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卿使・燐」(2006/11/23 (木) 00:34:24) の最新版変更点

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(どうしたら良い…) もう紅嵐には弾は残っておらず、 緑仙は撃たれた拍子に落としてしまった。 護衛の瑪瑙は脱臼と容赦ない銃撃のせいで、 動けないのか、蹲ったまま。 『本部と連絡を取りました。卿使殿とあと数名、お出でになるそうです』 先ほど瑪瑙が言った言葉を思い出す。 (どの"卿使"だか知らないが、来るなら早く…) そう思ったときだった。 上空からヘリらしき音。 そして、何かが上から降ってくる音。 「な…っ」 相手が機関銃を向ける前に、人影が懐に入り込む。 そして…持っていた剣を振った。 次の瞬間には、機関銃を持った男は吹っ飛び、 身長の半分以上もある大きな剣を持った人が佇む。 その後姿に見覚えがあった。 「燐…」 絶剣の燐。卿使の一人だ。 歳は自分とそう変わらない。 卿使の面々とは何度か会った事があり、この燐も知己だ。 彼女が来るとは思っていなかったので、ただ吃驚した。 「お怪我の具合は?」 相手を睨んだまま、燐が問う。 「…僕は軽い。しかし瑪瑙の方が…」 問いに答えた時、遠くの方で声が上がった。 「ここは私が。所定の場所へお急ぎを」 燐は後ろ手で弾のパックを放った。 それを受け取り、瑪瑙に手を貸し立たせ、 緑仙を拾い、燐に礼を言って、その場を後にした。 森の出入り口付近には、もう息のない白使達と、 闇也と思われる人が2人。 それに対峙するように立つ奏摩。 「奏摩!」 「…」 返事はなかったが、ちらりと此方を見、状況が分かったようだ。 「あの女…」 闇也の一人が此方を見て声を上げる。 (さっきの奴か…) 瑪瑙が遠ざけてくれた者がここにいるとは…。 もう一人が言った。 「龍の兄さん、あっちの相手、よろしく」 あっち、とは当然僕達の事だろう。 「瑪瑙…」 「はい」 瑪瑙が下がった場所に移るのを見て、緑仙を構える。 ここさえ切り抜ければ…。 (僕はまだ死ぬ訳にはいかないんだ…) 蝶姫に会うまでは… フラフラな体とクラクラする視界に 負けないその意思だけが、僕を支配した。

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