14話「亜希と夏輝」 - blade_summoner @ ウィキ

亜希「・・・平気ですか？」

河崎「私？」

玲司「さっき、かなり力を使ってましたよね」

河崎「君らに心配されるほどじゃないよ」

亜希「そう、ならさっさと行くよ」

河崎「何を急いでるの、隊長は矢吹隊長に会えたみたいだし」

亜希「だからこそ、急がないと・・・この奇襲が終わったら、二度とあいつには会えなくなるかもしれない‼‼」

玲司「まぁ、そうだけどさ」

河崎「随分拘るんだね、彼氏かなんか？」

亜希「ち、違う‼‼‼‼」

河崎「もー、かわいいなぁ」

玲司「なんか、楽しそうっすね」

河崎「楽しいわけないでしょ、仕事なんだから」

夏輝「お待ちしてましたよ」

河崎「君が司馬夏輝くんか、確かに整った顔立ちだね」

夏輝「そりゃどうも・・・亜希、入ったばっかで国外任務なんて凄いじゃないか」

亜希「脱国して追ってきたの」

夏輝「マジかよ・・・なんでそこまで」

亜希「あんたや陽斗が・・・一番よく分かってるでしょ」

夏輝「・・・そうだけど・・・俺は俺の夢のために抜けたんだ、これ以上俺には関わらない方がいい」

玲司「そうはいかねえよ、あんたがついたのは大罪人なんだからな」

河崎「そういうこと、悪いことはいわないから投了しなさい」

夏輝「却下、そりゃごめんだ」

河崎「お子様に手上げるの嫌なんだけどね、仕方ない」

亜希「私にやらせて」

河崎「いいの？」

亜希「まだ力は有り余ってるからね」

玲司「そうしましょ」

夏輝「お前、俺とやれんのか？」

亜希「どうせ誰かやるなら、私の手でやる」

夏輝「おーけー、じゃあ・・・潰せ」

黒刃拳‼‼‼‼‼‼‼‼‼

亜希「轟け」

紅龍‼‼‼‼‼‼‼‼‼

夏輝「あぁ、そうだよな、紅龍だもんな」

亜希「拳に装備する剣装・・・前に見たのとは違うな」

ダッ

夏輝「まっすぐ突っ込んでくるところは相変わらずだね」

ギィン‼‼‼‼‼‼‼‼‼

夏輝「むかしとは違うんだよ」

バチンッ

亜希「っぐ・・・ここまで攻撃範囲が広いとは・・・」

玲司「剣装って変化するんですか？」

河崎「上の段階が無いことはないけど・・・剣装が変化することはないよ」

玲司「じゃ・・・あれは・・・」

河崎「さぁね・・・東雲が独自の研究をしていたのは間違いないし、なにかあるのかもね」

夏輝「力自体はそんなに興味なかったけどね・・・悪くないな」

亜希「むかしと違うのは、夏輝だけじゃないよ」

ゴオオオオオオオオオオオオオ

夏輝「なるほど・・・こいつが紅龍ってやつか、さすがに隊長クラスの剣装は見たことなかったからな」

亜希「そう・・・じゃあ見せてあげるよ」

ギィン

夏輝「炎か‼‼‼」

亜希「えぇ、燃やし尽くす‼‼‼」

紅蓮‼‼‼‼‼‼‼‼‼

夏輝「っと・・・」

亜希「もうやめとく？近寄れなきゃ何もできないでしょ」

夏輝「笑わせんなよ」

ズバババババ

亜希「っく・・・炎の波を切り裂いて進んでくるなんて・・・」

夏輝「ここまで来て、説得で終わらせようなんて甘いんじゃねえのか？」

亜希「そうかもね」

夏輝「行くぞ‼‼‼」

竜巻拳‼‼‼‼‼‼‼‼‼

亜希「わっ‼‼‼」

ギィン‼‼‼‼‼‼‼‼‼

夏輝「甘いね、射程圏内だ」

ズバッ‼‼‼‼‼‼‼‼‼

亜希「ぐっ」

玲司「亜希ちゃん‼」

ゴオオオオオオォォォォォォォ

夏輝「・・・さっきより熱くねぇな・・・まだ使いこなしてるってわけじゃなさそうだな」

亜希「だったら？」

夏輝「甘いね」

斬風竜巻‼‼‼‼‼‼‼‼‼

亜希「な・・・」

ズバババババ

亜希「っく・・・」

夏輝「・・・お前の紅龍も攻撃範囲は狭くはねえが、黒刃拳の攻撃範囲は剣装の中で最大クラスだ」

亜希「なら・・・そっちより早く動くだけ‼‼‼」

河崎「深追いはやめな‼‼‼」

夏輝「一直線すぎるんだよ、お前は」

ビッ‼‼‼‼‼‼‼‼‼

玲司「よしっ」

夏輝「なにっ・・・」

ガッ・・・

夏輝「・・・・・・トドメ・・・何で刺さない・・・」

亜希「・・・できない・・・やっぱり・・・」

河崎「そのまま抑えときな・・・あんたができないなら、私がやる」

亜希「・・・」

夏輝「今の一瞬だけが、俺を刺せる唯一の瞬間だったのになぁ」

ヒュッ

亜希「な・・・」

玲司「瞬間移動・・・」

夏輝「こっちにも、控えがいるんでね」

？「控えとは随分じゃないか」

夏輝「すんません、そんなつもりはないっす」

河崎「新田‼‼‼」

玲司「秘術の六」

土縛り‼‼‼‼‼‼‼‼‼

ヒュッ

亜希「・・・」

河崎「あんたは使い物になんないから下がってな」

玲司「そんな言い方・・・」

河崎「言ってる場合じゃないでしょ‼‼‼‼」

？「撤退命令が出ている、終了だ・・・さらば」

ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン‼‼‼‼‼‼‼‼‼

河崎「・・・あんた・・・」

名桐「・・・河崎・・・」

河崎「やぁ坊ちゃん、随分たくましくなったね」

名桐「子供扱いするでない・・・あの程度の雑魚も取り押さえられんとは、落ちたものだな」

河崎「リハビリ中なのよ、助けてくれてありがと」

名桐「・・・こんな子供まで連れてくるとは、何を考えている」

河崎「何か思うところあるの？」

名桐「やかましい・・・とにかく、貴様ら一緒に来てもらうぞ」

河崎「えぇ、今頃うちの隊長とも話がついてるでしょう、ほら、行くよ」

玲司「はい」

亜希「・・・はい」

河崎「いざって時使えないなんて・・・意外に甘いのね」

亜希「・・・・・・」

河崎「あの子と何があったか・・・教えてくれる？」

亜希「・・・それは・・・言えない・・・けど・・・陽斗、夏輝、冬海は、私の命の恩人だから」

名桐「早く来い、もう事は起きている」