10話「進化」 - blade_summoner @ ウィキ

亜希「・・・一人にしてって・・・」

河崎「そうもいかないのよ、私のリハビリ付き合ってほしいしね」

亜希「・・・別に・・・あの二人でもいいでしょ」

河崎「女同士のほうが楽でいいじゃない？」

亜希「私は・・・女は捨てた」

河崎「・・・捨てた？」

亜希「別にいいでしょ、私の勝手」

河崎「そう・・・苦労してんのね」

亜希「あんた・・・私の何を知ってるの‼‼‼」

河崎「これでも一応先輩なんだけどなぁ・・・まぁいいけどさ」

亜希「・・・何を・・・知ってるんですか？」

河崎「よろしい、私は元２番隊副隊長、これでわかる？」

亜希「・・・王族警護隊・・・」

河崎「いろんな悪い噂が流れてくるのよ」

亜希「・・・そんな・・・」

河崎「別にいいふらす気はないよ、そういう契約してるからってのもあるしね」

亜希「・・・そう・・・」

河崎「いいからお嬢さん、剣持ちな」

亜希「・・・剣？」

河崎「私の相手、してよ」

雨宮「さすがだね」

玲司「どういう意味ですか」

雨宮「俺は２番隊にいたんだぜ、その意味わかるだろ」

玲司「・・・いいえ」

雨宮「まぁ俺も別にどうでもいいことだからな、これ以上は聞かねえよ」

玲司「そうっすか・・・どうも」

陽斗「・・・ふぅ」

雨宮「・・・２時間か・・・信じらんねえ」

玲司「大丈夫か‼‼?」

陽斗「あぁ・・・死にかけたけどな」

雨宮「・・・まぁ期待していた以上の早さだ、獣と話はついたのか？」

陽斗「とりあえず借りてたお札貼ったぜ、そしたらなんか鎖出てきて縛ったんだけど・・・」

雨宮「それでいい、奴らと契約するには倒すか拘束するかだ」

玲司「じゃあ続き行きましょう」

雨宮「いや、お前は休め・・・宮永、いろいろ試したいだろ」

陽斗「ええ」

雨宮「契約したときの口上があるはずだ、それの後にそいつの名前を叫べ」

陽斗「あ・・・結局名前聞いてねえな・・・」

雨宮「そんなわけねえだろ、その動物の名前だ」

陽斗「あぁ・・・名前って種類のことか・・・じゃあ・・・行くぜ」

雨宮「おう、やってみろ」

陽斗「君臨せよ」

麒麟‼‼‼‼‼‼‼‼‼

雨宮「それが麒麟か・・・初めて見たよ」

陽斗「おお・・・なるほどね・・・剣が変わったよ」

雨宮「じゃあ俺も剣装のリハビリしようかな・・・君臨せよ」

白虎‼‼‼‼‼‼‼‼‼

玲司「おお・・・」

ダッ

雨宮「ち、相変わらずじゃじゃ馬だな」

ゴオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォ

陽斗「な・・・風‼‼‼?」

雨宮「白虎の能力は風、いくぞ」

玲司「っくー、すごいね」

ダッ

陽斗「ちっ」

ギィン‼‼‼‼‼‼‼‼‼

雨宮「おい、これじゃさっきまでの方がよかったぞ、何ビビってる」

陽斗「いや・・・別に」

ギィン‼‼‼‼‼‼‼‼‼

陽斗「んん・・・ダメだ、抑えきれねえ‼‼‼」

ゴオオオオオオオオォォォォォォォォォォ

雨宮「おいおい・・・こりゃダメだ・・・少々手荒だが、封印させてもらうぞ、秘術の六十五」

五法封権‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼

玲司「・・・なんだ・・・今の・・・」

雨宮「剣装については話したな、今のはその上の段階だ、もっとも・・・制御しきれてこそだがな」

玲司「・・・暴走したってことっすか」

雨宮「あぁ、さすがに正面から打ち合うと俺も危ういんでな」

陽斗「・・・・・・すんません・・・なんか・・・記憶飛んでました」

雨宮「数秒だよ、別に俺は死にはしねえから安心して暴走しろ」

陽斗「・・・はい・・・」

夜

亜希「陽斗‼‼‼‼」

陽斗「おう、お前も起きたんだな」

亜希「何で仲介なしで対話なんてしたの‼‼‼」

陽斗「悪かったよ・・・でも強くなるには必要だったんだ」

玲司「まぁ結果無事だったんだからよかったじゃんか」

陽斗「そうだろ？」

亜希「そういう問題じゃない‼‼‼‼」

雨宮「ぎゃーぎゃー喚くな、動物園じゃねえんだぞ」

河崎「・・・報告があります」

雨宮「なんだ」

河崎「首脳会談に行っていた護衛隊が引き返してきています、到着は明後日ごろかと」

雨宮「まぁ・・・あれだけ大きな奇襲があったんだからな・・・当然だろう」

河崎「どうなさいますか・・・東雲を倒しに行くには不都合かと思いますが」

雨宮「おそらくあいつらもすぐに東雲討伐に向かうだろう、ただ、何も知らないあいつらじゃどんなに強くてもだめだ」

雨宮「思ってたより早かったな・・・明後日帰って来るなら討伐は早くても四日後・・・それまでに俺らは動く」

陽斗「・・・じゃあ・・・それまでにあの力をモノにしないと・・・」

玲司「急だね」

亜希「別に・・・いつ行こうが変わらない」

雨宮「さて、ガキ共は寝る時間だ、行け」

玲司「うっす」

雨宮「・・・で、お嬢ちゃんは使えそうか？」

河崎「どうでしょうね・・・剣装は習得しているようですが、すべての力を引き出す事はできないようで」

雨宮「・・・お嬢ちゃんがザコなのか、ただの剣獣じゃねえのか」

河崎「隊長、ご存じないんですか？あの子は・・・」

雨宮「あぁ、忘れてたよ・・・」