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モーツァルトとミニトマト

モーツァルトとミニトマト


1:はじめに

  モーツァルトの書いた曲は胎教によいというのをご存知だろうか。その秘密は、音楽のメロディの進行や、音の強弱の移り変わりにある(これを物理学の言葉で“ゆらぎ”という)。モーツァルトの曲は、その音のゆらぎ方がやさしく、お腹の中の赤ん坊にもよいのだそうだ。だが、その“ゆらぎ”も、モーツァルトの曲のは少し違う。鳥のさえずり、せせらぎの音など、自然界に存在する音のゆらぎである、1/fゆらぎというものが、モーツァルトの曲にはたくさん含まれているのである。この1/fゆらぎ(1/f波ともいう)のは、生物に適度な刺激を与える効果もあり、更にストレスも減らせるのだそうだ。赤ん坊の脳の発達を促進する効果もあるのだとか。近年、「音楽療法」というのが広まりつつあり、このモーツァルトの曲の効果が再認識されているが、興味深かったのは「モーツァルトの曲を聞かせた乳牛の乳がよく出る」だとか「モーツァルトを聞かせたトマトが普通のより大きくなったり甘くなったりした」という、人間以外の生物にも効果があるということだ。で、その真偽を確かめるべく、実際に、ミニトマトに曲を聞かせてみることにした。    
      参考文献:CD『マタニティ・モーツァルト』の付録の解説書

2:実験内容

  6本のミニトマト(品種はミニキャロル)を用意し、2本はモーツァルトの曲のみを聞かせる為植木鉢に植えてベランダへ置き、2本は対照実験の為何も聞かせないように庭に植えた。また、他の作曲家の曲はどうか確かめる為、別の苗にバッハの曲を聞かせることにした。これも2本を同じプランターに植えてベランダに置いた。6本のミニトマトを植える際、土は皆、鹿沼土と黒土と腐葉土を1:3:2の割合で混ぜたものを使い、肥料は化成肥料を同じ量加えた。で、聞かせてみた曲はこちら。
 モーツァルトを聴かせたもの
  CD名『マタニティ・モーツァルト』
      1・ “アイネ・クライネ・ナハトムジーク”より第2楽章 
      2・すみれ             
      3・ ピアノ協奏曲第21番  第2楽章         
      4・ ピアノ・ソナタ第13番  第1楽章        
      5・ ヴァイオリン協奏曲第4番  第2楽章
      6・ ディヴェルティメント  K・136より  第2楽章 
      7・フルートとハープのための協奏曲  第3楽章
      8・弦楽四重奏曲第15番  第2楽章
      9・クラリネット五重奏曲   第1楽章
     10・“魔笛”より「パ、パ、パ、パパゲーナ!」           
 バッハを聴かせたもの
    CD名『Bach Naturally~North Sound~』※外国のCD
      1・平均律クラヴィーア曲集第1巻より・1番前奏曲
      2・(訳せない)Sheep May Safely Graze
      3・イタリア協奏曲 第3楽章
      4・主よ、人の望みの喜びよ       
      5・(訳せない)Ariso in G   
      6・平均律クラヴィーア曲集第2巻より・14番前奏曲
      7・G線上のアリア
      8・メヌエット・114番
      9・イタリア協奏曲 第1楽章
     10・メヌエット・115番
     11・平均律クラヴィーア曲集第1巻より・1番フーガ
     12・平均律クラヴィーア曲集第1巻より・2番フーガ
     13・メヌエット・116番
     14・平均律クラヴィーア曲集第1?巻より X番(訳せない)
     15・イタリア協奏曲 第2楽章
     17・平均律クラヴィーア曲集第2?巻より Y番(訳せない)
 CDのせつめい
『マタニティ・モーツァルト』
 「おなかの赤ちゃんと楽しむモーツァルト」という副題がついているだけあって、胎教によいモーツァルトの曲を集めたCDである。α波効果が特に期待される曲を選曲したのだとか。母は、僕がまだお腹の中に居た時これを聞かせていたらしいが、生まれてどんな効果が僕にでたのかは自分でも分からない。
『Bach Naturally~North Sound~』
 森の音(川のせせらぎや鳥のさえずり)、波打ち際の音など(1/f波)をバックに、バッハの代表的な曲が流れる、画期的なアイディアのシロモノである。個人的には第2番・4番・5番・7番・13番・17番に効果があるのではとも思っている(単に旋律が美しかったから)
それと、誤解のないように書かせてもらうが、トマト達は、別に音楽の音色をじかに聞いている訳ではない。彼らは、曲の、物理的な音の波などを感じ取っているということを認識してほしい。

3:実験経過

  ここでは、観察日記やその他のことを掲載しておく。

壱 曲を聞かせた日程


曲の聞かせ方は単にプランターの前にCDレコーダーをセットするだけと簡単である。が、例えばバッハのみを聞かせる苗にモーツァルトを聞かれてはならないので、曲を聞かせる際は室内にプランターを移し、窓をピッタリ閉めて音が漏れないようにし、ベランダにある他の苗に曲が聞こえないようにした。また旅行に出かけるなど、聞かせられない日もある。そこで、7~8月に聞かせた日程を下に表してみた。
7月
月 火 水 木 金 土 日
13 購入
14× 15 モ 16 × 17 バモ 18 × 19 バ 20 ×
21 モ 22 × 23 バ 24 バモ 25 × 26 モ 27 ×
28 バモ 29 バ 30 バモ 31 バ
8月
月 火 水 木 金 土 日
1 モ 2 × 3 バ
4 バ 5 モ 6 × 7 バモ 8 × 9 × 10 ×
11 × 12 × 13 × 14 × 15 バモ 16 バモ 17 バモ
18 × 19 モ 20 バモ 21 × 22 × 23 バ 24 ×
25 モ 26 バモ 27 バ 28 × 29 モ 30 × 31 ×
×…何も聞かせなかった日 バ…バッハを聞かせた日 モ…モーツァルトを聞かせた日
※8月8~13日は旅行

弐 観察日記


7/21 トマトは水を控えるのがよいそうなので、今日からあまり水をやら ないようにした
7/29  モーツァルトを聞かせてるトマトの元気がない。祖父に見せると、「水が足りな
     過ぎる」とのこと。水をたくさんやったら2本とも元気になった。水を控えるのがいいのは迷信か?まぁ、大量の水を使った、泥づけとかいうトマトの栽培法もあるそうだしな。水はやっぱり重要みたい。
8/4  モーツァルトを聞かせてる苗のひとつが元気がない。水をたくさんやって日陰に置いといてもだめだ。茎がぶらんと垂れ下がっている感じ。勢いがない、と言った方が妥当かな。
8/10 長野への旅行から帰ってきてからトマトを見て、思わず悲鳴をあげた。なんと、あの元気がないモーツァルトの茎が、3本も落ちてしまっているではないか。葉っぱは上に反り返り、白いふの部分が広くなっている。まさか、病気にかかったのでは…。
ここで、音楽を聞かせているトマト(バッハ、モーツァルト)と、何も聞かせていないトマト
の茎の長さや葉の多さが違うことが分かった。音楽を聞かせているのは、4本とも茎が
短いのに葉が多いのに対し、聞かせていないのは2本とも茎が長く葉が少ない。6本
共きっちり日光が当たる場所に置いているのに何故だろう?




曲を聞かせているトマト(バッハ、モーツァルト)↑

対照実験のトマト↓
下の方が、明らかに茎が長い。葉っぱも少ない。
8/19 例のトマトは萎ちょう病にかかっていることを断定し、薬を与えてみた。祖父が物置から植物用の薬を出してきたが、最終有効期限が9年前だ。そのため、とりあえずこの薬を与え、効果がなかったら店に薬を買いに行き、それを投与する、という計画にした。噴霧器の中に、水2㍑と薬の錠剤2粒を混ぜたものを入れ、とりあえずトマトにかけてみた。効果があればいいのだが…。
8/23 ついに対照実験用のトマトと、バッハのトマトの実が、赤く熟した。
8/25 薬の効果が出なかったので、新しい薬を買ってきて投与してみる。また、支柱
     を何度刺しても、トマトは体を支えきれなくなってきたので、仕方ないが茎の間引きをした。
8/31 茎の間引きをしたバッハのトマトの生長が著しい。わずか7日で2倍近くまで背丈が増えた。

4:実験結果

   今回は、①丈の長さ②実の大きさ③実の甘さ で、3種類のミニトマトを比べてみた(9/1日現在)。その結果、

① 丈の長さ


人間の手を極力入れず、自然な状態での丈の長さを調べる為、茎の間引きはしないことを前提に実験をした。が、8/25日に約束を破って間引きをしてしまった。バッハのトマトはまるで森のような外観で、支柱を何度差し替えてやっても風が吹くたびに倒れるトマトにうんざりしたからだ。実験結果は9/1日の状態での結果を使用するのだが、丈の長さだけは8/22日のものを使用することにした。
対照実験  102cm、94cm
モーツァルト  ①普通の  67cm  ②病気の  51cm
バッハ  68cm、72cm
と、対照実験のが一番長かった。モーツァルトのは、病気のを除けばバッハのトマトの丈とどっこいどっこいだ。なぜこうなったのか考察してみる。まず、この差ができた原因として、土の量が考えられる。庭に植えたトマトは、植木鉢と違って、土の量に制約がない。その為、好きなだけ根が伸ばせるのであって、その分生長もよくなったのでは、と考えた。これなら解決できると思ったのだが、植木鉢の土の量を計算したところで疑問が湧いた。モーツァルトのトマトが植わっている鉢の土の量は
5276π+6533π=11809π≒37080.26㏄(鉢の大きさが共に違う)
  一方バッハのトマトが植わっているプランターの土の量は
       × × =16566.64㏄
  よってモーツァルト、バッハのトマトの、1本あたりの土の量は
     バッハ…およそ8283㏄/1本
     モーツァルト…およそ18540㏄/1本
と、モーツァルトの土の量はバッハの2倍以上もある。それなのに丈がバッハとほぼ等しいのは何故だろう?

② 実の大きさ

 9/1日現在・
 バッハ…片方・3個収穫    最大の実・半径2cmの球状
      もう片方・0個収穫
モーツァルト…病気の・4個収穫  最大の実・半径1.5cmの球状
        普通の・0個収穫
 庭の…片方・3個収穫  最大の実・半径2cmの卵型
     もう片方・2個収穫  最大の実・半径2cmの球状
これも庭のトマトが一番大きかった。また、まだ小さく熟していない実が、それぞれたくさんある。原稿提出時が10月くらいだったら、収穫する実の数もかなり増え、実の大きさも大きくなったことだろう。

③ 実の甘さ

本来は糖度計とかいう道具をトマトに刺して糖度を調べるのだが、そんなシロモノは当たり前の如く持ち合わせていないので、実際に食べてみて甘みを調べることにした。また、収穫できた実の数が少ないので、偏った判断になるかもしれないが、私一人で食べて評価を下すことにした。
  • バッハ 甘み<酸味   甘みは感じられるものの、酸味が大勝ちしている。トマトの、茎などの生長ぶりは見事だが、実の方は期待に大いに外れてあまり美味くなかった。真っ赤に熟していたのに…。
  • モーツァルト(病気の)…酸味のみ 甘みは皆無。実が小さい頃、病気だった為農薬をたくさん散布してしまったのがいけなかったのだろうか。とにかく、健康な方のトマトの実が、原稿提出時まで熟していなかったので、「モーツァルトの曲を聞かせたトマトは甘いのか?」という本題を、原稿提出時までに調べられなかった。
庭の…甘み>酸味  美味い。口にいれ噛み締めた瞬間、甘みが口内に広がった。間違いなく3種類のトマトの中では一番美味い。
…と、いうように肝心なトマトの甘さは、庭の>バッハ>モーツァルトと、一応なった。だ
が、モーツァルトのが、食べたやつが病気のだったり、熟してるのが少なすぎたり、収穫
個数0個だったり…。10月にレポート提出だったら、食えたトマトの個数も飛躍的に増
えたはず…。そうなれば甘さの順位も変わってたかもしれないし、本題も実証できたか
もしれない。結局、
結果:トマトの生育がレポート提出時までに間に合わなかったので、結論付けることはできない
という結果(?)になった。こんなにページ数とったのにこんな結果で、すまん




最終更新:2009年09月20日 21:46
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