はじめてのTeX
ここは,TeX(テック,もしくは,テフと読みます)を初めて扱う方に向けたページになります.
TeX本体や関連ツール,TeX用エディタのインストールを中心に紹介したいと思います.
TeXとは?
TeXの利点は,論文など長い文書の管理がしやすいことです.
一つの文書そのものが,渾然一体としたものではなく,いくつもの要素(条件,定義,章,節,図など)の集合体として管理する(オブジェクト指向)ことができます.
コマンドを覚えたり,設定をおこなうのは,初めは煩わしいかも知れませんが,慣れさえすれば効率よくきれいな文書を作成できるでしょう.
TeXのインストール
初心者にとって,特に難点なのがTeXのインストールです.
TeXは,本体のソフトウェアだけでなく,ビューワーのDVIやPSといった関連ツールもインストールしなければなりません.
そこで,それらを一括でインストールできるものを紹介します.
初心者でも簡単にインストールできるものがいくつか作成されています.
以前のページでは,角藤 亮 氏によるTeXインストーラーが紹介されています.
今回は,それよりも,さらに簡単に取り込める阿部 紀行 氏によるインストーラーを紹介します.
あべのりページ / 作ったもの,とか
まず,上記のサイトから “
TeXインストーラ3 0.85 (最終更新:2015/07/11)” をダウンロードします.
その中の “
abtexinst.exe (Windows用TeXインストーラ)” をクリックすれば,自動的に必要なソフトウェア群がインストールされます.
環境変数も自動的に設定してくれます.
これで,TeXのインストールは完了です.
TeX用エディタ(TeXstudio)のインストールと設定
TeX文書の編集に便利な “
TeXstudio ” というエディタをインストールします.
(※以前は「
Winshell」というエディタを推奨していましたが、不具合があるため現在は非推奨となっています。)
TeXstudio は,文書のテンプレが入っていたり等,初心者にも扱いやすいTeX専用エディタです.
TeXstudio - A LaTeX Editor
上記のサイトから, “
texstudio2.9.4_win_qt5.4.1” をダウンロードして,インストールします.
( 「
Download texstudio2.9.4_win_qt5.4.1.exe (36.5 MB)」 をクリックしてください.)
次に,TeX本体とTeXstudioを連動させるための設定をおこないます.
まず, “TeXstudio” を起動させます.
「オプション」 ⇒ 「TeXstudioの設定」 へ移動します.
オプションの設定は,このページに従うのみです.
細かい作業になりますが,地道に頑張りましょう!
TeX文書の作り方
TeX文書の基本構造は「プリアンブル」と「本文」に別れます.
「プリアンブル」とは,TeXで使いたいオプション指定(=パッケージの呼び出し)や,文書全体に共通する書式の定義(=マクロの定義)をおこなう場所になります.
「本文」では,出力される文書本文を組版命令(以下,コマンド)を用いながら,記入していく場所になります.
これらをエディタに打ち込んだものが,次になります(注:TeXでは,「%」 より後の文章は行単位でコメントアウトされます).
\documentclass[12pt]{jarticle} % []内はフォントを,{}内は文書クラスを指定した一例になります.
% プリアンブル
\begin{document}
% ここに本文が入る
\end{document}
TeXstudio の,「ウィザード」欄に「 簡単テンプレート 」というものが入っているので,そちらを使えば一から打ち込む手間が省けます.
また,「LaTeX」欄には,様々なコマンドボタンが入っているので手軽に文書作成がおこなえます.
コマンドについて
基本的なコマンドは,
LaTeXコマンドシート一覧 を参照されるのがよいかと思います.
こちらでは,書体や数式,文章区分といったものが紹介されています.
また,本Wikiでも
TeX小技集 にていくらか紹介されているので,ご参照ください.
最終更新:2015年07月20日 04:28