netCDFデータを用いて,GrADSで描画しよう
ここでは,GrADSとはどんな描画ツールなのかを紹介し,データの読み込み,基本的なコマンドを紹介したいと思います.
(今回のゼミでは,最初にXming(各パソコンから研究室のLinuxサーバ「Ubuntu」へアクセスするための媒体となるソフト)をインストールしましたね.これに関する説明は
以前に作成されたWikiに記載されているので,ここでは割愛いたします.)
1.GrADSとは?
GrADSは,「The Grid Analysis and Display System」の略です.グリッドデータ(格子状のデータ)を用いて描画するソフトになります.
基本的には4次元(x,y,z,t)からなる大量格子データから,用途に応じた2次元描画に適しています.
GrADSが扱えるデータ形式には次のようなものが挙げられます.
- Fortranダイレクトアクセス形式(デフォルト)
- GRIB (GRIdded Binary)形式
- net CDF (network Common Data Form)形式
GrADSで描画をするには,通常,データの構造や情報を持つ「ctlファイル」を介してデータを読み込みます.
しかし,今回はctlファイルがなくてもデータを読み込めるnetCDFデータを扱います.
対象とするnetCDFデータは,NCEP/DOE再解析データⅡより,1979~2008年における全球月平均気温データ「air.mon.mean.nc」を使用します.
それでは,早速作業に入りましょう!
2.netCDFデータをGrADSに読み込む
まず,xterm(EoSmap.xlunch)を立ち上げて下さい.
次のコマンドを打ち込み,データが存在するディレクトリへ移動します.
cd workshop …「workshop」というディレクトリへ移動します.
dir …workshopの中身を確認します.あらかじめコピーしてきた「air.mon.mean.nc」というファイルが入っているかと思います.
ここで,もう一つxtermの画面を開いておくと後で役立ちます.
xterm & …xterm画面が立ち上がります.
では,以下のコマンドでGrADSを立ち上げ,データを読み込んでいきます.
grads …GrADSを立ち上げます.
ここで,Enterキーを押すとLandscape(横長)の画面が,「n」を押すとportrait(縦長)の画面が現れます.
sdfopen air.mon.mean.nc …netCDFデータ「air.mon.mean.nc」を開きます.
3.データの情報をみる
GrADで描画するには,データの情報,そして,格子状のデータ構造を把握していなければ必要とする画を描くことができません.
そのためにも,ここでデータの状態を確認しておきましょう.
q ctlinfo …データの情報(通常はctlファイルの中身となる)を表示します.
すると,次のような内容が表示されます.
これを訳すと,
データの情報として・・・
- 「air.mon.mean.nc」というデータを準備
- データ(元)の名前は「NCEP/DOE再解析データⅡの月平均データ」
- 欠損値(データが欠落している箇所の値)を-9.99e+33と定義する
- データのタイプはnetCDF形式
データの構造として・・・
- x軸方向に144個のデータがあり,0°から始まり,2.5°刻みで(線形的に)増えていく
- y軸方向に73個のデータがあり,-90°から始めり,2.5°刻みで(線形的に)増えていく
- z軸方向に17層を形成し,その気圧面は,下層から1000hPa,925hPa…まで存在する
- 時間は360個あり,1979年1月から1ヵ月ごとに(線形的に)増えていく
また,変数(var)は一個で,各気圧面における月平均気温となります.ここでは,変数名を「air」と定義しています.
4次元のデータ構造がイメージできたでしょうか?
それでは,次の節でGrADSの基本的な描画コマンドを紹介していきます.
4.GrADSで色んな図を描きだそう !
ここは,次のゼミで紹介します.
ゼミ終了後に,この節を更新したいと思います.
もうしばらくお待ちください・・・
最終更新:2010年04月06日 21:25