009年04月23日 19:49