*1 -エピローグ- 「此処にも、お前の探す物は無かったな、レンよ。」 小高い丘に立つ長身の若い女は、眼下に広がる小さな里を見下ろしながら、傍らに控える小柄な少女に向き直った。 “レン”と呼ばれた少女は、静かに目を閉じ、呟いた。 「この世界の何処かには在るのだから、それはきっと見つかる。こうして探していればね……。」 風が一陣 さあ とふいて、木々の葉がそよいだ。 [[小説置き場>小説置き場]] [[次へ>2]]