数時間後
玲司「あぁ・・・しんどいわ」
河崎「でしょうね、秘術はまだしも、破術は体のエネルギーを消費して発動させるから・・・お」
玲司「どうかしましたか?」
河崎「お嬢ちゃん起きたみたいね、状況説明するから少し待ってて」
玲司「あぁ、はい」
河崎「終わったら空間を解除するから来て」
玲司「おっす・・・大丈夫?」
亜希「あぁ・・・元気そうだね」
玲司「・・・ごめん、俺のせいで大きな怪我になっちゃって」
亜希「頼んだのは私だし、あなたは精一杯やったでしょ」
玲司「わりぃ、今この人の下で勉強してっから」
亜希「そう・・・で、陽斗は?」
シュッ
雨宮「よう、対話中だよ・・・護衛隊の隊士なら分かるだろう?」
亜希「・・・どういうことですか、今この空間に隊長格は何人いるんですか‼‼‼‼」
雨宮「俺だけだよ、まぁその俺も今休憩中なんだがな」
亜希「案内してください‼‼‼‼私が仲介します‼‼‼」
玲司「何、どういうこと?」
河崎「対話って言ってね、剣装っていう技術を習得するために心の中と話するの」
河崎「心の中の獣に負けると死んじゃうから、そうならないために隊長格が3人、10時間以上ついて見張るんだ」
玲司「へぇ」
河崎「慌てないのね」
玲司「俺が慌てても何もならないっすから」
雨宮「はぁ・・・お前が行って何ができる、あいつと剣獣引きはがせるか?」
亜希「できる・・・いや、やる」
雨宮「本人はそんなこと望んじゃいねえよ」
亜希「でも・・・あいつは試験を通ったわけじゃない‼‼‼それなのに・・・」
雨宮「テメェは・・・自分の仲間も信じられねえのか」
亜希「・・・」
河崎「隊長、相手は女の子ですよ、その辺にしておきましょう」
雨宮「あぁ、そうだった・・・すまんな」
亜希「・・・一人に・・・してください」
ザッ
玲司「おいおい」
河崎「私が見てますから、彼相手にリハビリしてきてください」
雨宮「あぁ、任せたぞ」
陽斗「・・・」
玲司「あれっすか」
雨宮「あぁ、まぁいざとなれば俺が行くよ」
玲司「そうなんすね・・・放っておくのかと思ってましたよ」
雨宮「あいつはそれでいいって言ってたんだけどな、目の前で死なれるのも気分悪いだろ」
玲司「優しいんですね・・・意外っすわ」
雨宮「一応元は護衛隊だからな・・・国を命がけで守ろうってやつに悪い奴はいねえよ」
玲司「・・・どうでしょうね」
雨宮「なんだよ」
玲司「・・・何でもないです、やりましょ」
雨宮「お前の家のことか?」
玲司「なんでも知ってるんすね」
雨宮「そうでもねえさ、俺は2番隊にいたんだ、王族警護を専門とする部隊だ」
玲司「なるほど・・・そういうことですか」
雨宮「お前の話も嬢ちゃんの話も噂程度だけどな、聞いてたよ」
玲司「亜希ちゃんも・・・ですか?」
雨宮「なんだ知らねえのか、じゃあ今の話はなしだ、始めるぞ」
玲司「・・・ういっす」
陽斗「・・・これか・・・」
?「なんだ・・・久々に誰か来たと思えば・・・」
陽斗「でっけー馬だなぁ・・・」
?「分かってるとは思うが、ここで死ねば現実でも死ぬ、そういう覚悟で来てるんだろうな」
陽斗「あぁ・・・名前くらい教えてくれよ、強いのは分かってんだ」
?「何の話か知らんが、人間ごときに名を語る気はないぞ」
陽斗「嫌われてんのなぁ・・・まぁいいや、やろうぜ」
?「よかろう・・・負けた方は勝った方の言うことを聞く、いいな」
陽斗「いいぜ」
ダッ
?「動きは良い・・・が」
ビュンッ
陽斗「っち」
ギィン‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼
陽斗「やっぱ出た刀‼‼」
?「その刀ないと戦えんのだろう」
陽斗「お前・・・なんか知ってんのか‼‼?」
ビュンッ
陽斗「っぐ・・・重い・・・」
?「そんなこと気にしてる場合か・・・格の違いが分かっただろう」
陽斗「なるほどね」
ギィン‼‼‼‼‼‼‼‼‼
陽斗「っち」
?「吹っ飛べ」
ドーーーーーーーーーーーン
陽斗「っくー・・・効くねぇ」
?「次は尻尾で相手してやるよ」
ビュンッ
陽斗「長ぇな」
バッ
陽斗「はぁ?」
ガッ
?「それで避けたつもりとはな・・・」
陽斗「急に伸びたか‼‼‼?」
?「死ねよ」
陽斗「嫌だね」
ギィン‼‼‼‼‼‼‼‼‼
陽斗「‼‼‼?」
ズドーーーーーーーーーーーーーーーン
陽斗「っく・・・防いだつもりが・・・貫通したのか・・・」
?「防ぎきれないと見ると避けたか・・・経験か、あるいは天性の才能か」
陽斗「何言ってんだか・・・意味分かんねえよ」
ダッ
?「・・・だが・・・わしの力を貸すほどではないな」
ドドドドドドドドドドドドドドド
陽斗「っぐ・・・」
?「・・・さて・・・足をやったな・・・ここまでだ」
陽斗「・・・どうだろうな」
ヒュンッ
?「な・・・」
陽斗「片足残ってりゃ十分だよ‼‼‼」
ガッ
陽斗「どーだ‼‼‼」
?「き・・・貴様‼‼‼」
最終更新:2017年09月20日 14:54