7話「失踪」

翌日、病院


陽斗「あのやろー、深く切ってくれやがって」

玲司「いや、よく生きてたよお前」

陽斗「まぁねー、まさか真剣で実践するなんてな」

玲司「そういやお母さんは無事だったの?」

陽斗「あぁ、無事だったよ、すげー心配されたけどね」

玲司「だろうなぁ、途中から知らないけどどうなった?」

陽斗「元総隊長が亡くなった、それと引き換えに敵も引き返したよ」

玲司「そっか・・・亜希ちゃんは?」

陽斗「結構酷いみたいだからな、まだ寝てるよ」

玲司「まぁそうだよな・・・」

ガタンッ


亜希「陽斗‼‼」

陽斗「おいおい、寝てなくていいのかよ」

亜希「そんなことしてる場合じゃなくなった‼‼‼‼」

陽斗「落ち着けって‼‼‼」

亜希「夏輝が・・・北門から国外へ出たって‼‼‼‼」

陽斗「国外?国内がこんな状況なのにどんな任務だよ」

亜希「無断だって・・・国境警備員を斬って・・・強引に・・・」

玲司「おいおい・・・まじかよ」

亜希「何か・・・あったんだと思うんだけど・・・」

陽斗「・・・そうだな・・・玲司、悪いけどちょっと出てくるわ」

玲司「どこ行くんだよ」

陽斗「決まってんだろ・・・追うんだよ」

玲司「勝手に国外になんて出れるわけねえだろ‼‼‼」

亜希「・・・無理やり出る、夏輝一人で出れたなら私たちなら何とかなる」

玲司「しょーがねえなぁ、俺も行くよ」

亜希「え」

陽斗「お前まで来なくていいよ」

玲司「俺の破術、役に立つと思うよ?」

陽斗「・・・分かったよ、行こうぜ」

亜希「バレたら終わりだからね、覚悟はいい?」

陽斗「お前こそ隊士がそんなことしていいのかよ」

亜希「夏輝はあんたと同じで私の恩人・・・あいつの為ならなんでもする」

陽斗「いや怖えこと言うなよ」

亜希「いいから行くよ」





東門


陽斗「なんで北門じゃねえんだよ」

亜希「突破された後じゃ警備が厳しくなってるはず、ここが一番手薄なの」

玲司「だろうね、南から出たんじゃ逆側だし追いつけない」

?「緋村、交代か?」

亜希「赤城さん、そこ・・・通っていいですか?」

赤城「そういうわけにはいかねえよ、いくら後輩でもな」

玲司「この人たちは?」

亜希「二期上の先輩、7番隊の赤城純四郎さんと黒山剛毅さん」

黒山「・・・木刀の少年、確か今回戦いに巻き込まれた子だな?」

陽斗「そーだけど」

黒山「そんなやつ連れて国抜けか?物騒な話だな」

亜希「5分で突破するよ、それ以上は援軍が来ちゃうから‼︎‼︎」

陽斗「おーけー、玲司、亜希のサポート頼んだぜ」

亜希「必要ない」

玲司「はいはい、両方のサポートしますよ」

赤城「お前ら、舐めてるんじゃねえよ‼︎‼︎」

バッ


陽斗「別に舐めてねえよ」

ギィン‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎


赤城「中に金属仕込んでるのか」

陽斗「亜希のだけどな」

バッ


赤城「そこそこできるな、いいぜ、剣装しろよ」

陽斗「剣装?なんだそれ」

赤城「なんだ知らねーのかよ、期待はずれもいいとこだ」

ギィン‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎


陽斗「くっ」

赤城「興味なくなったわ、さっさとくたばれや」

玲司「破術の三」

爆砲‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎


赤城「なんだよこれ、輪ゴムかなんかか?」

玲司「ちっ、効かねえか」

陽斗「相手は俺だ‼︎‼︎」

ギィン‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎


赤城「‼︎⁉︎」

陽斗「あれ、またこの刀だ・・・どっから・・・」

赤城「ち、急に重くなりやがった」

ガッ


陽斗「おおおおおお‼︎‼︎」

赤城「ちっ・・・興れ」

岩狩‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎


陽斗「なんだよ・・・これ」

赤城「素人相手に剣装披露するとはな・・・行くぜ」

バッ


陽斗「‼︎⁉︎」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


陽斗「地面が・・・」

赤城「切った岩を操る能力だ・・・素人相手とはいえ、手は抜かねえぞ」

陽斗「まじかよ」

ズバッ


赤城「いい筋してるね」

ガッガッ


赤城「岩二つと剣ならどうだ?」

バッ


陽斗「まだ避けれるな、てかあんたの岩柔らかいね」

ズバッ


赤城「いや・・・お前のその剣・・・」

ドサッ


亜希「ハァ・・・ハァ・・・」

黒山「相手にならねえよ」

玲司「くっ・・・つええ」

陽斗「お前ら‼︎‼︎」

黒山「結構手こずってるな」

赤城「妙な力だ、剣装に近いかもしれねえ」

黒山「なるほどね・・・手貸そうか?」

赤城「必要ねえ」

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最終更新:2017年08月10日 01:05