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日本の若者の日韓歴史認識
タイトル
日本の若者の日韓歴史認識
卒論作成メモ
卒論の構成
序章
日韓併合から今年で100年。日本と韓国は1965年の国交正常化以降互いに様々な交流を交わし、現在では文化・経済において必要不可欠な存在であり、互いに競争しあうライバル国にもなっている。しかしその中で日韓の間で問題視されていることがある。それは教科書問題と歴史認識だ。両国の間で歴史教科書の記述が違っているということから問題が発生した。そして歴史教科書問題だけではなく、現在の日本の若者の韓国に対する歴史認識も問われている。実際に日本人と韓国人では歴史に対する考え・感じ方が違う。そのことも現在の歴史問題につながっていると考える。では、現在問題視されている歴史教科書問題とは一体何が原因でいつから問題となったのか、どのように日韓の間で歴史への考えが違うのだろうか。そして現在の若者は歴史問題をどう考えるのだろうか。
本論文では、本と新聞を使い日韓の歴史認識の背景と問題点、学生アンケートを行っていこうと思う。
第1章:日韓の歴史問題
第1節:日韓戦前の歴史的背景
第2節:戦後の歴史的背景と現状
第2章:日本人と韓国人の歴史差異と学生アンケート
第1節:日本人と韓国人の歴史に対する考え
第2節:学生アンケート
終章
第1章と第2章で述べたことをまとめ、どういう違いがあったのか、現在の学生たちの歴史認識はどうなっているのか、そして今後日本と韓国が相互理解していくためにはどうしていくべきなのか私の考えも踏まえて述べていく。
卒論の本文
序章
2010年、日韓併合から100年という節目の年。日本と韓国は1965年の国交正常化以降互いに様々な交流を交わし、現在では文化・経済において必要不可欠な存在であり、互いに競争しあうライバル国にもなっている。2009年のJNTO(日本政府観光局)資料に基づく国土交通省総合政策局集計によると、2008年の訪日旅行者数の中で、米国・中国などに100万人ほど差をつけて韓国が238万人という非常にたくさんの韓国人観光客が増えている。このように現代の韓国人は日本に対して親近感や興味を持っていることが数字だけ見てもわかるだろう。しかしその中でも1990年代から日本と韓国の間で問題視されていることがある。それは歴史問題である。日本の過去の歴史や発言・行動に対し韓国が日本に謝罪を求めている。また、日本人と韓国人の学生の歴史認識の違いもあるのだ。実際に私も、認識の違いを実感したのだ。私は現在韓国人の女性とお付き合いしているが、歴史の話になるとものすごいのだ。私も歴史に関して多少自信はあったのだが、その自信が打ち砕かれた。彼女の歴史の知識が数倍も勝っていたのである。そして歴史に対する考えも私と違い、そこで本論文では、『なぜ歴史問題が90年代以降問題視されたのか、また日本と韓国の若者はこの歴史問題をどう考え、どうすれば関係がよくなるのか』を問いとして、本と新聞を使い日韓の歴史認識の背景と問題点、学生アンケートを行っていこうと思う。第1章では日本と韓国の戦後歴史的背景と現状を述べ、第2章では日本人と韓国人の歴史への考えの背景とアンケートを行い、その結果をもとに違いを述べ、終章では第1章と第2章で述べたことをまとめ、何がわかって、今後どうしていくべきなのか私の考えも含めて述べていく。
第1章 戦後の歴史的背景と現状
第1節 戦後の歴史的背景
ここでは1945年の終戦から国交正常化するまでの日本と韓国の歴史的背景を述べていく。まずは現在の韓国が出来るまでを少し・・・。
1910年から始まった日韓併合も終戦と同時に終わりを告げた。そして日本と韓国はそれぞれ違う道を進んだのである。韓国は日本からの支配が終わり独立をしたが、国内では混乱が続いていたのである。それは今までずっと日本が韓国を支配して政治や経済の全権力を握っていたので独立後権力を握っていた日本が撤退したことで政治をどのようにして動かせば良いのか分からなくなったからである。戦後米国は韓国に経済的援助を行い、政治を韓国の変わりに動かしたのだ。しかし、米国は政治をする時に植民地時代日本の下で働いていた朝鮮人(韓国では売国人と呼ばれていた)を政府に加えたとして当時国民から疑問と混乱が生まれた。そして現在でも一部の韓国国民は「売国人の血を受け継いでいる者がいるから今でも韓国政府は汚い」と反発していると言われている。また、国民同士の思想の対立も生まれたのである。それは米国の資本主義とソ連の共産主義である。終戦前の知識人達は独自で勉強し、その中で米国の資本主義を支持する者とソ連の共産主義を支持する者の2つに分かれたのである。そして戦後冷戦が始まったと同時に米国支持者とソ連支持者の対立が公になっていったのである。冷戦後、米国はソ連が朝鮮半島を支配することを恐れ、南北分割統治案を出した。その結果、38度以北はソ連が、以南は米国が統括することになったのである。その対立が一層激しくなり、38度線より上はソ連・中国の思想を南は米国の思想を持ち、お互いを意識し始めたのである。1948年には朝鮮半島以南が大韓民国を成立し、それに対抗し朝鮮民主主義人民共和国も成立した。北緯38度線は境界線でなく、国境となったのだ。そしてついに1950年、北朝鮮が38度線を越え、韓国に侵入したのがきっかけで朝鮮戦争が勃発したのである。朝鮮戦争が始まり、北朝鮮には中国が、南朝鮮には米国がそれぞれ援助し、日本は米国に軍需支援を行った。そしてソ連が仲介に入り、朝鮮戦争を休戦させよう米国と会談し、朝鮮戦争は休戦、それが現在の韓国と北朝鮮になったのである。
休戦後の日韓関係は朝鮮半島分裂と冷戦体制により悪化していったのである。1950年代、韓国の李承晩政権時、「脱植民地化」を掲げ、米国との同盟関係に力を入れたのだ。その結果、日韓国交正常化は停滞し、更には日本の植民地支配を正当化したと思わせた「久保田発言」により正常化は中断された。しかし、中断された日韓国交正常化を進めるきっかけとなったのが経済協力であった。冷戦体制である中で、反共自由主義陣営を強化し、日韓の経済協力によりお互いが経済発展するという利益を得ると同時に韓国の政治的安定を確保することで共産主義からの侵略を間接的に防ぐことが目的であったのだ。この経済協力があったことで脱植民地化や歴史認識を巡る問題(1910年の日韓併合条約日韓間の諸条約の法的効力に関する問題、日本から韓国に移転する資金・商品・サービスの名目とその金額の問題《請求権問題》、植民地支配に対する日本の謝罪問題)(木谷正史著)が日韓政府の間で浮上した。
ではなぜ1965年に国交正常化が成立したのだろうか。(李 元徳 2007年)によると1965年の日韓条約で歴史問題が問題とならず条約が結ばれた理由として大きく2つあると述べている。1つ目は米国・日本・韓国の安全保障である。冷戦体制であったため、米国は日本と韓国を利用しソ連や中国・北朝鮮に対抗する反アジア・反共戦線を作ろうとした。日本も韓国が共産勢力に支配されたら日本の安全保障が危険となると考え、韓国もまた北朝鮮との衝突で日本と国交正常化すれば安全保障が確立されると考えたのである。2つ目は経済である。韓国は60年代の米国のドル過剰放出により米国からの対韓援助が大幅に削減され、独自で経済発展しなければいけなくなったのである。そんな中、日本との国交正常化を結ぶことで資金や技術を導入できると考えたのである。この2つの問題により歴史問題は国交正常化するにあたり、問題視されなくなったのである。しかし正常化から約30年経った90年代から再び日本と韓国との間で歴史問題が浮上し始めたのである。
第2節 冷戦終結後の日韓関係
ここでは冷戦終結後の歴史的背景から90年代に浮上した日韓歴史問題について述べていく。第1次世界大戦から第2次世界大戦にかけての世界では、民族自決が世界各地で盛んに行われた。そこで一つの民族が各地に分散されてしまったのだ。そもそもなぜ民族を越えなければならなかったのだろうか。(高橋康昌著 2000年)によると、社会主義が考えた2つの理由があったからだと述べている。1つ目は資本主義は民族をその国家形成の基礎としてきたものだが、社会主義は国家や国境を止揚する政治思想として民族という政治空間を乗り越える必要があったから。2つ目は資本主義に対する思想的優位を示すだけでなく、民族混合社会であったロシアや東ヨーロッパを社会主義的政治秩序によって統合するという歴史事情が民族自決を進めた理由である述べている。しかしこれがベルリンの壁崩壊後に紛争が起きる原因となってしまったのである。そして1989年、ベルリンの壁崩壊後世界各地で民族紛争が勃発したのである。民族紛争が多いアフリカ地域では、欧州諸国と旧植民地本国同士の都合によって制定され、新たに作られた国境線が多く、民族紛争が起きた原因は欧州諸国の責任であると述べている。それは、国境線を制定した際に多数の異なる民族集団を雑居させたからである。また、(高橋康昌著 2000年)によると、民族紛争が起こる3つの理由として人種的対立、宗教的対立、領土紛争を述べている。この3つの理由をさかのぼるとやはり社会主義諸国の民族自決がかかわっていることが分かる。このように冷戦終結後、各地で民族紛争が勃発している中で日本と韓国は大きな問題に直面したのである。
1965年に日韓国交正常化が成立され、関係は悪化することはなかったのだが、冷戦終結以後、日韓関係は大きく変化したのである。(木宮正史著)によると、大きく変化したことが3つあると述べている。1つ目は韓国の持続的経済発展である。80年代までは韓国経済は対日従属という批判的言説が日韓社会において相当程度支配的であった。しかし、韓国経済は持続的経済が困難といわれていたのが80年代以降、原油低価格、円高ウォン安、低金利という三低現象が好条件となり、持続可能な経済へと発展したのである。更には1990年代初頭にOECD(経済協力開発機構)に加盟し、先進国の仲間入りをした。2つ目は韓国の民主化である。70~80年代の韓国は、独裁・権威主義体制の下で人権が抑圧されていた。しかし1987年を機に韓国の政治が民主主義体制として進み、日本と政治価値観が共有され、今まで抑えられていた勧告の市民社会が日本に対する民族主義的な主張を強化した。3つ目は冷戦の終焉だと述べている。韓国の経済と民主化により北朝鮮より優位な立場となった。自信をつけた韓国は北朝鮮に対する外交を北方外交という形で進めたが、冷戦の終焉により韓国の市民社会に対する物理的でイデオロギー的な制約を解放することになったのであると著者は述べている。韓国は冷戦終焉後日本との関係をより深めていくと同時に冷戦時、抑えていた歴史問題の反日感情が表に出て、対日政策がとられるようになったのである。そして、ここから現在の日本と韓国の歴史認識を巡る問題へと発展していくのである。
ここで90年代に起きた日韓歴史認識問題をいくつか取り上げていこうと思う。まずは日韓歴史に対する日本の問題発言である。1910年の日韓併合が合法的で、植民地統治は恩を施す行為であったという発言、日本のアジア進出は欧米帝国の支配からの解放を追求したものであるなど、日本が韓国に行ったことを正当化するようなことばかり言っていたのが日本である。次に日本の教科書問題である。侵略という言葉を進出と表記するよう強要したこと、2000年には「新しい歴史教科書をつくる会」によって作られた検定承認は今後大きな発展となるのである。そして、請求権問題である。従軍慰安婦に対する補償要求、日本植民地時代のおける非徴用・非徴用者の補償問題である。最後は靖国参拝である。80年代、中曽根首相が初めて靖国神社を参拝したことで韓国・中国が反発し、一時は中断したが2001年、小泉前首相が靖国参拝したことで歴史問題となり、現在でも問題視されている。
第2章 日本人と韓国人の歴史認識と学生アンケート
さて、第1章で日本と韓国が歴史認識問題ができるまでの背景を述べてきた。序章でも述べたように、私は現在韓国人の女性とお付き合いさせてもらっているが歴史認識について何度も意見対立をしてきた。ちなみに私は彼女に一度も歴史について勝ったことはない。そこで考えたのは韓国人は日本人と比べて日韓の歴史について学校で学び、日本人よりも深く考えているのだと考えたのである。そこで私は実際に2010年4月17日讀賣新聞のアンケートをもとに東海大学19~22歳までの男子10名、女子30名、合計40名にアンケートを行った。ここでは、学生アンケートの結果を男子と女子で変化はあるのか分析する。また、新聞の20歳以上の成人男女合計1037名の結果と比較して、現在の学生と成人とで歴史認識がどう変化しているのかこれから述べていこうと思う。まずはアンケートの内容と結果を見ていただきたい。
韓国に対する歴史認識アンケート
1.あなたは、現在の日本と韓国の関係は良いと思いますか?悪いと思いますか?
①非常に良い ②どちらかといえば良い ③どちらかといえば悪い ④非常に悪い ⑤よく分からない
2.あなたは、韓国を信頼できると思いますか?信頼できないと思いますか?
①大いに信頼できる ②多少は信頼できる ③あまり信頼できない ④全く信頼できない ⑤よく分からない
3.今後の日本と韓国の関係は、今より良くなると思いますか?悪くなると思いますか?それとも変わらないと思いますか?
①良くなる ②悪くなる ③変わらない ④よく分からない
4.今年は、日本が韓国を植民地化した「日韓併合」から100年を迎えます。日本は、韓国を併合すべきではなかったと思いますか?同時の国際情勢を考えると、やむを得なかったと思いますか?それとも併合のことを知りませんでしたか?
①併合すべきでなかった ②やむを得なかった ③併合のことを知らない ④よく分からない
5.日本が韓国を植民地支配したことは、今でも、日本と韓国の関係の発展を妨げていると思いますか?そうは思いませんか?
①そう思う ②そうは思わない ③よく分からない
6.日本の政府は、韓国を植民地支配したことについて、十分に謝罪していると思いますか?そうは思いませんか?
①そう思う ②そうは思わない ③よく分からない
7.日本の教科書にある植民地支配などの記述に対して、韓国がしばしば抗議していることについて、適切だと思いますか?一部適切なものはあると思いますか?適切でないと思いますか?
①適切だ ②一部適切なものもある ③適切ではない④よく分からない
8.あなたは、天皇陛下が将来、韓国を訪問することに賛成ですか?反対ですか?
①賛成 ②反対 ③よく分からない
9.日本と韓国の間で、領有権をめぐる意見が対立している「竹島(独島)問題」について、日本はどのように対応すべきだと思いますか?次に読み上げる2つのうち、あなたの考えに近い方を選んでください。
①日本の主張を明確に伝えるべきだ ②韓国の主張にも配慮すべきだ ③どちらとも言えない ④よく分からない
10.日本と韓国は、どのような分野で協力を深めていくべきだと思いますか?1つだけ選んでください。
①経済 ②安全保障 ③観光 ④文化 ⑤スポーツ ⑥環境問題 ⑦自治体同士の交流 ⑧特にない ⑨よく分からない
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男子(19~22歲)
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨
問1 20% 70% 10% - - - - - -
問2 30% 40% 20% - 10% - - - -
問3 70% - 20% 10% - - - - -
問4 40% 30% - 30% - - - - -
問5 90% 10% - - - - - - -
問6 20% 50% 30% - - - - - -
問7 20% 50% 10% 20% - - - - -
問8 90% - 10% - - - - - -
問9 60% 20% 20% - - - - - -
問10 40% 30% 40% 30% 30% 10% - - -
女子(19~22歲)
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨
問1 - 83.3% 10.0% - 6.7% - - - -
問2 10.0% 60.0% 13.3% 3.3% 13.3% - - - -
問3 66.7% - 26.7% 10.0% - - - - -
問4 23.3% 23.3% 23.3% 30.0% - - - - -
問5 73.3% 20.0% 6.7% - - - - - -
問6 - 63.3% 36.7% - - - - - -
問7 10.0% 46.7% 13.3% 30.0% - - - - -
問8 66.7% - 33.3% - - - - - -
問9 23.3% 30.0% 40.0% 6.7% - - - - -
問10 26.7% 23.3% 26.7% 10.0% 23.3% - 6.7% - 6.7%
男 女(19~22歲)
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨
問1 5.0% 80.0% 10.0% 5.0%
問2 15.0% 55.0% 15.0% 2.5% 12.5% - - - -
問3 67.5% - 25.0% 10.0% - - - - -
問4 27.5% 25.0% 17.5% 27.5% - - - - -
問5 77.5% 17.5% 5.0% - - - - - -
問6 5.0% 60.0% 35.0% - - - - - -
問7 12.5% 47.5% 12.5% 27.5% - - - - -
問8 72.5% - 27.5% - - - - - -
問9 32.5% 27.5% 35.0% 5.0% - - - - -
問10 30.0% 25.0% 30.0% 7.5% 25.0% 7.5% 7.5% - 5.0%
成人(20歲以上)
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨
問1 6% 51% 24% 5% 14%
問2 6% 39% 34% 7% 14%
問3 34% 4% 54% 5%
問4 21% 44% 26% 9%
問5 68% 23% 9%
問6 43% 41% 16%
問7 8% 48% 29% 16%
問8 79% 9% 13%
問9 71% 22% 6% 1%
問10 26% 21% 9% 12% 5% 14% 8% 2% 2%
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まずは男子と女子のアンケート結果を分析していく。ほとんどの問題に対して同年代の男女の差は変わらなかったが、いくつか男子と女子で違った部分が分かった。問3では、男子70%、女子66.7%と①の「良くなる」と答えた人が多かった。ここで若干の変化があったのは③の「変わらない」だ。男子は20%だが女子は26.7%だった。人数の関係もあるかもしれないが、男子より女子の方が今後の日韓関係をあまり意識していないのではないかと感じた。そして私の予想外だったのは問4の回答である。答えはかなりばらばらで、男子では①の「併合すべきではなかった」と答えた人が40%で、②「やむを得なかった」30%、④「よく分からない」も30%だった。これに対し女子は、④の「よく分からない」が30%と一番多く、残りの①、②、③は共に23.3%」だった。男子よりも女子のほうが併合のことを知らない、よく分からないという回答が多かったことが意外だった。ここで男子よりも女子の方が日韓の歴史に対しあまり無関心ではないかと感じた。それにも関わらず問5では男子90%、女子73.3%と①の「そう思う」が一番多く、併合のことを知らないと答えたが植民地支配したことは現在障害となっていると思う女子学生が多かった。また自由意見では、「日本の学生はもっと歴史に対し積極的に学ぶべきだ」「今後時間がかかっても問題を解決してほしい」など、韓国に良いイメージを持つ学生が多かった。中には、「日本にどうしてほしいのか教えてほしい」「自分たちの都合で歴史を持ち出すのは良くない」など反対意見もあり、日本の学生は韓国に良いイメージを持っているが、歴史認識問題の影響で悪いイメージを持っている学生もいた。ここで分かったことは、男子は歴史に多少の興味があり日韓の歴史を考えている一方で、女子は韓国の観光・文化に興味が非常にあり、歴史に関しては男子よりも無関心なところがあることがわかった。
終章 まとめ
引用文献など
- 詳説日本史 2006年(2002年文部科学省検定済)山川出版社
- 世界の教科書シリーズ10『躍動する韓国の歴史』‐民間版代案韓国歴史教科書 三橋広夫編 2004年 明石書店(pp442~447)
- 世界の教科書シリーズ4『韓国の歴史 入門』‐国定韓国中学校国史教科書
2001年 明石書店
- 世界の教科書シリーズ9『韓国の歴史 概説』‐韓国放送通信大学校歴史教科書
ソンチャンソプ、ホンスングォン著 2004年 明石書店(pp360~367)
- 教科書とは何か‐社会科教科書執筆者懇談会編 1984年 未来社
- 讀賣新聞‐2010年4月17日
- 日本経済新聞‐2010年4月14日
- 近代歴史と教科書問題‐石山久男著 1998年 新興出版社(p216)
- 日韓の共通認識-日本は韓国にとって何なのか 李 元徳・金 慶珠編 2007年 東海大学出版会
歴史認識を巡る日韓の葛藤メカニズム 李 元徳著(pp26~46)
日韓関係の力学と展望-冷戦期のダイナミズムと脱冷戦期における構造変容- 木宮正史(pp47~72)
- 歴史認識を乗り越える-日中韓の対話を阻むものは何か- 小倉紀蔵 2005年
- 民族紛争のエコロジー-逆光の文化史観- 高橋康昌著 2000年 東宛社
- 21世紀の歴史認識と国際理解-韓国・中国・日本からの提言- 二谷貞夫著 2004年 明石書店
- 日韓新考-黒田勝弘著 2002年 産経新聞社
最終更新:2010年07月08日 12:03